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kintone hive tokyo vol.12 / kintone AWARD 九州・沖縄地区:株式会社現場サポート 永田 亮介 氏(全1記事)

2021.01.07

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会社を辞めようと決意していた自分にkintoneが教えてくれた「人に感謝される喜び」

提供:サイボウズ株式会社

kintoneの活用アイデアをユーザー同士で共有するライブイベント「kintone hive2020」が名古屋・仙台・福岡・大阪・松山・東京の6会場で開催しました。本セッションでは、各会場で地域代表として選出されたファイナリスト6社にその活用事例を発表いただき、2020年最も共感を得た活用事例「kintone AWARDグランプリ」を決定します。本記事では、鹿児島県で建設業向けのクラウドサービスの提供を行う、株式会社現場サポートの永田亮介氏に、どのようにkintoneを使っているのか? そしてkintoneを使うことでチームがどう変わったのか? についてお話いただきました。

志望した部署に4年間配属されずに募った想い

永田亮介氏(以下、永田):みなさん、こんにちは。本日は、鹿児島県にある現場サポートという会社から参りました。私は今年で入社6年目になるんですが、実はその当初からkintoneは導入されていました。

そして私たちは、kintoneを活用してさまざまな業務改善を行ってきました。その中でも本日は、私自身が最も思い出深いと感じている業務改善事例をご紹介していきます。

その前に、まず私の自己紹介をします。おそらく私がこの場に出てきた時に、「なんか金髪のやばいやつが出てきた」と思われた方、けっこういらっしゃるんじゃないでしょうか。

少しだけ言い訳をさせてください。実は今回登壇するにあたって、弊社の部長が「金髪にしたら絶対おもしろい」と言い出しまして。

一応真面目な28歳のサラリーマンなので、金髪は厳しいと断ったのですが、パワハラには勝てませんでした。そんな上司の無茶ぶりに、日々体を張って応えております。永田亮介と申します。

さて、私の経歴についてですが、生まれも育ちも鹿児島です。もともとパソコンが好きだったこともあって、エンジニアを志しまして、今の会社に入社しました。ただ、「エンジニアになりたいです」と言って入社したんですが、営業・企画・サポートセンターに配属されまして。

結局、4年間エンジニアとは無縁の部署を経験して、昨年やっと開発部に配属されました。現在はWebエンジニア兼Webデザイナーとして働いています。

そして弊社現場サポートは、「どんなことをしている会社なんですか」と聞かれることが多いんですが、建設業向けのクラウドサービスを提供しているIT企業です。気になる方は、ぜひネットで検索していただければと思います。

そんな弊社では、「建設産業のお客さまへ新しいワークスタイルを提案し生産性向上に寄与します」という事業方針の下で、日々業務を行っております。

年間450時間以上を勤怠チェックに費やしていた現状

業務内容について簡単に言えば、「建設業界の働き方改革推進をサポートしようじゃないか」ということなんですが、それを提唱するのであれば、まずは我々がそれを体現すべきではないかということで、現在の働き方や制度を見直し、毎年のように新しい制度を取り入れて改善を行ってきました。

その結果、有給取得率は年間平均16日以上。残業も月平均8.5時間と、とても働きやすい環境になりました。また、このような取り組みを評価していただいて、たくさんの賞もいただきました。

ここまでの話だけだと、働き方も変わって、非常に良い改善が行われたように見えると思うのですが、実はこの働き方改革を推進していったことによって、ある落とし穴がありました。

それは勤怠管理の複雑化でした。弊社では有給やフレックス制度を利用する場合、サイボウズ Officeの掲示板で報告し、それを基に日々の勤怠管理をExcelに入力する運用を行ってきました。

ただ、みなさんの会社にも、電話やメールの連絡はちゃんとしているのに、毎月提出の出勤簿は月末にまとめて処理する人がいませんか? 弊社にはいます。いっぱいいます。

そうすると、業務連絡の掲示板と勤怠管理のExcel情報にズレが生じてしまいます。なので毎月、月締めしてからチェックを行う必要がありました。

実際の作業としては、掲示板を正しい情報として、勤怠管理のExcelとひたすらに照らし合わせていきます。ただ、掲示板のコメントはどんどん流れていくので、自分の分を探すのでさえも一苦労です。

そして、このチェックには1人につき15分ほどかかります。そして、月末の疲労の中では、チェックが雑になる社員もいます。疲労に関係なくいつも雑な社員もいます。加えていろんなルールを整備したことで複雑化し、個人の認識もバラバラになっていました。

とはいえ、勤怠管理は労務や給料に関わる重要な業務なので、自分を含めて上長、総務と計3回のチェックを行っていました。

すると、1人分のチェックに、15分×3回=計45分が必要になっていました。これを50人の社員全員分を行っていましたので、最低でも月37時間以上、年間だと450時間以上を要していました。

この450時間を1日8時間労働として営業日数換算すると、約3ヶ月分になります。3ヶ月間チェックに充てているってけっこうやばいですよね。そんな状況の中、一番大変な思いをしていたのが、弊社で最年長の社員の総務部長の坂口さんでした。

