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経営企画の未来図を描く ー 日本企業の成長戦略を左右するカギとは(全1記事)

2024.08.30

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経営企画が陥っている「ありたい姿」と「現実」の“板挟み状態” ギャップを埋めるための処方箋

提供:DIGGLE株式会社

経営企画の課題解決に取り組み、予実管理クラウドを提供しているDIGGLE株式会社。孤立しがちな経営企画のために、有益な情報交換の場を立ち上げるなど、経営管理に留まらない取り組みを行ってきた同社が、新たな試みを発表しました。
同社代表取締役の山本清貴氏と、マーケティング担当の瀬川義人氏が、2024年9月19日(木)に開催されるリアルイベント「DIGGLE Next Growth Conference〜企業成長を導くこれからの経営企画とは〜」ならではの見どころと舞台裏を語ります。

「正しい計画」が立てられない時代の経営企画の役割

——事業環境がめまぐるしく変化する中で、経営企画の役割はますます重要になっていると思います。長く経営企画部門を支援されているDIGGLEさんは、現状をどうご覧になっていますか?

山本清貴氏(以下、山本):実は、経営企画に求められる役割の変化に対して、執務している業務そのものはそんなに変わってないんじゃないかと思っています。計画を立てて、それを達成するために情報を集め、整理するような管理業務自体が昔も今も多すぎて、むしろ作業的な業務は増えているんじゃないかと。

そうなると、業務負荷の高さから本来求められている役割を果たすところまでたどり着けていないのではないかと考えています。

一方で、経営の方向性は変化していると思います。今のように変化の激しい時代は「正しい計画を立てきる」のは難しい。リアルタイムに状況をちゃんと把握して、変化に対応して「ヒト・モノ・カネ」という経営資源のリソース配分を変えていくことが重要だと思います。

そこでテクノロジーや新しい経営手法を使って、会社を変えていきたいのに「追いつけていない」というギャップに悩んでいる方が多い気がします。

瀬川義人氏(以下、瀬川):企業の規模などによっても、若干前提は異なりますが、山本さんがおっしゃったとおり、経営企画の方がやることは大きく変わってないんです。ただ、考えるテーマがすごく増えてきていると思うんですね。

最近なら例えば、人的資本経営とかROIC経営、ESGやSDGs、パーパスなどを考えないといけないとか。一方で、コーポレート部門の中に収まる経営企画は、1人増えたから売上がいくら上がるというわけではないので、一気に人員を増やすのも難しい。

限られた人数で、経営に関わることに何でも取り組まないといけない状況で、いかに効率的に仕事をしていくかが求められているのかなと思います。

一方、経営管理の領域で言うと、少し先の未来や戦略に時間を使いたいけれども、目の前の事務処理や集計に追われて、そこまで時間が割けないという課題もあると思いますね。

意思決定のインパクトを大きくする方法

——なかなか一筋縄ではいかない課題ですね。答えにくい質問で恐縮ですが、そういった状況に陥っていたら、どんな打ち手が有効なんでしょうか?

山本:我々も、そこに対してどう解決策を提示できるかなと思っているんですけども。ライフネット生命を起業された出口治明さんが以前、インタビュー記事の中で「意思決定のインパクトは、速さと質で決まる」といったお話をされていました。

たとえ一人の天才がいなくても、複数人が知恵を持ち寄れば質はカバーできる。インパクトの大きさは速さで差がつく、と。速さについてはテクノロジーが大いに貢献できると思っています。

例えばExcelでデータを集めたり、レポートを作ったり、予算と実績のギャップを見る予実管理は、AIなどのテクノロジーが貢献できると思います。弊社のお客さまも、データを受け取ってアウトプットするまで2日かかっていたのが、データをアップロードするだけで済むようになり、30分ほどに短縮できた事例もあります。

また、グロース市場に上場している企業さまも、スタートアップとしてまだまだスピード感を持って事業成長させなきゃいけない一方で、期初の時点で全体を見通すのは難しい。

期中に「新たにこれをやりたい」という追加予算の要望がどんどん上がってくる一方で、把握できていない余っている予算もけっこうあるわけです。DIGGLEをつかって予実状況を可視化したことで、余っている予算をリアルタイムで把握し、再配置しやすくなった。投資が加速したとおっしゃっていました。

瀬川:私がインタビューさせていただいた、とある大企業の方は、グループ会社のKPIの進捗などをまとめて本社に報告する業務に1週間程度かかっていたそうです。

「価値を生むのは改善のアクションなのに、それを考え始められるのは1週間後になってしまう。これが1〜2日で終われば、それだけ早く次の打ち手を打てる」と、時間の重要性についてお話されていました。より付加価値が高いところに時間を使うためにも、テクノロジーを活用していけるのが理想ではないかなと思いますね。

