丸山弁護士と「表現の自由」について語り合う

村西とおる氏(以下、村西):続きまして、国会議員の先生をお迎えしております。また法律のスペシャリストでもいらっしゃいます。皆さま、よくご存知だと思いますが。丸山先生です。拍手でお迎えください。

(会場拍手)

村西:先生本日は本当にありがとうございます。

丸山和也氏(以下、丸山):新宿の歌舞伎町で職務質問された、丸山和也でございます。

(会場笑)

村西:先生も若い頃は職質を結構受けていたという。

丸山:結構ということもないけど、3、4回ですね。

村西:そうですか。それから弁護士の先生になられて、今日は国会議員というね。この間も安保法制のときは大活躍なさっていたのをテレビで拝見いたしましたけれども。

丸山:あれはね、活躍してないんですよ。最後の盛り上がり、あそこテレビ入るだろうと思ってね、後ろにちょっと行ってみただけなんですよ。ずいぶん活躍してるように見えるんですねえ。テレビっていい加減なもんですよ。

(会場笑)

村西:先生に本日来ていただいたのは、過去の話になっちゃうんですけど、「表現の自由」みたいな世界でね。たまたま私は先生とこういうお話をさせていただくに至ったのは、ビートたけしさんの番組がありまして、その番組で先生と共演させていただきましてね。

そのときに「表現の自由」についてのお話を。詳しくは、テレビの限界があってできなかったんで。何かの機会があればお話できればいいねということで、今日こういう機会を設けさせていただいた次第でございますけれど。

先生はそちらのほうのスペシャリストでございます。先生、私たちのAV業界についてのご相談をさせていただいてもよろしいでしょうか。

丸山:ええ。

AVの修正をどう思うか

村西:表現の自由ということでいろいろとあるんですけれど。先生、端的にどうなんでしょうか? 修正問題というのは。恥部を見せる見せないの世界があるんですけど、これはどういうふうにご理解を?

丸山:あれはより、卑猥な感じにするために修正かけてるんじゃないですか?

(会場笑)

村西:そういう人たちもいますよね。

丸山:そう思いますねえ。ただ見るんじゃおもしろくないから、卑猥な感じでね。創造力鍛えてね。その一方では無修正のがあるっていう、そういう現実じゃないですか。つまらんことやってると思いますけどね、モザイク修正。

村西:そうですね、修正に助けられているような女優さんもいるんですね。修正が入らないと、とてもじゃないがスターになれない、人気が出ない、修正に救われているということもあるんですが。

でも現実的にはどうなんでしょう? もうそろそろ日本はああいうものを、無修正で皆様にご案内するというようなことがあってしかるべき。もう許容する法をね。どんどん無修正で出して。

丸山:というよりね、修正かけると目に悪いですよ。チラチラするじゃないですか。

(会場笑)

丸山:健康促進という意味では、福祉に反しますよ。本当ですよ。最近目が悪いのは修正のせいですかね。

村西:先生、ぜひ期待したいのは、修正っていうのをないようにね。それで摘発されるっていうことがないような法改正をしていただきたいと思うんですが。それはどうでしょう?

丸山:良いですね。というのは私もアメリカに6年住んでたでしょ。それから外国にも行ったし、よく見ましたよ。修正なんかないんです。だから日本に帰ってきてチラッチラして目に悪いですよ。そういう意味でね、健康にも悪いですし、健康長寿社会日本を目指しているんであれば、ああいう観点からのアレはおかしいですよ。

村西:ですよね。だからそういうふうに猥褻、といった規則を単純に設けるのは良くないと思うのです。

本音と建前の日本文化

丸山:僕が思うのはやっぱり、本音と建前みたいな社会が日本にあるでしょ? それって本当のところは、ストレートに表現しないところを、文化としているところが日本はありますよね。発言しても本当のところは発言しないで、適当なところでぼかしてしまうと。

「これが日本の良いところなんだ、奥ゆかしさなんだ」みたいなですね。だから昔から「とんでもない」っていう人もいたし、「それは当然だ、今だってぼかすべきだ」っていう人もいたし、いろいろあるんだけれども。監督がおっしゃるように、私個人の意見ですとあれは全く必要ないし、健康に悪いと思います。

(会場笑)

丸山:精神的にも悪いし。今なんてテレビ映ったときにぼかしたりするじゃないですか。だから近くにいったら見えるのかなーと思っても、やっぱり見えないですね。

村西:重要だと思うのは、「表現する」という自由について、ああいうものを「見せる」ということの自由、「見せない」ということの自由、そうした権利ってあってしかるべきだと思うんです。

