キンコン西野「信用は現金化できる」 ホームレス芸人・小谷がお金に困らない理由を分析

ソクラテスカフェ:西野亮廣(芸人) #2/5

TOKYO DESIGN WEEK 2015
に開催
東京デザインウィーク2015の中で行われたトークイベント「ソクラテスカフェ」にお笑い芸人・キングコングの西野亮廣(キンコン西野)が登壇。ホームレス芸人・小谷真理をゲストに呼び、「お金とは何か?」について語っていきます。1日50円で自分を雇える事業を行う小谷。事業収益は1日50円にもかからわず、お金や食べ物には困っていないと言います。さらに、ホームレスになってから結婚をしており、結婚式費用170万円をクラウドファンディングで集めたという仰天エピソードも。無名の芸人で、ホームレスにもかかわらず、なぜ小谷はお金に困らないのか? 西野はお金がまわる理由は「信用」と「恩の力」だと分析しました。

お金とは結局何なのか?

西野亮廣(以下、西野):僕、お金って本当に興味なかったんですよ。今35歳で、35歳まで一切興味なかったんですけど、こないだ「お金ってなんやろう?」って思うことがあったんですよ。

お金。わからないですけど、すごい儲けてる人でも自殺したりする人もいたりするじゃないですか? でもすっげー貧乏でもむっちゃ楽しそうな奴いるじゃないですか?

……小谷、お前ちょっと来て!

小谷真理(以下、小谷):はい。

西野:多分ちょいちょい、お前の話出てくると思うわ。正座してここで(笑)。

(会場笑)

西野:正座してて、ずっと、前向いて(笑)。

小谷:足しびれるわー!(笑)

(会場笑)

小谷:俺苦手やねん、正座! ものすごいしんどいわもう!

西野:なんやて? 4回くらい噛んだで、今!

(会場笑)

お金に困らないホームレス芸人・小谷

西野:こいつ知らない方どれくらいいらっしゃいます? まあまあ、(会場に)ちらほらいらっしゃいますよね。こいつ今、ホームレスなんですよ。完全な乞食で。

小谷:(笑)。

(会場笑)

西野:本当に人間の下の下の、一番下の存在ですよね。こいつね、ホームレスなんですよ。経緯を言うと、10年間くらいお笑いやってて。売れなかったから「じゃあお前ホームレスなったら売れるんじゃね?」みたいなこと言ったら、ほんまにホームレスになって売れちゃって。ホームレスになって何年くらいですか?

小谷:もう3年くらいです。

西野:3年くらいやって、いい暮らししてブクブク20キロ太っちゃって。そのからくりは今度どっかで言いますけど、とにかくこいつ、ホームレスのくせに超幸せ。結婚もして、かわいい嫁もつかまえて。「これなんやろう?」って。

こいつお金持ってないじゃないですか? 「これなんやろう?」って。お金って結局何なのって。持ってたら幸せっていうものでもないんだって。これをすっげー考えた。この1週間くらい。

1週間って、僕にしたら結構頑張ったほうなんですよ。お金のことを1週間考えるって(笑)。

「お金ってなんやろう?」と思ったんですよ。もともと起源をさかのぼれば、たとえば全員分業制で生きてるじゃないですか? 地球人。

「僕は自転車屋するから、あなたは八百屋さんやって」みたいな感じで、分業制で生きてるところからスタートして。今もそうですけど。

じゃあ自転車屋の僕が八百屋さんのとこいって、「野菜ください」といったときに、これで物々交換ができたらいいんですけど、でも八百屋さんからしたら「今自転車いらんぞ。こないだもらったし、自転車そんないらんぞ」ってなるじゃないですか?

