記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測
川崎:木曜日にそれがわかっていると、手配や関係者への周知が違ってくるというのは、けっこう具体的にイメージできます。だから、役場ですとこうですけど、実際は商業的なお店や運送業も、「在庫の手配はどうする? トラックの手配はどうする? その分ほかにどう逃がす?」といったことが考えられるわけですね。
森山:そうなんですよ。備える時間を作れるということになります。
川崎:これは具体的でわかりやすいですね。
森山:実際に最終的には、この日も気象庁から大雪警報が出たんですけども、「あっ、やっぱり出たか」と捉えて、しっかり最終的対処を行うことができる。
川崎:「気象庁から大雪警報が出た。さぁ、どうする?」じゃなくて。「あっ、やっぱり出たな」と、確認作業になるとぜんぜん違いますね。
森山:実際に振り返りのレポートをいただきまして、気象庁からまだ情報が出ていない段階で、早期に余裕を持って警戒できたという所見をいただいております。あとは、実際に46センチ降ったところ、44センチという精度が良かったこともあって、今後も町にスポットを当てた早期予測は大変助かるというお声をいただいています。
川崎:やはり町単位できめ細やかにいろいろやらなきゃいけないことがあるので、当然、予報も町単位で欲しいわけですよ。
森山:はい。それはありますね。
川崎:本当に全国のいろいろな市区町村、行政の方が、今ご覧になられていると思いますけれども。こういった確実な情報を得られることが、住民の方や税金の効率もそうなんですけれども、非常にいろいろなメリットにつながっていくということで、ご検討いただいてもいいのかなという気がしますね。
森山:そうですね。本当に自治体の防災担当者さま、そして、やはり企業のBCP(事業継続計画)対応の担当者さま。総務の方が担っていることも多いと思うんですけども、こういったところでも、今後は早期の想定でうまくスムーズに回すというところでお役に立てていただきたいと思っております。
経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用
川崎:そうですね。企業にとっては、経済的損失を防ぐっていうダメージコントロールの観点ももちろんあるんですけれども、「超危険」までいくと、従業員の安全という話になると思います。「やや」とか「それなり」の大雨だとわかった時の商売のあり方。
チャンスかもしれないという面も含めて、いろんなグラデーションの中で、やはり情報が多い者が常に勝つというのは商売の基本ですから。
森山:そうですね。そういった意味では、ポジティブにも使えます。小売・流通の業界の方などは、早めに仕入れの調整をしたりといったところにもつながると思います。気象リスクへの備えは、本当にさまざまな業種のみなさまに求められると思いますし、活用もできると思います。
川崎:農業関係ももちろんね。
森山:そうなんですよ。
川崎:晴れた日じゃないとできないわけですから。
森山:そうなんですよね。そういったところで共通する点で言うと、いつからどれぐらい対応が必要なのかを明確化できるというのが早期想定のリスク情報になります。これをもって、リスクを最小限にすることにつなげていただきたいと。
4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用
森山:具体的なシーンを4つの業種に分けて、ご案内したいと思うんですけども。
川崎:なるほど。仕入れに関わってくる小売・流通。そして物流。もちろんこの台風の通り方とか、物の動かし方に関わってくる交通まひも当然起こるでしょうし。介護・福祉は、安全をどうやって確保するかという切実な問題。農業も。
防災と言っていますけれど、防災以外の切り口でも情報を出せるわけですか?
森山:そうですね。実際に農業の方に向けても、例えば気象防災シグナルというソリューション名ですけれども、今後は「農業気象シグナル」という農業に特化した情報展開も想定しています。
川崎:お届けしたい情報は一緒のことですよね。
森山:はい。今後のサービスブランドとしては、「備えーるシグナル」というかたちで、より多くのみなさまにこの早期想定のリスク情報をご活用いただけるような準備を進めていきたいと思っています。
川崎:これからはもう、こういうことが当たり前になってくるわけですか?
森山:そうですね。こういったことをうまくキャッチして対応することで、ビジネスもうまく回りますし。
川崎:そう考えてみると、天気ってもう全員平等に影響を受けていませんか?
森山:そういった意味では、唯一のものですよね。天気はもう本当に、人の気分もそうですし(笑)、災害もそうですし。農業もそうですし、経済的にさまざまな影響があります。
川崎:ましてや日本は、すごく気象リスクが高いと言われる中で、気象に経済活動も何もかも影響されまくっているわけですから。
森山:そうですね。本当に知らず知らずに(影響を)受けているケースも本当に多いんです。
川崎:我々、当たり前だと思っちゃっていますよね。今のあらゆるビジネスって「しょうがない」で片付けてしまっていますけれども、損を被るのも、あるいはチャンスをつかみにいけないのも、情報がないからなので。
それがわかれば、損を最小化してチャンスをつかみにいくようなことができちゃうわけですね。
“影響度”を具体的に知ることができる
森山:そうですね。冒頭で申し上げたように、気象自体が両極端化が進んでいるということがあります。より激しく、より極端にというところで言うと、今後は影響もそれだけ大きくなるおそれがより高まっていきます。
なので、備えるための情報として、気象防災シグナルでは単なる5段階のランクでお伝えするだけではなくて、例えば大雨のシグナルですと、日最大の降水量と、それが起こる時間帯ですとか。
そういった量的な予測プラス、暴風シグナルで言うと、日最大風速。その風が吹いたらどれぐらいの影響度があるかという、各種のシグナルを元にしたアドバイスも併せてみなさまにお届けしたいというものになっています。
川崎:確かに風速何メートルって言われてもぴんと来なかったりしますからね(笑)。
森山:そうですね。具体的なコメントと併せて「これぐらいの影響があるんだ」という情報を見ていただく。データとしては、APIのデータでの提供が基本です。
そして、予測の単位は、日本全国、市区町村、約1,900地点単位ですけれども、ご要望もけっこういただいてですね。より地域細分化できないかといったご相談もいただいています。大きい面積の市区町村なんかもありますよね。
川崎:あぁ、確かにサイズが違いますよね。
森山:そうですね。都市部と山側と海側とでぜんぜん違うところにもうまく予測を出せればというところです。
川崎:だから国土地理院的なデータもあるし、国土交通省的なエリアのデータというのは、市区町村よりももっと細かいデータがあるわけですか?
