2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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平将明(以下、平):みなさん、こんにちは。CafeStaトーク・シーズン7。司会の平将明です。今日のゲストは、みなさんご存じだと思いますが、グリーの社長であります、田中良和さんにおいで頂きました。どうぞよろしくお願いします。
田中良和(以下、田中):よろしくお願いします。
平:すみませんね、声が全然出なくて……。
田中:いえいえ。呼んでいただいて、ありがとうございます。
平:もう花粉症でして。なんでしょうね、これ。熱でも何でもないんですけど、アレグラ飲んでも全然だめで。
田中:喉に来るんですか?。
平:喉に来るんですね。最近フマキラーの、顔にシュッシュッってスプレーするやつがあるんですよ。あれをものすごい勢いでやってるんですけど。
田中:(笑)。
平:全然だめですよ。花粉症って、脳みその稼働が5割ぐらい落ちるんですよね。今日は7割ぐらい落ちていてですね。全然頭回りませんけど、今日はよろしくお願いします。
田中:よろしくお願いします。
平:急な出演依頼にも関わらずおいでいただいて、すみません。ありがとうございました。今日はですね、私ちょうど、自民党の日本経済再生本部の中に出来た、企業大国推進グループの主査というのをやっていて……。
田中:うんうん。
平:今週の金曜日までに、結構人使いの荒いことで有名な塩崎さんにですね、これを報告しなくてはいけないということで。田中社長にも来ていただいて、お話を伺いました。グリーと言えば、ゲーム業界では本当に急成長を遂げて、誰も知らない人がいない。今日の午前中に、外国の方が僕の事務所に来てましたが、グリーよく知ってるって言ってましたね。
田中:そうですか。
平:お話を聞くとですね……まあみんなベンチャーはそうですよね、良い時もあれば悪い時もある、ということだと思いますが。いろんなご苦労をされたというお話を聞いたので、ぜひですね、今日は若い人に聞いてもらって、将来何になろうかなー、会社興そうかなーって、少しでも多くの人に思ってもらえたらいいなと思ってます。それでは、軽く自己紹介などしていただけたらと思います。よろしくお願いします。
田中:わかりました。田中です、よろしくお願いします。ご存じの方も多いかと思いますけど、グリーというケータイのゲームサイトを運営している会社を経営しています。今37才なんですけど、ちょうど会社作ってから今年で10年目で……だから27、6ぐらいの時に今の会社を作りました。もともとは学生のころから、インターネットの会社で働きたいと思ってまして、一番初めにソネットというソニーの会社のインターネットの部門に入ったんです。
平:ありましたね、ソネット。
田中:はい。入れてもらったは良いんですけど、いきなり10か月ほどでやめると。
平:おー。
田中:よく話すんですけど、僕の就職活動は、IBMを筆記試験で落ちまして……。
平:はぁー北城さんの所。
田中:そうですね(笑)。リクルートを二次試験の集団面接で落ちまして。
平:集団面接で。
田中:ヤフーは当時社長の井上さんの社長面接で落ちまして。
平:(笑)。井上さんで。
田中:いろんな面接を落ちながら。
平:全然だめですね、それは。
田中:で、とある日本最大の受信会社と今のソネットに受かりまして、より自由があるかなと思って、ソネットのほうに入ったんですけど、いきなり10か月でやめると。
平:なんでやめちゃったんですか?
田中:やっぱりベンチャーのほうが自分に合うのかなと。インターネットの会社に入ったのは全然良くて、自分でも面白いと思うんですけど、入ってからベンチャーが良いなと思い直して、やめさせてほしいと。そして当時50人ぐらいの楽天に転職しまして、5年ぐらいやってたんですけど、よく家で趣味としてサイト作りもやってたんです。その時グリーっていうのを作ってまして、今の会社を立ち上げた、という経緯になりますね。
平:ちなみに今グリーというのは、売り上げとか社員の方とかどれぐらいあるんですか?
