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Product Keynote(全3記事)

2023.02.03

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「さよならFAX」から神戸市のIT化は始まった DXの先進自治体が振り返る、業務改善のこれまで

提供:サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社が主催する、クラウドサービスの総合イベント「Cybozu Days 2022」。 今年のテーマである「宝島 ーDXの勇者たちー」には、自社の業務改善に一歩踏み出した“勇者たち”の事例を宝島で宝探しのように見つけて欲しいという思いが込められています。2022年11月10日に行われた「Product Keynote」では、サイボウズ代表取締役社長・青野慶久氏が、DX推進の最先端の事例を星野リゾート、株式会社ジョイゾー、神戸市の担当者にそれぞれ聞きました。本記事では、神戸市企画調整局の担当者がDXの先進自治体と呼ばれるまでになった道のりを振り返りました。

神戸市はいかにしてDXの先進自治体になったのか?

青野慶久氏(以下、青野):それでは、最後のゲストをお招きしたいと思います。最後のゲストは自治体からです。神戸市から森浩三さまと山川歩さまにお越しいただいております。

森浩三氏(以下、森):ごぶさたしております。

山川歩氏(以下、山川):よろしくお願いします。

青野:ありがとうございます。神戸市さんもDXの先進自治体になってきましたね。

:どうなんですかね(笑)。

青野:でも、実際にコロナ以前から取り組まれていたところが、ちょうどコロナになって、さらに飛躍的に進歩した感じがありますけれどもね。

:そういったところはありますね。

青野:もしよろしければ、神戸市さんのDXヒストリーをお話しいただけませんでしょうか?

:私は7月末までデジタル戦略部長でした。私自身はいろいろな職場に行っていまして、バリバリのデジタル人材ではございません。今日一緒に来ている山川くんも、私がデジタル戦略部長になった後に、私の後に課長を継いでいただいています。彼も人事畑がずっと長いので、まったくデジタルの領域とは直接関係がない2人です。

神戸市はご承知のとおり、平成7年の阪神淡路大震災以降、ずっと業務改革、行財政改革をやってきました。平成29年から考え方を変えまして、働き方改革という看板で新しい業務改革をやり始めています。その中で、平成30年にkintoneを契約をさせていただいて、導入を進めてきました。

kintone導入の契機なんですけれども、神戸市がちょうど平成29年に民間人材を専門官というかたちで採用いたしまして。その中でたまたまkintoneがあると聞きつけました。

どんなものなのか、私も正直知りませんでしたが、業務の中で使っていくことになりました。その時は下水処理場の設備の点検業務をほぼ紙で管理していたので、これをもう少し簡単にするためにkintoneを使いました。平成30年の5月からライセンスを調達して、その時は10ライセンス調達をしたところです。

その後、ユーザー数が1,500まで急激に増えていきました。それから、アプリも今400本ほど実運用されています。特に私たちは地方自治体として市民の個人情報を扱いますので、インターネット版とLGWAN版と両方使っています。このLGWAN版を入れたことがkintone利用が伸びた1つの原因かなと分析しています。

この中で非常に顕著な例ですが……例えば公園や道路などを管理する建設事務所が、市内に6ヶ所あります。そこでいろいろな作業用の自動車の台帳管理、運行管理をしていました。

運行管理を怠ると、車が使用停止になって途端に業務に影響がでるので、非常に重要な業務です。当時、建設事務所に勤務をしていた担当の職員が、今はサイボウズの社員に転職しています(笑)。彼がこのkintoneを使って、当時、年間で一事務所あたり5,000枚の紙で管理をしていた帳票をkintoneを使うことで0にしたので、全6事務所に広がりました。

現在は、例えば市長の公用車の管理など、全庁的に展開されています。

コロナ禍が内製化の契機になった

:もう1つ、契機になったのは、新型コロナウイルスですね。新型コロナウイルスの関係のアプリだけでもこれだけあります。ローコードツールを活かして、窓口になっている健康局の職員が自ら運用しています。

それから、一番重要な患者さんの管理ですね。神戸市は区役所が10個ありまして、そこに保健所機能があります。本庁で管理をする台帳と、各区役所で管理する台帳がバラバラに運用されていたんですね。

