昨今、顧客のニーズや要求に柔軟に対応し、付加価値を提供する「オファリングサービス」が注目を集めています。住友商事グループの中核IT企業の
SCSK株式会社が新たに展開する、デジタルオファリングサービスの展望とは。本記事では、同社ProActive事業管掌役員の尾﨑務氏が、8,000社の顧客企業を支援する中で培ってきたノウハウとAIを組み合わせたサービスの展望を紹介しました。
創業55年を迎える、住友商事グループの中核IT企業「SCSK」
尾﨑務氏:みなさま、こんにちは。SCSKの尾﨑でございます。本日はご多忙の中、SCSKビジネスサミット2024にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
実は当社は本年で創業55年を迎えますが、このような大規模イベントをオフラインで開催させていただくことはこれまでございませんでした。今回が初めての開催となりますので、本当にみなさんに集まっていただけるのかなと不安に思っておりました。
しかし、結果としては、大変多くのお客さまにご来場いただいております。1,549名に登録いただき、こちらの会場には500名さま以上の方がお越しくださっていると聞いております。これはAIやERPの活用に対するお客さまの関心の高さを示しているものと感じております。ご来場いただきましたみなさまに厚く御礼申し上げます。
また、本イベントを開催するにあたりまして協賛いただきましたスポンサー企業のみなさまにも心より御礼申し上げます。実は現在クラウド市場でしのぎを削っておられますAWSさま、Google Cloudさま、マイクロソフトさまの3社が、一企業イベントのスポンサーとして並ぶことは過去にないことと聞いております。第1回目にして、このように画期的なイベントとなったことをうれしく思っております。
本日のイベントでは、弊社のお客さまやパートナー企業さまとAIとERPに関連するトピックスについてお話しいただきます。全11セッションを用意しております。
当社のセッションに加えまして各企業さまにもご登壇いただきまして、AIとERPが導く未来を実現するために、導入企業のみなさま、パートナー企業のみなさまとともに、新たな価値を創造する取り組みなどについてお話しいただきますので、これらのセッションもお楽しみいただければと思っております。
約8,000社ものクライアントの業務をテクノロジーで支援
当社SCSKの名前は、先ほど見ていただきました今田美桜さんのおかげで、最近は知名度も上がってきておりますが、あらためて事業内容を簡単にご紹介させていただきます。
当社はコンサルティング、システム開発、ITインフラ構築、ITのハード・ソフトの販売、BPOなど、ビジネスに必要とされる全領域でのITサービスを提供しております。
特に企業の基幹系システムの支援においては、他社に比べて優位性があると自負しておりまして、当社のクライアント数は約8,000社に上ります。日本企業の業務をテクノロジーで支えております。
また、自社で開発しているアプリケーション知財も保有しております。代表的な製品でありますERPの
「PROACTIVE」は、約6,600社の導入実績がございます。この製品の提供は、当社にとってお客さまの戦略や業界固有の業務を学ぶことができる大変貴重な機会となっております。
先日、ネットワンシステムズ株式会社さまとの経営統合に向けた公開買付け開始について発表いたしました。公開買付け期間中のため、合意をしている内容以上のことを私からお話しすることはできませんが、当社はこの3つの注力事業を通じて、事業拡大にとどまらず日本企業の成長支援、さらには日本社会全体の成長に貢献していきたいと考えております。
SCSKデジタルオファリングサービスとは
本日、この場で発表させていただく1点目が、この3事業の中核をなすSCSKのデジタルオファリングサービスです。私たちは日本の企業、そして従業員一人ひとりがデジタルの力で成長していくことを支援する、デジタルオファリングサービスを本日より始動します。
デジタルオファリングサービスとは、先進デジタル技術と当社のノウハウ、パートナーさまとのアライアンスによって、企業の経営課題、社会課題解決を支援するサービスの総称でございます。
このデジタルオファリングサービスの中核を担うのがAIです。AIと聞きますと、多くの方は「ChatGPT」のような生成AIを思い浮かべるかもしれません。しかし現在のAIは進化しておりまして、データを読み解き、必要なプロセスを自分で考え、さまざまな業務を自動で実行するところまで到達しています。
