2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
提供:株式会社シプード
リンクをコピー
記事をブックマーク
長谷川智之氏(以下、長谷川):今バトンを受けました、長谷川と言います。よろしくお願いします。今の話のとおり、僕もシプードさんの家庭教師を2年くらい受けていました。今はもう卒業したんですけれども、その2年の間にかなり濃密にいろいろ教えていただいて、広報立ち上げを支援していただいた経緯があります。
今日はご登壇の機会をいただきまして、「ぜひ」というかたちでお受けして、お話しさせていただくんですけれども。今日お集まりの方は、まだ広報担当になったばかりの人や3年以内という方も一定数いらっしゃるんですが、一方で僕よりぜんぜん歴の長い方もいると思います。
まだなりたての方や1年目くらいの方には、今後起きるようなHard Thingsや広報周りのいろんな事例の参考になればと思っていますし、僕より経験の長い方は「昔こんなことあったなぁ」という感じで、復習がてら見ていただけたらなと思っております。よろしくお願いします。
最初に簡単な自己紹介です。長谷川と申します。この会社は新卒で入った初めての会社で、今6年目になります。大学院を出たので、ちょっと年齢がいってますという感じですね。3年目までは、主要サービスの営業やアライアンス担当といったBizDevの領域を担当していて、その傍らで全社プロジェクトとして新卒採用などもやっていた経緯があります。
4年目からマーケティンググループに移動して、そのタイミングから「広報の立ち上げをやってくれ」と言われました。けっこう他の方にも多いんじゃないかなぁと思うんですけど、セールスからマーケティング・広報に移動してきた人間です。
現在は広報PRの担当はまだやってるんですけれども、それに加えて別のサービスの事業部にもちょっと足を突っ込んで関わっているところですね。
こう見えて、実は子どもが2人います。趣味は麻雀なので、もし麻雀好きな方がいたら一緒にやりましょう(笑)。お酒も好きです、という感じです。
会社の紹介をしないとわかりづらいところもあるので、簡単にご紹介します。僕らがいるサービスの業界はほとんどECなんですけど、今、「業界ナンバー1の後払い決済の総合プロバイダー」という見せ方をしています。
後払い決済をご存知ない方もまだまだいらっしゃるかなと思うんですけど。簡単に言うとクレジットカードなどを使わなくてもポストペイ、あとでお支払いができちゃいますよ、という仕組みですね。
通販で後払いを選択すると、先に商品だけ届いて、あとで請求書が1枚自宅に送られてきます。その請求書を持って、コンビニ等で2週間以内にお支払いを完了いただければオッケーというサービスをやっています。
消費者さんからすると、クレジットカード同様に物を見たあとで支払えるという安心感があるのと、クレジットカードが怖い方でもクレカなしで後払いが使えるという利便性から、使われています。
実はユーザー(購入者)さんに非常にニーズがあり、「後払いがあるなら買ってみようかな」という方がいらっしゃるので、通販の事業者さんに導入いただくと売上向上につながるようなサービスになっています。
すごいのが“未回収リスク100パーセント保証”です。当然後払いなので、ユーザーさんがちょっと悪意を持ってお支払いしないケースも出てくるんですけど、そういった場合の最終的な焦げ付き債権のリスクも、弊社が運用とともにすべて代行しています。
本当にノーリスクで、後払い決済というニーズの高いものを導入できるところが、このサービスのコアバリューになっています。
今ご紹介したのがBtoCの通販における「NP後払い」という主幹のサービスで、年間流通額が2,500億円くらいあります。これはだいたい18年度のZOZOさんなどと同じくらいの流通額で、けっこうなボリューム感だと思っています。
実は年間で使っているユニークユーザーさんは1,350万人いらっしゃって、日本の10人に1人は年間に1回はNP後払いを使っている計算になります。「本当かよ」と思うんですけど、今はもうそのくらいの社会インフラになってきている状況ですね。
そこから業種・業態・売り先を拡販して、いろんな領域に対して後払いを展開しています。BtoBでももともと掛け売りはありましたけど、未回収リスクを保証しながら代行を行う「NP掛け払い」という法人向けの後払い決済だったり。
あとはECだけではなくて、物を伴わないサービス業や実店舗の販売でも使える「atone(アトネ)」というサービスとか。これは去年出したんですけれども、今は台湾でも「AFTEE」というカードレスの後払いの事業を展開しています。国をまたいで後払いを展開しているところです。
