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パネルディスカッション(全2記事)

2020.01.31

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インサイドセールスに“裏KPI”が必要な理由 SATORIとクラウドワークスに学ぶ「目標設定」の鉄則

提供:SATORI株式会社

2019年11月28日、SATORI契約者限定イベント「SATORIユーザー会 Vol. 8 in 東京」が開催されました。「SATORI」を利用している企業による活用事例の共有や、マーケティング担当者同士の交流を目的とした定期イベントです。この記事では、ユーザー会参加者向けアンケートでも毎回関心の高いというインサイドセールスをテーマにパネルディスカッションの模様をお届けします。

発注者と受注者へのマーケティングに注力 その一環でインサイドセールスを行う

高橋美絵氏(以下、高橋):過去のユーザー会アンケートの中で「これについて聞きたい」というお声の多かったインサイドセールスについて、実際にインサイドセールス組織を動かしている2名にご登壇いただき、質問をしていきたいなと思っております。まず始めにパネラーの自己紹介をしていただこうかなと思います。安藤さん、お願いします。

安藤祐輔氏(以下、安藤):みなさま、はじめまして。クラウドワークスの安藤と申します。私の役割からお話させていただきますと、クラウドワークスという会社で、マーケティングのマネージャーをやらせていただいております。

クラウドワークスのサービスに関して、簡単にご紹介させていただければと思うんですけれども、クラウドソーシングというオンライン上で主に企業の方が個人の方に向けて直接発注をできるマッチングプラットフォームのサービスを提供しております。

みなさま、マーケティングなど携わっていらっしゃる方であれば、イメージとしては営業リストを作成するであったりとか、その精査であったり、あとはLPやバナー作成といったところの業務を、個人へ直接外注できるというサービスを提供させていただいております。

弊社のサービスについては、個人の受注される方に対するマーケティングと、企業の発注される方に対するマーケティングという両面があるんですけれども、直近のところは発注される方々、企業様向けのマーケティングですね、こちらに力を入れておりまして、その一環としてインサイドセールスにも力を入れているというかたちです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

目的は「初回利用の促進」 マーケティング部とカスタマーサクセスが強固に連携

高橋:ありがとうございます。組織体制というか、役割分担についても簡単にご説明をお願いしてもよろしいですか?

安藤:弊社では、マーケティング部門が見ているのが、かなり広いところになっておりまして、いわゆる流入ですね、広告であったり、オウンドメディアなど使っての会員登録数の増加から、利用の開始、そして継続までを見ております。

役割分担としては、弊社がマーケティング部と、いわゆるカスタマーサクセス、営業とはまた違うかたちですけれども、人を介するかたちで価値提供をする部門が分かれておりまして。ただ、とくにクライアント様、発注者様のところを見る上では、非常に連携を強めております。

具体的に申し上げると「初回利用の促進」というところですね。こちらのアポイントメントを取るまでを、マーケティング部が責任を持っています。商談以降に関しては、主にカスタマーサクセスですね。そこが責任を持つという役割分担となっております。

主なところはそういったかたちの役割となっております。

高橋:最初に商談して、そこでいきなり売上が発生するわけじゃないところがポイント、という感じですよね。

安藤:おっしゃるとおりです。弊社のサービスは、基本的に手数料ビジネスなので、ショットでの売上はごくごくわずかです。SATORI様のようなSaaSのサービスも近いかと思うんですけれども、いかに長く継続ご利用いただくかが肝で、そちらに力を入れされていただいております。

黎明期からインサイドセールスに従事 SATORIに入社したのは2年前

高橋:ありがとうございます。それぞれ自己紹介と組織の役割分担をお話しいただいたあとに、もっと詳しく突っ込んでお話を聞いてみたいと思います。次、尾崎さん、自己紹介お願いします。

