2024.11.27
身代金支払い企業47%の衝撃 ランサムウェア被害はもはや"無関係ではいられない"時代
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川崎佑治氏(以下、川崎):みなさん、こんにちは。「@cosmeのアイスタイル社に聞く クチコミ×AIで実現する"次世代顧客分析"とは?」と題して、本日はお届けしております。
まず、ベルシステム24からご紹介させていただきます。当社は「イノベーションとコミュニケーションで社会の豊かさを支える」を企業のパーパスにしておりまして、国内の1,300社ほどにさまざまなBPOサービスをご提供しております。伊藤忠商事の「デジタル群戦略」の1社でありまして、国内大手のBPOパートナーと記憶していただければと思っております。
私は川崎佑治と申しまして、デジタル&クリエイティブの局長を務めております。本日はこの会のファシリテーターを務めます。よろしくお願いいたします。
続きまして、本日のすてきなゲストです。株式会社アイスタイルさまについてご紹介を差し上げます。何はなくとも、「@cosme」というブランドで日本ナンバーワンの美容メディア、日本ナンバーワンの美容専門ECサイト、そして日本ナンバーワンの化粧品専門店を展開されておられます。
みなさんも馴染みが深いであろうところでいきますと、@cosmeという圧倒的なサイトです。おおよそ日本の化粧品ブランドは、ここに載っていないものはないでしょうし、そして多くのとりわけ20代・30代の方はほぼ毎日に近いぐらい覗かれていらっしゃる、とてつもなく巨大なサイトを運営していらっしゃいます。
本日は、天野さまにお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
天野博之氏(以下、天野):株式会社アイスタイルの執行役員の天野と申します。今日はよろしくお願いします。先ほどご紹介いただいたとおり、@cosmeというとBtoCビジネスのイメージが強いと思うんですよね。クチコミサイト、店舗、Eコマースをやっているんですが、私はその中でもBtoBを主に管掌している部門を束ねています。
まさに今日ご紹介させていただく話の中にもつながるんですが、これだけたくさんのユーザーとの接点があると、我々にはいろんなデータが溜まってきています。そういったことを、次のビジネスにどう展開するか。
我々のクライアントはブランド各社になるので、そういったところに新しい価値を提供していくということで、今はいろんな事業を推進させていただいております。
川崎:わかりました。本日はよろしくお願いいたします。
天野:よろしくお願いします。
川崎:そして、もうお一方です。押野さん、どうぞよろしくお願いいたします。
押野卓也氏(以下、押野):株式会社アイスタイルの押野と申します。現在はデータビジネス開発推進本部の本部長を務めております。もともとは「特命戦略担当」という肩書きで入社しました。
川崎:「特命戦略担当」で入社されたんですか。
押野:はい。今も名刺にはそれが残っているんですが、アイスタイルにその役目で入った時に、いろいろと事業やデータを見させてもらって。確かにデータはすごくたくさんあって、めちゃくちゃ価値にはなるんですが、社内においても社外においても使える状況にはなってないなと思ったのが、最初のきっかけです。
もっと社内にもデータを活用すべきですし、「これはもしかしたら、ブランドさま向けにBtoB観点でサービスとして成り立つんじゃないかな?」という仮説を立てて、そのためのデータベースを構築したり、今回のような話を企ててみたりというかたちで今に至り、事業の責任者をしています。
川崎:押野さん、本日はよろしくお願いいたします。
川崎:アイスタイル社からお二方をご紹介させていただきました。続いて、今回はアイスタイル社と共に、ベルシステム24グループの一員である株式会社シンカーの2人を紹介したいと思います。
シンカーはベルシステム24グループとして、AIを活用したマーケティングDX支援ということで、顧客分析やマーケターの方の非常に強力な後押しに強みを持つ会社でございます。
