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Multi-Product x 強いSaaSへの挑戦と必要なプロダクトマネジメントのカタチ(全1記事)

2021.12.23

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マルチプロダクト × 強いSaaSへの挑戦 プレイド流、SaaS開発のためのプロダクトマネジメント術

提供:株式会社プレイド

さまざまな会社のCTO・PM・エンジニアを招いて、パネルディスカッションやLTを通して実際のプロダクト開発で得た知見や技術を学ぶイベント「MIDAS TECH STUDY」。そこで株式会社プレイドの棚橋寛文氏が、マルチプロダクト × 強いSaaSを開発するためのプロダクトマネジメントについて共有しました。

プレイドのSaaSプロダクトマネジメント

棚橋寛文氏(以下、棚橋):プレイドの棚橋と申します。私からは、「『マルチプロダクト×強いSaaS』への挑戦と必要なプロダクトマネジメントのカタチ」をお話しできればと思います。

まず簡単に自己紹介ですが、プレイドに入って今5年弱ぐらいです。入社してからは、CXプラットフォーム「KARTE」のアプリ版の立ち上げであったり、直近だと「KARTE Blocks」という新しいプロダクトの立ち上げと事業化を、プロダクトマネージャーのような立ち位置で動いてきました。あとは、全体のプロダクトプランや組織作りにも携わっています。

もともと楽天、ビズリーチ、プレイドと場を変えながら、toCの事業の立ち上げ、企画、マーケティング、プロダクトマネジメントといった領域から、toBに来ている流れになっています。

プレイドは今、正社員200名を超えるぐらいの規模で事業展開をしています。2020年の12月にマザーズにも上場しまして、さらにここからマルチプロダクト化と強いSaaS作りに取り組みながら事業成長していきたいと思っているようなスタートアップです。

ミッションは、データによって人の価値を最大化することです。抽象度が高いのですが、世の中に大量にあるデータと人のクリエイティビティを掛け合わせて、さまざまな価値を生み出していく。それによって世の中にインパクトを出していくことをミッションに掲げています。

CXプラットフォーム「KARTE」が我々の一番の主力事業で、Webサイトやアプリに、タグやSDKを入れていただくことによって、エンドユーザーの行動データをリアルタイムに分析・解析・ビジュアライズして、それぞれのユーザーに合った最適な体験を届けるところまでワンストップで行うことができるマーケティングのプラットフォームになっています。

強いSaaSへの挑戦

ここからが本題で、今日はアジェンダを3点書いていますが、まず1つ目、「マルチプロダクト × 強いSaaSへの挑戦」をお話しできればと思います。

さっそくなんですが、「マルチプロダクトかつ強いSaaSとは?」です。(スライドを指して)こういったミルフィーユのグラフを、SaaSに携われている方であれば一度はおそらく目にしたことがあるんじゃないかなと思います。これはクアルトリクスというサーベイのプラットフォームの上場時の資料から抜粋してきたものです。

ものすごくきれいに末広がりなコホートのミルフィーユが描かれていて、過去に獲得した顧客の売上が拡大しながら事業成長をしています。このような末広がりな曲線を描くミルフィーユのグラフ、目指したいのはやはりこういうかたちです。

これを分解していくと、どういう要素があるのか。ものすごくシンプルに3つだけ書いてみたのですが、まず根本にある考え方としては、Negative Churnを獲得して、NRRを高い水準でキープできるSaaS。

SaaSは成長していくと、新規からの売上よりも既存からの売上の比重がどうしても大きくなってくるので、既存ユーザーにできるだけ長い間使い続けてもらって、かつ既存ユーザーから新たな収益が積み上げされていくような構造、モデルを作るのがすごく重要かなと思っています。

グローバルで成功しているSaaSはやはりこれを達成できているのかなと。ここに対してトライしてきていると思っています。

分解すると、チャーンを低く抑えるところと、アップセル・クロスセルがしっかりある状態であること、複数のエントリーポイントがあることという3点があるかなと思っています。

我々プレイドは振り返ってみると、1年半ぐらい前の2020年の時点でWebとアプリの行動データからユーザーを理解するための機能性と、ユーザーごとに最適なアクションを配信するための機能性がセットになったCXプラットフォームのKARTEというオールインワンなプロダクトをずっと提供してきました。

カスタマーサクセスのチームのリビルドや、強化・改善などもあって、チャーンに関してはすごくいい数値の改善も見えてきていて、がんばっていました。

一方で、アップセル・クロスセルが生まれやすい構造になっているかという点であったり、複数のエントリーポイントがあるかという点から見ると、なかなかそうはなっていない状況でした。オールインワンな一つのプロダクトを提供していました。

