部署ごとに刺さるポイントを見極め、適したツールを使う
中西:「だったら使わなきゃいいじゃない」ということで、kintoneに先だって導入したのが、こちら、警備業クラウド管制・業務システム「KOMAINU」です。

もともとホワイトボードで管理していたこちらの作業を、KOMAINUを使うことで電子でありながらホワイトボードのようにグイッと直感的に隊員さんを配置することができます。そして公開ボタンを押すことで、隊員さん用の超シンプルなモバイルアプリに情報が共有されます。

こちらを使うことで、もともとのこのアナログなものを電子化することができたので、あとはこのデータをkintoneの稼働管理アプリにデータとして落とし込みます。
そして、経理上必要な処理を行いながら、同時に監査対応のためのデータも溜まっていきます。あとは溜まったデータをズバッと集計してスポッと出力する。この仕組みを作ると経理さんも超にっこりしてくれました。

私たちはこれをJavaScriptカスタマイズでやっちゃったんですけど、プラグインや連携サービスなんかを使用することでも似たような仕組みを作れますので、ご安心ください。
こんな改善をすることで、この5メートル級のドン引きホワイトボードが、今はドデカモニター3枚になっております。

というわけで、スマホが苦手な隊員さんにはインターフェースに特化したKOMAINU。処理が煩雑な事務員さんにはカスタマイズ性に優れたkintone。

それぞれ刺さるところを見定めて適したツールを使うことで確実に浸透させることができました。これが1つ目です。
パソコンが苦手な営業にも使ってもらえる工夫
中西:そして2つ目がこちら。みなさん、kintoneのアプリを作って、「入力がめんどくさいから使ってもらえないな」みたいなこと、けっこうありますよね。
私たちも「めんどくさい」というのはよく言われるんですが、いったんめんどくさいという感情を認めた上で、「じゃあ、どうやったらめんどくさくないかな」というほうにシフトしていくことにしました。

例えば、営業さんが案件を獲得した際に、弊社では、顧客登録・契約登録・案件登録という処理が必要になります。もともと5回転記することで運用していたんですが、これがkintoneになったからといって、各種マスタに登録しないといけないのは変わりませんよね。

でも、アプリの数が増えれば増えるほど、ユーザーの負担は増えてしまいます。であれば、1個にまとめちゃいましょうということで、新規現場管理アプリを作成しました。

こちらはレコードに情報を登録することで、条件に応じて上のボタンが有効化されます。例えば新規顧客を選択した際は、顧客登録ボタンが有効になるといった感じですね。

そしてボタンをクリックすることで、アプリに遷移せず(に直接)各マスタにデータを登録できます。この仕組みを使うことで、パソコンが苦手な営業さんにもうまくkintoneを浸透させることができました。
最優先したのは「ユーザーの負担を減らすこと」
中西:そして、このアクションボタンは標準のkintoneのアクションボタンでも似たようなことができるんですけど、登録の際の条件分岐ができません。なので、こちらもちょっとだけカスタマイズしております。

システム側に人間が寄り添っていければ……もちろん理想ではあるんですが、どうしても人間に運用でカバーさせる範囲が大きいほど、kintoneへの反感につながってしまいます。特に導入段階において、kintoneの印象を下げないためにも、私たちは「ユーザーの負担を減らすこと」を最優先にしようと意思決定を行いました。

その方針が表れているのが、こちらのJavaScriptカスタマイズです。クリック数や覚えるルールなどを1つでも減らし、ユーザーの負担を最小限にしました。

もちろんJavaScriptカスタマイズにもリスクはたくさんあります。原則自己責任になっちゃいますので、基本的にはお勧めしておりません。

ですが、うちにはDX難易度鬼レベルの人たちがいるので、この人たちに使ってもらわなきゃいけない。であれば、操作性に全力ベットしなきゃいけないなということで、このコストをのむことにしました。基本的にけっこう管理が大変なので、私はプラグインのほうがお得なんじゃないかなと思っております。