AIの効率性と生産性の高さは、みなさんの業務環境を新たなステージへ変える力を持っています。日本の労働人口は急激に減少しています。2035年までに労働力人口が約1,000万人減少すると言われています。
この状況で現在の働き方、業務の進め方を維持することは不可能と言わざるを得ません。AIにはビジネスの持続的な成長を支援する無限の可能性があると考えております。
また、このオファリングサービスでは、これまで8,000社の企業を支援する中で培った業務や業界固有のノウハウをAIと掛け合わせ、より高度なソリューションをお届けします。住友商事グループを含む多くのお客さまとの取引で培ったノウハウをAIと組み合わせることで、業務の高度化、効率化を支援できると考えております。
高度な経営判断から、業務の効率化や自動化まで支援
とはいえ、SCSKだけが作っているAIと言われても、みなさんにとっては信じがたいかもしれません。そこに、本日ご協賛いただいていますAWSさま、Google Cloudさま、マイクロソフトさまなどのテクノロジーパートナーのお力をお借りし、さらに業界に特化したデータをお持ちの企業さまとも連携することで、即時に業務で活用いただけるサービスを提供してまいります。
先ほど申し上げましたとおり、労働力人口が減少していく中で、企業は人材という貴重なリソースを最適に配置する必要がございます。当社は、従業員のみなさまがよりクリエイティブな領域に集中できる環境を整えることで企業全体の成長を支援したいと考えております。
AI、業務のノウハウ、そして強力なアライアンスを掛け合わせることで、経営者のみなさまには高度な経営判断を、従業員のみなさまには業務の効率化と自動化の実現を、圧倒的なスピードで提供してまいります。
また、事業には柔軟性が求められますように、それを支えるシステムにも柔軟性が必要です。私たちSCSKは、他の企業とのオープンアライアンスを通じてこれを実現してまいります。
デジタルオファリングサービスをより多くの方に活用いただくことで、みなさまの業務を高度化・効率化し、日本企業の成長を支援してまいりたいと考えております。
さまざまな業務特化型ソリューションにも対応
そして、本日発表させていただく2点目が、デジタルオファリングサービスにおいて経営や業務課題に対して特化したサービスとなる「PROACTIVE」です。「ビジネスを動かす一歩を、共に創る」と副題にありますように、私たちSCSKは、このPROACTIVEオファリングサービスを通じて企業のパートナーになりたいと考えております。
PROACTIVEは、経営と業務を支援する複数のサービスメニューと、コアとなる「PROACTIVE AI」を組み合わせてみなさまにご提供します。PROACTIVEは、経営と業務を支援する業務特化型と業界特化型のサービスメニューを揃えております。このサービスメニューにより、業務固有の問題や業界固有の問題を取りこぼすことなく具体的なアプローチを提供いたします。
業務固有の課題には「PROACTIVE Finance」をはじめとする、会計、人事、販売、生産などの業務特化型ソリューションをご提供いたします。さらに、各業界特有の問題に対しましては、例えば建設業向けの「PROACTIVE Construction」のように、卸売業、商社業向け、製造業向けなど、業界特化型ソリューションをご用意いたします。
これらは業界のみなさまに即座に価値を感じていただけると考えております。また、中核に存在するPROACTIVE AIは、業務から発生する各種データを取り込み、多角的な経営分析から業務の自動化まで司ります。これからはPROACTIVE AIが経営者に一歩先を行く示唆を与え、経営判断を支援します。
また、業務ユーザーは日々の業務の中でAIを活用できるようになり、各種業務プロセスの自動化の恩恵を受けることが可能となります。テクノロジーの詳細につきましては、後ほどPROACTIVEのプロダクト責任者の志村より詳しく説明させていただきます。
私たちは、このPROACTIVEを通じて日本の働き方を変え、日本企業の競争力を高めることができると信じています。みなさまのビジネスを動かす一歩を共に創り上げるため、パートナーとして、このPROACTIVEをどうぞよろしくお願いいたします。