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なぜ、生き残るために英語公用語化が必要であったのか?(全2記事)

2020.03.31

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英語公用語化でエンジニア採用応募者が激増 IT企業が見出した、グローバルに働く秘訣

提供:株式会社レアジョブ

日本企業のグローバル化が進むなか、圧倒的な課題となるのが「英語力の不足」。語学研修制度の導入、外国人人材の採用といった事例もまだ少ないのが現状です。今回は、こうした課題を解決してグローバル化を目指す個人・企業に向けて行われたセミナー「2020年代の『グローバル人材』を考える」の模様をお届けします。本パートでは、HENNGE株式会社の汾陽氏が登壇し、英語公用語化の推進によって社内にどんな変化をもたらしたのか、メリットを中心に詳しく紹介しました。

英語学習初心者におすすめのTOEICは、何回受験しても全額会社負担

汾陽祥太氏:どうやって英語を伸ばしていったのか、少し具体的にお話ししていきたいと思います。TOEICは全社員平均495点からスタートしました。

TOEICと言うと、けっこうアレルギーを出すメンバーもいてですね……。「僕は英語を使ってコミュニケーションを取りたいんです。TOEICの勉強とかやりたくないんです」とか。

「僕の友達に東大出ている人がいて、TOEIC900点くらい持ってるけど、そいつぜんぜん英語しゃべれないです。TOEICなんてやっても英語とかしゃべれないですよ」と言う人がけっこういました。

「だまらっしゃい!」ですね(笑)。

僕、別にTOEICの信者ではないんですけども、やっぱりTOEICって英語の初心者に向けたすごくいいツールだと思っています。どれだけ英語に真摯に取り組んだかがそのまま点数に現れるという意味で。また年に10回、毎月試験が行われて点数が出るので、自分の進捗が追える。

さらに1回約6,000円くらいの費用負担で済むというところが、初心者にいいんじゃないかなと思います。今では、年に何回試験を受けてもすべて会社で費用負担するようにしていたり、年に2回は団体受験IPテストをやったりもしています。

20人中95%が成功した「セブ島送り」など、英語学習の多種多様なサポート

これは僕が作った「TOEIC English beginners mountain」と言いまして、その人の点数によって、500点の人は次650点に、650点の人は次800点に、800点の人は次900点になるよという段階を踏んで、3年間で900点を目指して英語をしゃべれるようになっていきましょうという指標です。

一番下にいるあっちを向いている人は、英語にネガティブなメンバーの例です。

彼のような人はセブ島に送ると、「ピカリン!」となって帰ってきます。弊社はこれまでに約20人に行っていただいて、95パーセント成功しています。それでも1名だけダメで辞めちゃいましたけども。全員前向きになって、どんどんこの山を登っていきます。

セブ島の留学に行っていただいたり、週末に富士山麓の英会話学校で中学英文法の復習をやったり。レアジョブさんも含めたスカイプ英会話のレッスン。こんなものを、いわゆる英語学習サポートとして授業料を会社として負担させていただいたりしています。あとレアジョブさんではないですけど、リクルートさんのスタディサプリという英語学習アプリも使っていいよということでやっていたり。

このあとのパートでレアジョブさんから説明があると思いますが、今回キーとなる「SMART Method(スマートメソッド)」という4ヶ月間のブートキャンプのコース、これも会社で受けられるようにしています。

これ、けっこう覚悟がいるんですね。どういうルールになっているかというと、TOEICである程度のベースを必要とします。650点くらいないと受けてもあまり効果が出ないので、まずそこまでは自分で勉強する。650点を超えてやりたいという人は手をあげてください、と。

もちろん業務に支障をきたしてはいけませんので、「ちゃんと自分の営業はがんばりますよ、自分のやるべきことはやりますよ」という上長のコミットをもらう。授業料は、最初は自分で払ってもらうようにしています。

毎日授業を受けたり毎週テストがあるんですけど、あまりにも授業を受けなかったりテストに適当に解答していると、落第してしまうんです。「4ヶ月後に卒業証書を持ってきたら、会社が授業料を全額返金してあげるよ」というプランを作っています。

取り組み開始から5年で平均760点、社員25%以上が900点オーバー

その結果、どういう恩恵を我々は受けられたか。まず英語の能力的な結果を発表します。495点だった会社の平均点がここ4、5年でどうなってきたかというと、やっぱり一足飛びにはいきません。ちょっとずつ、ちょっとずつ平均点が上がっていって、2019年9月の時点での社内平均点が760点までになりました。