経営企画部門のために情報共有の場を作りたい

——課題に対する、新たな解決策も生まれているということですね。「こんな打ち手があったんだ」という気づきを得る機会の1つが、イベントやセミナーなのではないかと思います。貴社では昔から、孤立しがちな経営企画の方々が集う場づくりに取り組んできたとお聞きしました。

山本:そうですね。僕がDIGGLEという会社を作る前は、動画マーケティングのスタートアップにいたんですけど、マーケターの方々はわりと会社で取り組んでいる成功事例を惜しみなく共有したり、コミュニティを作ったりされていたんですね。これはいい意味で驚きでした。

それで、自分が経営管理・経営企画の領域でビジネスを始めた時も「ぜひこういう場を作りたい」と思ったんです。正直、M&Aや予算配分など、企業情報としてセンシティブな話もある中で、難しいと感じていた部分もありました。

それでも、これはやる価値があると思っていたので、「SNSや口コミで集まった方が、10人でも共有し合えれば」と、2017年に初めて「予実ナイト」というイベントを企画しました。

当時はお金もない中でしたが、経営企画の情報共有の場ということで、共感を持ってくれる方がいらっしゃって、ユーザベースCFOの千葉(大輔)さんや、当時、WantedlyのCFOだった吉田(祐輔)さんにお声がけしたら、快くパネラーとして登壇していただけたんですね。

著名なCFOの方々がSNSなどで「今度こういうちょっと変わったイベントに登壇します」と発信してくれたこともあって、どんどん応募が増えていき、最初は定員20人だったのが、80人ほどの方が申し込んでくださり、どんどん増枠していくことになりました。

経営企画あるあるの「困りごと」も学び合える

山本:イベントでは当然、直接企業の守秘に関わるようなことを話すわけではなくて。例えば、予実管理で事業部で起きていることをちゃんと経営に吸い上げる時に、どうやって数字を集めているのか。

アメとムチで言うと、ムチを中心に情報を集めているけっこう厳しい会社もいらっしゃれば、情報を入力するとポジティブな評価がもらえるという会社もあって、企業の業種やカルチャーによって違うわけです。

そんな中、「経営の数字をちゃんと報告することが、経営の意思決定につながっていくんだよ」ということを定着させるために、事業部で勉強会を開いたら、数年越しで組織が変わったとか。守秘に関わる話でなくても、お互いに学びを得られる場にできることが分かりました。

また、このイベントがきっかけで、「実は、別の会社の経営企画との名刺交換から業務提携を結ぶことになったんですよ」という言葉をいただいたのもすごくうれしかったですし、価値のあることだったなと思いました。

経営企画が直面する、6つの課題を取り上げるイベント

瀬川:私も経営企画の方々とお話しする中で、「ふだんどうやって情報収集されているんですか?」とお聞きすると、「実はあんまりそういうことを学ぶ場がないんだよね」とおっしゃる方が多いんです。

そうした中で、私たちのドメインである予実管理だけではなくて、経営企画を取り囲むさまざまなテーマについてより深く学べる場をご提供したいと考え、「DIGGLE Next Growth Conference〜企業成長を導くこれからの経営企画とは〜」を開催することになりました。

——イベントのテーマや見どころを教えてもらえますか?

瀬川:イベントの中心テーマは、副題にもある通り、「企業成長を導くこれからの経営企画」です。そのテーマを考える上で、大きく6つのテーマの講演を用意しました。経営戦略、M&A、AI活用、新規事業創出、データドリブン、FP&A・組織づくりです。

これらのトピックは、事前に経営企画の方々にインタビューをしてきた中で、共通して挙げられていた課題だったんですね。

例えば、「この領域でもう何十年も事業をやってきて、業界自体もシュリンクするのはわかっている。だけど、次の新規事業を作るのにどうしていいかわからない」とか。「自分が異動した後に経営企画を任せる人材をどのように育てたらよいか悩んでいる」といったお話もありましたね。

他にも、ある方からは経営企画人材のキャリアパスの難しさについても話がありました。経営企画のキャリアの先で一番近いのはCFOだと思いますが、すでにそういう方がいたら、もう上がれなくなってしまう。

一方で、いずれ起業したいと思って経営企画に行った方は、なかなか起業に関するスキルセットが身につけられなくて、いわゆる事業開発や新規事業に行ったほうがいいんじゃないかとか。そういった方々にとって、何か仕事のヒントを見つけてもらえればと思い、今回のイベントを企画しました。

