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西野亮廣氏と語り尽くす会(全3記事)

2015.10.30

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キングコング西野「採用面接はノーパンで臨め!」M-1で実践した緊張対策の極意を語る

提供:株式会社バリュレイト

2015年9月30日に開催された、REAL×法政大学「西野亮廣氏と語り尽くす会」において漫才師・西野亮廣氏、法政大学・田中研之輔氏、バリュレイト・松本直樹によるパネルディスカッションが行われました。会場に集まった100名以上の学生・社会人に向けて、「キャリア」や「教育」について語り合いました。本パートでは、登壇者3名が現在の仕事をするようになったきっかけや面接や授業など、人前で話すときのコツを紹介します。西野氏がM-1グランプリの本番で行った意外な緊張対策に、会場全体が大きな笑いにつつまれました。

西野亮廣氏と語り尽くす会 in 法政大学

高橋信次氏(以下、高橋):それでは、早速パネルディスカッションを始めたいと思います。本日はテーマを3つ用意しております。まず最初ですね。「人前で話すこと」というのを中心にお話いただきたいと思います。

西野:得意です。一番得意。

高橋:西野さんは言うまでもないと思いますけど、田中先生と松本は、学生や企業の研修講師を担当しているので、しゃべるプロというところで学生のみなさんにお話いただきたいなと。

田中研之輔氏(以下、田中):もう西野さんにしゃべらせないつもりでいきますんで。

高橋:人前で話すこと、特に心構えとして意識していることは何なのか、緊張を克服するための工夫って何なのか、そういったことをお話しいただきたいと思います。

それでは松本、田中さん、西野さんの順番でいきましょう。

松本直樹氏(以下、松本):今日のイベントに協賛させてもらっている、バリュレイトという会社の松本といいます。

私はいろんな企業で研修講師をやっています。あんまり勉強したくないなという人が研修に来てたりするんですけど、そういう人たちを前向きにするようにしゃべらなきゃいけないんで、めっちゃ気合入れてしゃべります。大切なことは……何かめっちゃ固いですね(笑)。

西野:いえいえ、そういうのが聞きたいんですよ。

松本:今、めっちゃ飲まれそうなんですけど。こうやって一人ひとりと目を見ながらお話をするというのが大切かなと。あとは場数ですね。西野さんみたいに場数を踏んでると、最初のつかみとかバッチリだと思うんですけどね。

高橋:ありがとうございます。次は田中さんお願いします。

田中:僕は人前で話す時は、自分が楽しみながらみんなと一緒に楽しむことって決めてます。本当にリアルで行われる場は、楽しくなければもうほとんど意味がないんですよ。そんなつもりで授業をやってますので、毎回授業が壊れてます(笑)。真面目にやってますけどね。

高橋:楽しくなければ印象に残らないっていう意味ですか?

田中:印象に残らないというか、せっかくこの空間を共有してるのに、静かであってもしょうがないし、マイクを持たせてもらってる責任もあるから。

だけども義務感に追われるとつまらないから、楽しもうと思ってると緊張してる間もないですね。そんなふうに考えています。 

高橋:ありがとうございます。それでは最後に、大御所の西野さんに伺いましょう。

M-1グランプリの本番直前にひらめいた緊張対策

西野:僕は人前に出るの非常に得意なんですよ。

(会場笑)

西野:知ってますか? 僕、独演会というライブやってるんですよ。1人で2,000人相手にワーってしゃべって……今年もまあ〜ウケましたわ。

(会場笑)

西野:ありがとうございます。来年もやります。僕はずっとしゃべっているので、あまり参考にならないと思うんですけど、1つだけ。

みなさん学生さんですよね? このあと就職活動で面接されるときに、人前で話すということは本当に大変だと思うんです。

1つコツがあるとすると……僕ね、芸歴2年目でM-1グランプリに出てるんですよ。すごい天才なんで。

(会場笑)

西野:出られるんですよ、すごい才能だから。でも2年目で、審査員には島田紳助さんとか松本さんとか、僕がまだしゃべったことのないような芸能界の大御所がいて。

田中:緊張しますね。

西野:緊張するじゃないですか? ただでさえ、こっちも弱い立場じゃないですか。それは会社の面接とちょっと近いと思うんですけど、このときに自分が下になってたらどうしたって良いパフォーマンスはできない。

特に男性の方に使っていただきたい方法なんですけど。このままステージ出て行って、「はい、どうも〜」ってやったらすごく緊張するなと思ったんですよ。

「審査員よりも審査される側の人間が優位に立つことって何だ?」と思ったときに、本番直前でひらめいて。僕、M-1出るときに、ノーパンだったんですよ。

(会場笑)