八百屋さんは「今自転車よりも、文房具のほうが欲しいんだよね」ってなったときに、物々交換がうまいこといかないから、だから1回何か別のものにしようっていって、「お金」っていうものがポンて出てきたんです。要は生活していくためにはお金がないと具合悪いんですよね。

でも考えてみたら、ご近所さん周りでお隣さんの家がすごい散らかってて、家の前が落ち葉とかいっぱい散らかってて、それを掃除してあげたら……。

僕田舎出身なんでそういうこと経験あるんですけど、してあげたら翌日とか、「昨日ありがとうね」っていって、「肉じゃが作りすぎたからどうぞ」みたいな、こうやって持ってこられるんですよ。それで「あ、どうも!」っていって僕は肉じゃが食べられるんですよ。

この瞬間ってお金発生してないじゃないですか? タダで肉じゃが食べられる。お母さんへ母の日にカーネーションをプレゼントするときも、あれ、売らないじゃないですか? あげちゃうじゃないですか。

「これ何かな?」って思ったときに、結局ちっちゃいコミュニティになったときにお金はいらなくなって、“恩”で回るなと思って。

お隣さんは恩で回ってたし、家族内は恩で回ったし、ここに全然お金いらない。でも大きいコミュニティになったときに、お金がすごい必要になってくる。

「あ、こういうことだ」と思って。

“恩”で人生を回せればお金はいらない

こいつ(小谷)を説明しますね。

小谷:はい(笑)。

西野:(会場のみなさんに)こいつを説明しますと、こいつTwitter、SNSホームレスなんですよ。今超おもしろいのが、SNSでいろいろと距離感バカになっちゃったから。

たとえば北海道にいようが沖縄にいようが、ノンスタイルの井上(裕介)が「おはよう」ってつぶやいたら「起きるな」って返すことできるじゃないですか?

(会場笑)

西野:直接打撃を与えることができる。「あ、これ1億総お隣さん時代にいったな」と思って。誰でもお隣さん。誰でもお隣さんになれるっていう時代に今突入したなと思って、そこにつけ込んだのがこの乞食なんですけど。

小谷:(笑)。

西野:だから、お前みんな家族なんだよね。

小谷:みんな家族です。

西野:みんな家族なんだよね。小谷っていうのは、“恩”で人生回してるよね。

小谷:(頷く)

西野:そうだよね、お金いらないもんね。

小谷:そうですね。

西野:お金いらないやついるんですよ、この時代にお金なくても生きていけるっていうのができてて、「なんだろう? このお金って」と。

1日50円で仕事を引き受けている

西野:知らない方に説明すると、小谷がすごくおもしろいのが、今ホームレスであって、BASEっていうサイトで30秒でネットショップ作れるっていうサイトあるんですけど。

そのBASEっていうサイトでホームレスのくせに自分で店を出して。ホームレスだから売るものがないから、じゃあ何売る? ってなったときに自分を売ったんですよ。人身売買ですよね、自分人身売買(笑)。

小谷:(笑)。

西野:自分人身売買だったんですよ、1日に何でもしますって。なんでも屋さんで草むしりだってするし、皆さんももしよかったら利用していただいていいです。

小谷:買ってください。

西野:引越しの手伝いだってするし、何でもするんですけど、そのときに1日働かせようと思ったら8千円とか1万円とか取るじゃないですか? 丸1日だったら。小谷っていうのはBASEっていうサイトで……あれなんていう店やったっけ?

小谷:株式会社住所不定。

西野:「株式会社住所不定」っていう店で、小谷1日、最初オープン記念セールで100円。オープン記念セール1ヶ月終わってから、50円になったんですけど。

小谷:(笑)。

(会場笑)

西野:ちょっと安くなりまして。通常の値段の方が安かった、最初1ヶ月間ぼったくってた(笑)。今、50円でこいつ売ってるんですけど、なんでも50円なんですよ。

おもしろいのが、草むしりを1日50円でやるんですよ。朝から昼までずっとこうやって一生懸命草むしるんですけど、50円ていったらクオリティ低いですよ。でも文句言えないですよ、50円だから。

(会場笑)