データマーケティング事業ということで、戦略立案からAIの予測データ分析、そしてロイヤル顧客の拡大、いかにロイヤルを伸ばすかということですね。このあたりに注力をしていただいております。まずは藤縄さん、よろしくお願いいたします。
藤縄義行氏(以下、藤縄):よろしくお願いします。株式会社シンカーで代表をしております、藤縄と申します。
私は11年間ずっとデジタルマーケティングの業務をやってきました。そこから、「顧客のデータ分析のコンサルティングの会社がこれから伸びてくるだろう」というところがありまして、2017年にシンカーという会社を創業しております。
当時は3名で創業しまして、その時からロイヤル顧客が非常に大きなテーマとしてありました。既存のお客さまとどういうふうに接点を持って、コミュニケーションを取っていって、LTVを上げていくかということが、これからマーケティングで非常に求められていくと考えまして、今は創業8年目の会社です。本日はよろしくお願いいたします。
川崎:そして、シンカー社からもうお一方。坂宗さん、よろしくお願いいたします。
坂宗純治氏(以下、坂宗):株式会社シンカーの坂宗と申します。よろしくお願いします。現在では、データマーケティング事業部のアナリティクスエンジニアとして従事しておりますが、基本的にはデータ活用基盤の構築や生成AIの活用で、いろんなクライアントさんをご支援させていただいていました。
生成AIが出てきた時に、「非構造化データをどううまく扱えるか?」ということで、今回はアイスタイルさまのご支援をさせていただいたわけですが、そのあたりについてもお話しできればなと思っていますので、よろしくお願いします。
川崎:よろしくお願いいたします。
川崎:こういった並びでお届けするんですが、まず、@cosmeというサイトには膨大なデータがおありになりますよね。例えば「年齢」とか「お肌タイプ」みたいにカテゴライズされたり、あるいは定量的なデータもあると思うんですが、最大のデータはやはりクチコミ。
天野:そうですね。
川崎:消費者の方がこれについてどう思う、こう思う、というクチコミがありますよね。これもデータのようなんですが、やはりすごく扱いづらいですか?
天野:そうですね。クチコミ1つ見れば、それ以上でもそれ以下でもない絶対的なものなので、もちろんそれだけでも有用性はあります。何よりもコスメを探していらっしゃる方に対しての最大の提供価値がクチコミであって、そこでしか聞けない、わからないことを参考にしていただくということなんです。
これは翻って見れば、ユーザーのみなさんだけではなくて、いわゆる企業側。クチコミをベースに次の商品を開発してみたいとか、あるいは既存の商品から不満や満足点を導き出した時に、次の改善点がまた見つかったりアップデートできる。実はそういうヒントも詰まっているデータです。ただ、いかんせん我々はクチコミが2,000万件を超えています。
川崎:クチコミが2,000万件を超えていらっしゃるんですか。
天野:はい。累計で(2,000万件を)超えているんですよ。そうなってくると、これをイチから見ようと思うと大変なわけです。
川崎:大変というか、まず無理ですよね。
押野:我々のデータは「ヒト」と「モノ」と「アクション」の組み合わせなんです。どの会員さんが、何に対して、どこで何をしたかの相関なんですが、その「何をしたか」に当たる部分。例えばクリック、閲覧、購買というものは数値で定量化できて、すごく分析しやすいデータなんですね。
一方で、先ほど天野が言ったとおり、クチコミはあくまでテキストの定性データなので、それを数値化してまとめに使うとか、分析に回すことはできるようでできなくて。一般的なワードクラウドで頻出ワードを拾うことはできるんですが、そういう意味でクチコミをちゃんと使えていたかというと、そうではなかったかなとは思っていますね。
川崎:つまり、先ほど天野さんがおっしゃった「クチコミはそれ以上でもそれ以下でもなく」というのは、1件1件のクチコミで「こう書いてある」というものは、ユーザーが見て「役に立つな」とか「参考になるな」となっていく。ただ、押野さんがおっしゃったように、クチコミがたくさん集まった時には途端に扱いづらくなるわけですか?