割合的には、900点オーバーの人が25パーセントを超えるほど。実はまだ400点以下の人もいます。やっているけど伸びないという人もいるし、ちょっとサボっちゃってる人もいるのかもしれませんけども。そんな人もいます。

私、TOEICはビギナーにとってはいいという話をしましたけれども、やっぱり英語学習の入り口としていいだけで。手前味噌ながら、僕も900点を超えています。ただ自分の英語は、やればやるほどまだまだだということに気づかされます。

会社の公用語を英語にした結果、多くの外国人の方が一緒に働いてくれるようになりました。彼らの英語との比較、もちろんネイティブとは比較にもなりません。非ネイティブのアジアの方々と比べても、まだまだ足りないなというふうに僕は感じています。

バイリンガルの方に言われた言葉があります。「汾陽さん、私たちから見るとTOEICっていうのは450点だろうが800点だろうがあんまり変わりないですよ。やっぱり900点くらいないと赤ちゃんですよ」と言われて。まだ足りないんだと実感した覚えがあります。

TOEICというのは本当にビギナーに向けたもので、900点からが英語学習の本当のスタートだということです。レアジョブさんも今後ここからさらに引き上げていくためのメソッドなどを用意されていくんじゃないかなと思っております。

TOEIC、TOEICと言っておりますが、私がここで指し示しているのはTOEIC L&Rという、いわゆる一般的な“聞いて読むTOEIC”ですけども。最近TOEIC S&Wという、スピーキングとライティングのスキルを測る試験も用意されています。我々はこちらも取り込んで、スピーキング、ライティングの技能も伸ばしていこうとしております。

このへんですね、やっぱり。

650点くらいを超えてくると、ある程度の英語の基礎知識やボキャブラリーが頭に入っていますので。今度は話す練習もやっていくと、勉強している効果が相対的にうまく絡み合って、らせん状に伸びていくんじゃないかなと思っております。

国際標準規格「CERF-J」をもとに評価、C1レベルで年収50万円アップ

もともと最初の4年くらいは、TOEICを目標設定として査定に取り入れていました。一般社員の方は600点、マネージャーさんは800点を超えよう、とやっていたんですけれども。実は去年、レアジョブさんにご相談させていただいた際、「CEFR-J」というヨーロッパの方がどれくらい英語をFluent(流暢)に話せるかという国際標準規格を教えていただきました。「J」なので、それの日本版です。これに従って評価をするようになりました。

TOEIC LR/SWと書いてあるところ、SWの点数を2.5倍したものとLRを足し合わせたのがここの数字になります。C1は、「ネイティブじゃないけれども、ほぼパーフェクト」。B2-2は「まぁまぁ英語ができる」みたいな感じで、どんどん下がっていく。こっちに細かいところを書いてくださっていますけども。

実は今、弊社ではC1を取ると「バイリンガル手当」というものを出すようにしておりまして、なんと年収が50万円アップします。「1年海外に交換留学に行っていました、英語けっこう好きです」だと、ギリギリB2-2レベルです。僕もまだB2-2です。「アメリカの大学に4年間行きました、生まれ育ちはアメリカです」という帰国子女の方々はけっこうサクッとC1取りますね。このへんのレベルを取りたい。

先ほどお話ししたようないろんな国の方々、しかも非ネイティブの方々が会社に来てくださっていますが、みなさん余裕でC1を取っています。やっぱり、これくらいないと世界で通用するグローバル人材じゃないなということで、我々はそこを目指していこうとしております。

SMART Methodコースを受講し、英語会議中に発言できるようになった社員

TOEIC S&Wの勉強ってけっこう難しいんですね。写真を見てDiscribe(説明)するとか、電話でのクレームに対応するには、やっぱりレアジョブさんの「SMART Method」はすごいんじゃないかなと。

実際我々の何人かの社員がもう「SMART Method」を体験しています。事例にも出していただいているんですけれども、中島という男が我々の部署にいました。当時私の部署にはマレーシア人と台湾人と中国人と韓国人と中島、あと日本人だけど英文科を出ている方がいるという部門で。

英語で会議をしていました。中島は純ジャパで、英語はすごく勉強していて、当時TOEIC690点くらい持っていたんですけれども、やっぱり会議で話についてこれない。会話に入ってこられないんですね。ずっとパソコンでチャットしてる。ほかのメンバーが「中島さん、どう思いますか?」って聞いても「あ~……I think It's OK.」「Yes!」「Good.」くらいしか言えない。