実はNP後払いがかなり成功してきたので、競合さんが増えてきてはいるんですけれども、総合プロバイダーと言っているように、世の中に存在する全商取引で後払いを提供しているのは弊社だけというところが、1つのユニークネスかなと思っています。
今のが業界向けの見せ方なんですけど、もう少しマクロな社会向けに、メディアの話題を引きそうな見せ方として、当社のサービスを見せるときは、「Credit techのパイオニアカンパニー」という言い方をしています。
どういうことかと言うと、さっきの決済サービスを展開していくと、お客さんが「何をいつどんなタイミングで買ったか」という購買データとともに、「実際にお支払いいただけたのか」という決済データも、全部1つのユニークIDにまとまって取得できているわけですね。
このセットの情報を持っている会社は実はめちゃくちゃユニークで、多種多様な商材を扱う大手のモールさんでも、取引情報は持っていても、決済情報はクレカに投げてしまっていて持っていないことが多い。また、カード会社は実は明細情報を持っていないから、商品情報も持っていなくて、決済のデータしか持ってないということが起こるんですね。
決済と取引の情報を両方掛け合わせて持っていて、18年以上このサービスを運営していますので、現在だと2億件以上のトランザクションが貯まっています。これだけのボリュームで、そういった質のデータを持っている会社はほとんどないということがあります。
このデータを活用していくと、「クレジットカードを持っていないから与信が通らなくてお金が借りられず物が買えない」という状況から、「クレジットカードなどのいわゆる既存の与信だと通らないんだけど、本当は誠実な人だからお金貸せるよね」とか、後払いで物を買っていいよねという人たちに金融サービスを展開していける。新たな切り口での信用を生んでいける。
最近流行りのスコアリングのような概念にもちょっと近いんですけど。世の中的には、そういったものを作っていけるかなり稀有な会社だし、そこのパイオニアと言っていいんじゃないかという判断から、こういう(Credit techという)領域を僕らが新たに言葉として作りました。
この領域のパイオニアカンパニーなんですよ、という見せ方を今している状況です。これもシプードさんと一緒に作りました。
あとはちょっとディテールが気になっているというか、自分ごとに引きつけて理解するのに、当社の広報体制ってどんな感じなのかが知りたい人もいると思います。現在の広報チーム体制としてはこんな感じです。
全部で9人いて、うち社員が5人でインターン生が4人ですね。6年目の中途の方が1人いらっしゃるんですけれども、新卒は4人。これだけの体制で、けっこう人数が多そうに見えるんですけど、「注力してPRして」と言われているのが、先ほど紹介した全4サービスと2オプションサービスに加えて、コーポレート全体や組織側も……という状況で、領域としてはかなり多岐に渡っています。
そんな中でこの人数なので、ある意味1人1領域ずつくらいの感じです。なので、1コーポレート1プロダクトの会社さんから見たときの“1人広報状態”と、今もそんなに変わらない状況かなとは思ってはいます。もちろん横串でナレッジの共有はできるので、そこはいいと思っていますけど。こんな状況ですね。
ポイントは、実際、中途の方は前職がPR会社なので知見があるんですけれども。ほかは全員新卒かインターン生なんですね。なので、本当にシプードさんに右も左もわからないゼロベースから教えていただいて、ここまでやってきているところがポイントかなと思っています。
前置きは以上なんですけど、今日お話したいなぁというか、(シプード代表の舩木)真由美さんからこんな話してくれと言われていたのは、僕が立ち上げ期から2年半かけてやってきたこと、思考してきたこと、学びの共有ができればなぁと思っています。
本当にゼロベースからの広報立ち上げだったので、新任広報さんが今後ぶち当たる壁の乗り越え方として、なにか参考になるものがあればなぁと思ってご紹介します。よろしくお願いします。
スライドに「Hard Thingsありました」と書いています。
ぜんぜん関係ないんですけど、うちの広告としてNewsPicksで『ハードシングス』という漫画を5回連続で連載していて、今2話まで公開されています(現在はすべて公開済)。普通にめちゃめちゃおもしろいので、NewsPicksのアカウントがある方は、よかったらぜひ読んでみてください。
時系列に沿って、立ち上げの初年度からお話をさせていただきます。2017年4月ですね。セールスにいたんですけど、社長と話していていきなり、「ちょっと広報に力を入れたほうがよさそうだと思った」と言われて、「はぁ……」と。
