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20分に凝縮!SAP Business Technology Platform の現在とこれから(全1記事)

2023.11.02

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ローコード、ノーコードでアプリ開発・自動化・統合 90以上の機能サービス群が揃う「SAP BTP」活用によるプロセス改善

提供:SAPジャパン株式会社

クラウドソリューションを提案するSAPジャパンが主催したイベント「SAP NOW Japan」。本記事では、ビジネスの効率化や生産性向上を支援する、SAP Business Technology Platform(BTP)について、同社ソリューション事業開発部の高橋正樹氏が解説します。企業がDXや全体最適を進める際の壁の乗り越え方とは。

ビジネスプロセスの最適化を支援する「SAP BTP」

高橋正樹氏:それでは、「20分に凝縮! SAP Business Technology Platformの現在とこれから」と題しまして、SAPジャパン株式会社ソリューション事業開発部の高橋からご紹介いたします。

本日は「SAP BTP」とは何か、なぜ必要なのかというところから、今後どのようになっていくかといったところを、ぎゅっと凝縮してお話ししていきたいと思います。

まず最初にご覧いただくのは、こちらのIntelligent Sustainable Enterpriseです。SAPが提唱させていただいているバリューチェーン全体、SAPのERPが入っているプロセスの部分だけではなくて、それ以外のところ(も含んだ全体像です)。

SAPのクラウドの他のアプリケーションもそうですし、その外側も含めて、みなさまの組織全体のビジネスプロセスをシームレスにつなぎ、持続性、継続性を担保しながら、先進技術によって、最適、自動化、高度化、効率化が進むような世界を目指しましょうと提唱させていただいております。

そういったところを目指そうとすると、当然、クラウドERPに含まれるビジネスプロセスだけでは閉じません。

Lead to CashやDesign to OperateといったプロセスをEnd to Endで見ようとすると、組織・プロセス・人材・システム、それぞれが分断されていたり、うまくつながっていない。もしくはつなげるために非常に苦労をしている、時間がかかっているかと思います。

例えば個別最適をそれぞれの事業部門で縦割りでやっていると、どうしても部門間にまたがるようなプロセスに手を入れづらいといったことが起きたり。

新しい技術要素を組み入れようとした時も、全体がどうなっているかわからないので、前半のほうである技術要素を入れたら、後ろにどう影響するかわからない。なので、個別最適でちっちゃなところだけを自動化していくですとか。

あとは、非常に良いものがいろいろ登場してきても、それに切り替えようとする時の検討にも時間がかかりますし、切り替えのコストも非常に大きくなってしまうと。

業務の最適化やDXを阻む、柔軟性や俊敏性の欠如

こうした柔軟性や俊敏性の欠如が、このIntelligent Sustainable Enterprise、デジタルトランスフォーメーション(DX)を目指すための壁になっていることがあるかと思います。そういったものをできるだけ排除していくために、必要なポイントがいくつかあります。その1つをSAPではKeep Core Cleanと言わせていただいています。

従来型のアドオン開発というかたちで、ERPやSAPのアプリケーションのプログラム自体を修正をしてしまうと、どうしても柔軟性・俊敏性が損なわれてしまいます。何か手を加える度に、調査やテストのための時間がかかってしまう。

そこで、まずはAPIベースで疎結合の機能開発をしていく。そういったところがこの「SAP Business Technology Platform」の得意領域となっています。そのためのセキュリティや、UX、API管理、さまざまな最適な構築ができるようなプラットフォームをご用意しているところが1つ(の特長です)。

続いてシステム間の連携ですね。「SAP S/4HANA」ERPと外側の受注情報を連携させて、お金回りの管理をしていこうという時。Peer to peer の個別開発で、ファイルをバッチでダウンロードして、それを日に1回連携をさせるようなかたちをとっていると、やっぱりPeer to Peerの個別開発のインターフェースを作るのにも修正を加えるのにも、柔軟性・俊敏性には欠けてしまいます。

バッチ連携が1日に1回なのか半日に1回なのか、いろいろあるかと思いますけれども。プロセスをいちいち遮断するので、その前までのプロセスで発生したデータを後ろのプロセスや別の部門の方に渡していく間に、ごっそりとデータが集まるまで待つかたちになり、一時遮断を招いてしまう。

