非エンジニアがAIサポート機能を6ヶ月で開発
白塚:我々でいうと、社内の情報はNotionやGoogle Workspaceに蓄積し、Slackで質問するとそれらのデータを参照して回答してくれる、社内FAQの仕組みを実装しています。こういった社内外の問い合わせ対応などから、生成AIの活用が進んでいるケースが多いのではと思っています。
矢﨑:弊社は、全員がチャットAIを使えるような環境がまず提供されておりまして。その上でシステム全体を司っている情シスが、定期的に「こういうAIを各チームで使ってるよ」などの事例を発信してくれます。
それを元に「あ、こういうふうに使えるんだ」という発見ができるというのは、けっこう大きいですね。やはり1から考えるのはなかなか難しいので、事例があると、みんなが取りかかりやすい。模倣してどんどん広がっているというのが現状としてありますね。
馬渡:確かに。
白塚:いいですね。
馬渡:お二人、ありがとうございます。共有というのはけっこうキーワードになりそうな気がします。今の白塚さんのNotionに蓄積をしたりですけど。
白塚、矢﨑:そうですね。
馬渡:では次に、「どこで差がつく? CS現場における生成AI活用効果」について、お話をいただければと思います。
矢﨑:弊社から2つ事例を持ってきました。まず1つめは、カスタマーサポートの現場メンバーが、自力でAIサポート機能を制作し、チームの問い合わせ対応時間を50パーセント削減したという事例です。
現場メンバーの方はエンジニアではなく、文系出身で、システム開発の経験はなかったんです。AIの力を借りてPythonのような技術を使いながら、AI開発を進めていきまして。
構想から最初のプロトタイプ完成までが約1ヶ月。着手から6ヶ月でちゃんと公開ができる実運用まで乗せられたという事例があります。
1通あたり最大で60パーセントの時間削減効果
矢﨑:この事例では、「エンジニアではなくても、AIの力を借りながらこういったことができるよ」というところがポイントです。なので「技術なんてないし、開発なんてわからない」という方でも、最近はAIがしっかりサポートしてくれる。こういったこともできるようになってきているという話をさせていただければと思います。
これもいくつかのメディアで取り上げられておりますので、ご興味ある方はぜひ記事をご覧ください。

次に紹介するのが、弊社のカスタマーサポートチームで利用している事例になります。
メールディーラーには、AIを活用したメール生成機能がすでに実装されています。実際に弊社のカスタマーサポートチームで活用してみたところ、1通あたり最大で60パーセントのメール作成の時間削減効果を確認できました。

このメール作成の機能は、受信メールに対して簡単な回答方針を入力するだけで、AIがビジネスメールとして整えてくれるといった仕組みです。
メールって、体感2~3分でさっと書いていると思うかもしれません。実は、表現の調整や言い回しなどに気を遣ってしまうので、実際に時間を計ってみると、意外と10分~15分かかっていると思います。
そこにAIがベースの文面を整えてくれることで、大幅に時短ができます。先ほど申し上げたような、AIに60点のメールを作ってもらう。それを人間が90点・100点に仕上げていく。そういう使い方がおすすめです。
さらに大きなポイントとしては、弊社のカスタマーサポートでは全員がメールディーラーを使っているんですけれども、ふだん使っているツールの中にAIの機能があるというところです。
「AIを使うぞ!」と気負う必要も、意識的に何かを利用することもなく、業務の流れに自然に組み込まれているからこそスムーズにAIを活用できています。
AI活用がSVの工数削減につながった事例も
矢﨑:この結果として、業務効率化だけではなくて、チーム全体が無理なくAIに慣れていくことにもつながっているのがポイントになっております。弊社からの事例は以上です。
白塚:ありがとうございます。では、私からも続けてお話をさせてもらえたらと思います。
1点目は、先ほど触れましたが、弊社での取り組みでいきますと、1つは問い合わせの一次回答支援です。自社のマニュアルないしはFAQを連携させて、Slackでの質問に対して、botで回答をもらえるようにしています。まだまだ改善途上なのですが、この取り組みによって20パーセント程度の工数削減につながってきています。

