2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:トヨタ自動車株式会社
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司会者:すごい量の質問をいただいたので全部をピックアップすることは難しいかもしれません。今も質問はお受け付けしていますので、みなさま気になったことがありましたら今からでもチャット上にご質問をお願いします。
では、私のほうでいくつかピックアップをしながら進めていきたいと思います。登壇者の御三方に回答いただきますが、みなさまご準備大丈夫でしょうか? ありがとうございます。
では、前半の山田さんのお話の質問から。けっこういただいているものが、最初の最初。車の開発はとても長いと聞いたことがありますが、ユーザーリサーチからリリースまでどのくらい時間がかかるものなのでしょうか?
山田薫氏(以下、山田):最初のユーザーリサーチ、コンセプトなどを決めるところからいくと、3、4年くらいですかね。ただ先ほど申し上げたとおり、ユーザーリサーチっていろんな段階で入れていきますので、その段階、段階でブラッシュアップしていくように考えています。
司会者:ありがとうございます。そうですよね。長いものと短いものを混ぜながらっていうのが後半のお話でしたね。
ユーザーリサーチについての質問をいくつかいただいています。ユーザーリサーチの対象は年齢や性別など絞ってリサーチしているのでしょうか?
山田:そこがトヨタ自動車の大変難しいところで、本当に多種多様な車を作らせていただいて、それをご愛用いただいているということもありますので。本当にいろんな方にインタビューしています。
車の買い替えってけっこうおもしろいんですが、やっぱりライフステージと連動しているものが多くてですね。例えば独身の方がご結婚されてお子さんが生まれるなど、このあたりって大きい変化点だったりするんですね。そういった特徴みたいなところがいくつかありますので、そういったところをヒントにしながらやらせていただいています。
司会者:今まで大規模開発をウォーターフォールで行っていたものを今のアジャイルのかたちにもっていくまでにどのくらい時間がかかったのでしょうか? と。期間などですかね。「大変そう」みたいなコメントもいただきました(笑)。
鈴木:車の開発は比較的長くかかりますので、それに合わせたタイミングでそういう開発をしたいよという企画をして、実際に開発を変えていかなければいけないので、3年や4年、5年など、そういうスパンで企画をして実際に直していくっていう。それも全部が全部そうなるわけではなくて、部分的に適応していくなかたちで進めていっています。
司会者:ありがとうございます。なるほど。大変そうとか、こんなに見せてくれるんだみたいなコメントもいただいていまして。たくさん、たくさん、今も質問をいただいていまして。では、いきますね。
お客さまの好みによってUX/UIは変わってくると思います。またブランドイメージについてもUX/UIが変わってくると思いますが、そのあたりはなにをもってオーケーとしているのか? そのバランスみたいなところについて教えていただけますか? 考え方みたいなところなどをお話いただければと思いますが、いかがでしょうか?
山田:非常に難しい質問で(笑)。私もちょっと今答えがないんですけれども。車としてのブランドと、その中のブランドというか概念みたいなものをどう擦り合わせていくかというところってすごく難しくて。
他社さんの事例ですが、メルセデスさんなどはMBUXみたいなかたちで、UX自体をブランディングというかたちで売り出されたり。きっとそれぞれの会社さんが考えているところがあるのかなと思っています。
実際トヨタ自動車の中で車のほうは車のほうでどういった形にしていくのかという、いわゆるハード、車本体を作っていくデザイナーたちやプロダクトのチーフエンジニアと呼ばれる方たちがいますので。そういった方たちとの協議もやっぱり必要だと思っています。そういうところはぶつかり合いですね。正直なところ(笑)。関沢さんなにかあります?
関沢省吾氏(以下、関沢):ユーザーのパーソナライズの話もありますよね。パーソナライズもいろいろやっぱり声はあります。会社として全体に統一感を持たせたいところはあるんですが、お客さんの声としてやっぱりパーソナライズというところは非常に声としてあってですね。
それをいかにやっていくかというところも今後の課題かなと我々はしっかり認識しています。すべてがすべて変えていく、いかにどう変えていくか、そこにまたソフトウェアの力などをいかに使っていくかというところは今後重要かなと思っています。
司会者:ありがとうございます。これも今いただいた質問なのですが、UX/UI以外も同様にアジャイル開発しているのでしょうか?
鈴木:先ほど申し上げましたとおり全体がアジャイルというよりは、パート、パートでアジャイル開発をしていきますので、アジャイル開発をしている部分があると思っていただいてけっこうです。
司会者:ありがとうございます。承知いたしました。UI設計ではプロトタイピングも実施されていますか? また、それを開発に利用されたりもするのでしょうか?