特にエロスの場合も、エロティシズムとは、その究極のところに「生と死」というものがありますよね。その生というものの希望と死というものの絶望という、その心の揺らぎがエロティシズムの極限なんです。そうしたエロスを追いかけていく映像表現のひとつがアダルトビデオの世界です。

アダルトビデオというふうに一括りにするんですけど、これはやっぱり人間のエロティシズム、生と死という、心の揺らぎというものを究極的に、描いている世界があるわけです。そうした存在意義を認めてしかるべきだと。

これによってね、日本はとんでもない大損をしているんですよ。海外のサイトにはカリビアンという無修正のサイトがあるんですが、ここの売り上げは年間1千億円くらいあります。これはね、もともとは日本人のグループのものでしたが、中国系のグループに渡ってしまったんです。

それでキプロスあたりに会社を設けてる。全部キプロスにいってるんですよ、そのお金が。日本では税金を払わないで済むわけ。この間捕まっちゃいましたけど、FC2なんてのもね、全部海外で会社を運営していたんですが。

そうすると税金が日本に落ちないんですよ。AVっていうのは1兆円産業って言われていますけど。

丸山:1兆円ね。

なぜ海外の無修正サイトは摘発されないのか

村西:こういうふうに多くの部分が、海外に企業を設けて海外にサイトを設けている脱法集団のものになっちゃってるんです。とんでもなく、税金の大損失なんです。だから日本の国のために、そういうものを日本の中で許していくべきでしょう。18歳以下は絶対に見られないようなかたちにしつつね。

海外のものは何故摘発されないのか。VISAカードやMasterCardで決済しているのを何故共同正犯で捕まえられないのか。「海外は関係ない」という日本の警察当局の判断が曖昧模糊とした事態を招いているんです。中途半端なことやっているんですよ。

丸山:日本はね、中途半端を是とするような国なんですよね。

村西:先生、そんなことおっしゃってよろしいんでしょうか(笑)。

丸山:現実がそうなんですね。すべてが中途半端。中途半端な人じゃないと偉くなれない。だから監督みたいにキッツキツにチェックしてると偉くなれない。やっぱりね、中途半端な人ですよ。今度の組閣見てくださいよ。ほとんど中途半端な人。

(会場笑)

丸山:ある意味、突き詰めた人がおらんのですよ。先ほどの、「生と死の揺らぎだ」っていうのね、まさに僕もそう思うんですよ。生と死。だから生と死を真剣に見つめてたら、あんなぼかしなんて入れられないですよ。冒涜ですよ、本当に。

完全に真剣さに欠けてますよね。その真剣さに欠けたぬるま湯的なところを良しとするような悪い日本、慣行というか文化がありますね。だから常にそれと戦う人は異端児になったり変わり者になったり、きちがいになったりするんですよ。

それで弱い人は負けちゃって、自殺してしまったりするんですよね。物事を見つめるっていうことは常に戦いですよね。だからエロスの、アダルトビデオつくるっていうのは、本当に僕はある意味で真剣勝負だと思いますよ。違いますか?

村西:おっしゃる通りですね。だから、日本の特技が海外にどんどん垂れ流れてるっていうのをいつまでも見過ごすことがないように、日本の中で無修正サイトがまともに商売できるようにして、税金をきちっととっていけるような、法改正をすべきですよね。

丸山:そうですね、いろいろ教えてくださいよ。

村西:はい、お願いします。先生頑張ってくださるそうですから、皆さん拍手を。

(会場拍手)

エロスは芸術

丸山:今あまり真剣に考えないで言いましたけど、確かに一理あると思うので。どこまでできるかわからないけれど。

村西:いや、先生。

丸山:いや、これをね、「必ずやりますんで!」って言ったらだいたい偽物ですから。そんなに簡単にいかないふうに決まってるんですよ。場合によっては、逮捕されるかもわからない。だけど、それくらいの値打ちはある。

特にセックスとか性っていうのはね。エロスというのは、芸術です。基本的に芸術というものに、まやかしとか、いい加減に「まあまあ」ってやれっていうのは冒涜だし、「芸術」になり得ないんじゃないですか。イカサマですよね。だからアダルトビデオも真剣にやってほしいと思います。

村西:先生これをひとつの機会に、無修正の世界を。日本でもサイトを運営できるように、ひとつご協力いただきたいです。

丸山:それでここ、レギュラーで呼んでくださいよ。

村西:わかりました。

(会場拍手)