シモダテツヤ(以下、シモダ):木の上でユーカリを食べ終えたミサワは降りてきて、ここに。

地獄のミサワ(以下、ミサワ):あれっ、俺はどんくらいのサイズになってるんですか? 

シモダ・家入一真(以下、家入):(笑)。

ミサワ:さっきからだいぶ登ってますけど。

家入:近いからデカくみえてるけどね。

シモダ:そうそうそう。手乗りぐらい?

家入:コアラに似てるってことで。

シモダ:似てるってことで。次、ギャラリー。

家入:あ、カッコいい。

シモダ:カッコいいでしょ。

ミサワ:いやいや、カッコいいですけど……。

シモダ:カッコいいよ。

ミサワ:カッコいいですけど……コレ、誰っすか?

シモダ:これね、今度『ドラゴンボール』が実写版になるんだけど、ハリウッドで。それの悟空役の人。

ミサワ:……え?

家入:この人が悟空役?

シモダ:この人、悟空役なんですよ。

家入:へー。

シモダ:結構甘いマスクなんですよね。

家入:そういわれてみると悟空っぽく見えて……。

シモダ:見えてきますよね。

家入:はー、ここで初めて知った!

シモダ:そう、そういうのも知れる。

ミサワ:俺も初めて知りましたけど、何で俺のサイトで知らなくちゃいけないんですか。悟空役の人がこいつだっていうことを。

シモダ:いや、「悟空役の人はこいつ」って説明はないよ、全く。ミサワのホームページに必要ないことは排除して、必要のあるものだけを残した。

ミサワ:こいつが真っ先に必要ないって気づかないといけないですよ。俺、悟空と面識まるでないですし。何すか、これ? こいつ入れるなら説明は入れて下さいよ、「悟空役の人です」って。これだけ置かれたらなんの意味かわからないじゃないですか。

家入:でもちょっと華やかになるよね。

シモダ:なりますよね。なんかほら……例えば、バーとかでも男性がいるだけで雰囲気変わりますよね?

家入:変わる変わる変わる! あと、ほら、家のテーブルとかに英字新聞とか敷くとおしゃれになるじゃないですか。

シモダ:おしゃれ。僕もずっとやってますよ。家具買った時に、店の人に、この英字新聞もらえませんかって、お願いして敷いてましたもん。

家入:あれ、おしゃれだったよね。

シモダ:おしゃれですよ。

家入:よーく見ると、「連続レイプ犯」とか書いてある。

シモダ:そういうゴシップ的なね。

家入:でもおしゃれだったよね。

シモダ:おしゃれです。そういう雰囲気作り、ですよ。

ミサワ:はぁー。まあまあ、おしゃれになってるんならいいですけど。

ミサワ:これは……この「時獄(ときこく)のミサワ」は、これ、おしゃれ要素まるでないですよね? 

シモダ・家入:……。

ミサワ:なんでホント、今まで間違ってなかったのに今になって急に間違い出すんですか?

シモダ・家入:……。

シモダ:3時……。

ミサワ:「3時」ってなんですか? チラっと言おうとしてましたけど。

シモダ:3時……3時の「時獄のミサワ」っていう言葉があるやん。

ミサワ:ないです!

家入:あ、「3時のおやつ」!

シモダ:3時のおやつって入れたかったの!

ミサワ:何で? 

シモダ・家入:(笑)。

ミサワ:何で「3時のおやつ」って入れたかったんですか? トップページがあって、トップページから次のページに入って、何で「3時のおやつ」って……。見てる人どう思うんすか、「あ、3時だ」って思うんですか?

シモダ:「3時だ」って思うよ。

ミサワ:3時でもないのに?

シモダ:でも! 地獄のミサワと、3時のおやつってなんか似てるやん。感じ的に。似てるから、3時のおやつってはじめに……。

家入:あれだよ! ほら、宮崎アニメが「の」を入れるでしょ?

シモダ:そうですね。

家入:となり「の」トトロ。

シモダ:ハウル「の」城。

シモダ・家入:3時「の」おやつ!

ミサワ:「地獄のミサワ」でいいじゃん、ここは! 「地獄のミサワ」で全部成立してるじゃないですか! なんで「ミサワ」、こんなに薄いんすか? なんで「ミサワ」の字、こんな消すんすか? 白で。

シモダ:イラッとして。イライラして。

家入:イライラするよね。

ミサワ:で、名前消したの?

シモダ:(ミサワを無視)どうでもよくなるとき。

家入:あるある。

シモダ:それで、もうどうでもよくなって

シモダ:ここ(右)にバーン! とオリコカードの宣伝文入れておこうと思って、デカデカと入れたわけです。

ミサワ:三つも特典があるの?

シモダ:三つも特典があるんです、強みが。

ミサワ:オリコカードの良さとかは今いいですよ。じゃあ、このページ結局、何の情報も入ってないじゃないですか! 俺に関する情報。

シモダ:まとまりね。まとまりって大事では?

