
2025.02.26
10年前とここまで違う 落とし穴だらけの“ERP to ERP”基幹システム刷新が抱えるリスクと実情
パネルディスカッション①「アカデミックな視点から二拠点企業経営について考える」(全1記事)
提供:株式会社パソナJOBHUB
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司会者:パネルディスカッション1は、「アカデミックな視点から二拠点企業経営について考える」というテーマです。お時間は30分程度となっておりますので、視聴者のみなさま、ご質問があればぜひチャットかQ&Aにお書きいただければと思います。よろしくお願いいたします。
パネルディスカッションのファシリテーターは、パソナJOB HUBの加藤にバトンタッチします。それでは加藤さん、よろしくお願いいたします。
加藤遼氏(以下、加藤):パソナJOB HUBの加藤でございます。よろしくお願いいたします。いや、もう松下先生と田中先生の話にワクワクしかなくて、このパネルディスカッションを非常に楽しみにしておりました。
最初にあらためて、加藤と申します。よろしくお願いいたします。パソナJOB HUBで事業開発とソーシャルイノベーションを担当しております。
地域企業と複業人材のマッチングサービス「JOB HUB LOCAL」や、ワーケーションプログラム企画・運営サービスの「JOB HUB WORKATION」の事業責任者をしております。事業を通じて、都市の人と地域の人たちを繋ぐ事業をしております。
最近ですと、企業の兼業・副業の解禁や、テレワーク・ワーケーション制度の導入、それに伴った施策を考えていらっしゃる企業様が多いので、その制度や施策に関するコンサルティングやソリューションを提供しています。
「JOB HUB WX」というのはDXの働き方版で、Workstyle Transformationです。企業の働き方変革や人的資本経営推進に関する幾つかのプロジェクトをやらせていただいてまして、本格的な事業化に向けて、事業開発責任者を務めています。
加藤:「二拠点企業経営」は新しい言葉なので、特に定義はないです。逆に今日のイベントがある意味、初めてのディスカッションの場になると思いますので、非常にワクワクしています。
これは私の勝手な定義ですけれども、二拠点企業経営とは都市と地方、双方の特徴や資産を活かして、防災・BCP対策、地方における人材確保・育成、地域資源を活用した新産業の創出などに取り組む、新たな経営スタイルです。
二拠点企業経営の先進事例をいくつかご紹介したいと思います。おそらくこれからご紹介する企業様は、「自社は二拠点企業経営をしている」という認識はそこまで深く持っていらっしゃらないかもしれないのですが、あくまで私から見た、客観的な視点で書かせていただいています。
後ほどご登壇いただくキャップクラウド様は、「働き方、パーソナライズ」を掲げて「働く場所と時間」の選択肢を拡げ続けるということで、2018年から富士吉田市に「ドットワーク富士吉田」というサテライトオフィス兼コワーキングスペースを設置されています。
その結果、移住者の方が7名、採用数は16名という成果が出ていらっしゃいます。今後の展開としても、自社のサービスである「anyplaceパスポート」の開発・提供によって、「働く場所」「働く時間」の選択肢を拡張して、「生産性向上」「働ける人の増加」のために貢献する活動をされています。
加藤:こちらは、ネットケアサービス様です。産官学連携で地域のITリテラシー向上とまちの活性化を目指すということで、山口県萩市にサテライトオフィスを開所して、地元の高校生の採用やIT人材の育成に取り組んでいらっしゃいます。
取り組みの結果、地元の高校生を中心に安定的に人材が採用できていて、行政と学校、萩市に進出した他のIT企業様と一緒に「萩グローバルIT人材育成協議会」を立ち上げて、「萩IT松下村塾」を開始されました。
今後の展開としては、行政や学校、他の企業と一緒に、デジタルを活用したまちづくりに取り組んで、雇用の創出や新たなビジネスの展開に注力されています。
続きまして、また後ほどご登壇いただきます、Far Yeast Brewing様です。働き方改革推進と地域活性化の取り組み強化ということで2020年10月に本社機能を渋谷区から自社工場(源流醸造所)を構える山梨県の小菅村に移転されています。
