資金調達によって大きな勝負ができるようになった

池谷大吾氏(以下、池谷):ちなみに、今から年齢をちょっと聞いてみたいと思うんですけど、安部さん、おいくつでしたっけ?

安部敏樹氏(以下、安部):僕、今27歳です。

長谷川敦弥氏(以下、長谷川):30歳です。

水野雄介氏(以下、水野):僕は32歳です。

池谷:言いにくいんですけど、僕39歳なんです(笑)。非常に若くしてというか、もちろん皆さんよりは(会場を指して)ですけど、結構若くして教育という大きなテーマに取り組んでいる。

いくつか皆さんに質問していきたいと思うんですけど、今エデュケーションに熱い方たちが集まっている。やっぱりさっき言った弱い方とかの問題があるわけですけど、それをこれまでは結構小さい力で変えていかなければならなかった。ただ、変わってきてるんですよ。

例えば、我々スマートエデュケーションも、最初は僕が自己資金1000万くらいで立ち上げた会社ですけど、11億円も資金調達して。別にお金をどうこうと言う気はないですけど、やっぱり人を雇うためにお金って必要です。

いろんなところから資金調達を募るわけですけど、こういった業界にものすごくお金が入るようになってきて、そして採用もできるようになってきた。なので、一時期のように、小さい力でコツコツと、というよりは、大きな勝負ができるようになってきたところが、すごくあるかなと思っていて。

3者さんに伺いたいのは、今どんな人が働いているのか。そういった観点でそれぞれ伺いたいなと思うんですけど、安部さん、どんな方が働かれているんですか?

安部:うちの社員ということですよね。社員、今30人くらいいるんですけど、すごいいろんな方がいます。

僕、2年くらい前ここで登壇したときに出会った子が、今インターンで来たりとかして。その子とかは島根大学にいたんですけど、島根から休学して1年間うちで働いてるっていう人もいますし。

どちらかというと、何かの雑誌とかニュースで我々のことを知ってくれて、その上で「Ridiloverの理念に共感したので大企業辞めてきます」っていうような方が多いので。わりと一般でいうといい会社の人たちが転職して、うちに来るっていうことが多いですね。

池谷:長谷川さんいかがですか?

教材は日本中でシェアすればいい

長谷川:うちはやっぱりいろんな人がいるんですけど、大きく1つは現場で障害のある方とか子供たちに寄り添う、すごいハートフルな人たちが多いですね。すごくいい人たち、みたいな。

そういう継続的に障害のある方に関わっているいい人と、あるいはマネージメントの力がすごいとか、ビジネスにおいてはめちゃめちゃ強いとか。そういう強いリーダーと、本当に現場に寄り添えるハートフルな人の組み合わせで全体の構成ができていて。

ハートフルな人は前からたくさん来ていたんですけど、最近特にビジネスにすごく強いとか、ファイナンスの力がすごく強いっていう人が、この1年くらいでどんどん転職してくれて。DeNAのゲーム事業部長さんとか、グリーの部長さんとか、どんどん来てくれるんですね。そういういい流れがだいぶ来つつあるなと思ってます。

池谷:グリーの山岸さんとかも来てるので(笑)。私達スマートエデュケーションも技術者ってグリーの方が支えてるんですけど、グリーの最盛期にサーバーを落とさずに頑張っていたエンジニアたちがうちで働いてたりするって、昔じゃちょっと考えられなかったんですよね。

言ってみると教育ってズルいテーマで、誰もが皆「いいな」って思うものですけど、今までそこでいい採用ができたかっていうと、やっぱり給与面であるとか事業の方向性とか、なかなか打ち出せなくて。採用に苦しんだわけですけど、この2~3年は本当に変わってきたなと、すごく思っていて。

今まで手に届かなかった大手の企業さんが、もちろんメガベンチャーさんもいらっしゃいますけど、皆さん1つ1つ課題を感じられて門を叩きにくるというケースがあって。結局事業って「人」なんで、どれだけいい人を集められるかどうかがポイントになってくると、かなりそういう機運は感じるかなと。

でも、水野さんはご自身も知名度も高いから、慶応からどんどん仕事が来るとかそういうことが? どんな感じですか?

水野:ないですないです、全然そんなことは(笑)。僕らなんか、超ドベンチャーでスタートしてるので、お金がないから採用がそもそもできなかったんですね。だから、もう本当に最初の3年くらい、3人でずっとやってたし。

でも、まず資金調達するとすっごいよかったのは、やっぱり「攻めるお金」ができたっていうのが。そうすると人が採れる。だから、もっとこうなったらいいなと。

例えば最近だと、俺は先生やってたから、その先生向けの教材。麻布の先生と開成の先生が、同じような等加速度問題をWordで作ってるじゃないですか。それってすごい時間がかかるんですよ。でも日本全体で見れば、それシェアすればいいと思うじゃないですか? みたいなところをチャレンジしたいなと思って、そういうの始めたりもしてるんだけど。

そういう新しい取り組みができる人を採れるっていうのがすごいよかったなということと、最近だとスクウェア・エニックスのCTOの人が来てくれて。だからFF作ってたとか、その前だったらセガでそういうの作ってた人が、うちのCTOになってくれたんですね。あとはボスコンからくるとか、そういうグリーさんとかDeNAさんとかもあるんだけど。

皆、だいたい30歳ぐらいで、本当に「人生何に賭けるのか」っていうふうに思ってくれるんですよね。多分、本当にこれがやりたいことなのかっていう問いで、もちろんすごい給料も下がってくるんだけど。でも来てくれて。

「僕はなんでもやります」って言ってくれるんですよね。「ここを支えるためならなんでもやります」って。すっげーかっこいいと思ってですね。そういう人が来てくれてるなっていう感じがします。

なぜ教育をテーマにしたのか

池谷:さっきおっしゃったような、今までの教育業界って僕の考えでいうと、そんなに大きな投資を受けてこなかった。ほとんどが公教育で税金で支えられてきたっていうのもあると思うんですけど。あんまり投資されてないんで、めっちゃやりがいがあるんですよ。

教材が共有されてないとか、信じられないじゃないですか? インターネットつながっているんだから、それは物理だって日本中で教えてるわけで、皆シェアすりゃいいじゃん、と。これすらやってないんですよ。最近になってインターネットが出てきて、いくらでも考える価値があるという。

池谷:あと皆さんにお聞きしたいのが、なんで教育がテーマになったのかって。それって原体験の人って多いですよ。

僕は少なからずとも、自分の子供の教育を見て「変えなきゃいけない」と。いわゆる僕が小さいときと、うちの娘の教育っていうのが変わってない。こんだけ世の中変わっているのになんでだ? ってことに起因してますし。なので、皆さんへの疑問。今までも教育とか受けられて、疑問ってないですか?

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