田中:社員数は全世界で2000人ぐらい。アメリカに400人ぐらいいます。あと韓国に50人ぐらいかな。売り上げは、1千億~2千億レベルのところですね。
平:でも逆に、最初就職で受かんなくてよかったんじゃないですか? あんまり居心地良いところにいたら、起業もなかったかも知れませんね。
田中:そうですね。僕もよくいろんな人に言うんですけど、つい就職活動してたら、この会社落ちたら自分の人生終わるかもしれない、と過度に思い込みがちなんですけど、いろんな会社落ちても何とかなる、ってことなので。意外と落ちたほうがいいってこともありますね。
平:大学受験して、第一希望の会社に就職してしまうとですね、いろんな経験をしてないのでしがみつこうとしますよね。私もですね、最初就職した会社10か月ぐらいでやめてますね。
田中:(笑)。奇遇ですね。
平:私飽きっぽいんです。まず同じ仕事の繰り返しが出来ないのと、人に物事習うの大っ嫌いなので。あと指示されるの嫌いなんですよね。だからやっぱり、もたなかったですね。でも日本って良い社会だなと思うのは、みんなリスク取らないんだけど、もしリスク取って大失敗しても、別に飢えて死ぬこともないし、そういう意味ではセーフティーネットが出来ていてですね。本当にこれほど大失敗しても、生きていくのに困らないって国ないですよね。
平:じゃあここで、質問に入っていきたいと思います。創業時のお話はまた後でお伺いするとして。最初の話題は、グリーは右肩上がりで来たんだけど、ここの所停滞してますね、みたいなことで。この間、日経でもインタビューに答えられてましたけど、この辺の所お伺いしたいと思います。まず急激に成長していく中で、社長の分析で何が停滞している要因があって、今後どう解決していくのか。そこの所のお話をお伺いします。
田中:2、3年前から、グローバルに展開するというのと、スマートフォンに対応していくというのと、最近はウェブブラウザーだけではなくて、ネイティブゲームという、その3つの大きな変化があって、対応しようとやっていたんですけど。3つともやろうとしたら、3つともなかなか出来なかったと。
平:なるほど。
田中:ただ実際、海外はやっと今年になってうまくいってるとか、だんだん芽は出ているんです。一気にやろうとしたけど出来なかったのが、ここ2、3年だと思ってますね。今、昔打った手が順々にうまくいき始めてるところだと思います。
平:三方向同時進行しようとしたところに、問題があったと。
田中:そうですね。同時にやらなければいけないところもあったので、本当はやり遂げられれば一番良かったなと思います。
平:一方で、時代がどっちに転ぶかわからないじゃないですか。一昔前は、丸いボールが跳ねていくイメージがあったけど、今はラグビーボールみたいに節目節目があって、このボールが右に跳ねるのか左に跳ねるのかわからない。ゲーム業界も、任天堂さんやセガさんもそうだったけでど、オリジナルの自分のゲーム機で、自分のソフトでという戦略から、急にガラケーからスマホに変わって、また急成長する土壌が出来たと思うんですけど、じゃあスマホの後はどうなるのか? そういうのはありますよね。その辺も含めて、必要な手を全部打ってきたって感じですか?
