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デジタル変革に挑戦し続ける リーダー達が語る 地方企業におけるDXの始め方とは?(全2記事)

2022.04.19

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「DXやりました、でも利益も売上も上がってません」 システムと気合い頼みの“DX推進の盲点”

提供:Sansan株式会社

場所に縛られずにビジネスができるようになり、都心から地方への企業の移転なども増える中、ビジネスにおける「DX推進」はより不可欠なものとなりつつあります。大都市に比べてIT人材や情報量が不足しがちな地方企業で、デジタル改革を進める方法について、先駆者たちがマインドやノウハウを語りました。ここでしか聞けない「DX推進のHowTo」をお届けします。本記事では、なぜDXをやるのかというWhyと、実際にどのように進めていくかというアドバイスをご紹介します。

「DXやりました、でも利益も売上も上がってません」は、なぜ起こる?

友岡賢二氏(以下、友岡):今日の本題に入ります。「なぜDXをやるのか」。まず大命題として、そもそもなんでDXなんだろうというところは、お客さまと従業員という2つの視点がありますよね。

僕が柳瀬さんの本でおもしろいなと思ったのが、「DXはシステムの話でも気合いの話でもなく、経営と人財育成の話ですからね」というところ。これがすごく響いたので、「経営と人財育成の話」と書いてあるところを、解説いただけるとありがたいです。

柳瀬隆志氏(以下、柳瀬):わかりました。やっぱり大前提として「DXやりました、でも利益も売上も上がってません」というのは、おかしな話だと思うわけですね(笑)。経営的に意味があるからこそ、DXのようなテーマに取り組む必要がある。

じゃあ、なんらかのかたちでインパクトのある数字を出して、それが良い方向にいかなきゃいけない。その手段としてデジタル技術を使っておかないと、みんながいろんなツールをいくら使いこなしても、数字が良くなかったらムダだよねと。遊んでいるような感じになってしまうので。

僕が最初に思ったことは、システムの話ではよく、「このシステムを導入すると人時でこれだけ削減されるので、コストダウンになって、この投資は正当化されます」というロジックが出てきます。でも、本当にそんなことができるのかなと思って。このツールを導入したら人を辞めさせられるのかというと、そんなことはできないので、やっぱり人時の話はなるべくしない。

あと一番はやっぱり、PLなどを見た時には当然、売上と粗利益率が100パーセントと30パーセントぐらいなので、比率が大きいんですよね。人件費は本当に数パーセントなので、そちら(売上か粗利益率)にインパクトを与えるようなデジタルの使い方をしないと、数字は良くならない。だから経営者自ら、どちらの方向性に指示を出すと会社の売上や利益が良い方向に行くのかということを、データを使って分析しました。

基盤はできたんですが、この基盤を使いこなせる人材を育てていかないと意味がない。ずっと私が分析して、みんなに「あれやれ、これやれ」というのはおかしな話だし、活用できているとは言えない。社員教育をして、社員がみんなでいろんな議論ができることに取り組まないといけないのかなという意味で書いたんですよね。

どんなにプロを集めても、知らない料理は作れない

友岡:でも「データを見ろ」と言っても、現場の人は「もうそんなのわかっとるわい」と。肌感覚で「そんなこと言われなくても、私はこの道20年ですよ」という、言ったら“強い現場の方”がいらっしゃるじゃないですか。どうやって折り合うんでしょうか。

柳瀬:現場の人はやっぱり、目の前でいろんなことが起きるので、その瞬間、その瞬間が見えすぎてしまうんですよね。みんな瞬間の印象や記憶で議論するんですけど、3年前のコロナ前に何が売れていたのかとか、覚えていられる人はいないですよね。

あとトレンドの変化は、「なんか上がってきてるな」「なんか落ちてるな」というのは感覚的にわかります。でも、それが何パーセントなのかとか、いつと比べてどうなのかという、ちょっと複雑な計算になるとまったくわからない。

僕は、現場の人が「こうなんですよ、ああなんですよ」と言う話を聞いて、自分でTableauで分析してみていました。確かにそうだなと思ったら「そうですよ」とフィードバックをしたり、ぜんぜん違うなと思ったら「ここが違うよ」とフィードバックする。

その本にもちょっと書いたんですが、コミュニケーションツールとしてのデータ活用をしています。そうすると、議論をしなくてよくなるんですね。「あなたがそう思うんじゃないか」とか「社長はそう思われるかもしれませんけど」という議論はけっこう多いと思います。