長期的に高い成長率でグロースしていけるような強いSaaSになるためには、大きな構造改革が必要なので、2020年の3月にプロダクトの構造改革を行うプロジェクト、社内では「Product Transformation」と呼んでいたのですが、そういったプロジェクトが発足しました。強いSaaS化に向けた聖域なき構造改革がこのタイミングから始まりました。

強いSaaSになるためにまずやったこと

どんなことをやったかというと、強いSaaSになるための本当に最初の一歩目ということで3点挙げています。

1つ目が、プロダクトの分離と共通機能系の分離。アカウントや組織管理、決済周りなどをしっかり分離していく。また、今までセールスやカスタマーサクセスなど、人のビジネスオペレーションをちゃんと構築しながらエンタープライズ向けにビジネスを提供していくという、Sales Led Growth(SLG)のモデルを「Salesforce」の顧客管理をベースにやっていきましたが、それに加えて、決済の仕組みや顧客管理の仕組みで「Stripe」を活用しながらProduct Led Growth(PLG)の提供モデルも新たに用意していきました。

2点目が、さまざまなプロダクトの中にはさらにファンクションがあって、それぞれでコスト構造のかかり方がさまざまだったので、それを一元的に整理をして、1つの計算式、ロジックで算出できるようなフォーマットを作りました。

加えて、そのプロダクトやファンクションを組み合わせて、さまざまなパッケージをシミュレーションできるようにし、プランの検討をスムーズにすることも取り組みました。

3点目が、実際にそういった分離をしていく中で、サービスサイト上でどうやって構造整理をして見せていくか、どのプロダクトをどうメッセージングして尖らせて見せていくかの整理と再定義を進めてきました。

プロダクトおよび共通機能系の分離

1点目の分離の話なんですけど、これは見てのとおりで、共通機能系をそれぞれ分離していきながら、今まで1つにまとまっていたプロダクトも内側をどんどん分離していき、それらを組み合わせて提供できるベースの構造を整理しました。SalesforceとStripeと、それぞれPLG・SLGのモデルでしっかりと活用していくベースの仕組みを用意していきました。

このベースと整理の上で、新しくProduct Led Growthのモデルでの最初のチャレンジが9月14日にリリースした、私も担当している「KARTE Blocks」というプロダクトです。

KARTEのマーケティング領域とは違う、日常のサイトの更新・管理業務、運営業務をノーコードで簡単に効率化できて、さらにパフォーマンスを上げていく取り組みまで一気通貫できるプロダクトです。

はじめてのPLGの仕組みで、フリーミアムでオンラインでサインアップして、オンラインでセルフオンボーディングしながらアップグレードまでいける仕組みで、テックタッチ中心でリリースをしていきました。まだ始まったばかりなので、これはこれですごく大きなチャレンジがこのあと待っているかなと思っています。

2点目の、コスト構造の整理と共通ロジック化ですね。細かいのですが、一応サンプルで実際に作っているフォーマットを一部数値を消して出してみました。

プロダクトやファンクションを分離して、それぞれのファンクションごとにいろいろなコスト構造のかかり方があって、それをこのフォーマット上でポチポチと組み合わせます。するとプライシングを設定した時に裏側のコスト構造を踏まえた、適切な利益率などを簡単にシミュレーションできるようになっています。これは、商品設計で必要なものになったかなと思っています。

あわせて、サービスサイト上でも、今までまとまっていた1つのプロダクトを分離して、ナビゲーションで整理していくか、一つひとつのプロダクトでそのターゲットをどうメッセージングしていくかを再構成しながらのリニューアルもこの1年半でやってきました。

マルチプロダクト x 強いSaasへの挑戦は、まだ始まったばかり

今、まだ本当に道半ばというか、構造改革の序盤にいるかなと思っています。プロダクトを分離して扱いやすくすることに合わせて、やはりオーナーシップも分離する必要があるかなと思っていて、複数のプロダクトをパラレルに開発・提供できる基盤と構造をしっかり作ります。

その上で、それぞれ単一のプロダクトでもちゃんとエントリー、利用ができて、さらに利用範囲を広げていく中で組み合わせて価値を発揮するようなプロダクト群への進化を狙っていて、その途中かなと思っています。入り口ですね。

