2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
提供:LINE株式会社
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黒木:ありがとうございます。事前に用意した質問は以上にして、実は意外と質問が来ているので、そこの質問をピックアップしていこうと思います。ちょっと1個僕が気になったのが、「SIer出身の方が多いのはなぜでしょうか?」という質問をいただきました。
今回ピックアップしたメンバーがSIer出身というだけで、実際は今は、拠点ごとにいうと、東京が約40名、福岡が約15名、札幌に1名社員がいるのですが、全員がSIer出身ではなく、半々ぐらいですね。Web業界から来ている方もSIer業界から来ている方も幅広く、半々ぐらいの割合でいます。ここはちょっと回答しておいたほうがいいかなと思ったので、触れました。
他の質問をピックアップすると「東京、福岡、札幌の拠点ごとの採用基準に差はありますか?」という質問。ここは僕から回答のほうがいいのかな? 僕は東京開発室の選考に入っているのですが、福岡や札幌とかの採用も一通り雰囲気は見ていて、差と言うところだと、基本的に選考の採用基準に差はないですね。
募集ポジションに関しては、今東京だとプロジェクトマネージャーとサーバーサイド、フロントエンド。福岡でも同じように、プロジェクトマネージャー、サーバーサイド、フロントエンド。札幌だとプロジェクトマネージャーという感じで募集しているので、そこ自体の選考基準に差はとくにはないです。
あとは各メンバーに聞ける内容も入れていきたいのですが、採用基準の差はないとして、各拠点ごとの「業務内容はどう違うか」みたいなところをちょっとお話いただければと思うのですが、緒方さんからお願いします。
緒方:地域による役割の差でいうと、福岡にはLINE Fukuokaという拠点があって、そこにはわりとサービスをオペレーションする人たちやモニタリングする人たちがいたりするので、そういう人たちの作業を効率的にするような改善をすることが多いですね。
たぶん東京だと、サービスを作る側から依頼を受けて作るみたいなことがあるんですけど、どちらかというと福岡側は、サービスを運営している人たちから吸い上げて、「こういうものがあったらいいよね」という話を作っていくことがけっこう多い感じですかね。
黒木:それは実際に緒方さんが最初東京で働いて、福岡に異動して、それを肌で感じたことですかね?
緒方:そうですね。たぶんあとで大村さんが話してくれると思うんですが、東京ではイベント系の対応や、サービス側からの依頼案件があります。でも福岡に来ると実際にオペレーションを回している人たちの課題が目に見えてわかったり、実際にどういう作業をしているのかがそのままオンサイトで見れるので、そこに近い場所でやるのがやっぱり向いてるかなという感じですね。
黒木:そうですね。流れで大村さん、そこら辺の差はどうですか?
大村:そうですね。確かに東京だとやっぱりサービス開発をしている、とくにそのビジネス側のメンバーが多いというのもあり、そういうところの企画が立ち上がって、その企画ベースで開発していくことがけっこうあるのかなと思いますね。
その一環で、企画の中で1つの業務を完結するために、さっき言った運用側の人たちと話をすることがあるのですが、やっぱりどうしてもリモートになってしまいがちなので、そっち側がメインのタスクになったら、やっぱり福岡側の人間の分担というのはあるのかなとは思いますね。
あとはやっぱりコンシューマ側みたいなところは東京にあるので、さっき言った認証基盤みたいなところですね。全社共通システムみたいなところの開発も、東京が多くなりがちなのかなと思いますね。
黒木:福岡だと運営側、東京だとサービス側ということですね。札幌はこの辺の特徴というか、業務内容の特徴みたいなところはありますか?