APIベースでシステムを統合し、効率化を促進する

そういったところをAPIベースで、システムの統合をしていくというのが、今後の潮流となっています。「SAP BTP」は、そのための「SAP Integration Suite」というプラットフォームを提供しています。前のプロセスで発生したデータを、シームレスに、次のシステム、次のプロセスへ流していくことができます。

APIで汎用的、標準的な機能ベースでつないでいくことによって、間の変換も標準化しやすくなります。提供されているテンプレートなども活用いただき、効率的、生産的につないでいただくことができます。

さらには、そのEnd to Endのプロセスを見た時に、どうしてもシステムとシステムの間に落ちてしまっているプロセスや、システム周辺で手作業でなんとか運用で介抱しているようなプロセスも、かっちりとアプリケーションを作り込んでしまうと、どうしても柔軟性といったところが欠如してしまいます。

最近はローコードやノーコードといった、プログラミングをできるだけせずに、あるいは完全にコーディングなしでワークフローのアプリケーションを作ってしまったりですとか。

RPA(Robotic Process Automation)は、かなりいろんな方が使われてるんじゃないかと思いますけれども。人が作業をした画面の操作をそのままレコーディングして、それを代わりにやってくれるというようなものですね。

こういったものを使うことによって、手作業でやっている作業(の効率化ができます)。「SAP S/4HANA」の外側で、何か承認プロセスを回していたようなものを置き換えて、属人化を排除する。

それによって、「ビジネスを新しくしましょう」「組織の組み替えをしましょう」という時にも、そのあたりのプロセスを組み替えることによって、簡単に対応できるようになっていくのではないかというところになります。

データの収集・分析を進めていく上での留意点

続いて4つ目です。End to Endでビジネスプロセスを回せるようになってくると、そこのプロセス全体の生産性を見たり、そのプロセスにもまたがるようなデータの収集ができるようになりますし、やりたくなってくるかと思います。

じゃあサイロ化された各データソースからデータを取ってきて、マスターのデータをどう変換していくのか。そういったところに個別に手をかけてやっていくのではなくて。

SAPのアプリケーションの中に入っている、ビジネス上のプロセスの持ち方、データの持ち方、マスターや組織の持ち方といった、コンテキストをそのまま引き継いで、分析などに使っていただけるサービスも「SAP BTP」の中にご用意しています。

さらにはDXやデジタル化を進めていく中で、実は潜在的な作業として、それらのテストを行ったり、ライフサイクルをちゃんと管理して運用していくようなところがプラスで発生してきたりします。

そういった潜在的な負担については、先ほどのクラウドERPのセッションでもあったように、クラウディファイサービスという新たな拡張型のサービスもご用意しています。開発・実装フェーズにとどまらないサービスのポートフォリオとして用意をして、みなさまのご支援をしています。

90以上の機能サービス群が揃う「SAP BTP」の事例

この「SAP BTP」を使っていただける、もしくは使っていただきたい必要性についてご紹介をしましたが、今「SAP BTP」の中には90以上の機能サービス群がございます。

その中にはアプリケーション開発をしたり、ワークフローのアプリを作ったり、インテグレーションを実装できるようなものがあります。それ以外に開発運用の支援のアドバンスドサービスというものが揃ってきています。

ただ、この90以上のものサービスを全部を覚えていただく必要はなくてですね。やはり日本国内で使われている主要なものは20〜30ぐらいに限定されていますので、そういったものを中心にご提案しております。

実際にこういうものを使って、デジタルトランスフォーメーション、業務革新を進められているところとして、日立ハイテクさまというマニュファクチャリング系のお客さまをご紹介いたします。

今ちょっとQRコードを出させていただいてるのは、インタビューの動画などです。その事例の内容を記事にまとめて公開させていただいてますので、ぜひご覧いただければと思いますけれども。

日立ハイテクさまは「SAP S/4HANA」のプライベートのクラウドと、パブリックのクラウドをグループ全体に展開をしていく中で、アドオンの開発の部分をできる限りAPIベース、疎結合の機能拡張に切り替えていったりですとか。

レポートの真ん中には、データウェアハウスというものを構えて、各ERPからデータを集めてマスターの変換をさせて、それをいつでも見れるようなかたちで、リアルタイムで管理できるものを作り上げたりしています。

インテグレーションのところも、できる限りAPIベースでシームレスにつなげていこうということで、サプライチェーンといったところを流していくということを実現されているお客さまです。