田中:打とうとはしているんですけど。打つのはいつでも出来るんですけど、実際やりきるのは難しいというテーマ、そこに苦労してますね。ですが今週、アメリカで作っているゲームがあって結構人気なんですけど、今それのヨーロッパ版というのを出してまして、それがうまくいけばアメリカで作ったゲームをヨーロッパで展開して広がる、というのもあります。
平:ちょっと話逸れるんですけど、ゲームの世界、特にパソコンやゲーム機やスマホっていうゲームの機械は、世界の中で日本の会社は強いじゃないですか。これは何か原因があるんですかね。
田中:僕も全世界でゲームを作ろうといろいろ考えたんですけど、ゲームを作れる人が大量にいる国、数万人数十万人いる国は意外と少ないなと思ってまして。
平:SEですか? プログラム。
田中:プログラムもそうですし、ゲーム自体考えられる人ってことでもあるんですけど。やっぱりゲームを作るにはプログラミングの知識もなくてはいけないし、ある程度知的な部分も必要ですし、エンターテインメントについて素養がある人が多くないと難しいんです。
エンターテインメントの素養があるってことは、生活がある程度豊かでないと難しいというとことで、日本とかアメリカとかヨーロッパの一部とかでよく作られてまして、最近は韓国中国も作ってます。日本はその数少ない中でも、大量の人間がゲームが作れる国なんで、ゲーム会社が成功したっていうのはありますね。
平:今政府や自民党の中でも、世界で通用するいわゆるクリエイティブな人材を、というテーマをよく議論するのですが、ゲームっていう複合的な要素が問われるところでは、日本では土壌もあるし先進的な技術もあるしそれを担う人材もいる。
そうすると今後日本の経済を成長させていく上で、やっぱり経団連さんとかと付き合っていると、鉄鋼自転車電気みたいになるんですけど、このコンテンツを伸ばしていかざるを得ないと思うんです。今後世界の競争の中で、日本企業としてもグローバルに展開していくと思うんですけど、何が問われると思いますか?
田中:自分が思っているのが、そもそも日本でやった方が良い事業でしか、グローバルで勝ち残っていけないなと。つい日本にいると、日本でやっていながら海外にいけるものを探しがちになってしまうと思うんですけどね。
極論かもわかりませんが、スペインに住んでいる人が「この仕事やるなら日本がいいな」と思って日本に来るぐらいの、そんなビジネスをして強みを活かしたほうがいいなと。ゲームビジネスっていうのは、日本でやったほうがいいビジネスなんですよ。そういう意味でいいなと思ってます。
平:日本は資源もありませんし、素材もエネルギー燃料も全部輸入という中で、ゲームは要は人ですよね。そこで生み出された付加価値というのは、いわゆる貿易重視の中であまり左右されないし、生み出した分そのまま丸取り出来るっていう要素もありますよね。
田中:うちの会社に来る、非日本国籍の人に何でうちの会社に来たのかと聞くと、子供のころから日本のゲームやってたんで、入りたいと思ったって人が結構いっぱいいるんですよね。当然アニメもあるんですけど今時はゲームもいっぱいあるということで。
日本でというよりも、これからは多分世界で人材競争していくわけですけど、日本で働こうが韓国で働こうが自由という中で、わざわざ能力のある人に日本で働いてもらうわけです。その時税制がいいとか悪いとかありますけど、そもそも好きっていうのが大問題としてあると思うんです。ゲームやアニメの文化で押して行って、好きになってもらうというのは、国全体で見てもいいPRだと思います。
平:確かに文化で押していくっていうのは大事ですよね。ヨーロッパの人だったかな、日本で知っている地名はどこ? と聞くと春日部って言うんですね。それはクレヨンしんちゃんがやってるからって。
田中:確かに(笑)。
平:有名なんです、春日部行ってみたいって。何にもないんですけど。あとデビルマンが人気だって言ってたな。
平:あと私も年なのかなって、私、田中さん(37)より10歳年上なんだけど、経済産業省の大臣政務官やってる時に、クールジャパン戦略をやっていたんですよ。その時にホリプロの社長や講談社の社長、若い経営者も入ってクールジャパンの戦略をやっていて。私もアニメが好きで、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、攻殻機動隊、エヴァンゲリオン……ここら辺が柱なんですね、センターテラーなんです。そういう話をしていて、では今流行っているのは何ですか? と一年ぐらい前かな……そうすると進撃の巨人ですと。
