2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
ASTERIA Warp事例のご紹介(全1記事)
提供:アステリア株式会社
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菊地雄大氏(以下、菊地):ユーザー事例講演2本目に移りたいと思います。続きましてはStandardforce株式会社 営業開発部係長・佐尾和彦さまより、「DevFes 2023 Winter ASTERIA Warp事例のご紹介」と題しまして、ご講演をいただきたいと思います。それではこちらをご覧ください。
森慶輔氏(以下、森):続きまして、営業本部第一営業部に所属しております森から、お客さま事例講演ということで(ご紹介します)。Standardforce株式会社・営業開発本部係長の佐尾和彦さまよりご講演いただければと思います。佐尾さん、本日はよろしくお願いいたします。
佐尾和彦氏(以下、佐尾):よろしくお願いします。
森:ではさっそく、自己紹介からしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
佐尾:Standardforce株式会社の佐尾和彦といいます。簡単に経歴を説明させていただきます。もう何十年も前になるんですが、長崎県内でシステム会社のプログラマーとして勤務をしておりました。
そのあとはとある建設会社の経理だったり、事務機器販売会社のコピー機とかの営業をしていました。それを経て、株式会社富建のシステム担当として入社をしております。今は株式会社LTUという名前になっています。
その後2018年に分社化して、IT関連の子会社・Standardforce株式会社が設立されて、そちらに移籍して現在も勤務しております。ASTERIA Warp歴としましては、約半年になります。
森:約半年でこの講演をしていただき、ありがとうございます。すごいですね、プログラマーから経理、営業、そしてまたシステムに入るという経歴なんですね。本当にいろんなことを経験されて。
佐尾:いろいろ勉強はしてきました(笑)。
森:ありがとうございます。では今回の講演の内容を教えていただいてもよろしいでしょうか。
佐尾:このあと会社紹介をしまして、なぜASTERIA Warpを選んだのかを簡単に説明して、事例を3つほどご紹介いたします。1つ目がkintoneとの連携、2つ目がナビシステムとの連携、そして3つ目がチャットシステムの連携です。最後にASTERIA Warpを導入してどうだったかというところをお話ししたいと思います。
森:ありがとうございます。私たちは最後のページが一番気になります(笑)。1つずつお話ししていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
森:では最初に、会社紹介ですね。
佐尾:Standardforce株式会社といいまして、(社名は)「標準化(Standard)のチカラ(Force)」という意味を持っております。設立当初は親会社であるLTU、およびグループ会社の株式会社富建のシステムの保守が中心の業務でしたが、今では2つシステムの開発を完了しております。
1つがクラウド型の建材店専用の販売管理システム「Stance」。あともう1つが建築に特化した教育アプリ「NOGAZO」。この2つの販売業務を中心として現在活動しております。
森:次のページが本題ですね。「なぜASTERIA Warpを選んだのか?」というところで、いろいろ困りごとや要望を書いていただいてますが、こちらよろしいでしょうか。
佐尾:まず、先ほど話に出ました販売管理システムの「Stance」の開発が終了して、運用していくにあたり、いろんな出力が自由にできるものは何かないかなと。SQL(構造化照会言語 )のツールを用いていろいろ出力していたんですが、毎回SQLを組んで、それを実行させて出力するのは、なかなか面倒くさいところもありました。
あとStanceは、アウトプットの機能をあえて持たせていなかったんです。Stanceの前にもう1つ自社で販売管理システムを運用してたんですが、その実装はAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)によるデータ転送をベンダー開発でしていたんです。ただ今回Stanceに切り替えるにあたって、再度開発をやり直す必要がありました。
森:なるほど。
佐尾:それらを作るには、当然時間と、一番はコストがかかるのかなと思います。また現在の新しいベンダーさんでは、時間的なものもあって、アジャイル開発がなかなか困難なところがありました。
佐尾:最終的な要望は、プログラミング技術がなくても作れるもの。あと外部からStanceのデータベースにアクセスができるもの。あとSQLは多少勉強して組めるようになったので、そのSQLがそのまま使えるというものですね。APIでデータが自動で転送ができるもので、それを月次や日次、随時自動で実行ができるようなもの。
そして当然、開発のコストが抑えられるようなものですね(笑)。そして時間。いろんなアイデアを早く実現できるようなもの。こういったものがないかなとネットでいろいろ探しました。そうしたら、いいものがあったんですね(笑)。