倉庫の検品作業や人事の入社手続きにも活用できる汎用性

もう少し具体的に、どういった業務領域でどう使えるのかといったところもご紹介していきたいと思います。

こちらは利用シナリオの例です。倉庫の管理で検品作業をする時に、今までは伝票を印刷して倉庫で実物を確認してオフィスに戻って、ERPに手動入力をしていました。そういったところに関して「SAP Build Apps」というノーコードのアプリケーションを作るというものがあります。

こういうものを使っていただくと、QRコードを読み込んで、その情報をモバイルアプリ上でちょんちょんと何か必要なプラスの入力をした上で、ERPに連携をする。そういったかたちで、現場でQRコードの読み取りからボタン1つでERPに情報を飛ばすものを作ることができます。

続いて、人事の入社手続きですね。契約書やユーザー登録、備品購入。意外に人が入ってくる時にやることが煩雑だったりします。ここで使っていただきたいのが、「SAP Build Process Automation」です。ワークフローやRPAをノーコードで組み込んでアプリケーションを作っていくというものですけれども。

こういうもので実装していただくことで、申請フォームを作って、そこに入力すれば、その人に必要な次の作業は、自動的にフローが各部署に回っていきます。そして、登録まで最終的に「SAP SuccessFactors」側に、新しい新入社員の登録や、購買のシステムに購買発注するところも、自動で登録できたりします。

受注処理やCSRレポート作成などの業務フローを効率化

続いて、コーポレートの受注処理ですね。先ほどのプロセスが分断してしまうというお話ですが、バッチ処理などをしていると、後続部門で処理が行えるのは、夜間のバッチ後と翌日以降というような会社さんもいるかと思います。

こういったところをAPIベースで、トランザクション単位でどんどん飛ばしていくという「SAP Integration Suite」があります。こちらを使っていただくと、受注データをリアルタイムに連動させて、後続の業務に待ち時間を取らなくてよくなるので、1つの取引のトランザクションの全体効率を上げられるようになります。

最後は、経営企画やCSRの方が、定期的にレポートを作っていらっしゃるようなことですね。こういうレポートは、社内分散していて、非財務の情報はなかなか1ヶ所に集まっていなかったりします。

そういうものを各部署から毎月集めて加工していますという時は、SAPのデータアンドアナリティクスのソリューションですね。「SAP Datasphere」と呼ばれるものと、「SAP Analytics Cloud」と呼ばれるフロント側のツールを使っていただくと、常時データを1ヶ所に集めておいて、必要な時に必要なレポート、またはダッシュボードをリアルタイムに見ていただけるようになります。

これによって、定例会議の準備や月次報告書の作成時間を極小化して、戦略や検討に時間を配分できます。

具体的なシナリオを4つ出させていただきました。先ほどの大きな視点での「SAP BTP」の必要性に対して、具体的にこういったポイントをクリアしていただくことによって、全社のデジタルトランスフォーメーションが進んでいく仕組みになります。

サービスの導入・移行・テスト・運用の各フェーズをサポート

先ほどアドバンスドのサービスのお話を少しさせていただきましたが、「SAP BTP」のソリューションだけではなく、導入・移行・テスト・運用、各フェーズにおいて、ご支援ができるようにということで。

先ほどの「SAP BTP」の各種サービスでは、豊富なビジネスコンテンツ、テンプレート、アダプター、開発キットをご提供することで、その生産性をさらに上げていただく。生産効率、開発効率を上げていただくという取り組みもしています。

具体的には、例えばRPAでエクセルの中身を読み込んで、受注の伝票をERPに登録していくようなところを、RPAの定義済みのBotのようなかたちで用意されています。

真ん中の「Solution Extensions」は、「SAP BTP」でSAPが独自に提供するものだけではカバーできないようなところは、ソリューションを拡大するソリューションエクステンションのパートナーということで、OEMで「SAP BTP」の一部としてご提供させていただいています。

こういうもので、テストの自動化やデータのマイグレーションといったところもカバーさせていただいております。

あと、クラウドERPのセッションでもあった、クラウディファイサービスが一番右側にあります。クラウドの導入、運用、またはライフサイクルの管理のご支援をさせていただくようなアドバンスドサービスをご提供させていただいています。