結婚式費用170万円をクラウドファンディングで集めた

西野:でもこいつなりに一生懸命、さぼりながらやるんですよ。50円で人働かせてたら、昼くらいになったらさすがに大人の人を50円で働かせたら申し訳ないなと思って、買った人は最初まず昼ご飯出すんです。昼ご飯をごちそうするんですよ。

で、小谷はアホやから「おかわり!」とかいうて、ご飯をいっぱい食べて、昼からまた働き出して、夜まで一生懸命草むしるんですよ。

そしたら、50円で朝から晩まで働かしたらそりゃ申し訳ないっていうことで、買った人が次、夜ご飯もごちそうするんですよ。

昼夜一緒にご飯食べてたら超仲良くなっちゃって、「このあと飲みにいくか」って飲み代も払ってもらうんですよ。最初50円で買ってるんですけど、買った人って結局小谷に結構お金出してるんですよね。しかもむっちゃ感謝されてるんですよね。むっちゃ感謝されてて。

それでちょっとこないだ、2年くらい前ですけどこいつ結婚して。結婚するときにクラウドファンディング、ネット上でこんなことやりますよって言ってプレゼンして、一般の方から資金を募るみたいな、クラウドファンディングで結婚資金を募ったんですよ、

浅草の花やしきを貸し切って、あれいくら? 150万円やったかな?

小谷:150万円くらい。

西野:150万円くらい募集したんやな、目標設定金額。150万円集めますっていって、一口4000円。「4000円入れてくれたら結婚式に参加できますよ」みたいなリターンを作ったら……。

これを集める期間が、確かたったの3週間くらいしかなかったんですけど、3週間でブワーッて集まって、みんな4000円を小谷に出したんですよ。

これ誰がやったかって言ったら、これまで小谷のことを50円で買ってた人が、「そりゃ小谷君が結婚するんやったら4000円くらい出すよ」って言ってみんな出したんですよ。で、結果、いくら集まった?

小谷:170万くらい。

西野:170万くらい集まったんですよ。3週間ですよ。首から募金箱をぶらさげたから、そこからプラス50万くらい集まって、220万を3週間で集めたんですよ、こいつ。乞食のくせに。

小谷:(笑)。

西野:それでお金が100万円くらい余ったから、結局フィリピンに100万円くらい寄付したんだよね。

小谷:そうです、はい。

信用は現金化できる

西野:これはおもしろいなと思って。全然お金いらないんですけど、こいつって何か知らず知らずのうちにこの(図でいう)クレジットがでかくなってるんですよね。

だからすげー信用されてるんですよ。現金化するときに……クラウドファンディング何回やった?

小谷:4回。

西野:4回やって4回成功してるんですよ。すごいなと思って、4分の4で。すごい有名人とかだったらわかりますよ、超有名人で、EXILEかなんかだったらわかりますけど、乞食がクラウドファンディング4回やって、4分の4てすげーなと思って。

(会場笑)

西野:「こいつ、金持ちなんだ」と思ったんですよ。要は、金持ちっていうかいつでも現金化できる。要は「信用持ち」ですね。信用って、その気になりゃ土壇場でお金にできるから、「だからこいつって人生うまく回ってるんだな」と思って。

お金がない人とかすごい困ってる人っていうのは、信用がないんだなっていうのを、最近思って。だから小谷ってこんな幸せそうなんだって。

やってるのはやっぱり、カルマキッチン(注:次の客の飲食代を好きな金額で支払う飲食店)の話じゃないですけど、小谷にとにかく与えてるんですよ。毎日朝から晩まで。だって超ブラック企業やもんな、お前。自分で社員1人の社長やりながら(笑)。

社長が社員の超ブラック企業。だって1日働いて50円なのにむっちゃ働いてるもんね。

小谷:そうですね、買われまくってます。

西野:買われまくって、だからすげー信用されてるから、こいつって。だから幸せなんやなと思ったんです。

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