地下鉄・バスの民営化について

記者1:市長、市議会で地下鉄、バスの民営化の手続き条例が可決されましたけども、どう受け止めていますか。

橋下徹氏(以下、橋下):ある種自民党のアリバイづくりなのかもわからないですけどね。ただ、僕が市長やめた後も地下鉄の民営化が進むのはいいと思ってますから、こういう形で1ミリでも前に進んだということであれば、何も動かないよりかはましなんじゃないでしょうかね。

今回自民も公明も席を立ったわけですからね。これをしっかり受け止めて、民営化に向けて議会が「どうすれば民営化にできるのか」っていうことを提案していく、そういう責務を負ったと思います。

まあ、アリバイに使うことだけはしてほしくないですね。とりあえず民営化に前向きだっていうような姿勢を示して、選挙対策でやったっていうのであれば、それもう有権者の裏切りになります。

彼らはこの3年間、ずっと民営化に反対してたわけですから。急に市長選挙の公約で民営化もどきの話を持ちだして、今回の条例もそのアリバイづくりで賛成したとは思いたくないので。僕の次の市長の時に、誰が市長になろうともこの民営化の話は進めてもらいたいです。

記者2:維新の党の件なんですが、Twitterでちょっと先行されてますけども、解散して政党交付金を国に返すべきではなく、そういうお考えですか?

橋下:そうです、そうです。

記者2:それは明日の臨時党大会で決議をされる?

橋下:僕は党員じゃないですから。今から党員に、そういう働きかけをしていきます。議決権を持ってる党員にね。

記者2:今晩の全体会議で?

橋下:そうですね。

記者2:明日の臨時党大会は?

橋下:出席はできません。

記者2:傍聴は?

橋下:いや、傍聴できませんよ。議決権を持つ特別党員と、委員長が許可した事務局だけですから。中には入りません。

記者2:近くには行かれるんですか?

橋下:それは考えます。

記者2:松井幹事長は、一応「傍聴したい」って独り言を仰ってるんじゃないですか。

橋下:許可下りないんじゃないですか? 僕らにはね。

政党交付金はいったん国に返すべき

記者2:政党交付金をその国に返すべきというのはどういうお考えなんですか?

橋下:いや、いったんリセットですよ。だからそれは、他党に回るから返しても意味ないって、本当これ永田町病でね。

他党はまがりなりにも、政党としてまだ成り立ってるわけですよ。自民党、民主党、公明党ね。維新の党は全く政党の体を成してないわけですから。

僕びっくりしたのがね、国にお金を戻したら他党に回ってしまう、他の政党に回ってしまうから返しても意味ないっていうのは、本当にあれ永田町の人たちなんだなと思いましたね。

これ他の政党は、まだ政党の体を成してるわけですよ。維新の党は政党の体を成してないんですから。政党交付金として税金を使う資格はないと思ってますから。

ただ、新たにみんなそれぞれ国会議員が一から見直して、新党をつくるのか、どうするのか。一から出直して、あとは有権者のみなさんに審判を受けるしかないですよ。

こんな大失態やって、それでも選挙で応援してくれるのか、そうでないのか。それは次の参議院選挙ではっきりすると思うんですけども。

それまでの間、やっぱり政党交付金っていうものはしっかりまず国にお返しして、他の政党に使ってもらってそれでいいんじゃないですか?

記者2:先日、渡辺喜美さんと対談された時、政党交付金をお返しするとか、そのあたりも話しされたんですか?

橋下:いや、政党交付金を返すべきだって話して、(元みんなの党代表)渡辺喜美さんも最初は解党に反対だったんですよ。最初はね。

当時のあさお代表は解党っていう会見をやったり、それはすごい反対だったけれども、振り返ってみたらやっぱり解党、国庫返納っていうのが一番正しい道だった。選択肢だったっていうことは渡辺喜美さんも自ら言われてました。