最近は生成AIが普及してきて、カスタマイズのハードルがグッと下がったと思います。私たちも実際に生成AIを活用しているんですが、さっきのリスクが全部なくなったわけじゃないんですよ。だからこそ、ガバナンスやルールをあらためて見直す必要があるかなと私は考えております。

業務改善とは、人間の弱さと真っ向から向き合うお仕事です。だからこそお金で解決できるところはお金を使うなど、必要なリソースをちゃんと分配することで業務部と情シス、改善側がちゃんとバランスの取れた状態で改善ができるんじゃないかなと思っております。これが2点目です。
kintoneの推進担当者が折れないための仕組み
中西:そして3点目。この中で、「私、人間だよ」っていう人、いますか? 「人間です」っていう人、はーい、手を挙げて!
(会場挙手)
あっ、いっぱいいますね。ありがとうございます! すみません。私も人間です、一緒! すみません、ちょっとあれですね、人間じゃない人も数人交じっているかなと思うんですが、私たち、人間です。

改善を進めるうちに、ちゃんと進んでいくんですが、やはりいっぱい失敗しちゃいますよね。改善を進めているうちに「しんどくなっちゃったな」みたいなことがあるかなと思います。

でも、そんな時に支えになったのが、kintoneのコミュニティです。ちょっとコミュニティについてお話ししたいんですけども、時間がないのでQRから探してみてください。もしよかったら、後でうろうろしている私をつかまえてください。そうしたらいっぱい話しますので。

というわけで、改善はもちろん大事ですが、何より担当者が折れないことが一番大事です。その仕組みを会社として持っておいたほうがいいかなと私は思っております。
その1つのピースとして、コミュニティをぜひ活用してみてください。今回、3つのポイントをお話ししました。心が軽くなるポイントはこちらの3つです。

無理にkintoneにこだわり過ぎないこと。人間は弱い生き物だから、仕組みで対応しましょう。そして3つ目、1人で抱え込まずコミュニティに行ってみてください。いいところ、1人じゃないよっていうことを全力でプレゼンします。
そして一番言いたいのが、改善はもちろん大事なんですが、担当者が折れてしまっては改善は進みません。だからこそ、自社に合った手段をしっかり取りましょうというお話です。これが私のネガティブ式の生存戦略です。

さて、みなさん。この場で実感されていると思いますが、業務改善という文脈でここまで熱くなれるイベントはそうそうないかなと思います。このユーザーコミュニティを含めたエコシステムこそ、kintone最大の魅力です。改善が改善を呼ぶサイクルに私も少しでも貢献できればなと思っております。

そして、この幕張メッセから、みなさんを通してもっともっと改善が進んでいければいいかなと思っております。みんなで一緒にがんばっていきましょう! ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
“現場の反応の変化”が見えるうれしさ
沖沙保里氏(以下、沖):中西さん、ありがとうございました! キャラクターチャートのところがめちゃくちゃ特性を活かしていて、なんか「ゲームが始まるのかな?」っていう、ちょっとワクワク感を演出してくださったかなと思います。
中西:(笑)。
沖:「kintoneを使うのを諦める」という衝撃的なワードが出たと思うんですけれども、でも確かに全部やり過ぎないってすごく大事なことかなと思うので、大事なことに気づかされた方も多いんじゃないかなと思います。
そんな中、キャラクターチャートの中で、ハードな隊員のみなさまに今は使っていただいていると思うんですけれども、その、なんか隊員のみなさまから、KOMAINUを使い始めて、今どんな声が中西さんに寄せられていますか?
中西:そうですね。最初はけっこう、「なんでこんなの使わなあかんねん!」っていう反発が大きかったんですけど。
沖:やはり(笑)。
中西:慣れていくうちに、「早く情報をKOMAINUで渡してよ」みたいな感じで言われることがけっこうあって、それはけっこううれしいですね。
沖:あぁ、隊員のみなさまも進歩というか、使うキーワードが変わってきたという状況なんですね?
中西:はい。
沖:ありがとうございます……ありがとうございます。私からのご質問は以上となります。アースセキュリティ、中西さんでした! ありがとうございました!
中西:ありがとうございました!
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