西野:漫才しつつ、チンポ出してるんですよ。審査員の人がこっち側いましたけど、「お前ら、俺のこと全部見切ってるつもりか知らんけど、チンポ出してるの気づいてないやろ?」って。

(会場笑)

西野:気持ちで優位に立つっていう。漫才に集中しないといけないのに、「変にモッコリしてたらどうしよう?」とか「毛がかんだらどうしよう」とか……。自分がやってることがアホらしくなって、何か審査されてる気がしない。ちょっとなめてる。

高橋:余裕を常に持っておく、カードを持っておくってことですね(笑)。

西野:そうです! だから就活の面接ではノーパンをおすすめします。これは女性の方でもいいかもしれないですね。

男性のほうが形がくっきり出るから、余計いいかもしれない。面接のときはやっぱりチンポ出したらええっていうね。

(会場笑)

田中:西野さんとしては、就活はノーパンで挑むべきっていう。

高橋:それはかなり斬新なアイデアですよ。

西野:これはすぐできますから、おススメですよ。本番前にトイレに行けばいいだけの話なんで。何か自分が弱い立場になっちゃうとき、チンポ出すと結構いいですね。

世の中にある「これ何だろう?」を壊したい

高橋:ありがとうございます。それでは次のテーマ、「キャリア」について話をお伺いしたいと思います。

まず、「現在の仕事をするようになったきっかけ」を聞かせていただきたいと思います。田中さん、松本、西野さんの順番でいきましょう。

田中:僕は社会学が専門なんですけど、社会学の教科書を読んだら「あ、これ全部なるほど」と思ったんですよ。西野さんほどではないですけど、僕もちょっと変わってまして。

例えば「全校集会って何であるのかな?」とか。僕、田舎でヘルメットかぶって通学してたんですけど、「何で全員ヘルメットかぶってんだろう?」とか。

安全のためなんだけど、僕はヘルメットいらないやって。そしたら集会で名指しで怒られたんで、「こういうのってどういう決まりだろう?」っていうのが根本で、社会学を目指したんです。

西野:気になっちゃうんですかね?

田中:そう。それで好きな社会学をやりだしたから、今ここにいます。

西野:気になっちゃうんですか? 何かこう、生活してて、「あれ何だろう?」みたいな。

田中:気になりますね。「普通ってなんだろう?」ってよく考えますよね。

西野:なるほど。何か僕もね……全然関係ない話しても大丈夫ですか?

高橋:大丈夫です。

西野:正月に箱根駅伝やってるじゃないですか? あいつらむっちゃ足速いの知ってます? 

(会場笑)

西野:むっちゃ速いんですよ。あれ、時速17〜18km出てるんですよ。あの人たちはみなさんが50m走を全速力で走るようなスピードでずーっと走ってるんですよ。

でも結局、箱根駅伝で語られてるのって、バトンがつなげたか否かとか、大学の順位とか、どこが優勝したかとか。そういうことしか語られないし、テレビ観てても選手の速さってあんまり伝わってこないですよね?

「何であいつらむっちゃ足速いのに、この異常な速さが伝わってこないんだろう?」と思って、いろいろ考えたときに、ランナーを前から撮ってるじゃないですか? 顔を撮らないといけないから。

でもこれ、カメラとランナーの間に白バイのおっさんが走って、このおっさんがまあまあ涼しい顔してるとスピート感が出ないんですよ。

走ってるときの17〜18kmって超速いけど、白バイの17〜18kmってむっちゃ遅いんですよ。だから、これが良くないと思って。これ、白バイは1回やめて、あの白バイのおっさん、ママチャリとかに乗ってたら全然違いますよね。

(会場笑)

西野:もうグワーってやりながら走ってたら、そのランナーの速さも伝わるから。あれ、ママチャリのほうがいいんじゃないかなと。

でも、生活してて「これ何だ?」と思って、それを改善していきたいですよね。もうちょっとね。

田中:不思議なのが「何だろう?」と思うんですけど、ずっと続いていくじゃないですか。 それ壊すの結構大変なんですよね。

西野:大変ですね。それでまた、壊そうとしたらすぐ炎上してね。

(会場笑)

西野:でも壊したいんですよ。得意です、僕そういうの。

現在の仕事をするようになったきっかけ

高橋:じゃあ、次は松本に聞いてみましょう。現在の仕事をするようになったきっかけって何でしょうか?

松本:彼(高橋氏)にプロポーズされたんです。「結婚しよう」って。

(会場笑)

西野:えっ! 何ですか? ちょっと、どういうことですか?そっち系ですか?

