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株式会社ウォーターデザインジャパン(全1記事)

2021.08.25

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“汚れのつかない水道管”が、世界の水問題を解決? 環境負荷もコストも減らせる、一石二鳥の解決策

提供:京都リサーチパーク株式会社

日本のハードウェア・スタートアップのグローバル展開への登竜門である、ピッチコンテスト「Monozukuri Hardware Cup 2021」(主催:モノづくり起業推進協議会)。米国ペンシルベニア州・ピッツバーグ市で開催される「Hardware Cup 2021 Finals」の日本予選として、日本中からイノベーティブなスタートアップ8社が集い、トップイノベーターと日米の投資家・起業家ら審査員の前で熱いピッチを行いました。本パートでは、株式会社ウォーターデザインジャパンの伊藤夏美氏が、環境負荷とコストの低減を実現する、画期的な水回りの洗浄効果についてピッチを行いました。

あらゆる水回りにつきものの“やっかいな汚れ”の正体

伊藤夏美氏(以下、伊藤):みなさん、こんにちは。私は株式会社ウォーターデザインジャパンの共同設立者兼CMOの夏美です。みなさんは、水道管の周りにスライムっぽい汚れがついているのを見たことがありますか。これは「バイオフィルム」と呼ばれるもので、病院や工場、住宅など、すべての水回りで発生する可能性があります。多くの場合、化学薬品を使って洗浄していますが、これには多額の費用がかかり、環境にも悪影響を及ぼします。

しかし、私たちのソリューションは違います。私たちは、ウルトラファインバブルと呼ばれる技術を使用しています。ウルトラファインバブルとは、ナノサイズの微細な泡のことで、1年以上水中に留まり、洗浄効果を発揮します。

なぜバブルに洗浄効果があるかというと、微細な泡が、汚れの下まで潜り込み汚れを剥離してくれるからです。また、ウルトラファインバブルには、コーティング効果、保湿効果、ガス溶解効果、成長促進効果など、さまざまな効果があることも知られています。

しかし、今日は洗浄効果の話に集中したいと思います。これがどのような場所で役に立つのかを説明します。ある病院では、透析装置の洗浄に使用されています。これは2019年の日本透析医学会で発表されたものですが、化学薬品の使用量を減らすことができましたし、使用するフィルターの交換頻度も減らせました。

その結果、メンテナンスコストを約60パーセント削減することができ、患者さんにとっても環境にも優しいソリューションとなりました。これは単なるコスト削減ではなく、全体的に優れたソリューションと言えるでしょう。

さまざまな業界で利用されている、超微細な泡の洗浄効果

伊藤:世界初の超微細気泡発生ノズル「UFB DUAL™」を紹介します。特許を取得し、水道管としても認可されています。家庭用には1つのノズルを水道メーター後もしくは分岐点手前に設置するだけで、建物や施設に入ってくるすべての水が超微細な泡に変わります。

このウルトラファインバブル技術で洗浄問題を解決しようとしているのは我々だけではなく、東芝や他の会社からも洗濯機やバスタブ、シャワーヘッドなど、さまざまな消費者向け製品が発売されています。

しかし、UFB DUAL™はノズルタイプです。水道管として使用することができ、パワーやメンテナンス性、安全性の面でも優れており、日本国内で5,000ヶ所以上の場所で使用がされています。日本では、住宅や病院、歯科医院、農業など、さまざまな場所で使用されています。そして現在、製造業や美容医療など、さまざまな業界との間でいくつかの契約を結んでいます。

私たちは有機的に成長しており、自立しています。今年は100万ドル以上の売上を見込んでいます。そして今、私たちはグローバルな展開を模索しており、以下のような分野においての販売、並びに研究パートナーを探しています。農業、水産養殖、建築、医療の分野で、洗浄やその他の利益に興味があれば、詳しい話を聞きたいと思います。

私はマーケティングとグローバル展開を担当しており、CEOは連続起業家である藤田和志です。そして製品の創始者である芝塚氏は元三菱レイヨン・クリンスイの代表をしており、水とエンジニアリングに関する深い知識を持っています。

私たちはこの技術を世界規模で展開し、技術の適用する最適な場所を見つけたいと考えています。なぜなら、水問題は世界中で起こりうるからです。これまでグローバルのピッチ大会などにも積極的にも参加しており、昨年2月に開催されたスタートアップ・ワールドカップでは優勝し、今年11月にサンフランシスコで開催されるグローバル・ファイナル・ピッチに臨みます。