ああいう状況になったらいったんリセットしないと。やっぱり政党交付金って永田町病にかかってしまうと、自分たちのお金のように錯覚してしまうんですよ。

国会議員なんか、そんなの自分たちで稼いだお金でもなんでもないんですから。もう大失態であることは間違いないので、維新の党は。1回国に戻して、リセットして出直すと。

この出直しが有権者から支持を受けるかどうかは、やっぱり最後選挙でしっかり評価を受ける、審判を下される。これが政治家のプロで生きる道だと思いますよ。

維新の党の解党決議について

記者2:Twitterで「維新の党の参謀は誰だ」という、柿沢さんの批判もされてますけど、そういうコントロールができていないというのは今の認識なんでしょうか。

橋下:いや、だから……僕は個人批判はやらなかった。僕は常にそうですけど、メディアでも、いろんなコメンテーターでも失礼な発言をしてくるやつに対してはやり返しますけども、そうでない限りは基本的には個人批判はしません。

特に今井さんは何を勘違いしたのか、最初に民主党から逃げ出した時に助けを求めてきたのに、今こういう状況になって赤の他人と。もうとんでもないやつなのでね。だからそれは名前を出して、あえて批判しましたけど。

参謀役兼ね、維新の党もいないなっていうことは、10月1日くらいからちょっと刺激をするようなTwitterを出して「どういう反応になるのかな」とずっと見てたんですけども、一番素人というか、あんまりこういう問題について対応したことのない弁護士が裏に付いてるのか。

一番最悪なやり方をやってきたんで。全く物事の進め方わかってないなと思いましたね。こういう問題のときに除籍処分なんてのは最悪なんでね。

記者3:今週になって分党から解党に方針を変えられたきっかけはなんですか?

橋下:僕は分党なんて、1回も言ってないですよ。

記者3:なるほど。解党ということに。

橋下:当初からそうです。だから「ここにお金はいらないんだから戻そう」と。ただ国会議員のほうが「いろんな話がある」って言ってたんだよね。まぁ、ずっと待ってたわけですよ。火曜日までとにかく待って欲しいってことだったんだけれども、もうお金のぶんどり合戦みたいなね。

通帳を守ってるとか、そんな話ばっかりが出てきたんで、もうこれは無理だということで、もう待っても……まあ、いろんな理由があったんですけども。待つメリットはなく。

国民のみなさんに真っ先にお詫びしないと取り返しがつかなくなるということで、月曜日ちに「ちょっとこれ約束違反で申し訳ないです」っていうことで、メール流して一気にああいう形で言ったんですけどもね。

解党して国庫返納っていうのは、みんなの党の事例もありましたんで。「もうそれしかない」。初めからそう思ってました。

維新の党を1回なくして、国庫返納して、リセットしてから国民のみなさんの審判を仰ぐ。これしかないですよ。

維新の党による“橋下派”議員の除籍処分

記者3:明日の党大会ですがTwitterの書きぶりでは代理人として出席されるのかなと。

橋下:いや、党大会には入れないですけども、東京から国会議員が来たら代理としてメディアの前でそれは議論しますよ。別に党大会じゃなくても。

記者3:党大会のあとにっていう。

橋下:あとでもいいですし、どこでもいいですし。ロビーでもどこでもいいし。党大会には僕入れない。もう入れないというか、やっぱり僕らは入ったらだめなんですよね。

それは議決権を持ってるものだけが、中に入るというふうに決まりました。裁決は非常に慎重にやらなきゃいけないので。

最初は秘書が入るというような話だったんですけど、やっぱりまずいだろうということに、もう特別党員だけになったみたいです。

僕は求められればというか、国会議員が来て話しましょうよということであれば、党大会と別のところで、いつでも時間空けてでもやりますけれども。来てくれるんですかね。

いや、除籍処分は最悪の手法ですよ。あれは。だって理由はあれでしょ?「大阪の地方議員が新党参加の意向があるから除籍処分だ」って言っておきながら、大阪の地方議員、何の確認もしてないんですから。

それで「除籍処分だ」って身分を最後剥奪する。一番重い処分を下すときに聴聞の手続をやるのは当たり前なんです。

もうここが焦っちゃって、党大会の時の議決権を奪おうと思ってね。自分たちは多数をとるために、その除籍処分をやる一番稚拙なやり方ですね。一番幼稚なやり方。

普通は多数を形成していって、きちんと向こうが手続きに則って党大会開けばいいだけの話なんですよ。議決権のある党員にちゃんと信任を受ければいいわけで、ちゃんと規約にも書いてるんですよ。ちゃんと特別党員の増やし方が。