松本:僕はずっとサラリーマンやってたんです。大学生のみなさんも多くはサラリーマンになるかもしれないですけど。「がむしゃらに数字を上げろ」「働け」といった会社ですね。ブラック企業ではなかったかもしれないですけど。

高橋は先に独立してたんですけど、「お前がいないと俺は生きていけない。一緒に稼ごう。アメリカンドリームや」ということで誘っていただいて。僕は金を稼ぐことより、誰とやるかを大切にしているんです。

西野:それ、わかります。

松本:どんな仕事をしていても、一緒にやってる人が楽しくないとパワーが出ないんですよね。

西野:そりゃそうだ。

松本:普通2年も口説くアホなやつはいないという事もあって、最後に「わかりました。じゃあ、結婚しよう」って言って。

(会場笑)

西野:うわーっ!

松本:一緒には住んでないけど。

西野:結婚しようって何ですかそれ? 気持ち悪い。

高橋:パンツ履いてるそれ?

松本:パンツは履いてますよ。疑い持たれちゃうとアレなんで。

西野:僕がチンポの話してるとき、何かエロい顔してましたもんね。食べたいっていう顔してました。

(会場笑)

高橋:相方選びっていうと、西野さんも相方いらっしゃいますよね?

西野:嫌い! 嫌いやった〜。僕、嫌いです。もう非常にアホですから。本当にアホ。あいつ寝言で「眠い」って言ったことあるんですよ。

(会場笑)

高橋:西野さんが現在の仕事をするようになったきっかけは、相方の影響が大きいんですか?

西野:いえいえ。だって僕、梶原と知り合ったのは19ですから。この世界に入ってから知り合ったんです。

最初のきっかけは、僕が小学校2年のときに『カトちゃんケンちゃん』観て、「カトちゃんケンちゃんになりたいな」と思ってそのままズルズルっときたんで。

高橋:今でも加藤さんとか志村さんへの憧れってありますか?

西野:いや、もうジジイですから(笑)。

本当に倒さなきゃいけない相手は、ウォルト・ディズニー

田中:今、西野さんがおもしろいと思ってる人や憧れている人は誰ですか?

西野:ウォルト・ディズニーです。

(会場笑)

西野:あいつおもしろいっすよ! 今ヤバいですよ。

高橋:今がヤバいんですか?

西野:僕が本当に倒さなきゃいけない相手は、ウォルト・ディズニー、SEKAI NO OWARI、長渕剛、あとイオングループです。

(会場笑)

西野:僕、昔から町をつくりたいって言ってるんですよ。町つくるって言ったときに、みんな「芸人が何言ってんの?」みたいな反応だったんですけど、それもちょっと風向きが変わってきて、最近は話を聞いてもらえるようになってきました。

元々は独演会をずっとやっていて、毎年2,000人呼ぶんですけど、2,000人呼ぶって大変なんですよ。

日比谷公会堂でワーって2時間しゃべって終わり。土曜日の17〜19時までで「どうもありがとうございました!」って終演になるんですけど、そっからお客さんが近くのワタミとかに行くんですよ。

結構な数がワタミに流れると思うんですけど、ライブの感想とかをそこで言い合うんです。それで、このお客さんは独演会のチケット以上のお金をワタミに落としてるじゃないですか? 

僕が集めたエネルギーがワタミに流れてるわけですよ。ワタミの社長が僕んとこに後ほど「ありがとうございました」って言って来るんならまだいいですよ。

(会場笑)

西野:言って来ないじゃないですか? 要は僕が集めたエネルギーを全然関係ないところにリリースしちゃってるのが気に入らない。

例えば、近くに僕の友達の店があって、「独演会のチケットの半券持ってたら、ビール1杯無料になるよ」って言って、お友達の店にエネルギーを流せるんだったらまだいいんですけどね。

翌年はまたゼロから2,000人を集めなきゃいけないと思って。ゼロから2,000人を集めてリリースして……っていうのがバカらしくなってきたんですよね。せっかく獲得した人をリリースしちゃだめだと。

これを友達の居酒屋に流して、その居酒屋でおしゃれな服を着てる店員さんがいて、お客さんが「その服どこで売ってるんですか?」「これは○○のお店で売ってて。そっち行ってあげて」って今度は服屋さんに誘導して。

その服屋さんから床屋さんに誘導して、床屋さんから「今度、西野の独演会あるから行ってあげて」ってお客さんをシェアする状態をみんなでつくったら、もうちょっとお笑いライブがしやすくなるなと思って。「こんなことやってんの誰かな?」と思ったときに、ディズニーランドとイオンだと思って。

(会場笑)

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