押野:例えば、我々の@cosmeに掲載されているクチコミをブランドさんがどう使っているかというと、メディアに一覧でばーっとクチコミがあって、それをいまだにコピペしてExcelに貼ったり、スクリーニングしてデータベース化するんです。
とは言っても、全商品の全クチコミを取ってくるのは不可能に近いので、一部のデータしか取得できていないし、その使い方も人それぞれというか。使えているところもあれば使えていないところもあって、断片的な情報を正として物事を進めていることもあるので、統計的には使えていない。
川崎:事実上、抜粋の……。
押野:に、近いと思いますね。
川崎:セレクションみたいに、すごくセンスというか、ある程度人の恣意性が入るといいますか、角度によって違ってきますよね。
押野:そうですね。確かにフラットではないかなと思いますね。
川崎:なるほど。膨大なクチコミなんですが、膨大さゆえに、意外とそういうお悩みがおありになったということですね。
天野:まさにそうなんです。悩みといいますか、もちろんユーザーにとってクチコミは有用性があるよねというのは先ほど申し上げたとおりなんです。ただ、それを書いてもらっているメーカーさん側からした時には、そのクチコミすらももっと使えるデータにしていく(必要があります)。
先ほどおっしゃったように、実は我々のクチコミを書いてくださっているユーザーさんはきちんとデータベースで管理をしていて、一人ひとりユーザーIDがあるんです。じゃあ、その人たちはクチコミだけを書いてくれているかといったら、そうじゃないんですよ。これがすごく大事なところです。
その人たちは、ふだんはメディアで商品を見てくれている人であって、それに対して「Like」や「いいね」を押してくれている。あるいは我々は1つのプラットフォームの中で、メディアだけではなくECや店舗を持っていますから、例えばEコマースでお買いものをしてくれたり、店頭に来ていろんなものを試していただいたりする。
川崎:そのあたりのデータもIDでひも付いていらっしゃる。
天野:そうです。なので、「これを買った人がこのクチコミをしている」「このクチコミをしている人は、ふだんはこういうものを見ています」という、購買の前後関係も含めたデータとクチコミがつながって、初めていろんなことを分析できるものになり、データとしては活かせる。
かつ、それを1個1個分断するのではなくて、データとしての集合体として、そこから新しいクラスターや気づきを得るためには、ある程度データを集約していかなきゃいけない。じゃあ、何千万件もあるものを手動でできますか? ということで、今日のテーマにもある「AIを活かして」みたいなところにつながっていくわけです。
川崎:じゃあ逆に言うと、AIの登場以前には「これは相当宝の山ではあるんだが、どう(データを)切っていったらいいか、なかなかわからない」というところだったんですね。
天野:まさにそうなんですよね。
川崎:藤縄さん、このあたりはどうですか? AIの登場によって、抱えていらっしゃる課題感にアプローチできるようになりましたか?
藤縄:これから分析のツールの話につながっていくんですが、テストのデータとして、実際のクチコミのデータをサンプルとしていただいたんです。特徴として思ったのが、非常に熱量が高いというか。熱意を持ったテキストの文章であったことと、文章が非常にきれいで、さらに長文であることが大きな特徴だなと思っています。
川崎:熱量を持った文章って、どういうことですか?
藤縄:まず、文章の量が非常に長いですし、文章がしっかり書かれている。テキストのデータはいろいろ幅があるといいますか、使える・使えないはそこに関わってくると思うんです。
見たところ、ユーザーさんの入力の時にも選ばれているというか、書く方を選定されているということもうかがっていますが、そこの中でもクチコミの質の高さを感じました。同時に、大量のデータをどういうふうに扱うのかは、大きな問題になってくると思います。
ただ、それだけ質のいいものなので、ブランド側に対して何か非常にいいアウトプットが提供できると同時に考えました。我々も今、アイスタイルさまと一緒に議論をさせていただいて、今回の分析ツールにつながったかたちです。
川崎:なるほど。あらためてうかがうと、すごく興味深いデータをお持ちなんですね。日本でも、なかなかそういった会社さんはないかもしれないですね。
天野:そうですね。単純に「クチコミを(活用する)」という話であれば、他にもメディアはたくさんあると思うんですが、先ほど申し上げたように、我々はメディアだけじゃなくてEC・店舗(も運営しています)。
コスメって、性質上「誰かがいいと言っているから、じゃあ私もすぐに買う」とはならない世界なんです。店頭に行って試してみたり、本当に買ってみて初めてわかったことや、それが良かった・悪かったも含めて、全部試さないとわからない世界がある。それをクチコミというものが代弁してくれている。
