2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室の紹介(全1記事)
提供:LINE株式会社
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早石明浩氏:LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室のチーム構成とミッション、各チームの紹介やチームの特徴とチャレンジを紹介いたします。
私は2014年にLINEに入社し、エンジニアとしてLINEアプリの開発を行ってきました。その後、開発者の人数が拡大したため、2018年にチームのマネージャーになりました。2019年頃に、LINEアプリの開発を担当している組織の室長を務め、2021年1月に開発室のセンター化に伴い、副センター長に就任をしました。現在はLINEアプリ開発組織全体のマネージメントを行なっています。
また、センター化のタイミングで開発室を新設したので、LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室とモバイルエクスペリエンス開発室の室長の兼務もしています。
LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室の開発チームの構成とミッションについて紹介します。もともとLINEアプリの開発組織はAndroid開発チームとiOS開発チームに分かれていましたが、センター化のタイミングで、iOSの開発者とAndroidの開発者が同じチームに所属する構成に変更となりました。
1つのチームに所属することによって、プラットフォーム共通の取り組みにおいて、ディテール部分の実装面が揃いやすくなったり、同じ機能をiOS・Android向けに開発する時に、その両プラットフォームの開発者がディスカッションしやすくなりました。
さらにそれぞれの開発室ごとの特定のミッションや、ビジョンに沿った開発ができるようになり、アプリ開発者の自発的な提案を促すきっかけになりました。
LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室は、コンテンツプラットフォーム開発チームと、サービスプラットフォーム開発チームの2つのチームで構成されています。
主に、LINEアプリで発生している多くのトラフィックの価値を最大化するためのプラットフォーム開発、そして外部のパートナーが開発するアプリやサービスを、LINE上でも利用できるようにするサービスプラットフォームの整備を行なっています。
LINEコンテンツプラットフォーム開発チームは、アプリ内メディア枠の改善によってトラフィック価値を向上させる開発と、アプリ側の分析基盤の整備などを行なっています。
LINEサービスプラットフォーム開発チームは、LINEのユーザー基盤を活用したアプリ内サービスプラットフォームの安定化・開発・改善を行なっています。
具体的にその開発内容について説明します。
LINEアプリのトラフィック価値最大化のためのプラットフォーム構築についてですが、LINEアプリは毎日多くのユーザーが利用しています。この利用時、アプリを開く時に発生するアクセスをトラフィックと表現しています。
LINEアプリでは、Web Appとして、LINEアプリの中にWebサービスをいくつも掲載しています。もしかしたら利用されたことがある方もいるかもしれません。ただ、リンクをアプリ内に貼るだけでは、必要とする人にサービスが届いたことにはなりません。
LINEが持っている多くのコンテンツを、必要としている人にスムーズに提供できる環境を整備することで、冒頭で紹介したスマートポータル構想の実現を推進しています。
アプリを使ってコミュニケーションするだけではなく、ユーザーにとって役に立つ情報やコンテンツを提供できる・配信できる環境を作っていくということがLINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室のミッションです。
続いて、各チームと担当する開発内容について具体的に紹介します。
コンテンツプラットフォーム開発チームは「スマートポータル」や「Life on LINE」を実現するための開発を担当しています。LINEや外部の開発者の方が作ったサービスやコンテンツを、ユーザーに届ける仕組みを改善・推進しているチームです。
既存の仕組みやアーキテクチャの改善、アプリ全体に横断してコンテンツ配信するためには欠かせない配信基盤や効果分析をするためのアプリ内分析基盤の整備をしています。
またそれ以外にも、友だち確認などができるホームタブや、LINE Payの残高を確認するウォレットタブなどの機能開発も担当しています。
「コンテンツ配信って具体的にどういうことするの?」という疑問があると思うので、簡単に紹介します。(スライドの)下部に、いくつかのコンテンツが並んでいます。ここがコンテンツ配信枠です。
ただバナーを置いてるわけではなく、この領域はJSONベースでサーバーからレイアウト情報を取得し、クライアント側でネイティブのコンポーネントを使ってレンダリングできるようになっています。
これを私たちはFlex Layoutと呼んでいます。これによって、ネイティブコンポーネンツがサポートしているアクセシビリティといった優れた機能や、ネイティブならではの高いパフォーマンスを持ったインタラクションを維持しつつ、柔軟なレイアウトのコンテンツ配信を可能にしています。