でも、数字で見せるとそれが事実なので、コミュニケーションしやすくなるので、会社の方向性や今向かっている方向がすごくクリアになってきた感覚はありますね。

友岡:ありがとうございます。長谷川さんは、「なぜDXなのか」というあたりで、本でもフランス料理か何かのレストランの例え話をしていませんでしたか? ちょっとおもしろかったので、紹介してほしいんですが(笑)。

長谷川秀樹氏(以下、長谷川):そうかそうか(笑)。レストランの話は、今「DXをやろう」と言っていて、できてないところが多いのはなんでかということの例えで。「DXって何?」まさしく「Why DX?」なんだけど。

昔、誰も知らないし、修行に行ったこともないフランス料理を「よし作るぞ!」となった時に、日本料理のプロを集めて「じゃあどないする?」「フランス料理って何やねん」と言ってるのが今の状態(笑)。

結局答えがわかっていないのに「どうしよう、どうしよう」「たぶんバターをいっぱい使うんちゃうか」「せやせや、間違いない」「ソースがベターっと乗ってるらしいで!」みたいな。

(一同笑)

アフターDXのオペレーションが何なのか。僕は「それはベンチャーのやつを連れてこい」と言ってるんだけど、ペーパーレスで普通にやっている人を連れてきたほうがいいという話ではあるんだけどね。

デジタル化は、顧客にもサプライヤー側にもメリット

長谷川:コープの場合はもうちょっとプリミティブで、かっこいい話じゃないんだけど。顧客への提供価値が何かというと、残念ながらコープの宅配は、(紙の注文書に手書きで)マークして出しているお客さんがすごく多いんです。そうすると、30代の若いお母さんからしたら「もうスマホでやったほうがええのに、なんで書かせんねん」みたいな、しょうもないところもあるし。

デジタル化するといいところが、すごくたくさんあります。今は注文書にマークしなきゃならないから、コープは「(在庫が)ありませんでした」とは言えないんですよ。サプライヤー側にはすごく負担をかけていて、どれだけ注文が来ても絶対納品するように「頼むで」と言うてるから、たぶんものすごく在庫を持たせてるんですよね。

だから、せっかく希少価値の高い良い商品を売りたくても、どこどこ産の何々をマーキングするというのではダメなんです。デジタルでやったら100個限定にして、「はい、売り切れです」ということもできます。お客さんにも明確に案内して、サプライヤーにも明確に案内というところがあるので。主に「どう考えてもそうだよね」というところ、顧客への価値を提供していると言えるようにDXを使っている感じですかね。

友岡:よく「DXで失敗した」とか、メディアが喜んで取り上げたりするじゃないですか。一方で、デジタルのツールを入れたけど「何だったっけ?」とか、PoCまでいってもそこから広まらないようなことがあるじゃないですか。だから、目的が何なのかというところ。

みんなに共通する目的なのか、それともコープはコープ、グッデイはグッデイで、それぞれの目的は違うんでしょうか。このお題自体、一般化できるんでしょうか。

柳瀬:僕は(DXに関しては)話の解像度が粗すぎるんじゃないかなと思うんですよ。例えば、数学を学べばロケットを飛ばせるというのは、すごく話が飛躍してると思うんですよね。英語が話せると何億人としゃべれますとか、いろんな新しい知識が得られるのは、確かにそうなんですけど。

でも、例えば数学のどの問題を解きたいかがわからないと勉強はできないはずなので、もう少し細かく分野を区切っていかなきゃいけないかなと思っています。

データを経営に活かす取り組みが、結果的にDXだった

柳瀬:僕らが最初に始めた2015年は、「DX」という言葉がなかったので、「DXをやろう」とはぜんぜん思ってないんですよね。データはあるけどぜんぜん会社の経営に使えていないことが課題で、それを解決するためにクラウドとBIツールを使うと、今までできなかったことができる。そこに取り組んでいたので、DXということじゃなかったんですよね。

ただ、やっていくうちに、プログラムは結局データを計算して表示することをずっと連続でやっているだけなので、どんなシステムでもほぼ同じような原理です。どちらかというと、経営者も入って、データとその計算方法をちゃんと考えることに取り組んだ結果、「DXに取り組みやすくなった」という感じですかね。

