お客さんをみんなでシェアしたい

西野亮廣(以下、西野):僕、村とか作りたいんですよね。結構マジで作りたいんです。難しいこと言っちゃうと、例えば独演会って1人でトークライブするんですよ。日比谷公会堂っていうところで毎年やってるんですけど、2000人集めて1人でトークライブをするんですよ。

それは土曜日なんで5時から7時までばーってやって、7時に解散してお客さんが近くの居酒屋とかに流れるんですよ。それで居酒屋で独演会のチケットと時間以上のものを払ってるんですよ。これなんだ? と思って。

お笑い芸人はお笑いライブだけでは生きれない、みたいなことがまかり通っちゃってて。でもお笑いで集めたエネルギーを居酒屋に流してるじゃないですか。居酒屋のエラいおっさんが僕のところに来て、「ありがとうございました。ごちそうさまでした」って言うたらいいですよ。

でも言わないじゃないですか。僕が必死で集めた2000人っていうエネルギーを居酒屋に流して、どうぞどうぞって言って、それで翌年もまたゼロからお客さんを。2000人のライブやってるんですよ。来年は4000人。来てくださいね。この後チケット売るんで、絶対来てくださいね。

(会場笑)

毎年ゼロから2000人集めて、それで居酒屋に流して、近くのカラオケ屋さんに流して、いろいろしているうちに、あれ? なんでこのお客さんをリリースしちゃってるんだろう? ってすごく思って。それだったら自分で、同じタイミングで僕の友達のお店が「お客さんどうやって呼んだらいいんだ」と悩んでるお店とかがあって。

だったら独演会のチケットの半券を持って行ったら、この店ビール1杯無料ですよってアナウンスしてあげるだけで、お客さんはそっちに流れるわけじゃないですか。それはビールをタダで飲みたいっていうんじゃなくて、そっちに行ったら同じ趣味を持っている人が集まるっていう保証があるから。

だからそういうお客さんをみんなそっちに流してあげて、みんな友達が欲しいし、繋がりが欲しいし。じゃあみんな飲み屋で集まって、そこの店員さんはみんな超オシャレな服着てて、「その服どこで売ってるんですか?」「この服はあっちで売ってるよ。あっち行ってみな」って言って、お客さんを服屋さんに流して。

服屋さんはすごいイケてる髪型してて、「どこでやってるんですか?」って聞いたら、「あっちの床屋だよ」ってまた流してあげて、ぐるぐるって回ってきて最終的に、「今度西野の独演会があるから、もしよかったら行ってあげて」って言って、こっちに戻ってきて。要はお客さんをみんなでシェアしている状態。リリースしなくて、みんなで回している状態を作ったら。

ゼロから2000人を呼ぶっていう苦労を僕毎年しているので、やっぱりすっげえ大変なんですよ。それをちょっと軽減できるかなあと思って。これをやろうと思ったら町を作るしかないと思ったのが、入り口の理由としてはそうなんです。

お客さんをリリースせずに、ディズニーランドみたいなことですよね。お客さんをみんなで一緒になってシェアしちゃって、そしたらちっちゃなコミュニティですけど、そこに居る人はちょっとずつ助かるんじゃないかなっていう理由で、僕は町を作りたいと思ったんです。

歩かなきゃもったいない町を作りたい

西野:入り口の理由はそうだったと思ってたんですけど、それっぽいことを今しゃべったんですけど、こんなことじゃなくてですね、最近気づいたのは、僕こっちじゃなかったです。単純に農作業したいと思ったんです。要は畑耕して、頑張った分が面積で見えるっていうのが。例えば、お笑いってわかんないじゃないですか。笑わせた量とか感動指数が出ないじゃないですか。

例えば、町を作ったら今日1日朝から夜まで働いて、畑を耕してアスファルトを敷いたら、こんだけ俺やったっていう頑張った感が目に見えるのって、面積で見えるって僕経験したことがないので、結構理屈うんぬんじゃなくて、最近そっちをやりたかったんだって思って。

だから畑耕したいみたいな、急にそっちになっちゃったんですよ。それで、さっきの入り口の話なんですけど、僕はお笑いとアートを繋げてやってるんですけど、3つ目は町だと思ってて。

それでこうしたら、お笑い芸人が町を作るってすごい遠いから、まあまあでかい三角形ができるんですよ。今こっち(町)になっちゃってるんですよね。町作りたいんですよ。通貨も作りたいです。

あと話戻るんですけど、本当に交通事故をなくしたくて。交通事故をなくそうと思ったら、どうしたらいいんだろうって思ったときに、まず車をなくせばいいんだって思って……。交通事故をなくそうって思ったときに、単純な話、車をなくせばいいんだ。でも車は便利だからみんな乗るじゃないですか。どうしたらいいのかなって考えたときに、じゃあ車に乗ったら損だぞっていう町を作っちゃえばいいんだ。