こういった仕組みを導入して、それぞれのサービスのニーズに応えたレイアウトのコンテンツ配信の仕組みを構築しています。
今はこれらの柔軟なレイアウトエンジンを活かして、アクセスする時間によって、その時必要なものを提供できるような、時間軸を使ったコンテンツの最適化を検討中です。
次は、トークタブについてです。トークタブの上にコンテンツや広告を配信する領域があり、現在アーキテクチャをクライアント・サーバー含めて大きく改善をする取り組みをしています。今後は、フォーマットの部分などをもう少し柔軟にできるかなと思っていますし、さらに実装中の新しいアーキテクチャを活用して、よりリッチな表現でコンテンツを配信できないかも同時に検討しています。
サービスプラットフォーム開発チームでは、コンテンツプラットフォーム開発チームのように、何かアプリに直接サービスを追加したり、開発したりということはあまり行いません。代わりに、私たちLINEアプリのエンジニア以外がLINE上でサービスを追加・開発するための基盤の開発整備をしています。
スマートポータル構想を実現するためには、LINE社の開発者だけで開発したサービスだと数に限りがあるため、実際には多くの外部のパートナーなど、LINE以外の方に協力してもらう必要があります。
外部のパートナーが、LINEを活用したサービス開発ができる環境を、サービスプラットフォーム開発チームが整備することで、コンテンツもサービスも増え、さらにスマートポータル構想の実現につながっていくと考えています。そこに必要なサービスの連携を図る仕組みを整備しています。
サービスを直接開発するのではなく、外部のパートナーや、社内のほかのファミリーサービスを作っているメンバーがLINE上でサービスを実現できる基盤を作っています。LIFF/LINEミニアプリという外部パートナー向けのWebプラットフォームがあり、現在そのブラウザーを開発しています。
また、ゲームやファミリーアプリを使っている時に「LINEでログイン」のようなボタンを見かけたことがあると思います。このログインは、LINEアプリ側で提供している認証の仕組みです。これらを開発していたり、社内のサービス連携基盤をいくつも開発・整備しているチームです。
サービスプラットフォーム開発チームが最近行った変更を1件紹介いたします。
アプリ内ブラウザーのUIを少し変更し、シェア機能の動線を改善しました。アプリ内ブラウザーは、外部のパートナーの方が、自分のWebサイトのURLをLINE公式アカウント経由で、メッセージで配信してLINE内で閲覧するために使われています。
もちろんユーザーがお互いに気になった情報を、URLで共有する場合にも活用したりもすると思いますが、最近このアプリ内ブラウザーでUIを変更しました。もともとはヘッダーにあったオプション機能の動線から、シェア機能にすぐアクセスできるように、1タップでシェア機能を起動できるボタンを第一階層のフッターに設定したのです。
一見するとすごく小さな改善に見えます。しかし、このような取り組みを重ねていくことで、ユーザー同士のURLの共有機会がただ増えるだけではなく、LINE公式アカウントから配信されたURLが再度ほかの友だちにシェアされる機会が増えます。
また、LINEプラットフォームを活用する外部パートナーも含めて、サービスの質の改善にもつながります。
これらの取り組みを行うことで、ユーザー同士のコミュニケーション活性化だけでなく、LINEのプラットフォームを利用してもらった時の価値の最大化を考えています。
クライアントアプリでの利用者認証、LINE公式アカウントにあるメッセージ配信、Webアプリの表示など、LINE上ではさまざまな方法でサービスの展開が行われています。このチームではそういった環境の継続的な改善を行なっています。
私たちは、今後もユーザーがLINE内で良質なコンテンツやサービスに触れられるように工夫を続けていきます。
例えば、友だちの誕生日を今よりも気づきやすくしたり、LINEの中にあるそれぞれのコンテンツ掲載枠のデザインを変えたり、コードをより共有できるように配信ロジックのブラッシュアップなどもしています。開発全体の効率化にもつなげたいと思っています。
また、複数のサービスをLINEの中でアプリのように提供するケースがあるので、アプリ内でWebサービスを開いた時のブラウザーの改善なども行い、違和感なく利用できる環境を整備していこうと考えています。
最後に、チームの特徴とチャレンジについて紹介します。コンテンツ&サービスプラットフォームは、アプリを横断した改善をしているのが特徴です。
LINEコミュニケーションプラットフォーム開発室は、LINEのメジャーなコミュニケーション機能の改善を推進していくチームでしたが、LINEコンテンツ&サービスプラットフォーム開発室は、まだない価値やこれから作っていきたいLINEの未来の姿、次にこうなってほしいと思っているものを作っているチームです。
LINEは1つのアプリですが、関わっている開発者や関係者が多く、アプリ内はモジュール化が進んでいます。このような環境の中でも、アプリ全体の連携を意識した改善を続けていける環境です。
すでに多くの人に利用されているアプリですが、その可能性をさらに拡大させていく開発をしています。これらに魅力を感じて頂ける方には良い環境かなと思っています。ご清聴ありがとうございました。
LINE株式会社
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