僕は彼の勉強を見て、「たぶんベースは持っているな」と思っていたので、なんとかブレイクスルーしなきゃということで、話をしました。「ちょっとしんどいかもしれないけど、レアジョブさんのすごくいいコースがあるのでやってみない?」ということで、彼は覚悟を決めて4ヶ月やってくれました。

結果、会議でつたないながらも、自分の意見を言えるようになりました。会議にジョインできるようになった。これはすごくいい成果だったんじゃないかなと思っております。副次的な効果として、4ヶ月間TOEICの勉強はできなかったらしいんですけども、なんと760点くらいまで自然に上がったというような結果も生まれています。

18ヶ国から約50人の外国人メンバーが在籍

英語の公用語化を実際にやってみて、我々は何を手に入れたか。本当に世界中から人材が集まるようになりました。これは、弊社に来てくれている外国のメンバーたちの写真ですね。

2013年には外国のメンバーは1人もいませんでした。オールジャパニーズでやっておりましたが、現在18ヶ国から約50人の外国籍のメンバーが日本で働いてくれています。基本的に彼らは日本語が話せません。日本語をrequirement(募集要項)に入れていません。もちろん日本が大好きすぎて日本語ペラペラの方もいますが、彼らは会社では英語を使っています。

我々はテックの会社なので、ITのカンファレンスに行ったり登壇したりスポンサードしたりして、こういうのやってるよって案内を出していたりですね。

海外のカンファレンスって、手をあげて「私スピーカーになりたいです、こんな話ができます」と言ってaccept(受け入れ)してもらったら、登壇できて参加料がタダになるのが基本フォーマットなんですけれども。それに受かったら、会社が出張として渡航費やホテル代を全部払ってあげるよ、という制度です。

Jonasというスイス人がいるんですけども、彼はこの仕組みをうまく使って年に3回くらい海外旅行に行っています。「今度はミラノだ、ハハ!」とか言って。いいなぁと思っています。

実際に2ヶ月間、日本で就業体験ができますよ、こんなプログラムでインターンシップができますよというものをオープンしています。渡航費と月15万円を出させていただいています。

部屋はシェアハウスなどをご紹介することはあります。ただ、基本的にはサポートするけど自分で契約してねという感じにしております。親戚の家に泊まる人もいれば友達の家に泊まる、ホテルに泊まる、Airbnbに泊まるような人も中にはいます。

GAFAに内定した学生からの“冷やかし応募”も、大切なポイント

これをやってどんな結果があったかと言うとですね。これちょっとびっくりするんですけども、2014年時点で0人だった開発の応募が、去年1年間で約2,500人の応募がありました。実は昨日メンバーに聞いてきたんですけども、昨日の時点ですでに今年1年間で5,000人以上の応募があると。

実は、この応募の3分の1くらいは遊び目的です。アメリカやカナダやオーストラリア、ヨーロッパの国々からやってくるメンバーは「私Facebookに就職決まってるんだよね」みたいな人とかも中にはいます。

1人すごく印象的なインド人の女性がいました。メルボルン大学でコンピュータサイエンスをやっている人。ランチを食べながら「就職とかどうするの?」と聞いたら、「フン、あんた知ってんの? 私150Kだけど」と。150Kなので1,500万円くらいもらうということです。「あんた払えないでしょ? ハハン(笑)」と言って、彼女はメルボルンで就職したみたいです。

それも、ネットワーキングという意味では、ポイントになるなと思っていて。例えばサンフランシスコに出張するとき、「あぁアイツいたな」とちょっと連絡を取ってみて、Facebookの中に入れてもらおうとか。「あ、Googleに行った人がいたな。Googleの話を聞こう」みたいな感じにもなりますし。

実はIntelに行ったシンガポール人が1年後に連絡してきました。「ちょっとサンフランシスコは合わなかった。まだ空いてるか?」と、戻って来てくれる。こんな例も出てきている状況ですね。

1日5回お祈りするムスリムのために「プレイヤーズルーム」を用意

彼らを受け入れるために、どんなことをしてきたか。例えばオフィスをこんなかたちでオールフリーアドレスにしています。

どこで働いてもいいよ、リモートワークしてもいいよという感じにしたりですね。「コミュニケーションランチ」と言って、月に2回会社からランチを提供して、みんなで英語を使ってコミュニケーションを取っていこうという会を開いてみたりですね。

これはすごく古い写真なんですけれども、中にはムスリムの方も入ってこられます。我々はイスラム教ってなんのことやら、実際わからなかった。豚肉を食べない人、お酒を飲まない人、なんて思っていたんですけども。来てみていただいて初めて、ムスリムというのは何かが実体験としてわかる。