もう1つは、営業ないしはCSへのフィードバック、サポートについても活用し始めている事例がございます。
こちらについては、音声データをスクリプト化しながら、特定の評価項目やこれまでの自社の営業関連資料などをデータとして連携します。それに対して、その商談のトランスクリプトの情報を基にして、評価・フィードバックを提示してもらうといったところでも生成AIを活用しています。
カスタマーサポートの現場では、SVが新規採用メンバーのロープレ等に、かなり時間をかけているケースも多いと思います。そういった部分の工数削減にもつながる事例だと思います。それぞれ今回は、CSに関連する部分をピックアップして話させていただきました。
適切な情報のインプットが精度の高いアウトプットを生む
白塚:ありがとうございます。適切に評価項目をインプットすれば、十分に活用できるレベルでの精度にはなっていると思っています。
このあたりは、ラクスさんもご活用されているということでしたが、今日ご視聴されてる方々も、ぜひ参考にしていただけるとうれしいです。このまま、次のスライドもお話しさせていただけたらと思います。
矢﨑:お願いします。
白塚:今お話ししたような、生成AIの導入効果をはっきりと感じるためには、という問いに対して、3点お話しさせていただけたらと思っています。
1点目は、冒頭でもありましたが、一次情報をAIが扱いやすい状態にしておくこと。2点目は、個人に任せず生成AIをしっかりオペレーションに組み込んでいくこと。3点目が、成果をしっかり測るための工数管理を行って、変化を定量的に把握していくことです。

一次情報については、各種情報をデータ化することと、そのデータを構造化して整理された状態で蓄積しておくことが非常に重要になってきます。
「Garbage In, Garbage Out」という話もありますが、インプット情報が適切でないと、精度の高いアウトプットはなかなか出てこない。
②については、「個人で自由に使ってね」と言っても、なかなか活用が進まないので、生成AIをオペレーションに組み込んでいく。
手段としては、組み込み型のツールを使うのと、アシスタントなどのBPOを活用していくことで、営業やCS担当が直接手を動かさなくても生成AIを活用できるような体制にしていく、の2点が挙げられます。
メールディーラーは2025年10月に自動生成の機能を実装予定
白塚:最後はきちんと工数管理を行うことによって、「業務時間の総量が減っているか」「業務の比率が変わり、よりコア業務に集中できるようになっているか?」の質・量の両側面で定量的に測っていくことが重要です
。
矢﨑:ありがとうございます。弊社からもちょっとお話しできればと思います。先ほども何度もお話ししていますが、多くの方がAIを業務にどう取り込んだらいいのかわからないというのは、もう本当にみなさん感じている課題です。
なので、ふだんお使いのシステムにもう各社、今AIの機能を搭載し始めています。そういった機能が組み込まれていたら、まずは気軽に触れてみることからお試しいただければと思います。

新しいことを始める感覚ではなくて、日常業務の一部として、気軽に使ってみるのがおすすめです。ご案内になっちゃうんですが、弊社のメールディーラーにも2025年10月に自動生成の機能を実装予定です。
メールディーラーで行う返信業務の中でお使いいただけます。返信ボタンを押した画面上で返信文が自動で表示されますので、「使わなきゃ」と意識的に思うことなく、AIの力を借りてメールを返信できます。

この返信文をどうやって作っているのかというと、こちらの機能はメールディーラー内の過去のメールや取り込んでいただくFAQのデータを基に、返信文案を作成してくれます。今まで蓄積されてきたナレッジを活用できることもポイントです。
メールディーラーを使ってない方もいらっしゃるかと思うんですけれども、過去のメールデータをメールディーラーにインポートしていただくことで、導入後すぐにこの機能を使えます。ぜひご興味ある方は、お気軽にご相談ください。
馬渡:ありがとうございます。