勤怠の現状を変えるため、0から着手しをはじめたkintone

坂口さんは1日中Excelなどを見ていると、途中から目がぼやけてしまう悩みを持っていました。そして、こうぼやくのです。「うんにゃ、目が見えんど!」って。

これは、目が見えないって意味なんですけど、先ほどのチェック作業をほぼ1人で全社員分行っていたので、本当に大変だったんだと思います。

働きやすくなったと喜んでいる社員がいる中で、すごく大変な思いをしている社員がいる。これは、なんとかしてあげたいと思うのが、同じ会社で働く仲間だと思うんです。

そして、この勤怠管理をkintoneに移行する話は、前々から出てはいましたが、エンジニアのリソースを割く余裕がなかったので、当時サポートセンターにいた私は、「だったら勝手に作ってやろう」ということで、勤怠管理アプリの作成に着手していきました。

複雑になったルールやExcelの計算式を一つずつ洗い出して、なんとかkintoneに移行することに成功しました。しかし、移行自体は成功したのですが、kintoneに業務を移行するだけでは状況が改善されていないことに気づきました。

チェック機能で93パーセントの作業時間削減に成功

それは一体どういうことか、説明していきます。こちらがチェック作業の業務フローです。まず私がチェックをしたら、次に上長がチェックをして、最後に総務の坂口さんがチェックをする流れです。

では、この勤怠管理のExcelをkintoneアプリに移行したとしましょう。どうでしょうか。これでは、坂口さんにかかる負荷はまったく楽になっていなかったのです。

比較する対象がExcelからkintoneに変わっただけで、作業自体は何も変わっていなかった。集計作業自体は、kintoneの機能を使えば楽になるんですが、勤怠管理で一番大変なのは、チェック作業だったのです。

じゃあどうすればこのチェック作業を軽減できるのか。すごく悩みました。悩みに悩んだ結果、シンプルな解決策を思いつきました。

それは、業務連絡も一緒にkintoneに移行することでした。業務連絡をkintoneに移行すると何ができるのか、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、kintoneはアプリ間でデータのやりとりができるのです。それを活用して、勤怠管理アプリにチェック機能を作りました。

ボタンを用意して、それをクリックすると、勤怠管理アプリと業務連絡アプリからデータを取得して比較するプログラムを制作したのです。その結果、今まで自分で見比べていた15分のチェック作業が、約1秒でできるようになりました。

実際のアプリの画面がこちらなんですが、画面上部にある青いチェックボタンをクリックすると、瞬時に結果が返ってきます。問題がない場合は、左のように「問題がありませんでした」と表示されます。問題がある場合は、右のように問題がある日付と、どのような問題があるかを教えてくれる仕組みになっています。

問題がある場合は修正作業が必要ですが、このチェック作業を平均1分で計算した場合、93パーセントの作業時間の削減に成功しました。業務改善としても成功だったかなと思っております。

会社を辞めようと決意していた自分がkintoneで得た喜び

弊社の業務改善の事例は以上となりますが、このセッションの最初に「一番思い出深い業務改善についてお話します」と言ったことを覚えていますでしょうか。実は、この勤怠管理アプリを作成している時に、私はこう決めていました。

「会社を辞めよう。このアプリを置き土産に」と。

私は物を作る仕事が大好きです。ですから、入社前から抱いていたエンジニアになりたい、という想いを捨てきれずにいました。そして、その想いに対していまの業務がつながっていないと日々感じており、精神的に苦しくなってきました。実際に、このアプリが完成した時に、会社に「辞めます」と伝えていました。

ところが今、私はまだこの会社で働いています。それは、新勤怠アプリが完成して活用が始まった時に、「おかげですごく楽になった、ありがとう」と、坂口さんを始め、本当に多くの仲間たちから感謝の言葉をいただいたからでした。

弊社、現場サポートには、「ありがとう掲示板」という仲間に対してありがとうの気持ちを伝える仕組みがあります。これは、その掲示板でもらったメッセージなんですが、仲間たちにもらったたくさんの「ありがとう」を見て、そうかと思ったんです。

開発部に配属されなくても、エンジニアになれなくても、kintoneがあればみんなの役に立つことができるんだと。この出来事が私を元気にしてくれました。kintoneがあったから、エンジニアではなくても、みんなの役に立つ便利なアプリが作つことができました。そして、仲間からたくさんの感謝と承認をされたことが、私の喜びになりました。

kintoneがなければ、会社を退職していたと思います。認めてくれる会社や仲間たちがいなければ、この場に立てていなかったとも思います。

この場を借りて感謝を伝えさせてください。ありがとうございます。そしてこれからも、kintoneを通じて多くの方のお役に立ちたいと思っております。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

相馬理人氏(以下、相馬):ありがとうございました。ではさっそくZoom応援団の方々をお呼びしたいと思います。Zoom応援団のみなさま~! 

永田:坂口さんもいますね。

相馬:あ、坂口さん、いらっしゃいますか! 

永田:左上に、来てくれています。

相馬:改めまして、素敵なセッションをありがとうございます。

今でこそ感謝されて、みなさんの役に立つような改善をしてくださったと思うんですが、kintoneでアプリ開発をやりきれたモチベーションは、どこから湧いてきたんですか?

永田:そうですね。もともと開発・エンジニアになりたい気持ちがあったからですかね。今まではまったく別の業務をしていたので、kintoneと出会って、自分のやりたいことでしたので、趣味や息抜きのような感じでkintoneを触り始めていましたね。

相馬:そこから始めて、結果が出て感謝されて。本当に辞められなくてよかったです。

永田:ありがとうございます。

相馬:ありがとうございます。みなさん、永田さんにもう一度大きな拍手をお願いいたします。

(会場拍手)

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