しかも、Excelを使っていたので、同期・共有できない弊害があって苦労していました。それをまずデータベース、台帳を1つにまとめました。

そして、連携するアプリケーションを職員が作っていきました。デジタル戦略部の職員がお手伝いをしながら、現場の職員とどういった仕事のやり方をするのかをずっと詰めていって内製化をしていったのが、コロナの患者管理システムですね。

青野:そうしますと、いろいろな方々が現場で作りながらつないで、内製で基本的には作るという。すごいですね。

:そうですね、これも内製になります。内製でやってしまったがゆえに、非常に運用で職員の手が取られるといった苦労が別途あるんですが。とにかく時間がない中で、新しい制度など、いろいろ変わっていく中でアジャストしていくので、職員がいろいろイニシアチブを取っているところが、我々の1つの特徴になります。

kintoneの導入メリットは、まず情報が一元化できることです。とにかく、患者さんは市内で特定できますので、管理するところでデータベースが別々だと、混乱のもとになりますね。それを1つにまとめることができました。

それと、急拡大する新規の感染者数に追いついていく、あるいは制度の改正に追いついていこうとすると、短期間で対応していくことが、ローコードツールならではの特徴だったかなと考えています。

紙のアナログ業務をkintoneが変えた

:神戸市が考えるkintoneの導入スコープなんですけども、紙での仕事、あるいは行政に多いのはFAXでやり取りをすることがあって、非常にアナログで手間もかかります。特に患者の発生届は、いまだにFAXでやっているところがありますが、こういったものはなくせること。

それと、Excelはすごく優れたアプリケーションではあるんですけれども、使い勝手がどうしても足らないところがあります。それを解消できるのが、kintoneなのかなと思います。

それと、情報は分散しますよね。情報を1つで完了したいんだけれども、作業を分散させたいという時には、非常に効果を発揮するのかなと考えております。

ただ、kintoneを入れればそれで済むということではありません。我々もいろいろなアプリケーションやICTツールを使っています。目的に応じて「これはkintoneでやりましょう」。そうじゃないものは「別のものを使いましょう」。こうして、きっちり考えてやっています。

kintoneを内製ですべてやることは……現場に近いところでいろいろなことができるのはもちろん、それはそれで良いことなんですが、どうしても我々公務員がやりがちなのは、どんどん自分の仕様に合わせてカスタマイズしていっちゃいます。

例えば、Microsoftのアクセスでも、野良アクセスみたいなものが出てきてしまいます。あまりカスタマイズをするというのは良くないんだろうと思います。

先ほどのコロナのアプリケーションも非常に複雑になっていますので、もはや我々だけでは維持・管理が非常に難しくなっていますので、ここはベンダーの方にお願いして、こういったことを我々は考えていっています。

基本的には内製ですが、外部の委託の事業者さんを上手に使いながら運用しています。ただ、どういう仕事をやりたいのか、どういう仕事の流れになっているのかは、我々自身がきっちり把握していないと、正しいアプリケーションが導入できないと思っています。そういったことがポイントなのかなと思っております。

目指すべきところは、kintoneを入れるということではなくて、DXや今までの業務のやり方が果たしてこれで最適なのか、どうなのかを常に考えるということが、一番大事なのかなと考えています。私からの説明は以上です。

「保守的なイメージ」の公務員がなぜIT化できた?

青野:すごいですね。お二人とも情報畑ではないという。

山川:そうですね。ここにきて初めてこういった仕事をしていますね。

青野:ここまでしっかりしたシステムが作られているのは、本当に驚愕ですね。コロナは危なかったですね。第6波が来る前にシステム化されていなかったら、現場が泣いていたかもしれませんね。

:はい。倒れていく職員がどんどん出たんじゃないかなと思います。私も近くで見ていましたけれども、現場の保健師は悲壮感が漂っていました。

青野:そこに手作業で入力させたり、コピーさせたりしていたら、ミスも出るでしょうしね。導入の初期の頃から教えていただきたいなと思います。正直、私たちのイメージでは、「公務員の方々って保守的なところあるよね」と。こういう新しいツールが出てきても、抵抗勢力的な動きになって、「現場は現場でこの業務があるんだから無理だよ」などの圧力はなかったんですか?

