
2025.03.07
メール対応担当の8割以上が「カスハラ被害」に クレームのハード化・長期化を防ぐ4つの対策
急増するLINE社員の働き方を支援する社内IT戦略(全1記事)
提供:LINE株式会社
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片野秀人氏:みなさん、こんにちは。本日はお越しいただきありがとうございます。
簡単に自己紹介をさせていただきます。
2009年に前身のライブドアという会社に入社しまして、そこから11年目です。2013年から社内ITの部門を担当していまして、その前からサービス開発部門を見ているので、サービス開発部門と社内IT部門の両方見ているという立場です。
では、LINEにはどんな社内ITがあるのか、全体的な話をしたいと思います。
現在、LINEのメッセンジャーのMAUがグローバルで1億6,400万、日本国内で8,200万です。
私も社内にいて毎年すごいなと思っているのは、日本国内のMAUが今も伸び続けていることです。毎年何百万人ペースで増えていて、おそらくスマートフォンに買い替えられるタイミングで増えているのかなと思います。
LINEのミッションについてお話しします。LINEという会社が一番大切にしている価値基準として、「WOW」という言葉があります。
いろんなメディアとかでよく見ているかもしれないんですけど、「WOW」というのはいわゆる「ユーザーを感動させるような初めての体験」ですね。
「これ、すごいよ!」とか「このサービス、すごいおもしろいよ!」みたいなのを友達に教えたくなる体験ってあると思います。私たちはそういった感動的な体験を提供し、No.1を目指し続けるということをミッションにしている会社です。
また、LINE社内での社員一人ひとりの行動基準として「LINE STYLE」というものがあります。
Webに公開されているので、もし興味がある方は見ていただければと思います。
「ふだんからこういう働き方をしているよね」という要素を、確認の意味で言語化しています。新しく入ってきた社員や仲間にも、「僕らはこんな仕事の仕方をしているから、これからはそうやって一緒にやっていこうよ」という意味を含めて言語化したものになります。
中でも一番大切にしているのは、最後の「Enjoy」というキーワードです。「ワクワクしなければ仕事じゃない」というキーワードがあって、社内では「それっておもしろい?」とか「それおもしろくないよね?」という会話がよくされる会社です。
直近のWOWなニュースとしてはこんなものがあります。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちはいろいろなサービスを展開していて、とくにここ1年で言うと、フィナンシャルや保険、仮想通貨の取引サービスなど、金融系のサービスが登場しています。そういったことにも取り組んでいます。
次に社員数です。
LINEグループ全体で8,100人になっています(2019年9月時点)。3年で2倍という成長速度で増え続けています。
それでは、私たちの社内IT部門、Enterprise ITセンターについてお話したいと思います。
私たち社内IT部門は、「WOW」というミッションを達成するために、社内サービスの提供を通じて「働きやすさNo.1の企業を目指し、より良い環境を提供し続ける」というミッションを掲げています。
社内IT部門はバックオフィスに近い仕事ですが、「すべての部門がサービス開発事業に関係している」と考えています。
会社ではサービス競争力をすごく大事にしているのですが、そこを最大化するために必要な環境を準備していくということです。
Enterprise ITセンターという組織はここ新宿と福岡にも部署があり、両方とも私が統括して見ています。
仕事の進め方なんですが、会社の規模が大きいので、ファンクションごとに組織が分かれています。なので、なにかプロジェクトがあると、そのプロジェクトを達成するためにいろいろな部門から人が集まって、アサインされます。
タスクフォースというかたちで、チームを組んで業務を進めていくことが多いです。
これはオフィス移転の例ですが、購買や総務部署ももちろん入ってきますし、オフィスなどのファシリティワールドだけをやるファシリティマネジメントチームもあったり。ファンクションごとにこのように分かれています。
特徴的なのは、右下に「スペースデザイン」とありますが、弊社ではオフィスのデザインや「LINE DEVELOPER DAY」というカンファレンスのデザインなど、すべて社内のデザイナーがやっています。
続いて、社内で使っているソリューションやシステムをざっとリストアップしてみました。