寺田:札幌で直近でやっているものだと、社内IT系が多いです。ただ、プロダクトオーナーとなる、社内の他部署の方々と会話をして要件を詰めていくプロセスは同じなので、扱うサービスやシステムは違いますけど、進め方や要件調整から携わっていく点など、やれることは他とそんなに大きく変わらないのかなと思っています。
黒木:そうですね。LINE Growth Technology(以下、GT)としては、各拠点で「これはやる、これはやらない」ということはとくに決めてはいないんですが、やっぱりその拠点に近いところに寄り添ってみたいなところはどうしても発生するので、そういったところでちょっとした差は出てくるのかなと思います。
黒木:あとはこれもサービスによると思うのですが、「LINE エンジニアとの交流はどのくらいあるのか」みたいなところで、今のプロジェクトで言うとLINEのエンジニアとの交流はどうですか? これは東京からいきましょうか。
大村:そうですね。今はけっこう減っちゃったというのが正直なところですね。とくにリモートになっちゃったので、なかなか気軽にそこら辺の人たちと立ち話をする機会みたいなのはやっぱりなくなっちゃったので、少し減ってしまってはいます。
ですが、以前だとオフィスも一緒のところで、LINEの本体のエンジニアの人たちと一緒に仕事をしていて、とくにLINEデリマとかだとGTと本体のLINE Corp側ですね。その人たちと本当に全部一体で開発をしていたというのもあり、そこはかなり近いというか一緒かなとは思っていますね。とくにそこら辺の差があるとは感じたことはないですね。
人が多いのでLINE Corp側のエンジニアのところでけっこう大規模な勉強会を開いたりしていて、そこに乗っかることは多くはなっちゃっていますが、それぐらいの差かなという気はしていますね。
黒木:なるほど。この辺はたぶん他の拠点も同じですかね。リモートになって多少機会は減っているものの、機会としてはあるという感じですかね。
あといただいている質問で気になったのは「エンジニアポジションでも企画とかプロダクト側に提案する機会はそもそもあるのかな?」みたいな質問をいただいているんですけど、緒方さん、その辺はどうですか?
緒方:そうですね。これに関してはたぶんそのプロジェクトの性質によるとは思うんですね。やっぱりビジネスの側面が強い場合、1機能とかだったら提案はできるとは思うのですが、事業の方向性に直接インパクトを与えるような提案とかは、ビジネスの背景を理解していないと難しいかなというのはあります。
ただ、やっぱり開発していく中で、エンジニアとして「こうあったほうがいいよね」という提案は絶対に出てくると思うので、そういうのは気軽にできる環境かなと思います。
実際に今日あった話なんですけど、僕が担当しているプロジェクトの中でQA担当者から「テストデータを作るとき、量が多いし手動だから大変なのでテストデータをいっぱい作るためのツールがほしい」みたいな話がありました。それをQAの人が企画して、チームに共有したところ、企画の担当の人が「それあったらいいよね」みたいな話になって、提案が採用されることはありましたね。
黒木:企画職が付いているサービスも多いので、そういったサービスに深い知識が必要なところに関しては、企画チームがやっていますけど、基本定例や会議で情報がオープンにされているので、そこでフラットに意見を言うことは可能ですよね。ありがとうございます。
あとは複数の拠点で企画や開発とかを跨ぐことはあるとは思うんですが、その辺の「複数拠点で同じプロジェクトを協業する」みたいなところについて聞きたいと思います。 今やっているプロジェクトであったりしますか? 札幌だとけっこうあるかなと思うんですけど、どうでしょう?
寺田:そうですね。札幌はもともと東京のメンバーと一緒に開発自体もやっていますし、直近だと福岡のメンバーにヘルプで入ってもらって、1つのプロジェクトを回していくこともやっています。なので基本的にはロケーションベースというよりは、足りないところが社内にあれば、いつでも協業してヘルプしてもらうとか、そういう働き方ができるかなと思います。
黒木:そこはそうですよね。あとは拠点によっては、フロントエンドはいるけどサーバーサイドの方がいないこともあると思います。そこのフロントエンドとサーバーサイドの区別みたいなところで、各プロジェクトでどうなってるかをお聞きしたいんですけど。
フルスタックでやっているプロジェクトもあれば、けっこう社内では明確にサーバーサイド、フロントエンド、プロジェクトマネージャーみたいなところを切り分けてるところもあったりすると思うので、プロジェクトがどういう体制で動いているかはちょっと聞きたいと思います。ここは大村さんからお願いできますか?
大村:そうですね。規模によっちゃうかなというのは正直なところはあって、LINEデリマみたいな大きい規模だと、サーバーサイドとフロントエンドの分業はけっこうキッチリしていますね。その企画が立ち上がった段階で、API設計をしてしまって、それに基づいてやってしまうことはありますね。
かたやGTの中だけで開発が済んでしまうような案件だと、やっぱりこの規模のためだけにフロントエンドエンジニアの人を1人張っておくかというと、そうじゃないこともけっこうあったりするので、そういうときはサーバーサイドエンジニアの人がフロント、それこそVue.jsだったりReactだったりを使って開発していくことがあるかなとは思いますね。
黒木:なるほど。この辺は福岡の今のプロジェクトだとどうですか?
緒方:そうですね。ここはわりと僕が自由にさせてもらっているところがあります。そのプロジェクトにアサインされた人の好みがあると思うのですが、基本的には全部プロジェクト1チーム内で完結してしまいたいというのがあります。なので、一応フロントエンドとかサーバーサイドとかのロールはあるものの、別にどっちが何やってもいいじゃんというスタイルで開発してもらっていますね。
黒木:ある程度フルスタックに動くようなところがあったりとか。
緒方:そうですね。
黒木:ここは札幌だと何か違いがあったりします?