:どちらかというと、こういったものを新しく導入するきっかけは、民間から採用した専門官の方が作ってくれました。よくよく話を聞いてみると、現場の方はそれなりに悩んでいることがあって、そこに寄り添っていくと、「こういったものを使ったら楽になるんじゃない」と。

きっかけを与えてやると、意外と現場の方は、自分たちの仕事が楽になったり、質が良くなったりすることに対しては、非常に前向きなところがありますね。そこに寄り添うことが大事なのかなと思いますね。

青野:山川さんはこのへんの感覚は同じですか?

山川:そうですね。最初に寄り添って支援をした上で、成功したことによって、「じゃあ次、こういうことも変えられるんじゃないか」みたいなかたちで、前向きに変えていってもらえる部分もあるので。最初に寄り添って、「こういうふうにできるんだよ」と示していくのが大事なのかなと思っています。

青野:なるほど。最初はみんなビビって、「本当にこんなに便利になるの?」「また変な入力作業が増えるんじゃないの?」と思っているところに、小さな成功事例を作って、少しずつ巻き込んでいくイメージですかね。

何か空気が変わったなと感じられたことってありますか? 「お、なんか変わったぞ」みたいな。

:そうですね。「いろいろ変えていってもいいんだ」という安心感は、組織の中に生まれたような気がしますね。最初のうちは「kintone? 何?」みたいな感じだったんですけども。

青野:そうなりますよね。

:あれだけ成功事例が広がっていくと、「kintoneを使うと、自分たちの仕事を変えることができるんだ」とだいぶ広まってきているので、問い合わせは非常に増えていますね。

「さよならFAX」から始まった

青野:そういう意味で、フラッグシップの事例、みんなが成功体験を共感できるような事例が大事になってくるんですかね。

山川:そうですね、最初に成功したのが、歯科衛生士さんのスタッフを派遣するような業務でした。今までそのシフト調整をFAXで行っていたものを、kintoneを使ってアプリでできるようにしたんですね。すごくいい取り組みだということで、庁内のブログメディアで「さよならFAX」というタイトルで公開をして、庁内のイベントでも説明されていました。

その時は私はデジタル戦略部にはいなかったんですけど、それを見て「こういうことができるんだ」と思って、みなさんがどんどん関心を持っていって、我々の方にも相談がどんどん多くなってきた流れになっているのかなと思いますね。

青野:神戸市の歯科衛生士さんって、小学校で歯の検診などによく来てくれる方々ですよね。

:そうですね。あとは歯科健康教室などを地域でやっていただいている方ですよね。

青野:その日程調整がFAXで非常に面倒だったんですね。それをkintone化すれば「みんなスマホで入力できるじゃん」となりますよね。

:そうですね。次の年度の日程調整を特定の時期にやるので、その時期はFAXの山があって、かなり残業して日程調整をして、電話で細かいところを問い合わせることをやっていたんですけれども。

青野:えぐいですね。

:歯科衛生士さんのご担当の方が、定年数年前ぐらいの方だったんです。自分もスマホ自体もあんまりよく使えない負い目があったそうなのですけども。

その方のお手伝いを専門官がわりと丁寧にやっていただいたら、「自分でもこんなんできるようになった」と、すごくうれしくなったみたいでした。「これができるんだったら、こんなこともできるんじゃないか」という、その方にアイデアがどんどん生まれてくるんですね。

青野:定年間際の方がいきなりITに目覚めたんですね。

:そうですね。そういったことを紹介すると、「そういう方でも使えちゃうんだ」「こんなことできるんだ」というふうになっていく事例があります。

青野:FAXでやっていたのがIT化して、しかも定年間際の方が使えるようになって「もっとやるぜ」みたいなストーリーを庁内に広報活動で投げたんですね。

:そうですね。

青野:なるほど、戦略的ですね。

:(笑)。

青野:そういう醸成をしていきながら、「あれもできるんじゃないか」「これもできるんじゃないか」と思ってくれるようになるんですね。そうすると成功事例が1つ出れば出るほど、だんだんみんな……。

:そうですね。自発的にサイクルがどんどん回っていくことになります。

「作るのはみなさんです」でコミュニティ活性化

青野:ただ、みんなが「便利そう」とわかっていても、今度は教育しないといけないじゃないですか。みんながデジタルのプロじゃないわけで、放っておいて作るとまさに出来損ないのアプリがたくさんできてしまうリスクもありますよね。このへんはどう考えて教育されているんですか?