結果として、本社と現場が一体化したことによってコミュニケーションが豊かになったとのことです。また地方創生にも注力されていらっしゃっていて、「山梨応援プロジェクト」にて、山梨市の桃や小菅村の梅、韮崎市の葡萄等を使ったビール醸造や、県内生産者とのコラボなどを通じた地域活性化、雇用創出、移住促進にも取り組んでいらっしゃいます。
加藤:全国の事例を調べていても、二拠点企業経営の拠点が山梨県である比率が非常に高いです。次もまた山梨県で、アミューズ様ですね。UPCYCLE LIFEをコンセプトに新時代の文化を世界へ発信されています。
2021年7月より、本社となる「アミューズ ヴィレッジ」を山梨県・富士山の麓に創設をしました。東京都渋谷区にあるオフィスと並行して、自らの創造的な再構築を目指すということで、かなりワクワクする構想を立ててらっしゃいます。モノづくりを突き詰めて発信するための設備が完備された来訪者専用の宿泊施設を併設されています。
また、手前味噌で大変恐縮なんですけれども、パソナグループも地方移転しまして、社員、地域、企業の課題を解決することに取り組んでいます。2020年、本社機能の一部を淡路島に移転させていただいて、2023年度末までに本社機能社員約1,200人が淡路島で活躍するために、新事業創造や人材育成、生活環境整備に取り組んでいます。
開始3ヶ月で120名の社員が移住しておりまして、今後は、淡路島島内の拠点数を現在の3ヶ所から、2022年までに6ヶ所に増やして、働き方の新しい取り組みとして「ハイブリッドワーク」を推進していきます。
ここまで事例をいくつかご紹介をさせていただきました。まさにこれは「広がっている」と言っても過言ではないかと思います。全国いろいろ見ている中でも、山梨県における事例が一番多いのではないかと思っています。
加藤:ここからは松下先生と田中先生に参加いただいて、いくつか問いを投げながらディスカッションできればと思います。
そもそも、この二拠点企業経営が拡がっている背景にはいったい何があるのか、改めてお二人に聞いていければと思います。田中先生から少しコメントをいただいてもよろしいでしょうか?
田中敦氏(以下、田中):ありがとうございます。二拠点企業経営は拡大しつつあるんですけれども、実際「何のために始めたか」というところは、企業様によっても違います。あるいは今は、まさにこれからどんどんその可能性を拡げていく入口の段階なのではないかなと思ってます。
現実的な問題としては、テレワークが普及したことで、都心に本社機能を持っていると、例えば家賃の問題などいろんなかたちで負担になってきて、本社はミニマムで、都心ではなくていいんじゃないという話が出てきます。
みんなテレワークで働けるのかとか、契約をしているコワーキングスペースをどうするかとか、働く場所はどこがいいのかという話にもなってきて、そうした働き方に寄り添った経費構造の組み換えを行うところも増えてきています。
やはり集まる場所あるいはその機能があること。いわゆる経営に必要などこかの経費を切り出しながらも、「集まっていること」にはメリットがあるよね、というところがまず大きいでしょう。その中で、当然ながらBCP(事業継続計画)の観点や、その地域での新たな雇用が議題となります。
田中:リモートワークもインフラとしてできてきた。いろんな「雇用」がたくさんあるとは言われていたと思うんですけども、実は二拠点企業経営の最初はそういうところがきっかけになってたかもしれない。
ただ、やってみると本当に効果があるんだと実感し始めたり、働きやすさを感じる社員がかなりいることがわかってきました。
事例を研究する機会についても、ご紹介いただいたファーストペンギンの企業が増えてきて、検証した上でも「やっぱりいいよな」というのが、今1.5次ぐらいで広がってるのかなと。そのような背景があるんじゃないかなと思っています。
加藤:田中先生、非常にわかりやすい分析をどうもありがとうございます。やってみようというきっかけの段階とやってみた後の世界観に、ある意味いいギャップがあるんだと、あらためて感じました。
松下先生にも聞いていければと思います。田中先生のお話も踏まえて、広がる背景について少しコメントいただければと思います。
松下慶太氏(以下、松下):わかりました。また違う視点で1つ、これまでは都心部に管理部門、開発拠点を置いている企業が多かったと思うんですけど、「都心部でイノベーションが起きてない」というのが最大の問題だと、僕は思っているんですよね。