見どころについては、全セッションを紹介したくなっちゃうんですけれども(笑)。いくつかピックアップしてご紹介すると、基調講演には、一橋ビジネススクールの楠木建先生をお招きして、『逆・タイムマシン経営論』という著書から「本質を見失わない経営思考」というテーマでお話をいただきます。

「近過去」に学ぶことで、次の時代をどう歩めばよいかというヒントをご紹介いただくセッションになっています。先が見えない時代に、本質を見据えて経営をしていくために必要な思考についてお話しいただく予定です。

AI活用やM&Aのリアルがわかるセッション

瀬川:また、経営とAIというテーマのセッションも用意しました。2023年が「生成AI元年」と呼ばれている一方で、思ったように活用できていない企業も多いと聞きます。

今回は、株式会社Preferred Networksの岡田氏、株式会社松尾研究所の金氏、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の馬渕氏という、日本のAI活用のトップリーダーのみなさまにご登壇いただき、日本企業がAI活用をする上でのポイントもお聞きしていく予定です。

山本:あと、SHIFTさんのM&Aのセッションもすごくおもしろいテーマだと思っています。なぜかというと、企業を大きくするために、いろんなところで「M&Aは戦略として取り組むべきだ」と言われている中で、実際はなかなかうまくいかせるのは難しいという話も耳にします。

やはりテーマとして話しづらい領域でもあるので。例えば自分で「会社買ったけど、あんまりうまくいってないんだよね」とは、なかなか言えないじゃないですか(笑)。

そういう中で、失敗談ではなくて成功談ですけれど、やはりSHIFTさんは7月末時点で33件のM&Aをやってこられていて、ノウハウを確立されています。M&Aってアートみたいな領域かなと思うんですけど、すごくサイエンスされてると思うんですよね。そういった話を生々しく聞ける場は貴重なんじゃないかなと思います。

業務効率化や協業などのきっかけが得られる場に

——セッション後は、アフターパーティも予定されています。予実ナイトも、ただ講演を聴いて終わりではなかったからこそ、事業提携につながるような出会いも生まれたのかなと思いますが、何か工夫をされているんでしょうか?

瀬川:アフターパーティは、やはり学びを深める場であってほしいなと思います。セッションはある意味、あえて抽象度を高くしていて、具体的なTipsというよりは、「自分たちはこれをどう適用するのか?」という会話のきっかけをお届けしたいと思っています。

お互いに会話がしやすいような場づくりも考えていますので、ぜひみなさんで壁打ち的にお話しいただいて、何か1つでも持ち帰っていただけるものがあればと考えています。

——経営企画というと、外部の方とは仕事の話をしづらい部門かとは思いますが、こういったイベントやコミュニティで情報共有し合えるようになることで、どんな変化が生まれると思われますか?

山本:業務を効率化するという観点では、やはり共通化できる部分があると思うんです。経営企画は、経営に直結する業務をしているので、ちょっと大げさに言うと、日本の社会に対する影響も大きいと思っています。

例えば、「こういうテクノロジーや仕組みを使うと、この作業がこれだけ減りますよ」ということは、どの業種でも変わらないと思うんです。ほかにも、新規事業創出のヒントや、協業によってシナジーが生まれるかもしれない人たちと出会う場としても活用いただきたいと思っています。

明日から業務に使える知見を持ち帰り、一歩踏み出す

——このイベントに興味をお持ちの方へのメッセージをお願いします。

山本:我々は予実管理クラウドをご提供していますが、今回のイベントでは予実管理サービスのテーマは1つもないんです。それは、「経営企画のみなさまのためになるのか?」ということを考えていった結果、テーマがどんどん広がっていったからなんです。

それぐらい、みなさまが外に抱えている課題は大きいと思っていますし、そこが変わっていかないと、企業にとって重要なポジションにいる方々の潜在能力が発揮できないのではないかと思っています。

本当に「明日から業務に使える」知見が持ち帰れる場になるとうれしいですし、そういう場にしたいなと思っています。

瀬川:経営企画の方々は、正解がない分野で「あれもこれも考えなきゃ」というところで、不安を感じられることもあると思います。そうした時に、他社の方の話を聞くことで「やっぱり正しかったんだ」「こういう観点もあったな」と気づいていただけるのではと思っています。

今回は少し未来のことを考えていただくことで、「明日からこれに向かってやっていこう」というふうに、一歩を踏み出していただけたらと思います。

——経営企画の方々のお悩みに真摯に向き合い続けているからこそ、実のあるお話がうかがえるイベントになるのではと思います。お話ありがとうございました。

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