森:なるほど(笑)。検索いただいてありがとうございます。
佐尾:いいものを発見できました。
森:やはり要望の最初の「プログラミング技術がなくても」と、最後の「いろんなアイデアがなるべく早く実現できる」というのは、リンクするように見えますね。(技術が)なくても、それでもアイデアがすぐに作れるところだったり。
あと個人的に、帳票の出力(機能)をあえて持たせていなかったのは、確かにその考えはありだなと思いました。(ASTERIA )Warpは関係ない部分ですが、すごくいいなと思いました。確かにエンドユーザーさんによって、いろんな帳票の出し方があって変わってくると思いますので。
佐尾:実際に、今あらゆるお客さまのところへ話を聞きに行っているんですが、やはり各社で出したいものの要望がさまざまで、ぜんぜん違うものになってくるんですね。そこに対応するためには、あえて最初からないのもありなのかなと。
森:なるほど。そこでASTERIA Warpを使ってデータを自由に取ってこれるというのも、ありですよね。
森:ということで、ここから事例を3つご紹介いただければと思います。まず1つ目、kintoneとの連携の部分をよろしいでしょうか。
佐尾:社内のBIツールとして何かないかというところで。Googleスプレッドシートのマクロ機能を用いて「経営コックピット」という名前で運用していました。ただ自動でデータが連携しないので、すべて手打ち。データが増えるたびに全体のレスポンスがぐっと低下していくんですね。
何かいい手がないかというところで、まずkintoneが使えるのではないかと。kintoneにStanceのデータを自動で転送させられるので、それによって入力の漏れや間違い、二度手間がなくなりました。
最終的に表示させる必要なデータのみ、スプレッドシートに自動転送させることで、レスポンスの低下の心配もなくなりました。開発は当然、kintoneとスプレッドシートのアダプターを利用しています。
実際の開発の中身のところです。Stanceの見込み、つまりは最新の見積もり情報、あと担当者別の売上粗利目標の情報と実績の情報を、自動でkintoneに登録させています。実行のタイミングは10分おきに自社のサーバーをのぞきにいって、最新のデータがないか取りにいっています。最終的にその日1日の最終データを夜間に1回実行しています。
これは私の初めての開発だったので、本当に最初は思考錯誤の連続でした。テストでポンと動いた時はかなり感動しました(笑)。
森:いろいろやっていただいたのは、問い合わせとかも見ていたので(存じ上げています)。本当にありがとうございます。売上情報などを取得する時は、10分おきにサーバーを見に行って、そこで最新のものがあれば常に更新をかけるようなイメージですね。
佐尾:そうですね。だからほとんどサーバーの負担になっていないのかなと思います。
森:なるほど、ありがとうございます。
森:続いてナビシステムとの連携ですね。ここは個人的にもすごく気になるので、よろしいでしょうか。
佐尾:今、弊社ではナビシステムとして「ビジネスナビタイム」を利用しています。今まではビジネスナビタイムに現場の住所と、位置情報として緯度経度を手入力していたんです。
販売管理システム・Stanceのほうでは、現場に配送することまで管理しているので、現場情報を持っているわけなんです。その情報はもう使えるものですので、それを夜間に一括でビジネスナビタイムに自動登録をさせているという状況です。
今は案件情報、要するに住所の情報だけなんですが、今後は「この商品を、ここに、いつ出してね」という出荷指示の情報も連携させようかなということで、開発を進めているところです。
森:今まで手入力だったんですね。
佐尾:そうですね。実は前のシステムはベンダーに依頼してAPIを組んでもらってたんですね。今回販売管理システムを入れ替えたことにより、なくなってしまったので、再度開発をしたところです。
森:なるほど。
森:導入結果のところになります。次のページにフロー図とかも入れていただいてますが。
佐尾:先ほども説明したとおり、Stanceが持っている案件の住所、緯度経度情報を自動で登録をさせています。実行は夜中に1回だけですね。
(開発は)2本目だったのでそれほど苦労はなかったんですが、なぜかテストの時にうまく動かなかったんですよね。最終的にわかった原因は、ナビシステムのほうにセキュリティがかかっていたから(笑)。その登録解除をしないと動かないとうかがいました。
森:そういうこともあるんですね。
佐尾:まぁ、なんでもなかったんですが(笑)。こちらのせいではありませんでした。
森:確かにナビシステムとの連携のアダプターは(ASTERIA Warp側では)準備がないのでアレですが。
佐尾:初めてREST API(「REST」という設計原則に従って策定された、外部から利用するためのプログラムの呼び出し規約の一種)という、(こちらの要求に応じた)文章を組んで送らせるということをやったんです。今回のこの件で勉強になりましたね。
森:ちなみにそこは初めてやられたということで、何か「ここはつまずきそうだな」という不安はありませんでした?