鈴木:もちろんやっていますし、開発にうまく使っていきたいというふうに考えています。
司会者:ありがとうございます。これは山田さんか関沢さんか。エンジニアやデザイナーの方もリサーチやコンセプト検証には参加していくのでしょうか? というお話をいただいています。
関沢:もちろんですね。やっぱりデザイナーだけで作ったものはいいものにならないと思いますし。そこにエンジニアが早いうちから入って、企画や検証をしっかりやっていくというところに入って、それをしっかり最後ものにするところまで理解してやらないと意味がないものですから。
最初のうちにしっかりエンジニアも入ってアイディエーションをやるというのは非常に重要だと思っています。
山田:正直なるべく前のフェーズから入っていたほうがエンジニアも自分が考えたものを作るっていう感じでやっていってくれますので。そういった意味では愛着じゃないですが、そういったところも生まれるので、ちょっと時間はかかりますけれども、そのほうがいいのかなと今は思ってやっていますね。
司会者:ありがとうございます。ちなみに具体的なところの質問はもらっていないのですが、それぞれのフェーズは何人ずつくらいでやっているのでしょうか? そのあたりって教えていただけるようなものなのでしょうか?
山田:どうですかね?(笑)。
司会者:そこは内緒で(笑)。
関沢:ただ大規模ですので、思った以上の人数をかけてデザインからやっています。それもグローバルでいろいろやっていますので、日本だけじゃなくてアメリカやヨーロッパなど、そういったところと協業しながらやっています。こんな答えでよろしいでしょうか(笑)。
司会者:ありがとうございます。
司会者:かなり大きなプロジェクトがいろいろといくつも動いていらっしゃるんだなというのが、さっきの図などからうかがえたんですが。そのプロジェクト間の擦り合わせみたいな、開発プロセスについてのご質問をいただいています。
アジャイルではなくウォーターフォールで開発をされているコンポーネントも依然として多いと思うのですが、そういったコンポーネントと連携する機能の開発、開発プロセスの擦り合わせなどはどのようにされているのでしょうか?
鈴木:なにか特殊なことをしているわけではなくて、みなさんもやられているようにインターフェイスの定義を先にして、そのインターフェイスに従ったものをいつ出すのかのリリースのタイミングを合わせるということをやっているだけです。基本的には。
司会者:ありがとうございます。なるほど。大変そうですね。泥臭そうですね。なんか(笑)。
山田:大変。
司会者:一つひとつがかなり細かく設計しながら愚直に向き合っていらっしゃるような感じが。
鈴木:会社の特色だと思います。
関沢:そこがまた強みでもあると弊社は思っていますので。
司会者:たぶん視聴しているみなさんが思っているよりも、すごく一つひとつちゃんと向き合っているなという感覚を覚えていただけているんじゃないかと思うのですが。
続きましては、これ何回かきているんですが、ユーザーテストをするユーザーはどのように選んでいらっしゃいますか?
山田:テストがすごくいろんな種類があるので、段階によって異なるというふうに思っていただければと思います。実は最初のうちはプロジェクト内部のメンバーだけでやるところもありますね。簡単なテストでしたら。
それから弊社はすごく大きい会社で7万人くらいの社員がいますので、そこだけでもけっこうなテスターになってもらえたりします。あとはテスターの家族さんにお願いする場合もありますし。フェーズによっては一般のお客さまにお願いしてやるパターンも、っていう感じですね。本当に状況によりけりです。それぞれスクリーニングして実施しています。
司会者:ありがとうございます。いろいろといただいているのが……またツール的なお話もあるのですが(笑)。ReactやFlutterなどのWebやネイティブアプリの技術が車のUX開発とどうつながってくるのでしょうか? というお話。このあたりはけっこう新しめな、今取り組んでいらっしゃることなのかなと思うのですが。いかがでしょうか?
鈴木:汎用のUIのツールに関しても組み込みで使える時代が来たというふうに思っていますので、そのまま車で動くと思ってもらえればいいかなというふうに思います。
司会者:なるほど、なるほど。ありがとうございます。UX/UIのアップデートはどのくらいの頻度で行うものなのですか?
