2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
提供:LINE株式会社
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馮富久氏(以下、馮):ちょっと一旦ヤフーのお二方に話を戻してよろしいですか? 2020年の変わったこととかありますか?
樋口亮氏(以下、樋口):メディアはどうですか?
沢田晃一氏(以下、沢田):そうですね。大きくプロダクト開発で変わったことというのはそんなにありません。コロナ禍になったというのはありますが、Yahoo! BEAUTYは、自分が所属している名古屋拠点と東京で分かれているので、もともとリモート開発が行われていて、そこに関してはそんなに変わらなかったんです。
だけど、みなさん出社をしなくなったというのもあって例えば端末確認、開発エンジニアはMacを使っている人が多いので、Windows端末でのブラウザ確認がしづらくなって手間がかかるのが変わったところかなとは思いますね。
馮:なるほど。いわゆる今までオフィスでできていたことがリモートでは。
沢田:そうですね。オフィスでできていたことができなくなったというのはちょっと変わったことかなとは思います。
大澤和宏氏(以下、大澤):実機確認とかもけっこう難しくなったりしませんでしたか? 今まではオフィスにさまざまな端末があって、それを基に困ったらみんなで集まって調査とかしやすかったと思うんですけど。
沢田:本当にそこは難しくて。
馮:さすがにそうですよね。全員の社員分買って渡すみたいなものも、そこまでできないですもんね。
沢田:うちだとiPhone端末は配られていますが、Android端末は実機で検証できる人というのが少なくて、検証がけっこう難しくなったりはしていますね。
馮:このタイミングで新しいiPhoneも出ましたしね。
沢田:そうですね。
馮:他は何かあります? このテーマでここは変わったな、逆に変わらなかったでもいいんですけど。
樋口:そうですね。開発という意味だと実はそこまで大きな変化はなくて、今まで弊社では「どオフ制度(どこでもオフィス制度)で会社に出社しなくてもリモートワークできるような環境が前もって準備できていました。エンジニアに関してはその制度をうまく使って家でやってたという人たちがけっこう多かったです。2020年になってコロナ禍という状況になりましたが、そこまで大きな影響はなかったと思っています。
ですが、ビジネス側の影響というのは非常に大きかったなと。メディア側の需要がかなり増えたというのはありますが、広告主さんにはさまざまな影響が出ています。業種的には飛行機とか旅行とかそういった業種さんの出稿が非常に減ったみたいな感じです。メディアは好調だけど特定業種の広告主さんの出稿が不調だったとか、そういうビジネス側の変化は2020年にかなりあったなと思っていますね。
馮:なるほど。ここはまだ答えが出てないので、この先もどうなるかわからないですもんね。
樋口:そうですね。
馮:日々対応していると。じゃあちょっと次のテーマにいきます。最後に4名に聞きたいのはリモートワークの話が出ましたが、両社ともリモートワークはエンジニアの立場であまり影響なかったですか? すんなりできたのか、あるいは実機検証はあったにしてもそれ以外の日常的なところで何か。
松野:サーバーサイドの開発という意味でいうとそこまで影響がないというか。もともと障害対応とかのためにVPNとかを使って開発できる環境を整えていたので、あまり問題はありませんでした。ですが、途中からチームに参入してきた人とのコミュニケーションは若干距離感を感じるというか、以前だったらできた飲み会や歓迎会が今はできないですし。
新卒の人も実際に会わずに半年過ごしてるみたいにならないように、そこはけっこう気を付けて今まで以上に1 on 1をしたりまめにミーティングをしていますね。
大澤:新しく入って来られる方とはどうしても会話がなくなっちゃうんですよね。環境を作らないといけない。
馮:そうですよね。
沢田:うちのサービス内でも2名新卒が入って来たんですけど、新卒同士で敬語でしゃべっている場面とかを見てかわいそうだなと(笑)。
(一同笑)
沢田:なるべく同じような仕事をさせてあげたいなというのは思いましたね。
大澤:けっこう同期というのも大事じゃないですか。その同期で敬語を使い合うのはかなりかわいそうですね。
沢田:そうですね。本当にかわいそうだなと思いますね。
馮:でもそこが先ほどの1日でミーティングが多くなったりするのも、もしかすると少しそういったコミュニケーションを含むミーティングもあったりするのかなと思ったりするんですけど。
松野:そうですね。できるだけ一人ひとりのエンジニアに1日1回ぐらいミーティングがあるように、以前に比べると意識してミーティングを入れているチームはありますね。やっぱり1日しゃべらないでいるというのが何日か続くとだんだんしゃべるのが下手になっていたり、そういうのもあるので。
馮:この2020年は本当に大きな年でまだ本当にどうなるかわからないですけどそこを含めて、少し今度はまた大きな広い話で、それぞれの企業での最近のアップデート、技術的に何か新しい取り組みを2020年の今の段階までに入れたのか。
あるいは「脱レガシー」という言葉を最近いろいろメディアでも取り上げているので、何か少しこの部分を脱却できたなとか、そういったところを技術的観点から今度は伺ってみたいんですけど、どうしましょう。どちらから聞きましょうか。ヤフーさんから平気ですか?