尾崎俊亮氏(以下、尾崎):改めまして、SATORI株式会社インサイトセールスグループの尾崎と申します。キャリアといたしましては、新卒で2年ほどシステムエンジニアをしまして、転職で2社目にB2BマーケティングのBPOサービスを支援している会社に転職しました。SATORIにジョインしたのが2017年。ちょうど2年前の10月くらいからといったキャリアを持った人間でございます。

2社目のときは、インサイドセールスってまだまだ黎明期だったんですけれども、とくにツールを使うわけでもなく、ひたすらExcelと自分の電話を使いまして、「ひたすら立ち上げろ」というようなミッションを持ったところから、インサイドセールスというキャリアがスタートしております。

2社目で非常に苦労しまして、2名から組織が始まったんですけれども、1年で最終的に4名という組織が立ち上がりました。自分の中では非常に多くの失敗を経験したなということがございます。

ちょうど2年前、SATORIとご縁がありまして、そのときに初めてMAツールも使って、さらに過去の数々の失敗といったところを活かして、2年間ひたすら直進してまいりまして、今組織としては15名に拡大しています。

新規商談だけでなく、2回目の商談数もKPIに設定

高橋:ありがとうございます。SATORIのほうも組織別の役割分担を、簡単にご説明いただけますか?

尾崎:左から当社、マーケティング部門とインサイドセールス、フィールドセールスとカスタマーサクセスというかたちで、完全に分業。そして、それぞれがKPIをしっかり持っている組織体制になっております。

左からマーケティングが有効リード数、インサイドセールスが商談数ですね。フィールドセールスが受注数、カスタマーサクセスが解約防止というところをミッションとして掲げておりまして、インサイドセールスはシンプルに商談を何件、営業に送客したかというところのみになっております。

ポイントとしては新規商談だけではなくて、弊社の場合だと、インサイドセールス15名に対して3ヶ月の商談数が非常に多いので、営業が追いきれないところも巻き取りまして、2回目の商談を設定する役割も担っております。

高橋:ありがとうございます。私も簡単に自己紹介させていただきますと、SATORIのマーケティング営業部で部長をしております高橋と申します。今日は尾崎の話はもちろん、私は知っている話ではあるんですけど、みなさんと一緒に、各社のインサイドセールスはそれぞれどんなことをしているのかというのを深掘って聞いていきたいと思います。

こちらで6個、質問は用意はしているんですけれども。話を聞きながらとか、今日ここまで来られるまでの間に、「こういうことを本当は聞いてみたいんだよな」というのが、もしかしたらあるかなと思います。そういったご質問を、今日はアプリを通じて受け付けますので、お手元のチラシのQRコードからアプリへアクセスしていただいて、ご質問をお願いします。

どなたから来た質問かはわかりませんので、何でも聞いていただいて大丈夫です。選ぶかどうかは数によるので、その場で聞けるかどうかはわからないですが、なるべくみなさまに回答をお戻ししたいなと思っております。

商談数をKPIにしても意味がない クラウドワークス社が設定する、リストに対する“商談率”

高橋:では、「インサイドセールス、『ぶっちゃけ』話!」ということで、突っ込んだ数字のこととかいろいろ聞いてみたいなと思っております。1つ目の質問ですが、「インサイドセールスのKPIはなんですか? 計測条件などあれば教えて下さい」という質問です。安藤さんからお願いします。

安藤:KPIとしては商談数になるんですけれども、多ければいいという問題じゃないというところが、弊社独特の事情としてあります。と申しますのも、弊社は基本的にWebサービスですので、いわゆる営業が付かなくても利用を開始いただけるんですね。

単純に商談数だけ追っちゃうと、放っておいてもじゃないですけど、ご自身でご利用いただける方の商談ばっかり増えていってしまうことが起こり得ます。ですので、そもそも商談しなければ、おそらくこのまま利用開始してくれないだろうというところを、マーケティング部でピックアップしておりまして。そこのリストの中で、どれくらいの商談が取れているかをKPIとして設定しています。