僕はそれをやってくるのかなと思ってたんですけども、ああいう除籍処分という一番最悪なやり方で、維新の党の永田町組は自滅してしまったなと思います。

まあ、これは朝日新聞や毎日新聞の社説の通り。あれは僕も反省しなきゃいけないし、1回出直ししなきゃいけないし。

僕らのこういう立場は、有権者から審判を受ける立場ですから。リセットして次の選挙で許してもらえるのかどうなのか。それも選挙だと思いますよ。

11月のダブル選への影響

記者4:今現在、両者が批判を応酬してるような形になってますけども、これが来月の市長選、知事選にどのように影響すると思われますか。

橋下:これは正直わからないですね。

今日も全体会議でそれを伝えますけれども、国政政党大阪維新の会というものをしっかり立ち上げる。それと、東京の永田町を、あんな国会議員連中ぐらいに言われっぱなしで終わってしまうような、そんな政治グループだったら、大阪の福祉とか地方分権なんかできませんよ。

大阪自民党みたいになってしまいますよ。あんなだらしのない。東京に言われたってね、「そんなのふざけんじゃない」と。

そんな不合理な東京のやり方に関してはね、しっかりこっちのほうから対抗できるような、そういう政治グループじゃないと。

そら大阪の福祉とか大阪をもう1度東京に並ぶ2極にとか、リニアモーターカーを東京、大阪繋ぐとか、北陸新幹線を大阪に引っ張ってくるとか、もうそんなの学者の口ばっかりのそういう集団になってしまうから、やっぱり僕はそれは今回大阪の有権者のみなさんにしっかり示したいなと思ったんですよ。

いろんな議論ありました。「こんなすったもんだすることは、選挙にマイナスだ」という意見もありました。でも、いろいろ執行部や関係者と、かなりいろんなパターンというか、いろんな事後のシミュレーションというか、そういうものをしながら、僕は最後、東京に言われっぱなしで終わるっていうのはね。

これはいったんそういうふうになってしまったら、いくら大阪維新の会だとか、東京一極集中の是正だとか言ったって、もう口だけ集団になってしまうから。

これは絶対に「東京のあんな連中に、言われっぱなしじゃ済まさない」というところは見せようと。

あとはもう、大阪の府民のみなさん、市民のみなさんが僕のこういう姿勢とかスタイルをどう評価してくれるかは選挙で審判が下ると思います。

吉村さんが今、自民党から民主党から共産党から、全政党敵に回して競ってるっていうのは、本当吉村さんよく頑張ってくれて。今回のこの一連の騒動がマイナスになるのかプラスになるのか。

僕は最後、大阪のみなさんは僕が何をやろうとしてたのか、それは「東京に言われっぱなしでいいのか」と、東京に言われて、不合理なこと言われたらやり返すっていう。

僕はそういうことのほうを応援してくれると信じてます。永田町のあんなへなちょこな国会議員30名くらいにやられてたら、東京の一極集中を是正とか地方分権とかそんなのできませんよ。

記者5:その主張はわかるんですけど、ただ1個のやり方として通常どっちか守るですとか、奪い合うですとか、なかなか印象が悪いところは、やっぱり影響しかねないですよね?

橋下:それは印象悪くしてるのは朝日新聞の報じ方ですよ。別に奪い合うなんてしてないわけだから。

記者5:いや、事実関係を書いてるだけですから。

橋下:いや、全然違いますよ。奪い合いなんて。国のお金を返すために適正に管理をしなきゃいけないじゃないですか? 銀行は警備員いてるの、あれは奪い合いなんですか? 強盗と奪い合いなの?

記者5:まあどっちかが求めて、それを返さないってやりとりをしてるって書いて。

橋下:うん、だからそしたら何か、通帳か何か銀行に見知らぬものが入ってきて「預金通帳貸してくれ、印鑑貸してくれ」って言ったら、その銀行は全部渡さなきゃいけないんですね。朝日新聞の典型的な憲法9条論と一緒ですけどね。

そんなの警備するの当たり前じゃないですか。それは適正管理なんですから。奪い合いでもなんでもないですよ。それは向こうは向こうの主張でやってくるけども、こちらはこちらの主張で無理ですよと。

記者5:そういうやり取りが起きてることが、その印象を下げることにつながるんじゃないですか?