:最初に採用した方からは2代目になりましたが、民間採用のデジタル専門官がもちろんおります。庁内にはITに詳しい職員がそこそこいるんですね。ただ、埋もれていてわからないだけなので、緩やかなテックのコミュニティを庁内で作って、チャットツールで自由に意見交換ができる、問い合わせができるようにしています。

また、例えば、もくもく会みたいにみんなが寄り集まって、アプリをいろいろ作っていく中でわからないとこがあったら、みんなで聞き合うみたいなことを、専門官中心にやっていただいたりしています。

こういったローコードツールは、自分の手で動かしてまず作ってみることが大事です。専門官の方がそのへんにこだわっているのは、「私は作りません」「作るのはみなさんです。私は困った時にお手伝いするので」というスタンスです。そうすると、作れる人が増えていくので、そのうち隣同士で教え合うような関係ができていくと感じますね。

青野:なるほど、おもしろいですね。みんなに教育をしていかないといけないんだけど、あくまでもその人が作るのではなくて、「作るのはみなさんですよ」ということを前提に、この緩やかなコミュニティを作って、運用されていくんですね。

:そうですね。

青野:でも、口で言うのは簡単ですけど大変じゃないですか。山川さんはいかがですか? みんな参加してくれて、前向きに意見言ってくれるんですか?

山川:今、チャットルームみたいなものを作って、そこには職員が200名以上入っています。

青野:200名以上。多いですね。

山川:何か困ったことを相談し合ったり、「こういうことができるよ」といった情報交換を活発にされたりしています。すごくうまくいっているのかなと思います。

職員の業務改善意欲を刺激する方法

青野:そういう人をどうやって見つけてくるんですか? 積極的に、立候補制で「参加したいよ」という感じで来られるんですか?

山川:ルームは公開しているので、自由に入りたい時に入れる。

:職員全員に公開しているので、いつでも自由に入れる感じです。

青野:それも大事ですね。よく失敗事例を聞くと、「お前がやれ」的な感じになっちゃうと、自発的じゃないから、やらされ感が出てくるし。任せたほうも「もう自分ごとじゃない」みたいな感じになってしまうんですよね。自発的というのが大事なのかもしれませんね。

:現場の仕事でなんとかしたいと思っている職員はそれなりにいますし、神戸の場合もいたんですね。自由に使えるライセンスをある程度渡すと、みんながおもしろがっていろいろなものを作る傾向はありますよね。

そういった意味では、導入についてどうしようと悩む前に「とりあえずライセンス渡して作ってもらったら」とは思いますよね。そうすると、おもしろがってワーッと作ってくれる人が増えると「おもしろいことやってるな」というふうに広がります。

青野:ある意味、可視化しますよね。ライセンスを配っておくと業務改善意欲がすごく高い人がいるのが見えてくるみたいな。

:そうですね。先ほどお話しをした建設事務所の自動車管理も1つの事務所でやったんですけれども、それがすごく良かったです。横に広げたら担当者の子ががんばって、横に広げて、まさにコミュニティを広げました。今はぜんぶの事務所にきっちり入ったんですよね。

青野:おもしろいですね。インフラとして作れる土台を提供して、それで成功事例を見せて「みんな、こんなことできるよ」とやっていると、「俺の部署のこの仕事もいけるんじゃないか」と言って、ポップコーンみたいにポンポンみたいな。

:そうですね。

業務システムのガバナンスはどうしたか?

青野:ただ、また否定的な言い方をしますけど。そうなってきたら、今度はガバナンス問題が出てくると思うんですよ。みんなが勝手に作るのはいいけど、似たようなものができていたり、作りがいまいちなものができてきたり、放置されたり。そういうご経験はありますか?

