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地域の非常時と平常時の 安心・安全を実現にむけた取り組み(全1記事)

2021.03.26

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「ライフビジョン」「V2H充放電器」「ドローン橋梁点検」 デンソーが大切にする使命と技術

提供:株式会社デンソー

2021年3月3日、株式会社デンソーが主催するイベント「DENSO Tech Links Tokyo #10」がウェビナーで開催されました。今回のテーマは「地域と社会の防災をテクノロジーで支える」。自動車&ライフソリューション部の平井靖丈氏が、デンソーが大切にする「世界と未来をみつめ新しい価値の創造を通じて"人々の幸福に貢献する"」という使命において、それを実現するための技術について語りました。

デンソーが目指す姿

平井靖丈氏(以下、平井):本日は「地域の非常時と平常時の安心・安全を実現にむけた取り組み」ということで、デンソーが取り組むレジリエンス活動の一端を説明いたします。

まず始めに、なぜデンソーが地域の安心・安全に取り組むのかをお話しします。デンソーが自動車部品を生業とした会社ということは、本日お集まりの皆さまは認識されていると思いますが、私たちはメーカーという立場とともにその使命として、「世界と未来をみつめ新しい価値の創造を通じて"人々の幸福に貢献する"」ということを掲げています。

目指す姿については、環境軸と安心軸があり、環境軸では「未来のために、もっと豊かな環境を」があります。2020年12月に弊社社長の有馬が、CO2ニュートラルへの取り組みについてメディアのインタビューでお話しましたが、その点についてはまた別の機会で説明いたします。

今回は安心軸の目指す姿で、「どこまでも安全に、いつまでも心地よく、すべての人へ」に関する内容を説明します。

デンソーは交通事故のない世界を目指し、みなさまのドライブ中の安心・安全を守るべく自動車部品の開発および製造を行っていますが、今後は家や店舗、街というように、クルマから降りたあともしっかりと安心して暮らせる世界を目指すため、場面を社会とソサエティ、に広げて取り組みを拡充しています。

本日紹介する内容はこちらの3点です。1つ目が防災・行政配信システムを活用した安心・安全ソリューション。次にEV(電気自動車)/PHV(プラグインハイブリッド車)とV2H充放電器を活用したレジリエンス強化、そして最後にUAVを活用した橋梁点検サービスを説明します。

防災・行政配信システム「ライフビジョン」

まず1つ目ですが、こちらは私どもが「ライフビジョン」と呼んでいるアプリケーションです。もうすでに全国で40を超える自治体に採用していただいており、通常時、つまり平時は街の地域情報や広報を、こういったパッドや携帯、スマートフォンで確認していただく。

そして非常時には自治体から流される緊急情報を高齢者の方や情報の入手が困難な状況になりがちな方にも、ITリテラシーを超えたところで、情報に触れてもらえるアプリケーションを用意しています。

こちらは本日の主題になっていますので、後ほど詳しく説明いたします。

レジリエンスの肝「V2H充放電器」

次にEV/PHVとV2H充放電器を活用したレジリエンス強化に関してです。まずデバイスの肝となる「V2H充放電器」について説明します。このV2HはVehicle to Homeの略であり、通常の充電だけではなく、電動車の電気を家もしくは施設に戻すといった機能を備えた機器です。デンソーのV2Hの特徴は、最大5.9キロワットの出力でEV/PHVに充電ができること。これは一般の充電器に比べて約2倍のスピードです。

放電については最大5.9キロワットの出力でEV/PHVから放電できるということで、通常の家庭生活であれば、ほぼ賄える電力を放電できるという認識です。

そして次に管理。タイマー設定で充放電をスケジュールし、太陽光発電の余剰電力を充電します。これまでEV/PHVというのはクルマの走る機能に特化していましたが、実はクルマというのは通常95パーセント止まっていまして、その間は鉄の塊であり、今後は電動車を、走る蓄電池として活用をしていきながら、普段の充電に加えて停電時のレジリエンス強化に貢献していきたいと考えています。

次に、先ほどのV2Hを使って、レジリエンスにどう活用していくのかの具体例を説明します。

1つ目が先ほども少し触れた蓄電池としての活用。最近では在宅避難という言葉がありますが、V2H、Vehicle to Homeの名のもと、クルマから電気を家に戻し、躯体が強くなった家で避難しているということもあります。また、もし自宅が災害にあったときに訪れる避難所や被災者支援拠点への電力供給。こちらでは、どうしても電気が足りなくなります。例えばスマートフォンの充電は、現代において欠かせません。あとは避難先で照明、冷房もないと困ります。そういったことで電気を運ぶだけでなく、そこで電力を使ってもらうというのがコンセプトの1つ目です。

2つ目が移動手段としての活用。被災地でのヒアリングを進めているなかで、救援物資はもちろんのこと、ガソリン不足が深刻だったとうかがっています。そういったときも電動車、こちらは電気を運んで移動手段として使う、または被災地側で蓄電池として使うことができると考えています。

またPHVだと、エンジンによる再充電をしながら継続してガソリンが切れるまで使う。そういったかたちで、複数台を入れ替えながら、ピュアEVもしくはPHVを活用して、被災地をより快適にする。少しでも快適に過ごしていただく。そういったコンセプトで考えています。

実際にデンソーも、すでに本社にV2Hを設置していまして、いざという時にEV/PHVとV2Hの充放電器で帰宅困難の方の待機場所で、非常用電源として活用予定です。

UAVを活用した橋梁点検サービス

最後に、UAVを活用した橋梁点検サービスです。こちらはUAVと言いましたが簡単に言うとドローンです。デンソーはドローンの開発も行っています。特徴としては、定位性能、耐候性能、近接性能の3点が機能としてあります。

定位性能は、デンソー独自のフライトコントローラーでプロペラピッチ角と回転数をコントロールするシステムです。耐候性能は、フライトコントローラーを使って風速10メートルでも安定飛行できるシステムになっています。また近接性能は対象物と1.5メートルから3.9メートルまで近接しても、しっかりと撮影が行える。

これが何かと申しますと、安定した飛行によりクリアな写真が撮れる。そういったUAVをデンソーは開発しています。しかしながら今回私がご説明したいのは、じゃあこういったドローンができます、それを売ってきますという話ではなく、モノからコト。デンソーはこれをどう活用しているかというと、ドローンを使って橋梁点検ソリューションを行っています。

この橋梁点検ソリューションの特徴は何かと言いますと、スライドにある3点の内容です。まず先ほどの安定飛行ができるドローンを使って、「空間自動移動撮影」を行います。橋の下はやはり風が吹き抜けているなどかなり環境としては厳しい中、安定飛行をして橋に近づく。そして橋の柱に近づいて損傷を分析するための画像を撮影する。

そのあとに、画像を撮るだけではなくて、私たちのディープラーニングを用いた「損傷解析」で、グリーン、レッドで損傷具合がどうなっているかを確認した上で、今後のメンテナンスに活かしていく。

「国が進める予防保全への対応」に向けて、新たな開発も進めています。今後も機体、撮影、解析の一貫ソリューションで橋梁インフラの安全・安心に貢献しています。

そして、今日本全国で72万橋あるという橋を平常時、もしくは災害時に安心して使っていただくようなソリューションを行っているのが私どもの橋梁点検ソリューションです。

どこまでも安全に、いつまでも心地よく、すべての人へ

最後に、こちらが今回紹介した内容の再掲です。冒頭にも述べましたが「どこまでも安全に、いつまでも心地よく、すべての人へ」と。私たちが目指す姿への到達に向け、レジリエンス分野の拡充を目指していますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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