樋口:はい。脱レガシーといったところで、弊社はアンナプルナというプロジェクトで進めています。昔はPHPや特定のライブラリに依存して作るという、ちょっと詳しくは言えないんですけど、そういった制約が多い開発スタイルがけっこう多かったんですよね。
なので、その辺を一新してビジネスに対してスピードをもって開発できるようなシステム作り。あとはCI/CDですね。ちゃんとテストもしっかり回して、自動的に継続的に開発できる環境やデプロイメントできる環境を全社で目標をもって、2020年も引き続き同時に進行しているというような感じです。
馮:その制約というのは、例えばこの言語しかダメみたいな制約なのか、もうちょっと会社としての開発ルールみたいなのか、具体的にどういった制約があったんですかね。
樋口:どうなんですかね?
沢田:制約ですか? Yahoo! BEAUTYの場合は2019年にスタートしたサービスなので最初から新しい技術を使って開発したというのもあって、あまり大きな制約というのはなかったかな。
樋口:なるほどです。そうか、新しいサービスだとそうですが、古いサービスだとオープンソースではなくライセンスのいろいろ問題があるライブラリを使っていることがあったので、もっと軽量にもっと制約がないような開発環境や品質を高めていくような動きがあります。最近のサービスだとあまりないかもしれませんが、広告プロダクトは昔から継ぎ足しで作っていたようなプロダクトなので、かなり前からそういったところを一新しようとしている状況です。
馮:そこはどうですか? 達成度としてはだいぶ進んだという印象ですか?
樋口:そもそも「アンナプルナ」は山の名前で、全社で高い山を登ろうみたいな感じで、3年とか5年とかの中長期のスパンでやっています。各サービスによって多少バラつきがあるんですけど、かなりのところまで登り詰めたんじゃないか、7合目まで行っているんじゃないかという認識です。
馮:わかりました。ありがとうございます。LINEのほうも伺ってよろしいですか?
松野:はい。LINEの場合というか僕らの部署でいうと、やっぱりレガシー化は1つ問題になりがちなところです。うちの部署だとB to Bのプラットフォームで、プラットフォームとはいうものの細かい小さなプロダクトの集合体みたいな感じで作られているので、それぞれのプロダクト全部がアクティブに開発されているわけではなくて、着々とお金は生んではいるもののアクティブな開発はないみたいなプロダクトは増えがちなんですね。
ですけど、そういったところに関しても定期的にライブラリのバージョンアップとかもやって、メンテナンスのコストがかかってしまうけど、まめにメンテナンスをして陳腐化するのを避けるよう、ここ1、2年ちからを入れてやっています。
大澤:そうですね。うちのほうだとシステムのアップデートは年中けっこうやっていたりするんですよね。
それはなぜかと言うと、例えばLINE LIVEだと5年前の今頃は必死にリリースに向けてコードを書いている状況でした。5年ぐらいシステムを使い続けているとどこかしら古いし、例えばSpringのバージョンもだいぶ古いものになってサポート期間外になって安定的な運用もできなくなります。そういった安定的な運用を可能にするためにも使っているライブラリとかフレームワークは常に新しいものにしていくとか、あとはサーバーサイドのアーキテクチャ、インフラ面ですね。
インフラ面もLINEの場合は、毎年リリースされるプロダクション環境で使えるような何かしらいい機能は積極的に採用して、常により省コストでスケールできるシステムを作っていく努力をしています。
馮:今「いいものが出たら」ということがあったんですが、既存のものをこのまま使い続けようというよりは新しいものを使っていこうという合意が多い感じなんですかね?
大澤:そうですね。結果的にエンジニアリング、運用の面だとか開発の面が楽になったりするので、けっこうみんな使いたがるというのはありますね。LINEの場合は、たぶん変化が好きなエンジニアが多く集まっているんだと思いますね。
馮:けっこうここはあれですよね。お話を伺っていると対称的だなと思って。樋口さん何か発言ありそうですかね?