小谷真理(以下、小谷):ほうほうほう。

西野:今、東京とかいろんなところでみんな遠くだから車に乗る。要は移動時間をなるべく短縮したい。だけど例えばイタリアのベネチアなんかは、もちろん単純に車が乗り入れられないんですけど、狭いし水路と橋がめっちゃあるから階段でのぼらなきゃいけない。ベネチアは車が走ってないんですけど。

ベネチアもそうだし、ディズニーランドやディズニーシーもそうか。あそこって車に乗ったらもったいないじゃないですか。つまり車に乗ったら見えない景色が多すぎるから、歩かなきゃもったいないからみんな歩く。歩かなきゃもったいない町を作っちゃえば、そもそも車なんかいらないから交通事故なんかなくなるなって思って。

まず交通事故ゼロの町を作るためにはどうしたらいいのかって考えたら、景観が超楽しくなきゃといけないと思う。路地とか敷きつめている石畳だとか、街路とか街路樹だとか、建物とかが超楽しくないと、みんな車乗るなと思って。交通事故をなくす方法っていうのは、むっちゃ楽しい町を作ることだと思ったの。それをやりたいの。

独演会に4000人のお客さんを呼びたい

西野:お知らせみたいなのは別にないっすよね。小谷さんからはあるんですか?

小谷:年末フェスやっててて。(西野に対して)あ、ちょっといける?

西野:ちゃうちゃうちゃう(笑)。俺が先輩だから。「代わりに話していただけますか」やろ。それを「ちょっといける?」じゃないよ(笑)。

(会場笑)

西野:そのセリフすげえ間違ってるよ。「ごめんごめん」じゃないよ。俺、先輩やで。「ちょっといける?」って(笑)「僕、説明が苦手なんで西野さん代わりに話していただけますか」っていうことやろ?

小谷:あ、いける?

(会場笑)

西野:ハハハハハハ。ごめんなさいねこいつ。あのフェスあるじゃないですか。音楽フェスっていろんなところであると思うんですけど、音楽祭はお客さんを呼ばないといけないから、集客力がある人とか知名度のある人とかを集めていくってなったときに、どの音楽フェスも大体同じメンツになっていくようになって。

それはそれで素晴らしいし楽しいんですけど、そうじゃないフェスがあってもいいんじゃないかって言って。なんか新宿のゴールデン街とか行ったら、流しのいい奴がいるんですよ。

でも楽器の編成上、例えば5、6人にしか伝わらないような楽器だったりして。それでそういう人たちが見つかったほうがいいよねってなって。

こいつ(小谷)は天才万博っていうフェスの主催者なんですけども。天才万博ってどういうことかって言ったら、主催者が1年間かけてチケットを全部手売りしてるから、その代わりに知名度とか集客力とか関係なしに天才しか呼ばないぞっていうフェスをやってるんですよ。それが今年の年末もあるのね。

小谷:そうです。

西野:去年もあったんですよ。すごい盛り上がって。だからお客さんも誰が出るかわかってないんですよ。今年も結果的に結構な人が出るんですけど、お客さんは誰が出るかわかんないけど、とにかく天才しか呼ばないっていうフェスが今年の何日?

小谷:えーと、12月29日と30日。

西野:にあるんで、チケットは小谷さんが主催者なので、この後でもお声がけいただけたら。よろしくお願いします。

小谷:買ってください。よろしくお願いします。

西野:僕からのお知らせも1つだけ。僕は本当に西野亮廣独演会っていうトークライブをずっと毎年やってて、去年2000人でやって、今年も2000人でもう終わったんですけど、そんな人気ないくせに来年は4000人なんですよ。もうやばいんですよ。

小谷:倍にしました? すごいな。

西野:倍にしちゃったんですよ。俺、超嫌われてるんですよ本当に。知ってますか? 町でキングコングの西野さんですよねって声かけられたから「あーどうもどうも」って手を出したら、「あ、大丈夫です」って言われたんですよ。

(会場笑)

西野:声かけられて振られるっていうね。超嫌われてるんですけど、来年もやるっていうことになっちゃって、それのチケットを僕持ってますんで、8月の12日から19日まで全10公演ですかね。チケットは2000円なんで。このあと、手売りチケットを持って歩いてるんで、ここにいる人は全員来てくださいね。

2時間も喋ればだいたい顔を覚えたし、あ、こいつ来なかったなっていうのを、「お前何で来なかったんだ」っていうのを言いますから。もうマジで顔を覚えたから。もう本当にネチネチいくから。全員チケット買ってください。

というわけで、以上ソクラテスカフェでした。このあと6時からあっちのでかいテントのほうで飲んでますから、お声がけください。長々とお付き合いいただきまして、すいません。ホームレス小谷さんでした。どうも、西野でございました。ありがとうございました。最後まで楽しんでください。

(会場拍手)