これだけ東京に人であったりリソースを集めてきて、じゃあこれまでの20年で何ができたかといった時に、モヤモヤがかなり残っていたというのが1つあるかなと思っています。
松下:僕がワーケーションの話をする時によく挙げている「3つのS」があります。1つは「スタイル(Style)」ですよね。2つ目が「ストーリー(Story)」。3つ目が「スティミュレイト(Stimulate)」、つまり刺激があるということです。
企業にとっても、自分たちのワークスタイルや経営のスタイルを再構築していかないといけない。そこでストーリーですよね。原材料がここにあるとか、自分たちがそこに価値観を置いてるというストーリーがちゃんとあるかどうか。二拠点企業経営をすることで、人が動くこと、地域とつながることが刺激になってるかどうか。
この3つがイノベーションであったり、よい人材を集めるため、よい経営をするために大事なんじゃないのかなと。言語化されていないかもしれないですけど、その方向をみなさんが皮膚感覚的に持っている。それがコロナ禍で、テレワーク・リモートワークが広がる中で、「いや、これできるんじゃない?」ということで1歩踏み出したのだと僕は見ています。
加藤:松下先生、どうもありがとうございます。確かに、後ほどお話しいただく企業様も、自社の経営スタイルをアップデートさせた結果、今の状況に至っているケースが非常に多いと思います。かつ、各社きちんとしたストーリーがあります。非常に共感を呼ぶようなストーリーをお持ちですし、実際に二拠点企業経営をやられた後に大きな刺激を受けたという話も聞いていました。
まさにその「スタイル」「ストーリー」「スティミュレイト」は、後半戦の話で深堀りしたいと思います。ありがとうございます。
加藤:ちょうど今、視聴者の方からご質問をいただきました。田中先生にコメントをいただくのがいいと思うのですが、「アクセスの良さ以外に、山梨に会社が集中している要因はいったい何でしょうか? 自治体のサポート体制がいいんでしょうか?」というご質問をいただいていますが、田中先生、いかがでしょうか?
田中:ありがとうございます。山梨はアクセスもいいんですけど、山梨にいると居心地の良さがすごくよくわかると思うんです。
私も正直、山梨の居心地の良さに大きな期待を寄せていたわけではなかったんです。でも実際にいると、生活もしやすいし、自然環境や物価、食べ物など、いろんなものを含めて非常に居心地がいいんです。リモートワークだけではなく、ある程度の生活拠点を構えていくかたちになると、場所選びのポイントには「居心地の良さ」があると思います。
あと自治体のサポート・支援もありますが、今本当に山梨県はじめ、さまざまな地域が都市部企業の進出を積極的に受け入れています。
アクセスの良さも影響してきますが、限界はあると思います。リモートでもリアルでも、やはり企業経営者は、完全に手が離れたところに社員がいることにやや不安を持っていたりするんです。
山梨県は距離も近い上に、経営者自身がそこに行くと、先ほどの松下先生の言葉を借りると「スティミュレイト」を受けるような新しいことが集まってきている。そういうバックグラウンドを持った企業がどんどん集まる中で、企業コミュニティが生まれているのではないかと感じます。
加藤:田中先生、どうもありがとうございます。先ほど田中先生がプレゼンテーションの中でおっしゃられていた事例にもあったとおり、本当にいろんな会社が集まってくる中でイノベーションが起こっています。
山梨に二拠点企業経営を展開される企業様同士がつながる中で、これからイノベーションが起こってくることへの期待感を認識させていただきました。ありがとうございます。
加藤:問いの2つ目です。とはいえ、二拠点企業経営にもまだ何か課題があるんじゃないかと思っていまして。今日は真剣に二拠点企業経営に興味を持っていらっしゃる経営者の方とか、大企業のイントラプレナーの方に参加していただいております。
後ほど、実際にやってみて感じたところは、実践者の方に聞いていきます。お二人には二拠点企業経営を推進したいと思った時に、壁とか課題に直面するだろうという想定や、壁を乗り越えていくための方向性や、大切にしたほうがいい考え方とかについて、もしアイデアがありましたらシェアいただけると非常に嬉しいなと思っております。
こちらも田中先生からお願いできますでしょうか?