先ほど藤縄さんが言ってくれたとおり、我々のユーザーは大変気持ちが温かい方が多くて、誰かのためにクチコミを書いていただいている方がすごく多いんです。
川崎:(他のユーザーの)参考になるように。
天野:まさに。なので、「SNSもクチコミじゃん」みたいな話もあるんですが、同じブランドさんに対するSNS(のコメント)を我々のものを比べてみると、やはりSNSは「かわいい」「きれい」「うれしい」とか、形容詞が多いんですよ。
川崎:どう思ったかという感想ですね。
天野:そうです。もちろん我々のクチコミでもそういう言葉はあるんですが、先ほど「いろんな要素がある」と言ってくれたのはそこです。機能、成分、使い心地、あるいはそれが良かったか・悪かったか。「でも、こういう人には合うかもね」とか、使用感もそうですし、いわゆる使用シーンだったりいろんなことを書いてくれている。
川崎:ある種、情報量が多いようですね。
天野:そうなんです。
川崎:そのあたりのことでスライドもご用意いただいていますので、見ながらご説明いただければなと思っております。データの基盤の構築もなさっていらっしゃるということですね。
天野:そうですね。「データ収集」というところが、まさに先ほどの話ですね。メディアだけじゃなくて、EC・店舗というリアルの場、購買というシーンも含めた状態でのデータを集積しているところが、まずは我々の大きな強みです。
外部領域はこれからという話もあるんですが、とは言ってもSNSだったり、ブランドさんが保有するファンの方のデータは当然あるので、こういったことも今後はうまく重ねながら、1つのデータ基盤を構築していく。そこが2つ目の矢羽の「データ蓄積」というところですね。
クチコミもそうですし、もちろん我々の会員さん自身のユーザー属性や購買情報など、ここにいろんなデータが溜まっていく。
あるいは先ほど申し上げた「何に迷っているのか」とか、ユーザーさんのポーチの中身じゃないんですが、「どういったもので迷って、どういったものを買ったのか。そして結果的に今は何を使っている」ということも、把握しようと思えばできるデータです。
そういったことを、さらにふだんのユーザー行動などとかけ合わせることによって、1つの大きな統合データとして基盤を作っているというのが、(スライドにピンクの)枠が掛かっているところになりますね。
川崎:そうなんですね。かなり壮大な、すごいデータ量になりそうなプロジェクトですね。
天野:これはすごいデータ量になりますよね。
押野:なので、社内でもちゃんと整理ができていなかったり、ちゃんとした形式で保管されていなかったりすることが多々あって。いざ自社で分析しようと思っても、欲しいデータが取り出せる状況になかったりという歯がゆさがありました。「どこで、誰が、何をしたか」を1つのユーザーのIDにひも付けられるように、統合データ基盤を一所懸命作っています。
川崎:でも、これが実現されると、今言っていただいたようなすごくいろんなことがわかって、ユーザーが本当に求めているものは何なのかにタッチできそうな感じですよね。
天野:そうですね。「なぜ買ったのか」だけではなくて、「なぜ買わなかったのか」もそうです。何を買ったのかもありますが、一方で「じゃあ何で迷ったのか?」というものをトータルで見た時に、「結局、その人たちの深層心理って何だっけ?」という。
今の世の中にあふれているデータはいろいろあると思うんですが、この手の話になると一番大きいのは、やはりPOSデータ。これは購買データだけなので、結果でしかないんですよね。
「どういう人が何を買った」だけでも十分価値はあるとは思いつつも、その前後のデータやクチコミなどが重なることによって、より立体的な、いわゆるユーザー・ターゲットをあぶり出していくような解析・示唆が、我々としても業界に示せるようなポテンシャルを感じています。
川崎:それはマーケターの夢と言えるかもしれませんね。
天野:だとしたら最高ですよね。
川崎:これが、次世代クチコミ分析ツールのプロトタイプ開発に入られているというご説明ですかね。
押野:そうですね。先ほど申したように「クチコミデータをどう活用しようか?」となった時に、集合知というか、クチコミ、購買データ、誰かということのかけ合わせで、いかにアウトプットを出すかをずっと試行錯誤しています。
そのタイミングで、生成AIという非常にホットなワードが出てきたり、それを使ってうまく要素やペルソナを抽出できないかな? と思っていたところに、ちょうどシンカーさんからこういった趣旨のご提案をいただきました。
データを一緒に見ながら「どんなことができますかね?」という試行錯誤をして、PoCを作っていただいたというのが、この分析システムの概要です。
川崎:押野さん。「次世代」と付いていますが、どのあたりが次世代なんですか?
