
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
「デンソーが進めるソフトウェア改革とは?」社員講演②(全1記事)
提供:株式会社デンソー
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山田隆太氏(以下、山田):みなさんこんばんは。紹介にあずかりました山田と言います。よろしくお願いします。私はデンソーでソフトウェア人材育成に取り組んでいます。デンソーが置かれている状況は、100年に1度の変革と言われているほど、ソフトウェアの領域は非常に広く、多様になってきています。
そういう中で、どういう人材育成がいいのかを常に悩んで進めてきましたので、その紹介をしたいと思います。一部にはなりますが、どんな人材育成かなんとなく分かっていただければと思っています。
(スライドを指して)ここに2つ項目を挙げています。1つ目は「個の成長が組織力」。これは、意志を持って人が育っていく。それをちゃんと組織がサポートして、組織力につなげていくという考え方です。もう1つはまったく違うアプローチになります。これは後ほど紹介します。
まず、「個の成長が組織力」ですが、スライドに書いてあるように、「みんな違って当たり前」がキーワードです。画一的な人材育成は、もう古いと思います。我々が今考えている人材育成のしくみを少し紹介します。
このしくみは、キャリアイノベーションプログラムと呼んでいます。名前のとおり、今までとは違う思考で自分のキャリアを作っていく。変革していくためのしくみです。
(スライドを指して)真ん中にあるように、自ら自分のキャリアをちゃんと描くということが、今までと大きく違うところです。キャリアを描いた上で、左上にあるソムリエ認定制度を使って、自分のスキルが今どういう状態にあるのかをしっかり把握します。
スキルに足りないところがあれば、リカレントプログラムを活用して、自分が好きなタイミングで学習をして成長していく。そして、成長したらその人を活躍できる場にしっかりアサインしていくアサインプロセスというものがあります。
アサインされれば開発現場で活躍することになりますが、その時にはさらに能力レベルを引き上げてくれるような、師匠になるようなプロがいて、実務を通してさらにレベルアップできます。このようなサイクルを回していくのが、我々の考えている新しい育成のしくみであるキャリアイノベーションプログラムです。
(スライドを指して)右側の絵を見てもらえばわかると思いますが、今までキャリアは個人が考えて、相談する相手は上司しかいなかったと思います。ですが、このしくみでは上司だけではなく、様々な人材が関わってあらゆる視点でアドバイスしてくれます。
例えば、プロフェッショナル人材などに相談しながら、自分でどういう人材を目指す姿として置くのか、どういうパスを通ってそこに到達するのかを描いています。その時に、ソムリエ認定制度に定義されている能力マップを使うことでより具体化しやすくなっています。
その上で、節目節目で能力を獲得できているかを、ソムリエ認定制度を使って判定することができます。認定されたら、晴れて適切な職場で役割を全うしてもらうことになります。ここで重要なのは、本人のキャリアに対して常にプロが関わっていることです。そこがこれまでとの一番大きな違いになります。
このようなしくみを作り上げていく一方で、今までとは少し違う考え方の教育もやってきています。
「教育とは、炎を燃えあがらせることであり、入れ物を埋めることではない」。ソクラテスの言葉です。これを見て、みなさんハッとしたと思います。ハートに火をつけて、モチベーションをうまく使って育成していく。我々はこういった取り組みも本当に重要だと思っていて、デンソーでは真剣に取り組んでいます。
(スライドを指して)私が今までいろいろな優秀なエンジニアと触れてきて、どうやって自分をスキルアップしてきたのかというインタビューをして得られたものを列挙してみました。
モチベーションに大きく関わってくるものは、やはり「挑戦」です。エンジニアは挑戦したい、特別な人たちと一緒に仕事をしたいという思いがあります。自分が身につけてきたスキルで腕試ししたいとか、それによって到達感を得たいと思っていたりします。
次に「学び」の場も非常に重要です。しかも世界で通用する学びの場でないといけません。そして「承認」です。自分が尊敬するような人に認められるうれしさ満足感とか、自分と同じ思いを持っている人たちと価値観を共有して認められていくうれしさといったものが、非常に重要です。