田中:わかりました。これはまさに今オンゴーイングで、二拠点企業経営を始めてから課題が見つかったりするところがあります。
今回のプレゼン内容を、作りながら考えてたんですが、実は今まで東京本社・大阪本社のような二本社制であったり、現実的に多くの全国展開してる会社は、「多拠点企業経営」をやってるわけです。
なぜ「二拠点」なのかであったり新たなワーケーション的な働き方とつながってくるのかというところですね。二拠点企業経営は非常に奥が深いというより、まさにこれから、今日をきっかけとして作っていく「概念」なんじゃないかなと思ってるんですね。
田中:推進するにあたっての課題として、現在1つの拠点で行っている企業が二拠点企業経営に移行するフェーズの企業であれば、分けることに関してのメリットが、想定される課題を上回らないといけません。
今でも通常通り出勤しコミュニケーションの主体が「対面型」になってるところは、どちらかというと管理したがる方々が多いので、二拠点企業経営のようなスタイルには不安を感じている場合が多いです。目に見えないところでどんどんものが進んでいくことを信頼して任せられるか、経営の度量も大きな課題になってくる。
やはり当面はトップダウンで、ストーリーも持ってちゃんと経営陣に二拠点企業経営のメリットを示しながら、社員をリードできるような環境を作ること。まずはトライアルから始めておかないと、正直いくつもの課題にぶつかるのではないかと思います。
加藤:田中先生、ありがとうございます。まさにオンゴーイングで今いろいろ動いている中で、新たに創っていくスタンスが重要というのは、確かにそうだなと思います。今後も引き続き、田中先生と一緒にワクワクしながら取組を推進していければなと思いました。ありがとうございます。
加藤:松下先生も、ぜひコメントをよろしくお願いいたします。
松下:わかりました。またメディア論というのか、ちょっと違う視点から。1つはトップも含めたマネジメント層の、オンラインとオフラインの経験価値の理解かなと思うんですよね。
先ほどDX化の話もさせていただきましたが、メタバースも広がってくる中で、例えば、「バーチャル」という考え方があるんですよね。バーチャルというと「仮想現実」というイメージを持たれがちですが、少し理解が違います。
バーチャルとは「形は違うけど本質は一緒」ということなんですよね。逆に形は同じだけど本質的には違うというのは「ノミナル」つまり「名目上の」という言い方をしたりします。
例えば、社内稟議ではんこが必要で「はんこをデジタル化しましょう」というのは、すごくノミナルなんですね。
いったい私たちは何を承認してるんだろうかとか、そのはんこで何を示してるのかとか。そういう本質を捉えてDX化していけないところは、結局今まで通りみんなで集まってやったほうがいいんじゃないか、というところにぶち当たるかなという気がしています。
先ほど田中先生がおっしゃったような、「見えないところはマネジメントできない」というのは、「そもそもマネジメントの本質ってなんだっけ」という思考にいかないと、「私が見る代わりにPCのログを全部取ります」という監視をしてしまうと、逆に社員が離れていくようなことになりかねない。
そのトランスフォーメーションが一番のポイントで、課題になってくるのではないかと個人的には思っています。
加藤:ありがとうございます。経験価値の理解、そして経営の本質を見極めた上で、さまざまな新しいテクノロジーも活用しながら、その本質をアップデートしていくことが、根本的に非常に重要なポイントになってくるということですね。
松下:そうですね。この問いの答えとして、課題はその本質と形式の「取り違え」ではないではないかという気がしています。
加藤:ありがとうございます。
田中:私が聞くのは変なんですけど。加藤さんが耳にしている課題で、目立つものがあれば1、2個ほど教えてもらえますか?
加藤:ありがとうございます。実は、これから二拠点企業経営を実践しようとされている経営者の方々に、おそらくここ1年で10人以上お会いしているのですが、みなさん、課題を感じていらっしゃるというよりも、あとはやるだけというフェーズになっていらっしゃる印象です。
具体的にどこにオフィスを出すかとか、オフィスを出した後に具体的にどう人材採用するかとか、その地域の自治体とどう連携して、どう事業を作っていくかということを中心に考えている方々が多いです。
やると決めた経営者の共通の考え方としては、松下先生の言葉を借りると「経営の本質」がアップデートされているところがあります。
加藤:やはり今までとは違う新しいルールの中で、経営力を向上させるため、従業員の経験を最大化するためには、探索が必要なので、「チャレンジする」とおっしゃっていて、「あとはやるだけ」と決めている人が多い。
そのような人たちが、コロナ前と比べて圧倒的に増えた印象があります。今年山梨でワーケーションのイベントを2回実施しました。事業開発と働き方改革がテーマで、田中先生にもご参加いただきました。
参加された経営者のみなさまは、ほぼやること自体は決めていて、その上で来ている状況でした。
田中:働き方を変えるのは当たり前で、そこからまた新たなものを生むんだという感覚の人が多かったですよね。