佐尾:どの構文を使ったらどういう動きをするか、やはり専用のマニュアルがないとわからない状態だったので、その情報がいかに取れるかだと思います。今回はナビタイムさんから(専用マニュアルを)提供していただいたので、それがあればなんとかなるのかなって思いました。
森:なるほど。ナビタイムさん側からの情報提供がうまくあったから、それを見ながらうまくできたと。
森:では最後の3つ目、チャットとの連携を教えていただいてもよろしいでしょうか。
佐尾:今弊社では「direct」という、建設業界に特化したチャットシステムを採用して運用しています。これをうまく利用できないかというところがヒントになってます。
今Stanceのほうでは、あらゆる承認行為があるんですね。例えば見積もりが規定の粗利率以下になると、必ず上長の承認を取ってくださいという機能があって、システム内に通知がいくようになっています。
ただ、そのシステムにわざわざ上長がログインして「何か申請が来てないかな」と見にいくのは非常に面倒です。できれば通知が来るようにしたいということで、チャットに通知情報を飛ばすようにしています。
「申請をしましたよ」という情報に対して、今度は「承認が下りましたよ」という情報も、リンク付きでチャットを飛ばしています。うちのStanceがWebシステムなので、リンクさえあれば開けるんです。リンク付きのメッセージを送ることで、さらに利便性も上がりました。
森:なるほど。
佐尾:チャットには承認に必要な情報をリンクと一緒に飛ばしてますので、上長は「こういう情報が来てますよ」ということで判断して、リンクを押すだけのかたちにしてます。
森:確かに私たちも社内でチャットツールを使っていますけど、常にログインしているわけではないので、なかなかリアルタイム性は削がれてしまいますね。
森:(通知情報は)どういった飛ばし方になっているんでしょうか。
佐尾:これもチャットシステムのほうにAPIの接続口がありましたので、こちらにまずStanceの承認通知のトランザクションデータが作られるわけなんですよね。10分おきに存在しないかどうかを見にいって、その情報をまたAPIの形式に書き換えて飛ばしているというかたちになります。
これにより申請と承認のスピードが格段に上がりました。ここで分岐とかループとか、なかなか勉強させられました(笑)。
森:そうですね(笑)。通知するデータがあれば動いて、なかったらそのままという動き方ですね。
佐尾:そのぶん、業務効率化効果が一番高いものとなっております。
森:けっこう(社内の)反応も良かったんですか?
佐尾:反応は良かったですね。余談がありまして、実は一部内容の修正をした時に、フローにバグがあって不具合が起きたんですね。それで約2〜3時間ぐらいチャットの連携が止まったことがあったんですが、社内でかなりブーイングが起きまして(笑)。本当に大変な時がありました。
森:なるほど(笑)。それだけ業務にとって必要になっているということですね。
佐尾:この連携が社内運用の重要なところになっていたという話です。
森:なるほど。でもここは実装できてよかったですね。
森:次が最後ですね。ASTERIA Warp導入に関してお話しいただければと思います。
佐尾:導入から運用のところまで、肝心なところを記載しています。まずは導入の準備のところにあたって、サーバーさえあれば即日導入が可能で、非常に手軽に導入できたと思います。
あと試用期間が1ヶ月もあったので、いろんな開発ができたんですよ。1ヶ月の試用期間は、非常に参考になったところです。実際の開発のところで、試用期間でけっこうガッツリ開発したものがあったんですね。それもそのまま運用に回せました。
あとノーコードで、専門知識がなくても簡単に作成できました。当然自社で開発するので、格段に速く開発ができるようになった。あとはkintoneとかスプレッドシートとか、よく使うツールにはアダプターがあるので、さらに簡単にできるようになってると思います。
あとサポートの方の対応が本当に親切でした。ど素人の質問をガンガン貼り付けても親切に対応していただいたので、本当に助かったと思います。運用時に関しても、ちょっとした変更があっても即時対応ができました。
連携のタイミングも、10分おきがダメなら30分おきや5分おきにしようといった変更が自由自在にできるので、本当に便利だなとあらためて感じております。
森:ありがとうございます。御社の場合はもともとさくらインターネットの環境を持っていたので、今回もそちらを使わせていただいています。本当に、サーバーがあればライセンスのご提供はすぐにできますので。
試用期間の30日間でいろいろフローを作っていただいたのは、何回か打ち合わせをさせていただいたので十分知っております。本当にありがとうございます。
佐尾:ありがとうございます。
森:開発の3番目ですね。「自社で開発することで速く開発できた」というのは、御社の内製化がうまくいったということになるのかなと思います。
佐尾:まさにそのとおりです。
森:やはり外部委託となると、どうしてもそのぶんコストも時間もかかりますけど、自分たちで仕組みの運用をすれば、すぐに修正もできるんですね。
佐尾:開発スピードもさることながら、社外の方に依頼するとなると意思疎通を図るのにもやはり時間がかかるじゃないですか。そこを省けるのも非常に大きいです。