「お前、セールスやってても暇そうだからマーケ行かないか?」と言われて、たしかにと思って(笑)。「わかりました」と言って。なにもわからなかったけど、やってみることにした状況ですね。
当時言われたミッションは、「もっと世の中的に会社を有名にしていきたいんだよね~」というめっちゃファジーなこと。あとは「最近リスティングのROI(投資利益率)がめっちゃ悪いから、別手法でWeb to Leadを増やせないかなぁ」と言われました。
「なんか広報っていうのがいいらしいから、ちょっとやってみ?」という感じですね。すごくざっくり投げられたというのが正直なところです。そう言われて、「まあちょっとよくわからないけど、やるか」となって。
とりあえず「社長、前に出ますか」というのと、「会社自体をもうちょっと有名にしていきましょう」と言って、中長期のサービスブランディンディングの下準備を始めた時期です。
とはいえ僕も、スペシャリストとしてずっと広報をやる気もそこまでなかった……まあまだやってるんですけど……当時はなかったので、もともとけっこう再現性は大事にしようと思っていました。属人的な体制にならないよう、最初から気をつけていたということです。ナレッジを蓄積したら極力引き継いで、誰でも回せる状態にして、組織上ぐるぐる回転できたほうがいいなと思ったので、継続的な広報体制を敷くための下準備も始めていた時期かなと思います。
ただ正直、当時は本当に無知で、そもそも会社で広報に詳しい人が1人もいない状況でした。デジタルマーケにめっちゃ詳しい人はいたんですけど、広報は本当にナレッジが社内に落ちていなかったんです。「パブリックリレーションって何だ?」というのもあるし。
僕はもともとセールスなので、マーケ全体のファネルの概念とか、何すんの? ということがそもそもわからない。なんなら、ROIという言葉の意味がよくわかっていなかったというところから始まっていました。あと普通に、社長に権威がないと思ってましたね(笑)。温厚で別け隔てなく接してくれるからというのもありますが、本当になかった気もします(笑)。
とりあえずそんな状況なので、月並みにインプットをしようということで、いくつか広報のセミナーやマーケティングのセミナーに参加しました。シプードさんのセミナーもこのときに参加したかなと思います。
あと堅めの本を1冊読んだんですけど、活字が苦手すぎて、たぶん最初の50ページくらいで挫折しました。読んだ中で唯一わかったのが、これですね。「PRとはパブリックリレーションの略だ」と(笑)。情報を活用して各種ステークホルダーと良好な関係性を作り維持することだと書いてあって。
「ほー!」と思ったんですけど結局「何だそれ?」となって、座学だけだと実際に何をすればいいのかはぜんぜんわからなかったんですね。
「良好ってなんだよ、人によって違うだろ」みたいなものですし。「各種ステークホルダーってお前、広報のステークホルダー広すぎだろ。営業のほうがもっと狭いわ」みたいな。あと、「社長やっぱ権威ないわ」ってまた思ったりしたことがありました。
(会場笑)
いろいろ読んだんですけど、「いつ何をどうやって誰に対して実践すると効果的なんだろう?」と思ったんです。その効果をどう求めればいいんだろうというところは、座学や人の話を聞いているだけでは学びにくいので、「実践するしかないんだなぁ」とちょっと諦め半分で思いました。
なので、このとき一旦僕がやったのは、守破離作戦ですね。他社をめっちゃ真似して、数ヶ月間とりあえずアウトプットをしてみました。
すみません、これはマネーフォワードさんなんですけど。僕めちゃくちゃマネーフォワードさんの広報が好きで、すごくベンチマークしています。当時やった施策は、ほぼほぼ全部マネーフォワードさんのパクリみたいな感じだったんですね(笑)。初期から今までずっと、マネーフォワードさんのやり方は本当に先生だなと思っています。
マネーフォワードさんが会員数の伸びや定量数字を公開したものを見つけたら、うちもちょっと公開してみようと発表してみたり。あとは中高生向けのイベントをやっていたら、すぐには実行できなかったんですけど、「なるほど」と思ってちょっと貯めておいて、あとで場に出してみたりしていました。
そうやって3ヶ月くらい、他にもサイボウズさんとか何社かパクリながらいろいろやってたんですけど。アウトプットして気づいたのは、たぶん広報PRの手法のパターンは正直そんなに手数がないなと。多くて7個くらいかなと思ったんですね。
ニュースレターを送る。プレスリリース打つ。イベントやる。勉強会やる。発表会やる。キャラバンする。正直それで、ウルトラCはないなと思いました。
なので、そのへんは長期的に実践すれば勝手に身につきそうだなと思った一方で、その手段を用いて発信する内容自体を、メディアにハマるようにどう作るか。さっき真由美さんのスライドにあったネタ作りですね。各社の広報さんがそこでけっこう苦心していそうだし、自分も泥沼にはまりそうだなと思いました。