加藤:そうなんです。次の話につながると思うのですが、二拠点企業経営をやると決めた経営者のみなさんは、「二拠点企業経営をやった先」にある世界が見えているんだと思うんです。ロジカルに整理ができていなくても、直感的に感じていて「とりあえず動こう」という人たちがいらっしゃるなと思っています。
加藤:最後の残り5分で、3つ目の「問い」です。そのまま田中先生への質問をお返しして、二拠点企業経営をする会社の経営者の方がこの先に何を見て、どこに関心を持っているかを、田中先生からいただければ嬉しいです。
田中:二拠点企業経営を進める経営者は、おそらく社内に反対派がいることも当たり前だと思ってるような方々だと思うんですよ。
それを乗り越えていく先にどういうことが生まれていくかというと、先ほど松下先生がおっしゃっていたような、さまざまなアップデートをこの機会にやらざるを得なかったりして、いろんなかたちになっていくから、一気に進んでいくんだろうなと思います。
社内が大きく変革をするための大きな加速装置になっていくんです。当初は「テレワークなんかできっこないよ」と言っていた企業の中から素晴らしい成果につなげている企業がどんどん増えてきたように、人の権限をうまく分けつつ、新しいところとどんどん結びついていくことで、新たなものを生み出すような土壌ができていくだろうと思います。
2つ目が、こういう環境で働ける会社に優秀層が集まってきています。これからグローバルも含めて、いろいろ備えていく時には、いきなり多拠点にしないで2つから。しっかり「ここでこういう経営をする」「新しいスタイル、新しい人材を取り込んでいく」ということを、まず経験値として社員全体が持っておく必要があると思うんですよね。
そうすると、「何が先にあるのか」ということはいろいろ描き方はありますが、「こうやって動いていけば、必ず次がどんどん生まれていくし、そこから枝分かれして新しいものが育っていくんだ」ということを経験値として持っている経営者は、もう考え始めるとワクワクしてしょうがないんだと思うんですよね。そんな感じがします。
加藤:ありがとうございます。松下先生、こちらはいかがでしょうか?
松下:そうですね。先にあるものというよりかは、先にあってほしいものです。僕はいつも講演の最後に言っているんですが、結局は「働きたいように働く」に集約されると思うんですよ。
働きたいように社員に働いていただく、働きたいように社長も働く。そこが生活も含めた二拠点企業経営の最大のモチベーションであり、ゴールになっていくんじゃないのかなと。
さっきの「3つのS」ではないですが、「3つのC」も考えています。1つは、「コミュニティ(Community)」です。二拠点にした先のコミュニティ、地域のコミュニティ含めてどう入っていくか。2つ目のCは、「コラボレーション(Collaboration)」です。コミュニティがあるだけではなく、自治体を含めてどうコラボレーションしていくか。そして、3つ目のCが、「コンテンツ(Contents)」。そこで自社のサービスや製品を生み出す。
この3つが二拠点企業経営の先にあるべきものなんだろうなと思っています。
加藤:ありがとうございます。本当に「働きたいように働く」という言葉は、松下先生がいつもおっしゃっています。この後登壇する企業様からも、そういう言葉をよく聞きます。後半がより楽しみになりました。
「3つのC」の話も、この後お話しいただく方々からよく出てきます。「コミュニティ」「コラボレーション」「コンテンツ」も、ぜひまた後で深堀りしていきたいなと思っております。
加藤:おそらく、働きたいように働く社員を応援する会社に、また人が集まってくる現象が起きています。個人で働きたいように働く方々が徐々に増えていく中で、経営者自身の価値観もそうかもしれないですけども、企業がその方々にあわせた経営スタイルを適用していくことが求められるのではないかと思います。
これが人材の採用だったり、新たなイノベーション文化の基盤になっていくということが、徐々に起こり始めているなと、あらためて感じさせていただきました。ありがとうございます。
実はチャットに、非常に多くのコメントをいただいております。「3つのSの刺激にすごく共感します。違う文化に触れると、脳内に何らかのホルモンが溢れてくる感覚があります」という、直感的なコメントをいただきました。
あとは、「とても刺激的です。企業のブランチ(拠点)に対する考えが変わっていきますね。今までは営業拠点という考え方でしたが、コミュニティ拠点、課題解決拠点的な感じがします」というコメントもいただいております。
本当にオンゴーイングでこの「二拠点企業経営」の価値が可視化されていくようで、非常に楽しかったです。
それでは時間になりましたので、こちらのセッションは以上にします。後半の実践者の方々とのお話がより楽しみになってきました。松下先生と田中先生には引き続き参加いただいて、後で感想共有会ができれば非常にうれしく思います。ぜひともよろしくお願いいたします。松下先生、田中先生、どうもありがとうございました。
司会者:田中先生、松下先生、そして加藤さん、ありがとうございました。
株式会社パソナJOBHUB
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