友岡:僕は自分で尋ねながら、この質問はちょっと矛盾してるなと思うんです。DXが目的じゃない中で「なぜDX?」という質問が、自己矛盾を起こしてもいるので(笑)。ちょっと話を難しくしてるんですよね。だから何のために事業をやっているのかというところで、必要な施策を打っていったら積み重なっていった。

柳瀬:うちの場合、実はぜんぜんメールも使っていなかった社員が、結果として積極的にデータを見るようになったという、すごい変化が起きています。その変化した状態がDXというものなのかなという感じですよね。でも、別にDXをやろうと思ってやったわけじゃなくて、データ分析をしていただけなんですけど。

友岡:その変化の前と後で、やっぱり従業員に見える風景は変わっているでしょうね。

柳瀬:そうですね、たぶんぜんぜん社員の考え方が変わってしまってますね。僕が入社した2008年は「数字を見るなと言われてます」という社員がいて、私に堂々と「数字は見ちゃいけないんですよ」とか言ってたので(笑)。今はそういう人が誰もいないので、やっぱりすごく変わったなと思いますね。

DXを始める前に考えたい、2種類の取り組み方

友岡:なるほど。では、次のHowのところ。今日の講演を聞いておられる方は、部長職や役員の方ですけれども。DXを推進されるお立場の方と経営者の方という、2つの面があるかなと思うんですよね。今DXをやらなきゃいけないという方にアドバイスいただけるとしたら、長谷川さんはどのような声かけをしたいですか。

長谷川:あんまり言葉遊びしてもしょうがないんですが、2種類あってね。1つはデジタルとかは置いておいて、経営課題あるいは部門や業務の課題のうち、重要なのか一番早くできそうなのかという縦横でプライオリティをつける。

「デジタルに関係なくできるんだったら、これは制度改革しよう。はい、ボーン」で終わりやし、「これはデジタル使ったほうがよっぽどええ感じで改良できるよ」ということは普通にしろと(笑)。

だから、わけのわからんコンサルタントから、パワ—ポイント(の資料が)100枚来て、みんな迷っちゃう。すごく壮大なことが書いてあって、みんなが「トランスフォーメーションなんだよね、デジタルじゃないんだよね」と、もう100万回ぐらい同じことを言っていて、ぜんぜん進まん。なんにしろ解決しなきゃならない課題を片っ端からやらんかい、昔からそうやんけ、というのが1個目。

もう1個は少々難しいことを言うんだけど。紙でやった業務をシステム化するのもいいんだけど、「もともとデジタルだったら、これはどういうことになってたんだっけ」という。僕がよく言うのが、会議にパソコンを持ってくるにしても、パソコンとGoogle Docsを使ってオンライン上で、全員で議事録も議案の下にわーっと書いて直すとか。

紙の時の会議じゃないから、会議自体をいろいろと変える。紙の時は変更できないから「確定版!」というふうにしていたけど、デジタルになったらドキュメントは、取締役会とかじゃない限りは最新版しかない。会議中でもどんどんアップデートしていいんだと。

社長が何か言ったら「いただき!」と、ぶわーっと変えていいんやと。紙時代のものをコンピュータ化するんじゃなくて、デジタルネイティブだったらどんな会議になるのか、どんな発注になるのか、どんな接客になるのか。そういうところも、ぜひやってほしいかなと。

だから2種類というのは、旧来のやり方もあるし、新しいほうはちょっと頭ひねらないとなかなか出てこないんだけど、「もともとデジタルネイティブだったらどういう業務になったんだっけ」と考えてやるのも、おすすめですかね。

友岡:スクラッチで考える、ゼロから考えるということですね。

長谷川:そうですね。それでわからんかったら、ベンチャーのやつを呼んでこいということですね(笑)。

「できること」と「やりたいこと」の両方を知っておく重要性

友岡:柳瀬さん、今お聞きの経営者の方、それからDXを推進される方へちょっとメッセージをお願いいたします。

柳瀬:やっぱり僕自身が新しいもの好きなので、「デジタルでこんなことができますよ」という話を聞くのが、すごく好きだったんですよね。それで、いろんな新しい技術ができました。それをうちの会社で使ってみたらどんなことができるのかをずっと考えてみて、僕らの場合は半分遊びというか。「できるようになったらしいよ」ということをちょっとずつ始めて、小さいコミュニティを広げていきました。