そんな方とどう調整していくか。例えば、ムスリムは1日5回お祈りをしなきゃいけない。ミーティングのときにお祈りをするのか? どこでやるの? ということで、最初は会議室を提供していたんですけれども。最近、プレイヤールームを作らせていただいて、以降はそこでお祈りしてくださいね、と。

重要な会議のときは、彼らも「いいですいいです、1回くらいパスしても。そんなに厳しくやらなくても大丈夫です」と言ってくれます。そうやってアジャストをしながらやっています。

あとは飲み会がぜんぜんできなくなりました。ムスリムの方を初めて居酒屋に連れていったら、全メニュー「これは大丈夫か?」「これは何なんだ?」と聞いてきて、こっちが面倒くさくなっちゃいました(笑)。

結局、会社でピザパーティーをしようと。好きなもの頼みなさい、アルコール飲みたい人は飲みましょう、飲まない人はお茶とかジュースでパーティーしましょう、という感じで社内でパーティーするように変えていきました。

みんな日本が大好きなので、日本の文化を感じられるような七夕や節分であるとか、みんなでお花見に行ってみたりもしています。当時、タイの女性の方が私の部下にいてくださったんですけども、彼女のアセスメントをすると、毎回査定のたびに私に言われたのが「祥太さん、この会社はどうして社員旅行をしないんですか?」とずっと言われていてですね(笑)。

アジアにはそういう文化があるなと。じゃあちょっとエクスカーションしよう。遠足しようと。ただ強制ではなく、行きたい人で行こうぜと。会社でお金引っ張ってくるから半分くらい支援するよみたいな感じで、行きたい人でみんなで遠足に行ってみたりしながら、なんだかんだとやっております。

右肩下がりに減っていく日本人の人口

少し結論に向かって進めていきたいなと思っております。ちょっとまじめな話をさせていただきますと、この図はみなさんも新聞ニュースなどでよくご覧になるかと思います。日本の人口の推移のグラフは、こんな感じでずっと右肩下がりです。

これはいわゆる人口ピラミッドと呼ばれているんですけれども、日本の人口ピラミッドは、ピラミッドのかたちを成していないわけですね。なんて呼ばれているかと言うと、棺桶型です。ドラキュラが入っている棺桶ですね。

インドネシアに目を向けると人口は日本の約2倍います。そして、こういうきれいな紡錘型の絵を描いている。レアジョブさんが講師を集めているフィリピンなんかもそうですね。人口が日本とほぼほぼ一緒ですが、やっぱりきれいな三角形になっている。

一説によると、2070年まで人口が増え続ける予定で、人口オーナス期が続くと。これは宗教的な問題があって、彼らは敬虔なカトリックの方が多く、妊娠中絶をしない文化ということもあったりして、人口がすごく増えている。

世界の大国アメリカですけども、これはエンパイアステートビル型と呼ばれています。どの年代もちょうどきれいに同じくらいの割合がいて、人口を3億人強でまかなっている。彼らは移民を受け入れるという政策で国を回している感じですね。

お隣の大国中国ですけれども、1人っ子政策などがあって少し人口のピラミッドがいびつですが、人口の桁が日本の10倍います。今日このセミナーの参加者の10倍の方が集まるくらいのインパクトがある。

さらには大国インドが控えていて、すぐに中国の人口を抜くんじゃないかと言われております。

英語を話せることだけが「Englishnization」ではない

私、Englishnizationと言っておりますが、これは「英語化とか英語がしゃべれるということだけではない」と定義付けております。英語がしゃべれるだけだと何にもならないんですね。中村さん(株式会社レアジョブ代表取締役社長)も冒頭におっしゃられていましたけれども、単なるツールである。英語がしゃべれたからといってなにかができるわけではない。

そしてグローバルで働く、我々の場合は海外から日本に来ていただくという中で、我々が学んだことというのは英語が話せるだけではダメで。英語を話せたうえで多様性、いろんな文化、いろんな宗教、いろんな考え方、こんなものを受け入れながら考えを進めていかないと成り立たないなと。

ムスリムの方もいらっしゃいますし。普通に社内で話していて「お!」と思ったことがいくつかあってですね。例えば男性の外国人社員が会話の中で普通に「僕のhusband(夫)がさ……」と言います。そのときに「お!?」と一瞬思いますけども、「あぁ、そうなんだ」と“普通に話を続けないといけない”わけではなくて、話を続けるのが普通になっていますし。

年齢、性別、宗教がもうわかりません。見た目で中国の方なのか韓国の方なのか台湾の方なのか区別がつかない。23歳なのに僕より老けている男の子がいる。宗教もよくわからない。