山川:先ほどの野良アクセスみたいな部分もあるんですけど、野良アプリも対策をしないといけないです。最初のお試しの環境は、「自由に使ってくださいね」ということなんですけど。本格運用するとなった時のスペースは、「それぞれの所管課で運営してくださいね」というかたちにしました。実際に本格運用するとなれば、運用すると我々に申請をしていただくかたちで、そのへんのアプリの管理はしっかりやっている状況です。

青野:そういうルールを作られたわけですね。なるほど。「みんながお試しで自由に手を動かすのはこのエリアでやってください」と決めている。でも、本格的に公式運用するんだったら「1回見せてください」と、そんな感じで分けているんですね。

山川:そうですね。

青野:これまたノウハウですよね。

:ライセンス自体は我々、というかデジタル戦略部がぜんぶ予算を確保して、調達をして、そこで配っています。そのアプリが有効に使われているのか、当然管理ができますよね。棚卸しをして、まったく動いていないようなライセンスは、申し訳ないけど引き上げています。

青野:「あなたは使っていないよね」みたいな(笑)。そうすると、改善意欲のある人のところにどんどん使ってもらえるという。おもしろいですね。

目標は全職員がkintone活用できること

青野:残り時間が減ってきちゃったんですけども。もしよろしければ、今の課題でも今後のビジョンでもけっこうですので、抱負などお聞かせいただけますか?

山川:先ほどもお示ししたように、ユーザーが1,500まで増えているんですけど、まだまだもっと活用できると思っています。本当に全職員が使える環境を目指していきたいなと思っています。

とある部局では実際に、「部局全員の職員がkintone使えるようにしたい」という要望も出てきています。もっと活用の余地もあるので、それを広げていきたいなと思っています。

青野:口を挟んでいいですか。そうすると今度、公務員の方々はデジタルのプロではないし、他の仕事もたくさんあるじゃないですか。そこはどう外部のパートナーさまを使われながら補っていくんですか?

山川:内製化できる部分と、カスタマイズが入る場合は外注にしないといけないかなと思っています。そのへんはパートナーの企業と一緒にやっていくというかたちかなと思っています。

青野:パートナーさんと一緒に。先ほどコロナのシステムが内製化とはいえ、さすがに相当複雑になってきたので、そこも外部のパートナーさんに見てもらいながらメンテナンスしていくと。それはどういうパートナーさまになるんですか?

公務員の弱点を熟知する外部パートナー

:今日来られている、バニヤン・パートナーズさんです。

青野:バニヤンさん、釣(文男)さんのところですね。(会場の釣氏を指して)もしよろしければお立ちいただいていいですか? 釣さんです。神戸のパートナーさまにお越しいただいてありがとうございます。神戸デジタル・ラボさんの子会社になるんですかね。

一緒に伴走してるんですよね。釣さんは神戸市の業務もよくおわかりですから、伴走パートナーとしては最高ですよね。

:そうですね。非常に、kintone以外の部分でもいろいろ行革のコンサルは手伝っていただいています。そういった意味では、公務員の弱点も知っているという。ありがたいですね。

青野:単にシステムだけをわかっているだけではなくて、公務員の業務としてどうあるべきかをわかっている。上流から発想して、そこで提案してくださる、壁打ちができるパートナーと一緒にやる。

:まさに壁打ちですね。「何かを提案してくれ」という上下の関係ではなく、むしろ我々も「違和感あるよね」と投げると、「このへんじゃないですか」という壁打ちですよね。

青野:そこも壁打ち。頻繁にミーティングをされながらやっているわけですね。伴走型ですね。

:そうですね。行革を進めていると、デジタル戦略部や業務改革課も、所管課とは壁打ちの関係なんですね。もちろんインフラを入れるのは我々の仕事なのかもしれないんですけれども。それを使って、どう仕事を変えるかは我々ができる話ではありません。

そこは所管課の人たちががんばっていただかなければいけないところです。そういった意味では、先ほどのバニヤンさんと我々と同じように、我々と所管課もパートナーの関係だと私は思っています。

青野:外部のパートナーさま、この企画局の方、現場の方々、みんなパートナーとして。

良い関係ですね。どうもありがとうございます。良いお話をありがとうございました。じゃあ時間となってしまいましたので、神戸市さんのお話はここで一度切らせていただきたいと思います。森さん、山川さん、今日はどうもありがとうございました。