森:なるほど。業務はみなさんが一番知ってますからね。その方々が作るのは確かにいいかもしれないですね。確かサポートの対応は、AUG(ASTERIA Warp User Group…ASTERIA Warpのユーザー会)のスタッフであるキクちゃん(菊地氏)が担当していたと思います。キクちゃんが裏でニヤニヤしてると思いますので、このあとお顔を見ていただければと思います(笑)。
佐尾:はい(笑)。
森:そして運用面ですね。これも「自社だからできること」ということで、即時対応ができたのがメリットかなと思います。今日はいろいろ良い話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。もし弊社にご要望とかあれば、最後に聞ければと思いますが、いかがでしょうか(笑)。
佐尾:要望ですか……(笑)。まだまだ半年ちょっとの初心者なので、ぜひとも今後も助けてもらいたいと思います。
森:承知しました。今後ともよろしくお願いいたします。では、本日はStandardforceの佐尾さんにご登壇いただきまして、実際の事例をご紹介させていただきました。これからもASTERIA Warpをご利用いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。佐尾さん、ありがとうございました。
佐尾:ありがとうございました。
菊地:ありがとうございました。Standardforce株式会社・佐尾さまの事例動画をご覧いただきました。ここで実際にStandardforce株式会社・佐尾さまにご登壇いただきたいと思います。それでは佐尾さま、どうぞよろしくお願いいたします。
佐尾さま、先ほどは動画でのご出演、誠にありがとうございました。当時、導入前の段階のサポートでやり取りをさせていただいたのは私でしたので、ニヤニヤしながら後ろで聞かせていただきました。ありがとうございます。
実際の連携の内容としても、ナビシステムだとか、なかなかASTERIA Warpで連携対象として出てくることがない部分だったので、非常に興味深く聞かせていただきました。ここで佐尾さまには、オンラインで届いてる質問にいくつかご回答いただければなと思います。まず初めに、ASTERIA Warpを導入しようとなったタイミングです。タイミングについては事例の中でもお話しいただいていたんですが、「決め手や、ほかに比較されたものはあったのでしょうか」というご質問をいただいています。いかがでしょうか。
佐尾:いろいろやはりネットで探っていて、いろんなRPAと呼ばれるツールをいくつか比較はしたんですが、やはり一番の決め手となったのは、実行のタイミングに「随時」がないものがけっこう多かったんですね。ASTERIA Warpは「随時」ということで、けっこう自由に設定できたんです。
先ほども言ったとおり、チャットシステムの中で5分おきとか10分おきとか、自由に設定したかったので、そこが大きな決め手になった1つかなと思っております。
菊地:なるほど。実行するタイミング、トリガーの設定が柔軟にできるところが、一番の決め手になったということですね。ありがとうございます。
菊地:ほかにもたくさんご質問をいただいておりまして、ASTERIA Warpの開発について。先ほど、フローを作っていただいたというお話もあったんですけれども、この開発は1人でやっていらっしゃるのでしょうか?
また、もしお一人でやられている場合、心が折れる時はありませんか? といったご質問をいただいているんですけれども(笑)。いかがでしょうか。
佐尾:けっこう折れまくっていましたが、なんとか気合で乗り切っております(笑)。少し前までは確かに1人でやってたんですが、実は弊社の社長もプログラミング経験がありまして。「ちょっと僕もやってみようかな」ということで、今1.5人力くらいでやっています。
菊地:社長自らフローに触れていただいているんですね(笑)。開発を1人で始められていたというところで、ビジネスナビタイムとの連携も最初お一人だったのかと思います。講演の中で「ここでつまずいてしまった」というところがあったかと思いますが、連携する際の制限の部分で、「ビジネスナビタイム側で制限されているぞ」というのはどのように気づかれたんでしょうか、というご質問もいただいています。
佐尾:気づいたきっかけですね。おそらく何かのエラーコードを私が見落としていたのかもしれないですが、後々そのエラーコードの意味に気づいて、結局相手側のIP制限がかかっていたことに気づいたのが経緯だったと思います。すいません、うろ覚えです。
菊地:きちんとエラーコード自体は返ってきていて、それをきちんと確認をしたら制限に気づけたんですね。ありがとうございます。本当はまだいくつか質問をいただいているんですが、時間の都合上、いったんQ&Aはここで締めさせていただきたいと思います。
会場にいらっしゃっているみなさん、このあともご質問いただける時間はございますので。ぜひ佐尾さまにご質問いただければと思います。佐尾さま、どうもありがとうございました。
佐尾:ありがとうございました。
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