この間入ってきた女性の方は、見た目は南米系の女性で、社内なので英語で話しているんですけど、「ところで、どこで生まれて育ったの?」と聞くと、「中国」と言うんですね。両親の仕事の都合で中国で生まれ育ち。

グローバルに働くということは、もちろん外に出ることも1つグローバルでありますけれども、やっぱりこれを理解したうえでも、全部は受け入れられないです。例えば時間にルーズという文化。ここは日本でお客様もいるから、時間を守るのは大切なことなんだよ、と伝えるとか。さっきのムスリムのお祈りの話もそうです。

「会社としてこれを大切にしていて、こういうふうにしてほしいと思う。どうかな? acceptできるかな?」というのを、お互いに話し合いながら新しい文化、新しいカルチャーを作っていくことがEnglishnizationじゃないのかなと、私はずっと思っております。

人口減によって激化する日本人採用市場を脱するチャンス

グローバルで働くことは、ここを理解していないことにはやっぱりどこかで掛け違えが起こったり、私たちが一生懸命やってるのに思い違いがあって受け入れてもらえなかったりと、マイナスの要素が出てきてしまうのかなと思います。

我々はIT業界でITエンジニアがいち早く世界で戦えるということをわかってしまったんですね。コンピュータランゲージという共通言語があったから、英語に触れていた。

インターネットができたことによって世界がすごく小さくなって、スキルさえ身につけて英語が話せれば、サンフランシスコに行って3,000万も4,000万も稼ぐことはそんなに難しくないということを、彼らは理解したんです。

今アメリカのIT企業の社長さんは、インド人の方がすごく多い。Microsoftの社長もインドの方。彼らの国で、独特のカースト制度というどうしても逃げられない生まれながらの決まりがあった。ITだけは新しくできたビジネスで、そこから逃れられる唯一のチャンス。カーストから逃げられるというモチベーションをもとにものすごく努力をされて、今世界で活躍されている。

さっき人口が減っているグラフを見ていただいたと思いますが、私はこの事象がITエンジニアだけではなくなると思っています。みなさんのような人事、教育担当の方、営業もそうかもしれません。どんどん人口が減っています。狭いパイの中で優秀な日本人をなんとか採ろうとしてもなかなか勝てない。大手に取られてしまう。彼らにも選択肢がある。

そんな中でいち早く海外に目を向けて、海外にこんな優秀な人がいるんだ。優秀な人に働いてもらうためにはけっこう大変なんだ。いろいろとやらなきゃいけない。ただ、「やることでこんなにたくさんメリットがあるぞ」ということを、みなさんに理解してほしいなという思いで今日はお話をさせていただいています。

経営層が死にものぐるいで勉強しないと、社員はついてこない

簡単にTipsだけまとめさせていただいてクローズしていきたいと思います。

やってよかったこと。やっぱり経営者、役員がやらないと下はついてこないです。役員全員死にものぐるいで勉強しました。僕も1日1時間半くらい。今朝もレッスンを受けてから来ています。

トップダウンでやったり、アメとムチを組み合わせてやったり。実際に外国のメンバーが入ってきて「めちゃくちゃ優秀な若者がいる、こいつには勝てないな」ということがわかったのが非常によかったところかなと思います。

失敗したこともけっこうあります。3年くらいでなんとかなるだろうと、ダラダラやっていたらいつまで経ってもなんにもならないな……とか。やっぱりお尻を叩かないとなかなか社員はやらない、とか。ケチって安かろう悪かろうばかり小出しにやるのは間違っていた、とか。やるからには「4ヶ月間ドーンと集中してボンっとやれ」という感じでやらないといけない。

1個だけ、僕は最初、TOEIC500点以下でスタートした方々の気持ちがわからなかった。僕、最初500点だったんです。彼らはすごく勉強しているんですけど、なかなか伸びなかった。やっとわかったんですけど、やっぱり彼らは中高で英語から逃げていた方々で、大学受験に英語を使っていない方でした。

その方々はやっぱり英語の本当の基礎、ボキャブラリーとグラマー、5文型とかがわからないんですよね。そういった方を最初は救えなくてですね。今はそこを補填するようなプログラムを作って、彼らもやっと登り始めてくれるような感じになっています。

最後になります。我々は、開発者の人材難がきっかけでしたけれども、みなさんの会社の英語化、または英語を勉強するという源泉、英語をやらなきゃいけないという源泉、グローバル化しなきゃいけないという源泉はどこにあるのかを、少し考えてみていただければと思います。

どうもご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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