:ありがとうございました。

山川:ありがとうございました。

希望が持てますね。日本の自治体もデジタル化が遅れて、「ずいぶんアナログだ」と偏見をずっと持って見ていましたが、こうやって完全にDX時代に適合する自治体が現れていることに大変希望を感じました。どうもありがとうございました。

全国各地のkintone活用事例

青野:そろそろProduct Keynoteももう終わりに近づいております。最後にサイボウズの近況報告をさせていただいて、締めたいと思います。

まずは製品のプロモーションですね。2022年は本当にたくさんの製品のプロモーションをさせていただいております。せっかくツールがあっても知っていただかないと意味ないだろうということで、テレビCMからはじまり、雑誌から新聞からいろいろなことをメディアに出させていだいております。

そのおかげでずいぶん知名度が上がってまいりました。また、顧客層も広がってまいりました。ご紹介させていただきます。

株式会社佐浦さまは宮城県で創業300年です。お酒を作っておられる酒造のメーカーさんになります。こういう会社さんでも、今DXに取り組もうと思って、中小企業の味方「サイボウズ Office」を導入いただきました。スケジュールの共有であったり、電話メモの共有であったり、こういうところからDXに取り組んでいただいております。

真ん中の事例は、愛媛県の南にある西予市さんになります。こういった地方の自治体さんでも「Garoon」を導入いただきました。しかも、クラウドで導入いただいて、業務の効率化を進めています。西予市さんのオフィスとか、びっくりしますよ。「地方の自治体がこんなオフィスになっちゃったの?」みたいな、おもしろいオフィスも作られています。

また、西予市さんは、今日午後のセッションで事例をご紹介いただけますので、ぜひ興味持たれた方はご参加いただければと思います。

それから右にいきまして、スポーツ用品の販売大手のアルペンさんでございます。こちらはkintoneを、DXのインフラとして入れていただきました。どんどんアプリを作っていく、このビジネスの変化に対応できるDX基盤を構築した事例になります。アルペンさんは明日、Day2でセッションがあるので、こちらもご興味があればご参加くださいませ。

クラウド基盤「Neco」への大規模刷新

青野:私たちの製品サービスの改善も続けております。私たちが大事にしている3つのポイントがあります。信頼性と、使いやすさと、それからエコシステムという切り口になります。

信頼性から最近の活動をご紹介させていただきますと、クラウド基盤の刷新を進めております。お客さまには見えないところなので、なかなかお伝えしづらいんですけれども。

このクラウドサービスの基盤、今まで「Forest」という基盤を作っていたんですけども、今度「Neco」という新しい基盤ができましたので、ここから3年ぐらいかけてゴソッと移行してまいります。お客さまに迷惑にならないように移行してまいります。

これが移行できますと、今まで以上に安定して動作するようになりますし、今まで以上にスケーラビリティも出てきます。このあたりもお客さまの信頼性向上ということで、取り組んでいきます。

それから最近、kintoneの大規模導入が増えてまいりました。神戸市さんのお話もありましたけれども、大規模で導入すると、大規模で導入したなりの新しい課題がたくさん出てきます。いわゆる野良アプリ問題みたいなものがあったりします。逆に、こうやって締めつけすぎると、せっかくのDX基盤が活かされません。いかに安全で、かつ柔軟なDX基盤を大規模で運用していくのか。

ここにはノウハウが必要です。そこで私たちが調べて作りました、この「ガバナンスガイドライン」を公開しております。ダウンロードいただけるようになっておりますので、もしご興味ございましたらお声がけください。

それから、技術的な話になりますけれども。プロビジョニング機能がつきまして、ID管理がずいぶん楽になりました。それから、kintoneはコマンドラインのツールが以前からあったんですけれども、刷新して公式サポート化しました。このあたりもぜひ、管理者の方々には便利に使っていただけるんじゃないかなと思います。

どんどんいきます。そして、使いやすさのところでいきますと、サイボウズ Office、モバイルのアプリ、機能をどんどん増やしていっています。モバイルアプリでできることをどんどん増やしていっています。最近はワークフローの新規登録をモバイルアプリからできるようになったそうです。このへんもぜひお使いください。