押野:そうですね。かゆいところに手が届くというか、本当に柔軟にこちらの要望に対して何でも返してくれます。「使い勝手はどうですか?」みたいな質問をしても、それっぽくちゃんと返してくれたり、「どんなところを評価されていますか? それをGoodとBadで3つずつ教えて」と言うと、そのとおりに返してくれたり。
「もし僕がブランドの商品開発担当だとして、リニューアルするとしたらどうしたらいいですか?」と聞くと、「今、ユーザーさんがこう困っているので、こういうポイントを改善するとなんとかなるかもしれませんよ」というふうに返してくれるようなものを作っています。
ChatGPTをイメージしながら、クチコミを使って美容に関してエキスパートに答えてくれるというのは次世代というか。たぶん我々にしかできないオンリーワンの、AIを活用したホットなツールなんじゃないかなと思います。
川崎:確かに。
川崎:今のお話をうかがうとすごいですよね。あらためて、もともと@cosmeでのユーザーの高い熱量が、そのままクチコミという膨大なデータになっていて、他の行動データとも結びついている状態。
さらにブランド側の方が「どうしたらいい?」「どう思っているか?」と自然言語で聞いたら、それをまた自然言語で返してくれる。そういうことが実現できたら、確かに次世代というか、それよりもっとすごいものという感じがします。これは実際にシンカーが実装のお手伝いをしたということですよね。
藤縄:はい。では、我々が作っている分析ツールのPoCで行った内容の概要を説明できればと思っています。(スライド)左側にデータの内容が書いてあります。
私たちはもともと、いわゆるCDP(顧客データ基盤)の領域をやっています。下に書いてあるような「構造化データ」は、会員のデータ、Webのアクセスログ、購買データがあって、こういったところがメインの領域になっています。
それに対して今回、@cosmeさんのクチコミのデータが入ってきていわゆる定性的というか、テキストのデータではあるんですが、非構造化データに近いようなものを組み合わせて分析ができないかというのは、非常に新しいアプローチだと思っています。そこが1番から2番のところで、生成AIを使っています。
2番目のところなんですが、大きく3つ。もともとのデータを加工していまして、1つはペルソナを作っていく。ただ、クチコミのテキストのデータを基にペルソナを作っていくサービスは本当にたくさん出てきていますので、これだけが特徴ではないんです。やはり私は、真ん中の②の「数値化・グラフ化」のところが非常に大きなポイントだと思っています。
テキスト化されている、いわゆる定性的なデータをどういうふうに定量化して、グラフに変えられるかというのは、今回の大きなポイントだと思っています。
ブランドから見た時に、商品開発を行ったりマーケティングに活用するところに対して、解釈性を非常に高めるものだと思っておりますので、後ほどデモ画面で実際のものをお見せできればと思っています。
3点目に関しては、今回は仮想のユーザーを作って、それに対してヒアリングをするようなシステムになっていますので、そこではベクトル化・類似度検索という仕組みを使っています。(スライド)一番右側の3番目のところになりますが、顧客を理解するためのユーザー分析の画面を作りました。
仮想のペルソナに対してチャットで壁打ちをしながら、次の改善点とか、どういうふうに施策を行っていけばいいのかをヒアリングをして、それに対しての課題の解決ができるようなシステムを今回共同で開発させていただきました。
川崎:聞けば聞くほど、ますますすごそうな感じがします。この3番目(顧客課題の抽出)のビジュアルを早く見てみたいなというところですね。
藤縄:わかりました。では、実際のデモ画面でご説明ができればなと思っております。まずはこちらが、ブランド側のマーケティングの部署や、商品開発をされている方が見る画面です。
左上に「顧客を知る」と「顧客に聞く」という2つの機能がありまして、まずは「顧客を知る」の画面で顧客の理解をします。特徴としては、自社商品と他社商品が並んでいるというかたちになっています。
@cosmeさんに関しては、本当にさまざまなブランドのクチコミがありますので、まずは自社の商品を選択して、それと他社の商品を比較するというのが基本的な考え方です。なので、ここで2つの商品を選択するかたちになっています。あとは右上の作成のボタンを押すと、下側に画面が表示されます。
これは2つの商品を比較をしている画面になっていますので、緑になっているところが自社の商品を記載しているもの、赤のところが他社の商品を記載しているものです。それぞれ説明を簡単にしていきます。
川崎:藤縄さん。今、パッと右上に文字が出てきましたが、この「主なユーザーは30代から50代の女性で……」というものは、今作られたんですか?