そのときにザッと見返して、「やばい、後払いって事業、くそニッチだわ」と思ったんですね(笑)。ECにおける決済手段の1つで、スコープがめっちゃ小さいですよね。みんなの関心事というよりは、本当に一部の人の関心事だし。
そもそも今はキャッシュレスなどで決済が取り上げられていますけど、当時は決済なんて本当にインフラなので、みんなが意識しないで使うものですよね。だから、みんなの頭にも上がってこないし、メディアさんからしてもニッチだし、「後払い事業やってます。どうも~!」と言っても絶対に拾われないなと思いました。
一方でより上段の、当社のビジョンで「つぎのアタリマエをつくる」というのがあるんですけど、これもめちゃくちゃ抽象的だなぁと思ったんですね。具体性がない。逆に言うと、上は具体的でニッチすぎる。こっちは抽象的すぎる。本当に何も伝わらないなぁと。
うちのミッションは「つぎのアタリマエをつくることなんですよ~」って言っても、「へ~。で、何やってんの?」「後払い事業です」「ニッチー!」終わり。みたいな感じなんですよね。
なので、「これじゃまずいな」と。こういうことも踏まえて、当社は純粋に広報視点が弱い会社なんだなと当時思いました。
それもそのはずで、ニッチなマーケットでニッチな相手に対してサービス提供して広がってきた会社なので、これまではマス向けのプロモーションやPRはぜんぜん要らなかった。
その業界の人に合致させればいいという感じだったので、けっこう足を使うマーケティングが多くて、世の中の人を広く対象にして発信することはほとんどなかったんですね。セグメントを切ったところに対してのプロモーションだけなんですよ。
「これはまずい」ということで、メディア向けでいいから中長期的に露出がとれるとか、メディアに関心を持ってもらえるように、メディア向けのいい塩梅の見せ方を作ろうと思ったんですね。
これが1年目の夏くらいかな。8月、9月くらいです。そこから、最終的に「Credit tech」という言葉に落として、「うちのサービスはCredit techのサービスなんです」というかたちに落ちるんですけど。
さっきも言った通り、やっぱり僕は守破離なんですよね。真似するのがめっちゃ好きで(笑)。それが一番早いなと思っているからなんですけど、PRが強い会社で類似の業態でうまいことやっている、MF(マネーフォワード)さんやサイボウズさんを研究していました。サイボウズさんはSaaSという意味で参考にしたんですけど。
とくにこのときはMFさんが……17年1月でしたっけ?
舩木真由美氏(以下、舩木):15年ですね。
長谷川:15年か。じゃあだいぶ前ですね。Fintechというものの時流とともに市場を作り上げて成長して、露出が増えていくところをすごく上手にやっていることがわかったので、うまくトレースできないかなと考えていました。
ただ僕もぜんぜん知見がないので、1人で考えても埒が明かないので、なにかデザイン会社やコンサルに入ってもらおうかなと思っていて。
大手の代理店などいろいろ見たんですけど、「高っけぇ!」という中で、そういえば前にセミナーを受けたシプードさんが、MFさんを支援してたなぁと思い出して。ちょっとお声がけして、ご縁があって一緒にメディア向けの見せ方を考えて発信することになって、コンサルに入ってもらいました。
実際に(見せ方を)作る工程は、全社に関わることなので、さっき真由美さんからもありましたけど、ちゃんと経営を巻き込んで合意を取って、一緒にワードの制定をして、進め方も合意形成をするということで。
かなり濃密に社長へのヒアリングの場を用意したり、定期的なミーティングの場を設定したり、喫煙所でめっちゃ話したりと、2ヶ月くらい相談をしていました。それで、やっと先ほどの「Credit tech」ができました。
この1年くらいかけて、それをどう世の中に波及していくか、うちに紐づくワードとしてどう見せていくかという計画のマイルストーンを立てて、実行してきたプロセスですね。
さっきも同じスライドがありましたけど、メッセージを作って、ここにはこういう見せ方をしようという方針を定めて、計画を立てた感じですね。真ん中のスライドのめちゃくちゃ具体なところだと、ステークホルダーごとに、ちゃんと見せ方をバーッと網羅的に「こう見せましょう、このキーワードでいきましょう」と決めて。
これを代表と執行役員とマーケの部長と全部合意を取って、「ここ向けの意図で外に露出するときは全部この文言でいきましょうね。いいですか? オッケーですね?」という確認を取りました。ここはけっこう骨が折れましたね。ただ、ここまでやると、あとはけっこう早くて。