「メールワイズ」もデザインがリニューアルされました。また、新機能も増えてきています。最近は送信予約機能もできましたので、さらに便利に使っていただけるかと思います。

Garoonです。GaroonnはAPIがずいぶん整ってきましたので、拡張性が増して、いろいろなサービスとつながるようになりました。連携サービスも増えてきましたし、プラグインもだんだん増えてきましたね。最近、「調整アポ」さんとも連携できるようになりましたので、日程調整も楽になってきました。ぜひ、拡張性の高いGaroonを試してください。

そして、kintone。毎月たくさんアップデートしていますので、個別にはご紹介は難しいですけども。たくさん使いやすい点を増やしていますので、ぜひ使ってみてください。

コミュニティ増加でエコシステム確立を目指す

青野:エコシステムのところでいきますと、ユーザーコミュニティを増やしていっています。「すごくなくてもいい」がキーワードのkintoneコミュニティ「キンコミ」。オンラインで盛り上がっていますのでぜひ、「kintoneまだ初心者ですよ」という方でも参加いただけますので、ぜひ入ってみてください。

「kitone Enterprise Circle」。こちらは大企業のユーザーさん同士のユーザー会員になります。

「ガブキン」。これはGovTech kintoneの略になります。自治体の職員の人たちで、もう自治体を越えてみんなで意見交換しようという、このガブキンというコミュニティも今、参加者が増えてきています。

「サイボウズ Office コミュニティ」。これは中小企業のみなさんの、DXを進めるこのオフコミ、サイボウズ Officeのコミュニティもできました。

そして、業界団体の活動も増えております。サイボウズの枠を超えて、みんなで動かしていこうということで。おもしろいのが、このノーコード推進協会というのが立ち上がりました。

DXを進めていくには、ノーコードが便利なので、ノーコードを推進したいメンバーを集めるために9月に設立したんですが、なんと50社以上が入りたいと言ってくださっています。これから、DX化の台風の目になる業界団体が出てきました。ノーコード推進協会、もしご興味ございましたら、こちらも問い合わせてみてください。

一般社団法人ソフトウェア協会や、サイボウズのパートナーのみなさまが立ち上げた一般社団法人シーコンソーシアムという業界団体もあります。ぜひ、みなさんどんどん参加いただいて、知識を増やしていただければと思います。

kintoneを支える三つ星パートナー

そして、最後にパートナー評価制度のご紹介です。パートナー評価制度をリニューアルして、こういう星をつけるようになりました。そして、三つ星の最高ランクのパートナーさまを紹介したいと思います。

セールス部門の三つ星パートナーさまは、富士フイルムビジネスイノベーションさん、リコージャパンさま、JBCCさま、大塚商会さま。こちらがセールス部門の私たちの三つ星パートナーさまになります。

インテグレーション部門。こちらは、アールスリーインスティテュートさま、ジョイゾーさま、富士フイルムビジネスイノベーションさま、大塚商会さま、リコージャパンさま。インテグレーション部門の三つ星パートナーさまになります。

最後に、プロダクト部門連携製品の三つ星パートナーさまはアールスリーインスティテュートさまの「gusuku Customine」、グレープシティさまの「krewData」「krewSheet」「krewDashboard」、krew3兄弟なんて言いますけども、krewの3つの製品です。

それから、トヨクモさまの「フォームブリッジ」「プリントクリエイター」「kViewer」。そして、ソウルウェアさまの「RepotoneU Pro」。このあたりが、もう実績もずいぶんたくさん出てきたプロダクトで、三つ星のパートナーさまになります。

ということで、Product Keynoteそろそろ終わりになりますけども、いかがでしょうかね。実はこれ以外にも本当にすばらしい連携サービス、ソリューションがたくさんあるんですね。ぜひ、Product Keynoteが終わりましたら、あちらのブースでみなさまの宝探しをしていただければと思います。

それでは、以上でProduct Keynoteは終わりにさせていただきます。この後、どうぞみなさまお気をつけて宝探しにご出発ください。ご清聴ありがとうございました。

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