私、進撃の巨人をその時知らなかったので、どういう話ですか? って聞いたら、とにかく巨人が人間を食べまくる漫画ですって言われて、いやそれは世界に発信出来ないだろうと私は思ったんですよ。
田中:はいはい。
平:でも今、アジアでえらい人気ですよね、進撃の巨人。あれ強烈ですよね。政治家の常識というか固定概念で物事を判断したら、だめだろうなと。多分進撃の巨人の中身を知らないから自民党の人何も言わないけど、我々保守政党なので、結構倫理的なところうるさいわけですよ。進撃の巨人をプレゼンしたら、多分大変なことになりますよ。
田中:(笑)。
平:こんなの世界で売れるか、みたいになるけど全然違いますよね。僕ら一昔前はアニメだったし、ハリウッド映画でアメリカの生活スタイルが世界に広がって、それを韓国が真似をしていましたけど。日本はゲームコンテンツで、日本ファンを増やしていく、というのは正しい戦略かもしれませんね。
田中:それで日本好きになってもらって、トヨタで働きたいとか、そういう人が増えていったらいいですね。
平:一つ思ったのが、ゲームもそうだと思いますけど、アニメという世界最強のコンテンツ、それと日本の工業製品がうまくコラボレーション出来ないかなと。私が政務官の時に、トヨタがオーリスって車を赤く塗って、いきなり「シャア専用」とか言い始めたわけですよ。
田中:(笑)。
平:赤く塗っただけじゃんって普通の人は思うけど、ガンダムファンは赤く塗っただけでシャア専用って言っても、ああそうだなって思うわけですよ。それはちょっと高くても仕方ないな、と。そういうところで稼いでいくっていうのは大事だなと思いますよね。ゲーム業界は、業界の枠を超えてやっていくっていう展望はあるんですか?
田中:ゲームというか、いろんなことを楽しませながらモチベーションを持ってやっていく、っていう技術において、教育の分野に応用されてる会社も多いです。教育の中でステップアップしていくのが面白いというような要素を入れて、いわゆるゲーム化しながら、教育を楽しみながら勉強していく。
平:確かに、ただただ暗記するとかではなくゲーム要素を取り入れてやると、子供たちが遊び感覚でやって、気が付いたらいろんな知識がついていたり思考方法が身についていたりっていうのは面白いですね。
田中:自分の周りを見ていると、Facebookやツイッターのコミュニケーション型のインターネットのサービスを考えるサービスの企画者はいるんですけど、ユーザー向けの面白いサイトを作れる人って少ないんです。
大概子供のころゲームばっかりやってましたとか、オンラインのゲームにはまって廃人でした、みたいな人が社会人になって復帰して、そのころ思ったインスピレーションを生かしてサイトを作ると良い物が出来るってよくあるんです。そういう意味では一概にゲームをすることが勉強になってないわけじゃないんですよね。
平:なるほど。ゲーム業界はコンテンツを作るのは中小企業でも出来るから、製造業とは若干違って、起業するチャンスも大きいかなと思っていて。実は前回の選挙の直前に、我々自民党のオリジナルゲームで『あべぴょん』って作ったんですよ。
その『あべぴょん』、結構シンプルなんだけどダウンロード数めちゃくちゃ多くて、僕も遊んでましたし子供も遊んでましたよね。あれも確か四国か何処かの中小企業の方に作ってもらったかな。実はちょっと宣伝になりますけど、今度ニコ生超会議に出るんですよ、自民党。
田中:そうなんですか(笑)。
平:毎年出てるんですよ。他党はしょぼいブースなんだけど、自民党は気合入れてでかいブースでやるんだよね。今度『あべぴょん』じゃなくて、くろひげ危機一髪ゲームってあるじゃないですか。あれの『あべぴょん』版を作って、アベノミクスの三本の矢を刺していき、早く出ると勝ち。しかも巨大な奴を作ったんです。
田中:(笑)。
平:自民党もいろいろやっているんです。そういうので興味持ってもらえればと思います。
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