そうするとみんなが真似するので、知らないうちにドキュメントで共有するとか、共同編集をしてましたね。例えば災害時に、どのお店が開いてどの店が開いてないのかを、バーンと一瞬でみんなで入力しなきゃいけないんですけども。昔はExcel表か電話でやっていたのが、スプレッドシートでやると一瞬でできて「めちゃくちゃ便利じゃん」と気づいたら、もうみんなずっと習慣的に使います。

できることとやりたいことの両方を知っておくことがすごく(大事です)。課題と方法の両方を知っておくとどんどん使えるようになるし、便利だと思ったらみんなが使い続ける。そういう感じはしますね。

友岡:ありがとうございます。質問がけっこう来ていて、次のアジェンダよりも質問のほうがみなさんの関心があることなので、順番にいきますね。まず「うちの会社は情報システム部門を基本1名で回しています。この体勢でDX推進を任せていきたいとなった時に、どのような依頼をすべきでしょうか」。これは、社長の柳瀬さんにお願いします。1名の場合に何を指示したらいいか(笑)。

柳瀬:(笑)。僕らの場合、一番最初にやったのはシステム部長を替えたんですよね。そもそもクラウドとかに関心がある人をシステム部長に据えていかないとならない。その前のシステム部長は、古い業務システムを保守運用することが仕事だと思っていたので、なかなかしんどかった。まずはやりたい人を責任者につけるのはとても大事です。後任の人は中途で採ったので、社内にいなかったらやっぱり外部から採るしかないのかなという感じはしますね。

社内に“流行”を作るための鉄板の手法

友岡:ありがとうございます。次は長谷川さんのご質問ですね。「リモートワークで、社内で拒否反応が強いというのは、どうやって説得したらいいのか」というご質問。デジタルツールを当たり前のように使って欲しいけど、それがなかなかうまくいかないので、どういったアクションをとったらいいんだろうということで、普及などで何かアドバイスがあればと。

長谷川:なるほどですね。リモートワークは、質問された方の会社や業態がわからないので、ちょっとアレなんだけど。今回のところでいくと、僕は選択肢ができたと思ってるんですね。今までは会社に8時か9時に来て、17時に帰る。休み時間は12時から1時と決まっていたのが、「来なくてもいいぞ」「どこでもいいぞ」という選択肢が増えた。

来てもいいし、来なくてもいい。みんな方々好きにやって、その人や部署にとって一番パフォーマンスが出るかたちが何なのかを、めいめいが話し合って決めたらいいやんと思うんで。リモートのほうがいいと言っている人はそれでいいし、来たい人は来たらいいし、という感じです。

もう1個のデジタルツールについては、今までのシステム化と今回のDXは少々違うんです。1990年代から2000年代までのシステム化は、やっぱりつまらないことがたくさん登録されすぎたから、つまんないんですよね。でも最近はみんながLINEを使ってたり、「ええやん、そんなんやったらSlackでやって」と、そっちのほうがいいに決まってるわ、とか。そういう気持ちのいいデジタルツールがけっこうあるので、馴染みやすいんちゃうかと。

あと、これはもう昔からの鉄板で、おもしろがってアンバサダーみたいなのを各部署に作っては、そいつになんかやらせて。僕もコープさっぽろでそうでしたけど、ほかの部署でも話題になって、臨界点が来そうになったら、社長に「なんか、みんながSlackが業務に使えるって言うてるんですよ」というね。

子どもが言うところの「みんながゲーム持ってる、俺も買ってくれ」というのと同じで、本当は全員じゃないんだけど(笑)。「それ誰やねん」と聞かれたら、「なんとか部のやつと、なんとか部のなんとかも言うてますわ」と言うたら「そうか、そんなんやったらいこか」と。そんな感じも含めて、下からも上からもサンドイッチにして進めていくしかないですよね。これは今も昔も同じやり方かなと思いますね。

デジタルに関心のない経営層をどう動かすか

友岡:ありがとうございます。次は柳瀬さんへの質問ですね。「経営層は、データ分析やデジタル活用に興味がなく、大きな変革ができない現状があります。どのように経営者を動かすべきでしょうか」。これは深い悩みですね(笑)。

長谷川:柳瀬さん、まさか「社長を替えろ」と言うんじゃないでしょうね。

柳瀬:いやいや、そんなことは言わないです(笑)。でもたぶん、会社の中で一番数字に関心があるのは社長なので、データに興味がないことはないと思うんですよね。必ず会社の数字を良くしたいと思っていて、悪くしたいと思う人はいない。