まず、メッセンジャーはもちろんLINEを使っています。ただ、開発など、スレッドベースで話すようにしたほうがやりやすいこともあるので、Slackも併用しています。あとはいろいろな拠点で一緒に仕事をすることが多いので、Zoomでリモート会議も当たり前にやってますし、コラボレーションツールとしてクラウドストレージなども利用しています。オンプレでやってるものもありますが、クラウドのサービスも新しいものがよく登場するので、そういったものは取り入れています。
拠点について、ここでは開発の拠点だけを挙げていますが、アジアを中心に10個の拠点があります。
日本では東京と京都、福岡に拠点があります。大阪にもありますが、そこは営業拠点なのでここには載っていません。
この10個の拠点に対して、基本的には新宿のLINE本社がヘッドクォーターになっているので、各オフィスに対して社内サービスをデリバリーしている立場です。
ここからは、実際に社内で展開しているサービスやおもしろい取り組みについて紹介させていただきます。
LINE社内には「LINE CARE」という相談窓口があります。この写真の右奥がカウンターになっており、業務中になにか困ったことがあったら、相談できるようになっています。「PCが調子悪い」とか、そういった質問もできる仕組みになっています。
他に特徴的なのは、やはりLINEです。LINEの公式アカウントでも同じように窓口を展開しています。下に簡単にアーキテクチャを書いていますが、チャットで質問すると、BOTがいくつか登録されている回答例の中から、近いものをチャットで返す仕組みになっています。
もちろんそれでも解決しないこともよくあるので、そういった場合はオペレーターにつないで、チャットでいろいろ質問できるという仕組みを社内で展開しています。
こちらの事例は「打刻アシスタント」と検索していただくと出てくると思います。
LINE Beaconという、LINEに対応したビーコンがありまして、LINEの社内にはいろんなところにこのビーコンが置いてあります。そのビーコンのある場所にいるとその社員が会社に来ていることがわかる仕組みになっていて、そういったデータをもとにして「出勤している」と見なして、勤怠のシステムへの打刻を補完するという機能を入れています。
いわゆる「打刻忘れ」ってよくあると思いますが、打刻を忘れてしまったときに、「忘れないようにしよう」とか「毎回訂正しよう」というよりは、忘れていたら勝手に補完してくれるほうがお互いうれしいと思い、そういった仕組みを展開しています。もともとは「LINE Beaconでなにか作りたいよね」という話があって作りました。
あとは、これもすごく身近な例で、座席表ですね。
おそらくExcel管理をしている会社さんが多いのかなと思います。弊社も2年ぐらい前まで、Excelで管理していました。Excelで管理していると古くなってしまったり、ローカルにあった古いファイルを見て、気づいたらぜんぜん違う席にいるということがあったので、Web化しました。
Web化してみると、いろいろなところで「もっとおもしろいことできるね」ということで付加機能を付けています。この事例は最近やり始めたものですが、右下にある写真は、USBの小型の環境センサーです。意外といろいろなデータが取れるのですが、音のレベルや気温、湿度、不快指数やCO2濃度などのデータが取れる仕組みになっています。
「このデータを取って何になるの?」という話ですが、右側のグラフは音のレベルのグラフです。9時半ぐらいから音のレベルが上がっているのですが、これで何がわかるのかというと、会議室の使用状況がわかります。おそらく9時半に社員が来て、会議を始めたから音のレベルが上がってるということがわかります。そのデータを使えば「会議室が予約されているけれど使われていない」という状況がわかるので、使われてない部屋は予約を強制的にキャンセルして、再利用可能な状態にする、という仕組みを作っています。
ほかにもいろいろなデータが取れるので、アイデア次第でもっといろいろな事ができるのではないかと考えています。例えば社内のカフェの混雑状況を出すことができたり、トイレの利用状況も出せるね、って話も出てます。例えばLINEのBOTに「今トイレ空いてる?」って聞いて空き情報が確認できたら便利じゃないですか。そういったアイデアを実現したいなと思って、いろいろなことを試しています。
先日、「LINE DEVELOPER DAY」というイベントで社内ITについて40分ぐらいお話しました。後日アーカイブも出るので、もうちょっと詳しく聞きたいということがあれば、そちらをご覧いただければと思います。
では、私からは以上になります。なにか聞きたいことがあればお気軽に聞いてください。本日は1日楽しんでいただければと思います。よろしくお願いします。
(会場拍手)
LINE株式会社
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