関沢:今後のお楽しみということでよろしいでしょうかね(笑)。
司会者:なるほど(笑)。楽しみですね。
鈴木:我々の努力次第ですね(笑)。
山田:はい。我々の努力次第。
関沢:そのためにもできるだけ早くいいものを提供できるように愚直にやりながら、早く回せるようなやり方を工夫していきたいなと思っています。
司会者:そうなんですね。ソフトウェアになるとWebサービスのように当たり前に更新されるものと思われてもちょっと困る部分もあったりしますよね(笑)。
関沢:そうですね。やっぱり安全は担保しなきゃいけませんので。そこはテストして評価してというところをしっかりやったうえで出していかないといけないというところはありますので。そう思います。
司会者:なるほど。ありがとうございます。あと2、3問くらいと思っているので、視聴者のみなさま絶対に聞きたいという質問があったら、今もう1度ぜひお願いいたします。
ユーザー調査をもとに改善を回されているとのことで、左脳的な部分でUX/UIの最適化が積み重ねられていると思います。
一方でレクサスとなると右脳的に響く美しいインフォテイメントや描画の必要性を意識されていたりするのでしょうか? デザインと検証のバランスはどうでしょうか? これ先ほども若干お話いただいたかなと思うのですが。このあたりはどう回していらっしゃるのでしょうか?
山田:私ですね? たぶん。まずレクサスブランドというのはトヨタの中でも少し違うブランドではありまして。やっぱりそこだけを別ラインで考えてはいます。トヨタに関してはその中にいっぱいいろんな車がありますので、またそれぞれの色が違うので、正直なところ大変です! そういったところのバランスをどうやって取るかという調整は本当に大変です。
司会者:ありがとうございます。そうですよね。ちなみに大手町はソフトメイン? という質問をいただいているのですが。大手町オフィスはどんなことをしていらっしゃるオフィスなのか。
関沢:ソフトウェアをメインで開発しているオフィスになります。まだまだ新しいオフィスですね。できたのは去年、一昨年くらいですかね? できたばっかりの新しくてきれいなオフィスで僕も好きなんですけれども。その中でソフトウェアエンジニアも含めて自由にやらせていただいています。
司会者:ありがとうございます。あと2問くらい。ソフトウェアという観点で指標にしていらっしゃったり、競合だと思ったりしているサービス、いいなと思う意識しているメーカーさんなどはあるのですか? ここは内緒にしますか?(笑)。
鈴木:謙虚にすべての会社さんが競合です。
司会者:さすが(笑)。ありがとうございます。すべてにおいて愚直に、すごく誠実に向き合っていらっしゃるなというのがみなさまの回答からも感じられました。ありがとうございます。
最後にみなさんの夢は何ですか? というのもさっきいただいたんですけれども。仕事においてでもいいですし。プライベートにおいてでもいいですし。なにかお伝えしておきたいことがあれば、ぜひよろしくお願いいたします。関沢さんからお願いできますか?
関沢:私はずっと車が好きで、車に自分のやった仕事を乗っけたいなとずっと思っていて。あとは自分の子どもが大きくなった時にそれをいいものだなと思ってもらえたら、私はそれが一番の夢かなと思っています。こんな感じですけど(笑)。
司会者:ありがとうございます! では山田さんお願いいたします。
山田:夢ですね。難しいですね。私は今車の会社にいるんですが、実はすごく運転が苦手でして。特に車庫入れはとても苦手です。なので早く自社の自動運転の車が出てきて、それに乗りたいです。
あと今、いろんなモビリティというものを作っているので、自分が死ぬまでにどれくらいたくさんの移動体験ができるのかちょっと楽しみです。
司会者:ありがとうございます! 鈴木さんいかがでしょうか?
鈴木:正直申し上げるとまったく関沢と同じのが夢だったので(笑)。同じこと言ってもしょうがないかなぁと思ったので別のことを言いますと。車会社であるもののソフト開発が当たり前に行われるような会社を作れればいいかな、会社になればいいかなというふうに思っています。
司会者:みなさま、ありがとうございました。最後に関沢さんから視聴者の方に対して、ちょっと夢とは別で(笑)。今日のイベントのご感想やお伝えしたいことみたいなものがあればよろしくお願いします。こちらで締めたいと思います。
関沢:今日は長い間、遅い時間までお付き合いいただいて非常にありがとうございました。たくさんコメントをいただいて、身に沁みるところもいろいろあります。
弊社は今後とも愚直にこういった開発をやっていきたいなと思っています。その中でお客さまにいいものを提供していきたいなと思っています。どういうものができていくんだろうなというみなさまの期待を我々は励みにしていきたいなと思いますので、ぜひ期待をもって見守っていただければ非常に助かります。
司会者:ありがとうございました! 質疑応答も終わりとして、こちらでイベントをいったん終了します。みなさま、ありがとうございました。
(会場拍手)
トヨタ自動車株式会社
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