だから、まず社長がどんなことを考えているのかをよく知ることから始めるべきかなと思います。うちの父もまったくITに関心がなかったんですが、やっぱり「売上を上げたい」とか、「在庫回転数を良くしたい」「利益率を良くしたい」という関心はあったので。それにデジタルが使えるよという実績を見せると、共通の目標としてはあまり反対するところでもないと思います。

やっぱり結果を出し続けること。そして、ちゃんとデジタルを使って、データを使ってやること。「確かに経営の役に立つんですよ」というプレゼンをすれば、中身を理解しなくても「やれ、やれ」と言うんじゃないかなと思いますけどね。

友岡:ありがとうございます。巻きでいきましょう。「デジタル推進役の私自身も、デジタルについてまったく無知に近いです。まず最初の社内改革として何に取り組むべきか、何から始めたら成功するでしょうか」と。長谷川さん、いかがでしょうか。

長谷川:その人の会社の規模などがまったくわからないからアレだけど。単純に、もし仮にCドライブで仕事をしているのであれば、Google Workspaceを入れるとか、Slackを入れるようなところからじゃないですか。質問があまりにも粗くて、ちょっと「何を」とは答えにくいですけど(笑)。会議をすごく生産性よくやりましょう、というところで。あとは、僕の本を読んでくれたらだいたい書いてあります。

友岡:あぁ、そうですね。『Slack』という本がありますね。お二人の本を読んでくださいということです。

オンライン化が都会と地方の情報格差を軽減

友岡:アジェンダがいくつかあって、地方での暮らしの良さは少し語りたかったんですが、それに関して1つ質問があるので、ちょっとディスカッションしたいですね。「地方でも情報感度を常に高くし続ける方法をおうかがいしたいです」。特に情報の格差みたいな問題ですが、柳瀬さんはどうでしょうか。

柳瀬:でも、コロナ禍でリモートになって、情報も取りやすくなっていますよね。こういうオンラインセミナーもそうですし、GoogleやAmazonも、国内のサミットも全部オンライン配信されていますし。

海外のものも全部配信されていて、YouTubeにもたくさん動画があります。英語でも自動翻訳で字幕がついていますからね。普通にYouTubeなどを見ているだけでも、あまり東京や地方に関係なく、十分情報は取れるのかなという感じはしますね。

長谷川:今までは勉強会も東京とか人口集積のある所でやっていて、地方はなかなか集まらないのでアレだったんですけど。柳瀬さんがおっしゃるようにどんどんオンライン化しているのは、今の地方にとって得かなと。

あと、けっこうなめたらあかんのはYouTube。ビジネス系YouTuberはものすごく丁寧にやってくれます。特に本の要約チャンネルとか、中田敦彦のYouTubeチャンネルを見て、僕も今から学び直ししてる感じやもん。

だから、「YouTubeはHIKAKINやろ」と思ってるおじさん方、だいぶ時代が違うと(笑)。「インターネットって2ちゃんやろ」って言うてた時代みたいなノリがあるので、ぜひ馬鹿にせずに、ビジネス系YouTubeを見るのがいいんじゃないかなと言っておきます。

DXをずっと検討し続けるよりも、まず何かをリリースすることが重要

友岡:ありがとうございます。もう時間なので30秒で一言ずつ。柳瀬さん、お願いします。

柳瀬:いろいろと課題もあると思うんですが、いきなりは変えられないと思うので、できるところから少しずつ変えていかれるといいのかなと思っています。どうもありがとうございました。

友岡:長谷川さん。

長谷川:僕はこのDXというテーマからすると、日本人はなんかふわっとしたことでずっと検討している時間が多すぎると。だから「できることからやれ」というか、この1Q、2Q、3Qで、お前はお客さんに対して、あるいは従業員に対して何をリリースしたん、というところで。

やっぱり何かリリースしていかないと、「ずーっと検討してますわ」というのが一番良くないと思うんです。デカいことを考えてもいいんだけど、何かをリリースしろというところが僕のおすすめです。

友岡:ありがとうございます。まだまだ語り尽くせないんですけども、お時間となりました。以上でパネルディスカッションを終了します。長谷川さん、柳瀬さん、本日はどうもありがとうございました。

長谷川:どうもありがとうございました。

柳瀬:ありがとうございました。

(会場拍手)

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