KARTEのプロダクト群としては、Insightの機能、Actionの機能、チャットのコミュニケーションのTalkという機能だったり、メールやLINEやアプリプッシュを送れるMessageだったり、先ほどのBlocksだったり、Datahub、Appという複数のプロダクトがあります。

加えて、「QualtData」という新しいブランドのプロダクトも、KARTEとは別に、今ベータリリースをしています。

ほかにもSeedフェーズのプロダクトというのが今複数開発進行中なので、さらに多様なマーケットに対して、さまざまな切り口のプロダクトを提供していき、先ほどのクロスセル・アップセルでどんどん価値を広げていけるような構造作りにチャレンジしています。

これらは、ものすごく道のりが長くて、まだ一歩目とスライドで書いてあったんですけど、構想の中でも、本当に一番のベースの整理をようやくスタートしたところなので、このモデルで成長していくためのさまざまなトライは、ここからまさにパラレルに動いていくことになるかなと思っています。

そんな挑戦の中で、プロダクト戦略が、PLGかSLGかみたいな話や、事業フェーズが立ち上げなのかスケールフェーズなのか。さまざまな戦略、フェーズのプロダクトが混ざり合っている状態です。

それぞれで必要な体制とプロダクトマネジメントのかたちが異なると思っています。そこについての試行錯誤とトライアンドエラーのお話をできればと思います。

プロダクト戦略とフェーズの4象限

SaaSのプロダクトマネジメントにおいて必要かつ重要な要素は、プロダクト戦略や事業フェーズによって異なります。もちろん共通項もあるとは思っています。

どんな整理をしてみたかというと、Sales Led GrowthなのかProduct Led Growthなのか、「0→1」フェーズなのか、「10→100」のスケールフェーズなのか。ものすごくシンプルに4象限で分けて書いてみています。

左上に凡例が書いてあるんですが、丸がそのチームに必要な機能。点線の四角がチームの実体と捉えていただければと思っています。

例えば、0→1のフェーズだと、チームとしては1つ、1チームなんだけど、その中にプロダクト開発をするエンジニアやデザイナー、マーケティング担当、セールス、サクセスが全部混ざっているような、本当にスタートアップの初期フェーズみたいな状態かなと思っています。

右側のスケールフェーズにいくと、それぞれの必要な機能ごとに、チームや組織が分かれていき、それぞれの組織・チームが連動して動くかたちになるかなと思っています。

やはり初期のフェーズだと、ジェネラリスト的になんでもカバーしにいくし、お互いにフィードバックも早く、全体もシンクしており、属人性が高く、スケールしない特徴があると思います。

後半のフェーズだと、役割分担が進んでスペシャリスト化していき、チームをまたいだ相互のフィードバックが難しくなったり、全体のシンクが低くなったり、一方で属人性が低いのでスケールするみたいな構造の変化があると思っています。

その中で、例えば1つピックアップすると、KARTE BlocksはまさにProduct Led Growthで、0→1のフェーズをこの1年は経験してきているかなと思っています。

共通認識を持つことの重要性

ここで重要なことは、やはり0→1の立ち上げフェーズ、PMFを探索するフェーズはわからないことが多いんですよね。先が見えないというか、どこに向かっていくべきなのか迷いやすいフェーズでもあるので、プロダクトのビジョンや、そのビジョンを実現するためのアプローチの方法や、検証ポイントとステップを明確にして、チーム全員で目線を合わせておくことが重要。

自分たちの狙っているマーケットや顧客をセグメンテーションして、ターゲット・ペイン・ゲイン、メッセージを整理して、そこもチームで共通認識を持つこと。ここをしっかりやっておかないと、簡単に目線がずれてしまう。先が見えにくい不安定なフェーズでもあるからこそ、ここはかなり重要なポイントになってくるかなと思っています。

さらに、このフェーズは、仮説検証と学習が最優先なので、アジリティ高く動けるように関係各所と調整をしていく。数値目標がなかなか持ちづらいタイミングなので、そこの部分の調整や協力を得やすいように関係各所とのコミュニケーションをしておくのも重要かなと思います。

PLGは、人が介在して提供していくものではなくて、基本、プロダクトとマーケティングの力でグロースさせていくものなので、なにかの機能を作る時だったり、カスタマーのタッチを考える時にも、それがどうマーケティングに効くのか、どうそれが新規ユーザーを呼び込むきっかけを作れるのか、わかりやすい切り口を作れるのか。こうした視点で考えることがすごく重要かなと思っています。