内部的にいうと、動いている人からすると「率」と言われるとよくわからないので、数としてKPIは設定しているんですけれども。計算方法としては、リストに対する商談率としてこれくらいいきたいというところからKPIを設定している、という運用です。

セールスの受注数とサービスの利用率 両社に存在する裏KPIの役割

高橋:ありがとうございます。SATORIのほうはどうでしょうか。尾崎さん、お願いします。

尾崎:当社の場合ですと、先ほど申し上げたとおり、商談の数のみがKPIとなっております。ただ、インサイドセールスをとくに導入して間もないときはリードの数と商談数が上がってくると、必然的に契約数も並行して上がっていくようなものなんですけれども。

リードが頭打ちになってくると、徐々に商談は増えるものの契約がなかなか伸びないといったところの課題が必ず出てきます。当社のインサイドセールスの場合は、商談数と、あと裏KPIというかたちでセールスの受注も意識的に見るようにはしています。

高橋:安藤さんはそのへんはどうですか? 裏KPIみたいなのはありますか?

安藤:そもそも弊社側で先ほど申し上げたように、商談をしたいクライアントのリストというのがあらかじめ決まっています。それ以外から発する商談はないんですけれども、そのピックアップが正しかったのかを調整していくための裏KPIというようなかたちでいうと、その後の利用率ですね。

全体としての利用率が、それによってしっかりと上がっているのかをモニタリングしています。それがズレていれば、もしかしたら手をかけなくてもご自身で発注いただける方に商談してしまっているのかもしれませんし。

逆にピックアップできていないところに、うまくご利用開始いただけていない方がいるのかもしれないというところで、そこを見直すような運用です。

高橋:想定した継続率の範囲内に入っているかどうかを見ている、ということですかね。

安藤:そうですね。これくらい商談したら、このあとこれくらいの発注率になるはずだからというところが満たされているのかどうか。もちろんこの商談の質がどうだったのかという観点もあるんですけれども。リストが正しかったのかというのと、商談の質がどうだったのかを後追いで見ていくかたちですね。

高橋:商談による継続率が高ければいいというものでもなさそうなのが、けっこう難しそうですね。

安藤:そうですね。全体の継続率は高くなるのが望ましいのかなと思いますけども、商談に関しては多ければいいわけではない。無駄な商談をしているということは、人件費が無駄になっちゃっているということなので。ちゃんと必要なところにだけ商談の機会をしっかり作っていけるかどうかが、必要かなと思っています。

契約ユーザーの情報をすべて分析、リストをもとにアウトバウンドチームがコール

高橋:ありがとうございます。ではあまり時間がございませんので、どんどん行きたいと思います。質問2です。「インサイドセールスがコールするリストは、どのように作成していますか? どんなリストにコールしていますか?」という質問です。先にSATORIから行きますかね。

尾崎:当社がコールするリストは大きく2つありまして、ざっくりインバウンドとアウトバウンドで分けております。これに付随して組織も分けておりまして、まずインバウンドチームのほうですね。

こちら、先ほどの組織図にあったように、マーケティンググループが作った展示会やセミナーですね。あとは、お問い合わせや資料請求、リードに対して、ひたすらコールをかけるといったかたちをとっております。

あとは、営業の受注目標から逆算したときに、マーケティングのリードとそこから生まれる商談数ですね。営業の受注数が足りないことがわかってきた場合といいますか、わかってきたタイミングがありましたので、そのタイミングでちょうど半年前くらいにアウトバウンドというチームを作りました。そして、アウトバウンドのコール部隊もできたという経緯がございます。

アウトバウンドのリードのリストの作り方としましては、既存の契約ユーザーの情報を一度すべて分析しまして、例えば、リードが短いのは従業員が10名から100名だったり、あと訪問できるエリアだったり、「ここはやはり受注するしサクセスするよね」という属性を選んで、そこと類似する企業をリストアップしてひたすらコールするという2パターンをとっております。