マイルストーンを引いた中で波及した施策としては、具体的な手としてはパターン化されているものが多いんですけれども、まず最初にメディア向けの勉強会をしました。これが2017年の12月ですね。記者向け勉強会というかたちで、Credit techという文脈を初めて打ち出しました。この頃ちょうど、中国でQRコード決済がバーッと広がり出した時期でした。
すごく抽象化すると「芝麻信用」というもので信用をスコアリングして可視化して、世の中に新しいインフラを作るというものです。それを参考に、中国事例を紹介しつつ国内にもそういうCredit techが出てきてますよ、というストーリーで勉強会を実施しました。「この領域は“Credit tech”って言うんです」と、もう言い切っちゃいました。誰も言ってないんだけど、僕らが最初に作って言い出したんですね。
このときにかなり記者さんに集まってもらって、そのあと雑誌『エコノミスト』のデータの特集内で取り上げてもらったり。雑誌『ビジネスアソシエ』のコラムで取り上げてもらったりと、徐々に「キーワードプラス弊社名」という感じで露出がとれるようになってきました。
あとはこの勉強会でも出したんですけど、カオスマップを作りました。事業者がカオスマップを作ることはあまりなくて、コンサルや調査会社が作ることが多いんじゃないかなぁと思うんですけど。
存在しない業界に新しい価値を作るときは、カオスマップのようなものを作ることによって、あたかもそこに業界があるように見せる手法はけっこう効くなと思っています。Credit techという概念もなかったんですけど、実はいろんな会社さんが関わっているんだという事実を整理してマップ化することで、業界啓発につなげようと作りました。
これはけっこうよくて、いろんな媒体さんで紹介されました。あとは事業者がカオスマップ的に業界をまとめるときのメリットって、いいのか悪いのかはさておき、自社が目立つように作れるというか、ちょっと恣意的に作れるんですよね。
本当のマーケットリサーチ的なカオスマップ調査というよりは、カオスマップは切り口を2軸くらい設定しないと作れないので、そのときにうちのユニークさが目立つように、マスになったときに真ん中に自社が来るように作れるメリットがあります。
今でもけっこう愛用して使っています。うちはカオスマップを4つくらい出してるんですけど、これが走りになります。
このときも意図としては、「うちは情報を蓄積している側の企業でもあるし、その情報を活用して新しいサービスを生み出す会社でもあるという、両軸で関われる稀有な会社なんだよ」という見せ方をしたくて作りました。
パッと見るとわからないんですけど、よく見るとうちが目立つようになっています。そんなこともして、記者さんに「なるほど、Credit tech業界か」という意識をしてもらうようにしました。
あとは、これは本当に言っただけなんですけど、「Credit tech研究所」というものを言葉として作りました。そこの代表に僕の上長のマーケの秋山さんを就任させて、Credit techに関する発話は全部この人からしてもらうようにしました。
本当に自己紹介で言っているくらいの感じで特別な活動実態はほとんどないんですけど、それでも権威付けになっているのと、記者向け説明会でや各種セミナーへの登壇などにより「Credit techの有識者」としてのブランディングが確立されてきていることもあって、今では、とりあえず「Credit techの話を聞きたいときは秋山さんに連絡だ」というメディアの受け皿ができている状態です。「ネットプロテクションズ、秋山恭平、Credit tech」という。
この流れでけっこう取材依頼が入ったり、中国の信用スコアについて教えてくださいというトレンドに紐づいたり、PayPayが出てきたときも秋山さんに取材依頼が入ったりするようになりました。実際にいろんな記事に拾われるようになったという感じですね。
もちろん、本当に中身がないのは嘘になるので、元から一定の知見があった秋山さんに立ってもらい、かつ追加のインプットも徹底して、海外や国内の業界動向を俯瞰的に話せる存在としてがんばってもらい、媒体さんの期待に答えられるよう準備をしました。
ちなみにこれは、マネーフォワードの瀧さんのFintech研究所や、メルカリさんのR4D設立のリリースなどを参考にして、箱があったほうが取材しやすいんだろうなと考えて作りました。
こんなことをやって、年間スケジュールをひいて、いろんな調査リリースを出しながら、Credit techを波及させていったのが初年度ですね。
立ち上げ初期にやっていたことが他にもいくつかあるんですけど、紹介したいのは2つくらいかな。賞レースにけっこう応募しましたね。結果としては5、6個出して、ポーター賞と、アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーが取れたんですけど、これはけっこうよかったかなと思っています。