先ほど重要だとお伝えした共通認識を持つ部分は、実際のNotionのドキュメントで、大部分をお見せできないので消しているんですけど、やはり事あるごとに立ち返る場所を作っておくというのはすごい大事かなと思っています。

どういうビジョンを実現しようとしているか。そこに対してどういうアプローチを取ろうとしているのか。どういったターゲットの分類をして、どういう順番でのぼっていこうとしていて、どういうペインに対してどういうゲインがあるのか。こうした整理をしっかり書いておき、チームでこれをベースに会話をするようにする。

さらに、インプットと学習が進んでいく中で、これはどんどん変わっていくもの、アップデートされていくべきものなので、しっかり最新の状態でアップデートしていくことが大事だと思っています。

顧客と競争環境を常に捉え続ける

一方で、対極にある領域で、Sales Led Growthのスケールフェーズ。これは、CXプラットフォーム「KARTE」のInsight/Actionのプロダクトはここに当たると思っています。

ここになってくると、かなり利用ユーザーも増えてきますし、多様になってくるので、既存ユーザーのペインポイントやユースケースの理解、定性インタビューや定量のデータ分析などがすごく重要になってきます。

新機能や新たなユースケースを、ビジネス組織でどうエンハンスメントしていくのかも非常に重要になってきますし、ものすごくパワーがかかるところだと思っています。

3点目に書いてあるのが、顧客の変化と競争環境の変化です。これが時間が経つと変わってくるものなので、それをしっかり捉え続けることが重要です。

フェーズが変わると入ってくる顧客も変わってきますし、時間が経つと競争環境も変わるので、ある意味プロダクトマーケットフィットは何度も必要になるような感覚に近いのかなと思っていて、ここを捉え間違えると変化についていけずに、いつの間にかほかのプロダクトにシェアを取られてしまう状況にもなり得るのかなと思っています。

加えて、クライアントの声も上がってきやすいので、短期でわかりやすい、ペインポイントの解消や短期のインパクトを出しにいく動きに引っ張られやすいんですけど、ビジョンから考えた時に、長期目線で何を今やるべきなのか、そのバランスを取ることもすごく難しくなるのですが重要なポイントかなと思っています。

このフェーズだと、スライド左に書いてあるみたいにこの各機能の間にいろいろなものが落ちる感覚があります。今まさに自分たちがぶつかっている課題で、右側に書いてあるようなことがすごく重要なんですけど、まだまだ僕ら自身もここに対して十分なトライアンドエラーや学習ができていないので、ここを一緒にチャレンジできる仲間を募集中という感じですね。

さらに、この真ん中の四角の部分を要素分解していくと、プロダクトマネジメントの要素やプロダクトマーケティング、カスタマーエンジニアリング、サクセスオペレーションなどが絡み合っているところです。

さらに要素分解しながら役割を整理して、うまく生産性高く動ける体制を作っていくのが重要になってくるかなと今思ってはいるのですが、ここのチャレンジもこれからです。

フェーズごとに異なるPdMの鉄則

最後にまとめですね。「マルチプロダクト x 強いSaaSになるために」。チャーンを抑えて、アップセル・クロスセルがあって、複数のエントリーポイントがあって、NRRが上がっていくモデルをしっかり作るというところ。

それを実現するためには、プロダクトやオーナーシップを分離して、複数プロダクトをパラレルに開発・提供できる基盤と構造を作って、エントリーポイントを増やす。そして後ろ側で、アップセル・クロスセルが効いて積み上がってくるプロダクト群へと進化させていくことが重要で、まさにそこのチャレンジの入り口に、今自分たちはいます。すごくおもしろいフェーズなのかなと思っています。

プロダクト戦略や事業フェーズによって、必要な体制とプロダクトマネジメントのかたちが変わってきます。「PLG x 0→1」フェーズだと、ビジョンとかアプローチ方法・検証ポイント・ターゲット・ペイン・ゲインを明確に、チームで共通認識を持つことだったり、全員がマーケティング視点で考えることが重要になってきます。

「SLG x 10→100」のフェーズだと、既存のお客さんのペインポイントを捉えて、しっかりビジネス組織をエンハンスメントしながら価値向上を図っていく。お客さんの変化や競争環境の変化を捉え続けながら、短期と長期のバランスを取っていくところがすごく重要になってくるのかなと思っています。

最後に告知です。「プレイドでプロダクトマネジメントをぜひ一緒にやりませんか」というところで、今お伝えしてきたとおり、価値提供できるマーケットもどんどん広がっています。プロダクトの戦略、PLG・SLGという選択肢だったり、事業フェーズもさまざまな状態で、「マルチプロダクト化 x 強いSaaS」を実現するための組織作りも本当に入り口の入り口で始まったばっかりです。