家入:大事です。

シモダ:違うもんと、違うもん。よくアートでもありますよね、新聞の写真を切り抜いて……。

家入:コラージュね。

シモダ:コラージュ! あれってすごい楽しいじゃないですか。楽しかったんですよ。

家入:コラージュはね、結構難しくて。ただ貼ればいいってもんじゃない。全体的な「画」としての統一感。

シモダ:統一感。

家入:一つの作品としての。あれを出すのってすごい難しいんですよ。これは成功してる。

シモダ:成功してる例!

ミサワ:成功していないでしょ! 悟空とミサワ、オリコですよ!

シモダ:どこが成立してないと思う? ストーリーはあるよ、ちゃんと。

家入:あるある。

ミサワ:ストーリー?

シモダ:だから、統一感出すにはストーリーが必要ですよ。

ミサワ:はー。そうっすね。

シモダ:(唐突に)じゃ、次行きましょうか。次、行きましょう!

家入:さっきから色々言ってますけど、まあぶっちゃけ、ワザとじゃないですか。

ミサワ:ぶっちゃけた!

家入:「時獄」とか、「ミサワ」が見えずらいとことか、こういうのってやっぱり注意を引くためなんですよ。前回も確か同じこと言ってましたけど、見てる人に、おっ! と思わせる。「……間違ってる!」って。

シモダ:間違ってる! って思いますよね。

家入:そこで記憶に残るんですよ。

ミサワ:そうですね。間違ってるって思わせることができればいいかもしれないですけど。ここまで正しい「"地獄"のミサワ」は一個もないですよ。

シモダ:そりゃ言えばいいやん、口頭で。言ってもらえれば。

ミサワ:見ている人の家回って?

シモダ:つまりそういう人ってお得意さんやん。お得意の人んちにすぐ行く。

ミサワ:人んちに行かないですよ。

シモダ:あと、なんか、社長が……。

家入:僕は今回資料は作ってないんですけど、自宅にあった本を。

家入:ミサワ……これ、いつぐらい出したんでしたっけ?

シモダ:これは……去年の秋口でした。

ミサワ:これ、俺が出した本……?

シモダ:これ、すごいいい本ですね。

家入:昨日徹夜で読んじゃった。ミサワの画、ホントにいいなと思って。ホントにミサワ、いい画描くな、と思って。

シモダ:これ、『アフターマン』言うて。去年(2004年)の秋口発売だったかな。

家入:そうですね。

シモダ:なんかホンマ、今までのミサワの画とは全く違う。線もキレイやし。未来を感じさせるし。なんかすごく、すごくいいよ。

家入:そう。表紙からしてすごいですよね。

シモダ:すごくいいよ、ホントに(ミサワに顔を近づける)。

ミサワ:いやいや、止めてください。何で、顔を近づける?

家入:これって、さっきの手の細いミサワと似てると思うんですよねー。

シモダ:似てます、似てます! 感じ的に。

シモダ:似てるやん!

ミサワ:ちょ、ちょっとこの本いいですか? ……『アフターマン』。

家入:これ、人類滅亡後の地球を支配する動物社会。こんな動物が、人類が滅亡した後に生まれて進化していくんだな、地球に蔓延るんだなっていう。本当にいいイラストが多くてねー。

シモダ:これを出したんでしょ? 去年の秋口に。

家入:あなたが。

シモダ:だから、もうイラストレーターとして成り立ってるよ。こんなすごい本出してさ。

ミサワ:あのー……。

シモダ・家入:まあまあまあ!

ミサワ:まあまあじゃなくて! (本の表紙を指さして)この指さしてるとこ分かりますか。ねえ?

家入:まあまあまあ。いいじゃないですかー。

ミサワ:この指さしてるところ。見てる人にも分かると思うんすけど。これ、何て書いてあります?

家入:え? ドゥ……。

ミサワ:ドゥーガル・ディクソン。

シモダ:でも、「地獄のミサワ」をうまいこと英語表記してる、みたいな。英語っぽく言うことによって、そういうペンネームにした。似合ってるよ。紀伊國屋でこれ見つけたときに、「ズィーゴクゥ・ミサー」みたいな感じするよねと。ミサワと描いてる画が一緒やもん。

ミサワ:ドゥ、ですよ? 「G」で始まってないでしょ。ドゥーガルです! ドゥーガル・ディクソン!

シモダ:ドゥーガル・ミサー?

家入:でも、画もすごいタッチ似てるしね。

シモダ:すごい似てる。ほら。

ミサワ:さっきは全然違うって言ってたじゃないですか!

シモダ:すごい似てます。

ミサワ:何で違うかっていうと、これ、ドゥーガル・ディクソンが描いたからです! 地獄のミサワが描いてないから、地獄のミサワのタッチと似てないんですよ! これ。

家入:あー、そうなんだ。まあ、いいじゃないですか。

ミサワ:地獄のミサワって名が世に出る前から、そんなもじったりしないです。

家入:そっか。