休眠ユーザーへは、利用ニーズごとに架電方法を変える

高橋:ありがとうございます。では、次にクラウドワークスさん、お願いします。

安藤:1つは先ほど申し上げたように、初回の利用のところですね。このまま手をかけなければ利用を開始してくださらないだろうと。会員登録はしてくださったけれども、利用は開始してくださらないだろうという方に対するリストです。これは弊社の基幹システムと自動連携をしていて、毎日リストがアップデートされるかたちです。

もう1つがこれとは文脈がズレるんですけれども、そういってもそこからの利用率が100パーセントになるかというとそんなはずはなくて。

登録だけしてくださって休眠というか、長い時間経ってしまっている方がかなりの数に上っております。利用を開始してくださったけれども、その後ちょっとだけ使ってすぐに止めてしまっているような方がいらっしゃいます。こういうところに対する架電というのも、別施策として考えておりますけれども、そちらもやっております。

すでに利用されたことがある方に関しては、どういう利用の仕方をしようとされていたのかに分けての架電をしています。

何もしていない方というのは、弊社はほとんどデータを取れていないので。冒頭に弊社のサービスで営業リストを作っていますと申し上げたんですけれども、弊社自身も弊社のサービスを使っておりまして。弊社で登録している個人のワーカー様に依頼をかけるかたちで、情報収集していただいて、あたりがよさそうなところに架電をするという感じですね。

休眠リストの精度アップに必要なのは、顧客理解と適切なコンテンツ作り

高橋:リストの精度を上げるポイントってありますかね?

安藤:僕ですよね(笑)。前者のほう、登録して間もないけれども初回の利用をまだしていない方は、かなり精度としては、当たり前といえば当たり前ですけども、利用意向があって登録してくださっている方なので反応率は非常に良いです。基本的には、これは放っておいたらダメだなというところには、全部あたるというかたちにしています。

高橋:まず早くあたることが重要になる。

安藤:おっしゃるとおりです。これはもう放っておいてもダメだなと思ったら、できるだけ早めにというタイミングは1つです。休眠してしまっている方は、正直、反応率は悪いんですけれども、弊社の中でご利用事例がしっかりある業界であったり、企業規模を優先的に見ているんですけれども、そこに合ったスクリプトを作ってあたるというのが重要かなと思っております。

高橋:休眠リストの場合は、顧客理解とそれにあたるコンテンツをしっかり準備するという。

安藤:おっしゃるとおりです。

高橋:なるほど。

安藤:とくにコンテンツのほうは、やはり一般的なトークをしちゃうと「うちに関係ないな」と思われちゃうことがやはり多い。そこが合わせられるだけでも、かなり稼働率は実際変わってきているというところで、今後も力を入れていけるといいかなと思います。

「Hotアラート機能」を使って営業リストの質を向上

高橋:ありがとうございます。尾崎さんはリストの精度を上げるような施策は何かありますか。

尾崎:主にインバウンドの場合とアウトバウンドを分けてご説明しますと、インバウンドの場合は、「SATORI」のHotアラート機能を使いまして、セグメントとシナリオですね。これを使いまして、今まさに動いているお客様の情報をインサイドセールスに通知させるというところでカバーできるかなと思っています。

問題はアウトバウンドなんですけれども、こちら、大きく投資でやっていることが2つありまして、1つ目が営業から情報をしっかりと巻き取るということです。

実際に営業が訪問した結果、すぐに決まったお客さんをいくつかピックアップいたしまして、そこの企業のどこが良かったのかを1つひとつピックアップして、そこに該当する企業をリストアップするということをやっています。

もう1つは、インサイドセールスの中でも、この企業はアポイントが取りやすいという感覚値が必ずあると思うんですけども、それをしっかり言語化する。チェックリスト化するというところは重要かなと思います。

高橋:やはり、確度の低そうなリストに関しては、しっかり顧客理解を進めることが重要そうだという感じでしょうかね。

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