いろいろなものが決まっていなくて余白だらけなので、あるべきところから一緒に考えていける、一緒に動いていける仲間を全プロダクトで大大大募集中なので、もしよかったら採用ページ見ていただけるとうれしいです。

今日はわりと、表面的な全体感のお話をさせていただいたんですが、1個1個を深掘りしてくと、なかなか味わい深いトライアンドエラーもたくさんあるので、もしご興味ある方いたら、ぜひお気軽に話しましょう。DMもいただければうれしく思います。

では、ご清聴いただきましてありがとうございました。

組織の4象限はどうやって思いついたか?

司会者:棚橋さん、ありがとうございました。YouTube Liveのコメントでもあるんですけど、アップセルとクロスセルのシミュレーションの整理や組織の4象限など、個人的にも非常に頭が整理されて、すごい濃密な時間だったなと思っています。

質問も2、3個ほどピックアップさせていただければなと思っています。先ほどのコメントにも被るんですけど、こちらテロップに出ています。

「アップセル/クロスセルのためのシミュレーション整理、非常に合理的だけどあまり実物を見る機会もないので興味深い」。そうですね。「どういうものをベースとしてこういった仕組みが思いついたのだろう」が質問になります。

棚橋:そうですね。このベース……こういった構造にしなきゃいけないみたいな話は、弊社のCPOの柴山という人間が発端で、プロダクトトランスフォーメーションみたいなプロジェクトが動き出したという流れがあって、ベースのフォーマット、テンプレートみたいなものを彼中心に作っていった部分もあります。

なにかを参考にして作ったというよりは、こういうふうに1個1個要素を分解して組み合わせていくと、自分たちがやりたい構造の整理だったり、シミュレーションができるだろう、じゃあやってみようというかたちで作っていきました。

途中から、僕やほかのメンバーも入りながらそれを使って、肉付けしていくというか、いろいろなコンポーネントを足していったり、パッケージを作っていったりしながらシミュレーションをしていく動きに発展していったので、なにかを真似したというよりは、あるべきものを作りにいったかたちかなと思います。

司会者:ありがとうございます。まさに、プロダクトマネージャーやVPoP、CPOになると、より抽象的なものを整理する能力が求められるんだなとあらためて感じました。

新規プロダクト立ち上げの意思決定プロセスについて

司会者:一番最初の、プロダクトを当てるところは重要だと思うのですが、2つ目のプロダクトや3つ目のプロダクトを立ち上げる時に、やはり初期事業を超えるポテンシャルのあるものを探すのは、各社見ても非常に難しいのかなと思っていたりします。

そういった事業立ち上げに関する意思決定をどのようにやっているのかをうかがえれば幸いです。

棚橋:これは非常に難しいですね。自分たちもいろんな、複数プロダクトをトライし始めていますけど、やはり今も一番強い主力事業はCXプラットフォーム「KARTE」ですし、難しいかなと思ってはいるのですけど。

やはりわかりやすいのは、自分たちがもともと最初の事業で提供しているマーケットの周辺領域で、かつ自分たちが貯めてきたアセットが有効活用できるところ、かつ規模が大きいマーケットみたいなかたちで考えていくのは1つわかりやすいアプローチかなと思います。

ただ、僕らの会社の特徴なのですが、マーケットから考えて作っていくよりは、こういう新しいテクノロジーだったり、新しいプロダクトによって、今までにない大きな変化というか、価値を生み出したいということが会社のカルチャーとしてすごく強いかなと思っています。

合理的にマーケットを上から整理して選定していくというよりは、「なんかこういうアイデアがあるんだけど、これってどういうビジネスになっていくのかな?」みたいなかたちで考えるというのも一緒にやっていたりもするので、そのあたりはいろいろな視点があるかなとは思います。

司会者:ありがとうございます。たぶん、事業立ち上げは、もう1トピック話せる内容だと思いますので。

棚橋:そうですね。

司会者:いったんちょっと、ここらで終了とさせていただいて。

質問もほかにもあるのですが、最終的にはみなさんにお渡しさせていただきますんで、みなさんから後日や、イベント後にTwitterとかで回答していただけるんじゃないかなと思っています。

いったん、棚橋さんの発表はお時間となりましたので、終わりといたします。ありがとうございました。

棚橋:ありがとうございました。

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