樋口:そうですね。そういった新しいミドルとか新しい仕組みの導入は同じようにやっていて、やっぱりエンジニアは調査とかをしながらやるんですけど、新しい仕組みの調査や導入時は生き生きとするんですよね。どういう仕組みになるんだろう、どう楽になるんだろう、どう変化するんだろうというのを非常に楽しみながらやるエンジニアが多いので、ビジネス向けの機能というよりは、ミドルウェアだったり新しい仕組みの導入といったところでやりがいを感じているエンジニアが多いなとは感じてはいますね。
馮:そこのコーディングができるとか、チューニングができるといったところに楽しさであったりというところですね。わかりました。
馮:けっこうもうお時間があっという間に過ぎて最後のテーマになります。本当にいろいろ伺って、ぜひまた来年同じタイミングで伺いたいなと思います。まずはこの段階でみなさま4名それぞれにサービス開発の醍醐味というのをぜひ伺って、今回視聴されているみなさんの中で今後サービス開発に進みたいなという方に興味をもってもらえるようなメッセージをいただけたらうれしいなと思います。順番に樋口さんからよろしくお願いします。
樋口:一言で言うと、自分が「こう使ってもらいたい」、「こうしてほしい」と出した機能が「非常に使いやすくなったよ」とクライアントからフィードバックがあったときが本当に一番刺さるというか。私のところはB to Bではあるんですけど、クライアントさんからの声やいろんな要望もありますので、非常に使いやすくなったとか、逆に厳しい意見とかもあるんですよ。
「なんだこの機能は?」とか、「もっとこうしろ」とか。「他の会社さんのはもっと使いやすいぞ」というのは言われるんですが、その中でも「よくなりましたよ」という声が上がると非常にうれしいというのが1つ。あとはサービスマネージャーとか事業計画といった要件が出てくるんですが、それをうまくこなせたとき、最小のリソースでこなせたときというのは非常に達成感を感じます。
馮:わかりました。ありがとうございます。じゃあ沢田さんお願いします。
沢田:はい。僕は誰かが不便だなと思っていることを便利だなと思ってもらえるようなサービスや機能を作れたときがすごいうれしいなと思いますね。ユーザーから「こういう機能ができてすごいよくなった」という声が聞こえてくると、やっぱりやりがいを感じますね。
馮:その反応というところですかね。
沢田:そうですね。
馮:わかりました。ありがとうございます。じゃあLINEのお二人、松野さんからお願いします。
松野:はい。私の担当しているLINE公式アカウント事業の場合は、LINE公式アカウントに限らずLINEの膨大なアクティブユーザー数をベースにしていろんな企業やエンドユーザーに機能を届けるということがメインになってくるんですね。
企業はいろんな広告的なメッセージとか商品の紹介をしたいという部分がありますが、エンドユーザー的にはそんなにいっぱい送られても困るわけです。便利でみんなが得するサービスにしていこうという開発で、その辺りのバランスをどう取るかというところが一番おもしろいところかなという気はしますね。
最近は地元のスーパーとか商店に行くとLINE公式アカウントのポスターとかが貼ってあることも非常に増えてきているので、見つけたときに実際のフィードバックというか、実際に使われている度合いが上がっているなと感じて、そういうのがおもしろいですね。
あとはLINE公式アカウントは、新しい機能を出してから実際に使われるまでにすごく時間がかかるので、その機能を開発して、リリースして、半年後ぐらいに「そういえばこの機能めちゃくちゃユーザーが増えてる!」と、あとから実感できるのもおもしろいところかなと思っています。
馮:なるほど。ありがとうございます。最後大澤さんお願いします。
大澤:僕はインターネット上のユーザーのみなさまの声をよくウォッチしているんですけど、やはり我々が新しく出した施策で楽しんで使ってもらっていただいているところを見たりとか。あるサービスで、例えば自分の夢を叶えるためにイベントなどに出演していただいて、そこで実際に夢が叶っている方の輝いている顔をけっこう見るケースもあり、そういったところはうれしいです。
あとはアーティストとかアイドルさんがあるライブのイベントの配信をしたあとのやり切った顔と、それを見守っていたファンの方たちの「楽しかったよ」という意見がインターネット上に上がっているのは達成感の1つになりますね。
馮:ありがとうございます。今4名の方に最後に醍醐味を伺ったんですけど、やっぱり僕が聞いていて共通しているなと思うのは、使っていただく方の反応や、それを作り上げていく、完成させていくところの達成感というのがこのサービス開発の醍醐味なのかなと思いました。
言葉でけっこう簡単に言ってしまいましたけど、みなさんいろいろご苦労はされていると思うので、その辺りをまたぜひ別の機会でも伺ってみたいなと思います。今回LINEとヤフーの両社のエンジニアにサービス開発の裏側についていろいろお伺いしました。では4名の方、本日はありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
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