そして最後に「没頭」です。自分がのめり込んで取り組める。集中できる。そのような環境もとても重要です。
実は、なかなかこういう環境がないんですよね。そのため、我々は国や組織、時間も関係なく、いろいろな人が集って、自分たちで企画をして、競い合って、場合によってはプロジェクトを立ち上げて、成果を売り込んでいくようなことを、バーチャルな世界でつながって実践できる場を作っていきます。
このような環境を作って、挑戦して、学びがあって、認められて、没頭できる。そんなことが当たり前な文化をデンソーに根づかせていく。そんなことを本気で取り組んでいます。
ただ、こういう姿に一足飛びにはいかないので、まずはハートに火をつけるようなコンテストを企画して、思いが同じ人を集めて、共にレベルアップして、最終的には先ほど言ったような世界を自分たちで作り上げ、そこで切磋琢磨していく。そんな進め方をしようとしています。
(スライドを指して)例えば、ここに挙げたいろいろなコンテストがあります。Edge領域やソフトウェア領域、そしてクラウド領域。それぞれにビギナーからいろいろなレベル感で用意しています。
「自分のスキルがまだ足りないな」「スキルアップしてきたので自分の力を試したいな」というコンテストにドンドン参加して、楽しんでさらなる学びを得てもらう。このようなものが必要だと思い、真剣にやってきています。
このような施策をとおして、IoTの社会で必要なスキルをしっかり身につけていけるようにしていきます。スキルがないと、そもそもどういう問題があるのか、どういう問題に対してどう解決していけばいいのかという見方ができないんです。ですので、このような活動が非常に重要だと思っています。
今回は3つのコンテストについて紹介します。1つは世界最古のロボコン、マイクロマウス大会です。これはとても高難度です。ソフトだけでなく、ハードも含めて全部自分たちオリジナルで作った自律走行体で迷路を走るというAIの走行体のコンテストになります。
実はデンソーにはこのコンテストの世界チャンピオンがいて、毎年優勝してくれています。こういう人たちと一緒に学んで、チャレンジする環境。これは非常に刺激的ですよね。
デンソーカップというかたちでデンソーに誘致してやろうとしました。コロナで延期になりましたが、ぜひ実現したいと思っています。
2019年優勝のデンソーの松井祐樹くんの動画を紹介します。こんな複雑な迷路を、自動走行でたった7秒で走破する。そんなコンテストです。
次はDeep Racerを使ったコンテストです。これはAWSが開発した自律走行体と、シミュレーションができる強化学習の環境を使って行うレース競技です。
このコンテストは、AWSの方の多大なる協力があって実現できました。社内で大会をやりましたが、その中心人物が今日ここにきてくれている小山内さんです。彼が中心になりながらAWSの方に協力いただいて実現しました。
この大会では、いきなりデンソー社員が世界第3位のタイムを叩き出す成果を出してくれました。今はその社員を中心に、世界の表彰台を全部デンソーで占めるという野望を持って、実は水面下でトレーニングをやっていたりするとかしないとか。
最後に紹介するのが、クラウドシステムの構築、障害対策の技術を競うクラウドコンテストです。これもAWSの方の協力なしにはできませんでした。
2020年はAWS GameDayというものを、デンソー用にデリバリーしてもらって実施しました。2021年はAWS JAMを参考にして、課題をエミュレートするプラットフォームを我々で作って、手作りのコンテストになっています。
その中心人物として動いてくれてるのが、今日もきてくれている濵﨑くんです。濵﨑くんは技能五輪の国際大会で銅メダルを獲得したスーパーエンジニアです。
このような人たちと一緒に自分たちでコンテストを作って、社内でデリバリーする。そういったことを一緒にやっていくことで得られる学習効果は非常に高いです。我々はこのような施策をやりながら、常にレベルアップしています。
最後に、2022年のクラウドコンテストのPR動画見て、私の活動紹介を終えたいと思います。
山田:このように遊びも取り入れながら、真面目にモチベーションを重要視した活動をしています。
今後はこのような活動をオープンにやっていきたいので、興味がある方はぜひ参加いただければと思います。どうもありがとうございました。
株式会社デンソー
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