藤縄:そうですね。実際にクチコミのデータから、生成AIが対象のペルソナをテキストとして表示をしていますので、今、作成されたものになっています。
川崎:そうなんですね。じゃあ、その時のデータでこういうふうにペルソナができるということですか?
藤縄:はい。先ほどのように商品を変えていただくと、別のペルソナが作成されますので、商品を変えてどういうふうに変わるのかは、また後ほどグラフの時にも見ていただければなと思います。
藤縄:クチコミのテキストのデータをもとにペルソナを作るという機能自体はすでに他社でも出ています。@cosmeさんのデータの大きな特徴は、先ほど天野さんからもお話があったとおり、顧客のIDに対して、クチコミのデータと購買のデータ、そしてその前の行動のデータがつながっているところが、非常に大きなポイントだなと思っています。
特に左側を見ていただきますと、自社の商品の平均的なユーザー像が掲載されています。年代や購入した商品(の金額が表示されている)。
ここが大きな特徴なんですが、@cosmeはECと店舗の両方がありますので、ECと店舗の購入の比率とか、顧客IDに対して肌質のデータをお持ちになっています。その平均的なユーザーが誰なのか、どういった肌質の方なのか、どういう購買の比率なのかという定量のデータとクチコミのデータがつながって、1つの画面で表示されているのが大きな特徴です。
川崎:押野さん。「リアルかネットか」という購買の比率って、重要な情報なんですか?
押野:そうですね。どうプロモーションされるかを検討する際には、どういうユーザーが店舗にいて、ECにいるかをそれぞれ考えながら出し分けたり、それぞれPRをする必要があります。
川崎:なるほど。(@cosmeは)こういう情報もお持ちだから出せるということですね。
押野:はい。
川崎:藤縄さん。そのあたりが、ブランドの担当の方にとっての「解釈性の高いデータ」と言われましたっけ?
藤縄:そうですね。メインは下のグラフにはなるんですが、まずは右上のところでテキストの定性的なデータを表示して、左側の上は定量データを平均的なユーザー像として記載をしています。
下がさらに大きな特徴になっていくんですが、見ていただくと、左下に「セグメント」と書いてあります。この商品がどの肌質のタイプの方に対して、どういったスコアで評価されているのかがわかります。特に一番の特徴は、真ん中のニーズの分析です。テクスチャー、保湿、効果持続といった軸が設定されていますが、これ自体も生成AIが自動で軸を設定をしています。
川崎:じゃあ、ブランドが違えば、毎回この評価軸は違ってくるんですか?
藤縄:はい、違ってきます。実際にその評価軸のところで別の商品を選択していただくと、先ほどとは異なった評価軸が自動で作成されます。
川崎:あっ、本当だ。これ、また違う評価項目になっていますね。
藤縄:そうですね。テキストデータをそのままテキストとして表示するのではなくて、これが定量化、グラフ化をすることだと思っています。
なのでクチコミのデータは、ある評価軸を決めて、それに対してここでは5段階でスコアにしています。自社と他社の商品で比較することができる機能に関しては、非常に新しいものだと思っていますので、ここは外部に対して有用なものとして提供できるんじゃないかと両社で考えています。
株式会社ベルシステム24
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