橋下:銀行に警備員を置いたってことで、それが悪い印象だっていう主張なんでしょ?

記者5:いや……口頭でそこまでのやり方してるところ、なかなかないですので。

橋下:それは口頭であろうがなんであろうが(関係ない)。じゃあ、朝日新聞も警備員つけてないの?

記者5:それは全然関係ないことですよ。

橋下:そんなん自分のところだけ警備員もうけてがっちりガードして、誰かが面会に行ったら全部チェックされるんじゃないですか? その面会申し入れかなんかで。そんなん当たり前じゃないですか。みんなで警備するなんて当たり前じゃないですか。

ダブル選の費用とおおさか維新の会の借金

記者6:国庫返納の時に支払った上でっていうのは、やっぱり借金については当然その中で払うべきという?

橋下:借金はないですよ。

記者6:そうなんですか。

橋下:これは当たり前じゃないですか。おおさか維新の会は、維新の党のほうからもすぐ確認してきたわけですよ。

大阪都構想の関連の費用を、これどっちの名義になってるんだろう。これ維新の党の名義に決まってるじゃないですか。

だから債権者は、きちっと維新の党に対して請求できるんですよ。そういう債権者の人達の支払は、これはちゃんと守りますっていうのは当たり前であって、精算するときにはきちんと債権、それを支払に応じて精算するって当たり前のことなんでね。

おおさか維新の会が何か借金をしてて、困って一生懸命政党交付金を貰おうなんて思っていません。おおさか維新の会は、今回のダブル選挙のお金も政党交付金なんか頼らずにできますんでね。そんなお金のかかる選挙やりませんから。

維新の党の永田町病の人たちは、本当に永田町の感覚で考えてるから、今回のダブル選挙、大阪府知事選挙、大阪市長選挙なんて、多分永田町の感覚だと億超えるだろうと思ってますし。

僕は大阪市長選挙の時には自前で200万でやってるわけですから。全体でも、これ何百万か知りませんけど、その前に大阪維新の会の事務所で、僕と知事合わせて1,000万もいってないでしょ。僕が200万か300万くらい、そのままにしてますからね。

だから永田町病の人たちは本当どうしようもない。この大阪府知事選挙、大阪市長選挙でね、橋下たちは金に困ってるとか、焦ってるとか、もうそういう感覚で、いろいろ向こうも情報管理もずさんだったので、向こうが出してる文章もどんどん僕のとこに入ってきてましたけども、「完全に勘違いしてるな」と思いましたね。

おおさか維新の会が特別な借金をして、特に大阪都構想の住民投票の関連費用で借金をやってて、この支払に困ってるからお金が欲しいんなんて一切ありません。名義は維新の党でちゃんとやってますから、何にも問題もないです。

だから今回の政党交付金について払うべきものはしっかり払って、残りはきちっとお返しする。これもなんの問題もないんですけどね。

記者6:あと維新の党から離党者が相次いでますけれども、これは本人が希望すれば新党のほうに入ってもらうのは。

橋下:それは松井知事やおおさか維新の会のいろんなメンバーが判断するんじゃないですか? それは一緒にやってけるのかどうなのかね。もう、えらい目に合いましたから、この政党つくることに関しても。

朝日や毎日や読売も理想論ばっかり言って、こんな離合集散繰り返してどうするんだって言いますけど、そんなら1回政党つくってみろっていうんですよ。

これはもう、政治家なんていうのは受かりたい一心ですから、選挙に通るためだったらなんでもやりますんでね。

だから、今回の幹事長と名乗る、今井という男ですよ。4年前、民主党からもう真っ先に逃げ込んできたのに、こういう自体になって、あっという間に赤の他人呼ばわりするわけですよ。

だから、そういうことにならないように、僕らもいろいろ経験しましたんで。おおさか維新の会のメンバーが本当にやっていける仲間なのかどうなのか、そういうメンバーなのかどうか、それをきちっと見るんじゃないでしょうか。

制作協力:VoXT