寺田:基本的には私も自由に調整させてもらっています。緒方さんに近いスタンスで、各エンジニアと面談をして「次はどんなプロジェクトをやりたい?」「どういう言語にトライしたい?」というのをヒアリングして、その結果でアサインというか、タスクの割り振りを決めるようにしていますね。
なので、もともとフロントエンドとして入ってきた人であっても、「サーバーサイドの担当部分を1回Kotlinで書いてみたい」とかあれば担当してもらいますし、その場合はもともとのサーバーサイドエンジニアの人に「フォローは少しお願いね」と、助け合うかたちでやってもらっています。
黒木:ありがとうございます。僕のほうで補足するとGTが関わっている案件というかサービスは、先ほど大村さんからあったように大きいもので明確にサーバーサイトとフロントエンドが分かれているものから、内部である程度フルスタックで動けるような幅広いものがあったりします。
そこはみなさんのやりたい領域とかどう動きたいかみたいなところも聞きながら入ってもらったりとか、そういったこともできたりするので、そこはいろいろ柔軟に動けるかなと思います。
黒木:ちょっと予定の時間になってしまったんですけど、最後に1個だけ。せっかく複数拠点の人が集まっているので触れておきたい質問があります。ちょっとだけ時間を伸ばさせていただきたいと思います。これは緒方さんと寺田さんへの質問になってしまうんですけど、「福岡や札幌などの地方で働いていてよかったなという点」を教えていただきたいなと思います。これは緒方さんからいきましょうか。
緒方:そうですね。これは一番明確なのは生活コストが下がったこと。
黒木:確かに(笑)。
緒方:別に拠点によって仕事の質はそんなに変わらないなと思ったので。東京でも福岡でも同じように楽しい仕事はできるので。ただ、東京に住んでるとメチャクチャ家賃が高かったり物価が高かったりとかするんですけど、地方に行くと明らかに目減りするので、その辺ですごくよかったなと思いました。
黒木:だいぶ生活レベルが変わりますよね。
緒方:そうですね。
黒木:それは羨ましい部分であります。寺田さんはどうでしょう。
寺田:そうですね。私は前職から一応札幌にはいたのですが、前職は毎週出張していたんですよね。たぶん年に200日ぐらいは出張していて、ほぼ家にはいなかったんです。
でも今は完全に落ち着いて家族と一緒に生活できるというのが個人的な部分では一番メリットかなと思います。それでも変わらず仕事の成果としては出てますし、やっぱり出張はそんなに必要ではなかったんだなと。
対面のコミュニケーションの重要性は認識しつつも、それがなくても実際に仕事はできている。これが自分の中でも大きかったことかなとは思いますね。
黒木:そうですね。今はリモートで働いていたりするので、それでいうと今だと拠点間の差というのはほとんど業務上なくて、地域差としてはさっき言ってた「家賃がちょっと安かったり」とかそういうところがあるとは思うのですが、その辺はけっこう地方のほうがメリットが大きそうですよね。
すみません、ちょっとオーバーして質問させていただいたんですけど、最後に僕1個だけすごく気になっている質問があって、ちょっと回答してほしいのですが、これは大村さんに回答してもらおうかと思います。エンジニアさんも多いと思うので、「ふだんどのぐらいコードを書くか」みたいなところは気になっているかなと。この辺は、今の大村さんの中でどのぐらい書いているかを教えてもらえたりします?
大村:そうですね。実は私は今直近1ヶ月、2ヶ月ぐらいはコードを書いていなくて(笑)。大きめの案件の全体を見ているというところもあり、あとはアーキテクト的な動きをしているのもあるので、今は書いてはいないですね。
ただ、去年入社して半年ぐらいとかは全体を見ながらコードもバリバリ書いていましたし、あとはLINEデリマをやっていたときも実際書いていたので、プロジェクトの規模感や自分の役割とかを考えて、自由に動いている感じですね。
今の案件とかも、アーキテクトとかが落ち着いてきたらまたちょっと書かせてもらおうかなみたいな、そんな気軽なノリではあります。なのでレイヤーが上がると「コードが書けなくなるじゃん」というわけではないのかな、とは思っていますね。
黒木:そうですね。どのレイヤーでもコードを書いている人はいますし、たぶんフェーズ、今だと設計とかアーキテクトの見直しとかだと思うので、そこが開発フェーズになったりすると、そこも書いていくことになると思いますね。
大村:そうですね。
黒木:ありがとうございます。ではパネルディスカッションはこの辺にいたします。
LINE株式会社
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