グローバルおよび日本国内にも広がるSAP BTPパートナー

こういったものをSAPが提唱したり提供したりしていても、なかなかユーザー企業さまだけでは実装は難しいので、やはり必要になってくるのが支援、伴走していただけるような「SAP BTP」のパートナーさまですね。

ここに3つの数字を出させていただいてますけれども。1,840というのは、グローバルで「SAP BTP」を扱っていただいているパートナーさまの会社の数になります。

この中のどれくらいが、日本のお客さまに向けて、日本の市場でもビジネスされてるかというところになりますが、グローバルでもこれだけのパートナーさまがおられます。真ん中の1,000という数字は、国内で「SAP BTP」の認定資格を取られているコンサルタントの方の数になっています。

実際はそういった資格がなくても、「SAP BTP」のプロジェクトに入られているパートナーさまはたくさんいらっしゃるんですけれども。認定資格を持たれているパートナーさまだけでも、今これぐらいの人数の方がいらっしゃいます。

SAPとして、もっともっと増えてほしいと思っていますので、この3ヶ月間の900というのは、実は4月から6月の間に無償で提供させていただいた、「SAP BTP」のトレーニングに参加された延べ人数ですね。3ヶ月間で900名のパートナーさまにご参加いただいて、「SAP BTP」のケイパビリティを上げていただいています。

実際に、本日こちらのイベント「SAP NOW」の中でも、ブースを各社さまに出していただいています。いろいろなところに散らばって、ご参加いただいていますので、ぜひそういったパートナーさまにもお話をうかがっていただきたいなと思います。

「SAP BTP」の今後の進化の可能性

早口で恐縮ですけれども、残りの時間で、今後の進化の可能性について最後にお話ししておしまいにしたいと思います。

「SAP BTP」の今後の進化といったところで、3つのキーワードを挙げさせていただきました。1つ目がEnterprise Automationです。みなさまのEnd to Endのプロセスの自動化といったところを、よりご支援できるようにということで。

ここにあるような「SAP Signavio」「SAP Build Process Automation」「SAP Integration Suite」サービスの連携をどんどん高めていく。「SAP Signavio」で、みなさまの全体のプロセスの可視化を進めていく。そして、「Build Process Automation」または「SAP Integration Suite」で、自動化や効率化を実装していく。

今はそれぞれを組み合わせて使っていただくイメージになるんですけれども、この連携機能を、今後どんどん高めていきます。例えば「SAP Integration Suite」で、各アプリケーションから発生するイベントの情報を取ってきて、それをベースにワークフローを回したり。

「SAP Signavio」側で、プロセスのボトルネックを見つけたら、それを起点に何か修正を加えなきゃいけない人にワークフローを飛ばすといった使い方ができるようになっていく予定です。

もう1つが、ジェネレーティブAIと書かせていただきましたが、生成AIですね。ChatGPTなど今かなり流行っているかと思いますけれども、こういったものを、SAPはいろんなアプリケーションに組み込んでいこうとしています。

その中の1つがこちらの「SAP Analytics Cloud」です。分析系のツールにも生成AIを入れて、チャットベースで問いかけると、欲しいデータがチャートベースやテーブルで自動的に出てきて答えてくれると。

初期フェーズでは「SAPAnalytics Cloud」側にデータを持ってくる必要があるんですけれども、今後は「SAP S/4HANA」や「SAP BW」「SAP Datasphere」などにライブで接続をして、その中に入っている最新のデータに対して、こういったことが行えるようになるロードマップです。

さらに生成AIを中心とした機能を拡充

もう1つ、AIや先進技術の進化は、SAPだけではなかなか追い付けない部分がありますので、各戦略的パートナーさまと連携をしながら、彼らの持っているテクノロジーも生かして、先進的な生成AIを中心とした機能を今後提供していくかたちになっています。

年内に、また新たに新しいアナウンスなんかがされていくかと思いますので、適宜そういった情報をSAPからさせていただければと思います。そういったものをお伝えしていくイベント情報をこちらに出させていただいています。

ここですぐに覚えていただくのは難しいかと思うんですけれども、今後もこういった、いろいろなテクノロジーのイベントをご用意していますので、より詳細な情報をこちらでキャッチアップしていただくというのが1つ。

20分、いろいろな情報を凝縮して、お伝えさせていただきました。以上でこのセッション、終わりとさせていただきます。ありがとうございました。

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