また、私たちは、IoTとしてのプラグアンドプレイのアクセレレータープログラムにも採択されていました。「小さな泡が、私たちの生活を豊かにする」。

ご清聴ありがとうございました。

水道管の清掃による環境負荷やコストを低減

司会:審査員のみなさま、どうぞご質問を始めてください。

村上憲郎氏(以下、村上):バブルの中にはもちろん気体や空気などが入っているはずですが、例えばパイプの中をきれいにするためには、どんな特殊なガスが効果的だと思われますか。普通の大気でも良いのですが、何かアイデアがあれば教えてください。また、超微細気泡のメカニズムの効果を高めるアイデアがあれば教えてください。

伊藤:先ほどプレゼンテーションでご覧いただいた現在のモデルでは、バブルを発生させる方法として、水の中にあるバブルを利用しています。それを利用して、超微細なバブルサイズに変換しています。また、さまざまな種類のガスを注入できるガスバージョンのノズル(受注生産型の商品)も作ることができます。異なる種類のガスを使用することに興味を持つ人は、研究や製品開発での使用目的の方が多いです。

村上:現在の製品では、大気や空気などを利用しているとのことですが、もともとは液体ですか。私の理解で合っているのでしょうか?

伊藤:そうですね、プレゼンテーションで見ていただいたのが現在の標準の製品ですが、見た目がまったく違うガスタイプのものも、受注生産で作ることができます。どちらにも対応できます。

村上:ありがとうございます。

ポール 与那嶺氏(以下、ポール): この製品は、主に医療分野での精密機器に使用されるのでしょうか。ご家庭での使用についてはお話されていませんでしたが、一般的にはパイプのメンテナンスに使用されるのでしょうか。

伊藤:はい、駅のトイレの水道管でテストしてみました。(水道管は)人の交通量の多い駅ではこのように尿石が詰まることもありますし、多くのビルでは年に一度は掃除をしなければならず、かなりの費用がかかります。

私たちがやろうとしているのは、化学薬品の使用量を減らしたり、清掃の頻度を減らしたりすることで、長期的に見れば大量の化学薬品を使って毎回清掃する必要がなくなるので、コスト面でも環境面でも良い解決策になると思います。

ポール:最初にインフラを整備したときに、配管などを設置するのがベストですね。つまりパイプなどを設置するときに一緒に設置するのがベストだと思います。

伊藤:そのほうがいいと思いますが、リノベーションにもすでに使用されています。どちらも可能です。しかし、もし将来のために水道管の寿命を延ばしたいのであれば、最初に設置した方が良いでしょうね。

ポール:ありがとうございます。

水道管として取り付けるだけで、10年以上の使用が可能

九頭龍雄一郎氏(以下、九頭龍):ちょっと簡単な質問をします。現在のバージョンと比較して、耐久性やコスト面ではどうでしょうか? 耐久性やコストに関して、現在のバージョンとの比較はどうですか?

伊藤:プレゼンテーションでご覧になった現行モデルは、20Aの20ミリパイプサイズのもので、主に国内の家庭用に使われています。価格は$4,900ドルです。

九頭龍:普通のものと比べるとどうでしょうか。

伊藤:他社とまったく同じ製品はありませんが、洗濯機やバスタブ、シャワーヘッドなど、ウルトラファインバブル関連の製品は他にもあります。 そして、もしお客様がそれらの製品を使って、お客様がおうちすべてをウルトラファインバブル製品に変えようとした場合それはもう......100万円以上になります(笑)。

九頭龍:(笑)。それが外部システムということになりますね。

伊藤:そうです。水道管からの変更なので各機械やバスタブユニットなど各種を変更して、別の工事をする必要がありません。10年に一度の交換を推奨していますが、水道として認められているので、水道管と同じです。つまり、家や建物を建てるときに、10年ごとに水道管を交換することはありません。同じ用途であるということです。

九頭龍:そうですね、それは本当にオリジナルで素晴らしいアプローチですね。どのようなカテゴリーなのかはわかりませんが、家の用途であれば10年で十分です。

伊藤:はい。日本では10年が推奨されていますが、水道管として承認されているので水道管と同じようにもっと長く使ってもいいと思います。ノズルの破損を防ぐために、水や汚れが入ってこない限りは、その前にフィルターを使っていただくようにお願いしています。複製可能でメンテナンスフリーです。

九頭龍:ありがとうございました。

司会:ありがとうございました、時間切れです。

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