やっぱり第三者的な賞レースで受賞すると、それ自体が権威付けになって会社の格が上がることもありますし。あと僕が新任だったこともあって、賞レースに応募するにあたって自社のサービスのことをよく知る機会になったという育成的な観点がありますね。
今、会社の広報で伝統化しているんですけど、新卒が入ってくると毎回「賞レースやってみ」と最初に賞レースに応募させています。そこで各サービスの説明を書かせたり、組織をどうやって見せたらいいと思うかということを通して、OJTをしています。賞が取れたらラッキーだし、取れなくても研修になるという感じですね。
あとは最初にも紹介したんですけど、1年目の後半くらいからずっとインターン生を活用していました。最初は、広報PRって会社のことをちゃんと理解してないといけないし、そもそも会社にもナレッジがないし、インターン生を採ってもうまく使えない。逆にインターン生にもいい経験させられないし、微妙なんじゃないかと思ってたんですけど、採ってみたら意外とはまりましたね。
たぶん広報PRは、インターン生の活用がしやすい領域なんじゃないかなという結論を持っています。理由としては、確かに会社や事業の理解はかなり必要だとは思いつつ、普段やっている業務は、「どうやって世の中のトレンドと自社の話を紐付けるか?」という情報開発やストーリーテリング的な話だったりするので。
ビジネス的なオペレーション、裏側の運用型の話とか、財務知識は意外といらなくて。本当にマーケ観点だけでインターン生も活躍できるところがあるので、ちょっと頭のいい子だったらすぐに対応できちゃうというか。社員よりぜんぜんいい情報開示をすることもあったりしていて、かなり安く活躍していただけている印象があります。
ちなみにさっきのカオスマップも、実は全部インターン生が作っています。調査から企画から軸の設定から全部やって、僕らはレビューしただけという感じで。すごくよかったなと思っています。これがあったので、正社員は体制づくりなどのもうちょっと上流の企画や経営との折衝に割ける時間が増えたこともあって、リソース上すごく得したなと思っています。
あと、この頃の体験としては、実は6月くらいに、(広報)新任2ヶ月目くらいだったんですけど、急に新サービスが出るとなったんです。今僕がやってるatoneというサービスで、とりあえずわかんないけど急に「記者会見をやろう」となったんですよ。
僕もぜんぜん知見がないので、これはもうさすがに無理ということで、リテーナーで入ってもらっていた広報PRの会社さんに200万円くらい出して全部やってもらったんですね。
実際そのときにはメディアさんも20媒体以上来てくれて、露出もけっこう取れていい発表会だったなと思った一方で、普通に「高いなあ」という。1発200万かぁみたいな。
あとは本当に全部やってもらっちゃったので、ぜんぜん知見が貯められなくて、あまり自分の学びにならなかったんですよね。なんとなくトレースすることはできつつも、どんな観点でそういう意思決定をしてこう動いてるのかがぜんぜんわからなくて。
自社で内製できそうな部分もありそうだし、そのほうがパートナーさんとも関わりやすくなるし、もうちょっと自分たちでできるように知見を貯めたいなぁ、とこのときに思ったこともきっかけで、シプードさんがそういう(広報の)家庭教師をやっていたので、入ってもらったという経緯がありますね。
あとはずっと、キャラバンにいっぱい行ったり、インターン生と一緒にプレスリリースをゴリゴリ書いて出しまくったりしていました。
株式会社シプード
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.24
なぜ「場当たり的」なタスク処理になるのか? マッキンゼー流、「優先順位づけ」のポイント
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.23
DMM亀山会長が語る、事業撤退の見極め 600もの事業に挑戦した中でロジックよりも大事にしていたこと
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.20
「資格のかけ算」で切り開くキャリア戦略 4パターンの資格の組み合わせで自分の強みを最大化するヒント
2024.12.24
生成AIを“業務のために使う”より、もっと効率のいい方法 深津貴之氏が語る、AIのビジネス活用法
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.25
今300万円の貯金を1年後に450万円に増やすには? マッキンゼー流、目標額との差額を埋めるための考え方