森山:例えば、平成の大合併でたくさんの市区町村がくっついたのもありますよね。なので、例えば旧市区町村区分で出してほしいというところも要望としては挙がってきているところです。
「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート
森山:もう1つのポイントは、気象防災シグナルはあくまでも翌日から14日先までを予測の対象としていることです。当日は、気象庁の警報や「キキクル」という危険度分布とか最近あるんですけど、そういった情報を使っていただきたいです。
川崎:もっと早期予測をしたいということですね。
森山:早いタイミングで予測を出して、(気象庁から発表される警報や自治体からの避難情報など)直前の防災情報にうまくバトンタッチするという役割も大きいです。
川崎:これ、「APIデータって何ですか?」みたいな時も相談していいわけですか?
森山:ぜひお気軽にご相談いただければと思っています。
川崎:なんか我々、デジタル系は「そう、APIだよね」なんて言っちゃいますけども、まずご相談くださいということですね。
森山:そういったご相談も含めて、実はこういったカレンダー上で、天気予報と気象防災シグナルのリスク予測を一目でチェックできるお試し利用を今月から始めています。
川崎:これはAPIじゃなくてWebページですか?
森山:専用Webページです。トライアル利用をご希望のお客さまには、パスワードやIDをお渡しして、専用ページをお試しで使っていただけます。
お試し期間は、効果を確認できるところまで。具体的に言うと、大雨シーズンを1つ見ていただいたりというところを想定しています。ぜひお気軽にご相談いただきたいのと、実際に全国のいくつかの自治体や企業で、こちらのような予測が見られる専用WEBページでトライアル利用いただいております。
川崎:自治体も企業も相当天気に苦しめられていないところってないですからね。
森山:そうですね。天気のリスクを感じているという自治体や企業のみなさまは、ぜひお気軽にお問い合わせいただきたいと思っております。
「リスク先読み型経営」を実現するための情報源
川崎:すごいですね。森山さん、なんでこれを開発しようと思ったんですか?
森山:私はもともと気象キャスターをやっていたんですけれども、天気予報の時間は、1分とか2分とかですよね。北海道全域のことを伝えなきゃいけない時に、なかなか細かい市町村単位で伝え切れないことがありました。そういった時に、残念ながら伝え切れなかった場所で被害が大きくなってしまったという経験を何度かしまして、その悔しさもあってですね。
川崎:そこでやはり、忸怩(じくじ)たる思いがおありだった?
森山:そうですね。十数年かけて構想を練って、なんとか形にできました。キャスターが伝えられる範囲はどうしても限られるので、自動的になんとかできないかという思いで、こちらを開発しました。なので、こういった気象防災シグナルで、地域や企業の防災になんとか貢献していきたいと思っております。
早めの的確な想定ができると、備えが変わると思うんですね。備えが変わると行動が変わって、被害を最小限にできますので、我々がお役に立てるとすれば、想定外をなくすこと。そういったリスク予測によって地域を守っていきたいと思っています。
あとは、「リスク先読み型経営」と名付けましたけど、企業の方々にもこういった支援をしたいなと。そういったことが今後より一層、社会的信用・責任においても、企業、そして地域住民を守る行政に求められる部分になってくるかと思います。

我々は、気象防災シグナルを通じて、命や会社の事業、地域を守るパートナーとしてお役に立てればといった思いでいます。
テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する
川崎:ベルシステム24自体も、北は北海道から南は沖縄まで、全国に数十拠点ありまして、国内で言うと3万人ぐらいが働いているわけですけれども。やはり家族の安全や気象災害リスクは年々本当に切実な問題になっています。
人事や総務はこれをどう捉えるのか、あるいは経営としてどうBCPを持つのか。コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)をどうやって持つのかというのは、本当に、何を材料に判断していくのかがわかった時点で「まぁ、最大限こうするしかないよね」みたいなことだったんですけども。
ここにテクノロジーの力が入って、だいぶ前からわかるとなると、選択肢が増えてくるわけですよね。当然賢い経営になってくるとも言えますよね。
森山:そうですね。早めの想定で備える時間を最大限化する。そして、備えーるシグナル。
川崎:「備える」から来ている。
森山:「備えーる」ですね(笑)。それで、リスクを最小限にするというところでぜひお役に立てたらなと思います。
“命しか守れない防災”からの脱却
川崎:これをご覧になっているみなさん、本日いろいろな話題が出てきました。防災というのは当然、命だけでなく経済活動まで含めた幅広い影響があります。
ただ、あまりに直前の話だと、もう命ぐらいしか守れない。それが前もってわかると、命はもちろん、そのほかのいろいろな経済活動まで幅広く守れて、利益につながるような行動もこれからどんどん生み出されていくんじゃないかということですね。
これをまさに今リリースしたところでございますので、これからいろんなユースケースが出てくると思います。いろんな市区町村の方、行政の方、行政の長の方には特にお願いしたいですね。
森山:そうですね。ぜひご興味を持っていただければと思います。
川崎:企業の経営企画の方ですとか、いろいろな事業をおやりになっている方は、どうかお問い合わせいただければと思います。本日は、森山さん、ありがとうございました。
森山:ありがとうございました。
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