2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
記者会見(全1記事)
提供:株式会社社GA technologies
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司会者:これより株式会社GA テクノロジーズによる株式会社モダンスタンダードの経営権取得に関する記者会見を開催いたします。
まず初めに登壇者のご紹介をいたします。株式会社GA テクノロジーズ代表取締役社長CEO、樋口龍でございます。続きまして、株式会社モダンスタンダード代表取締役、松田啓介でございます。
今回はこのたびの株式取得に関しまして、GA テクノロジーズの樋口よりご説明させていただきます。樋口さん、よろしくお願いいたします。
樋口龍氏(以下、樋口):まずモダンスタンダードの概要に関しましては、業界最高水準のメディアを持っております。高級賃貸、都心5区、都心3区、3A(東京都港区の麻布・赤坂・青山の総称)と言われる分野です。
月間PV約100万、MAU20万、そしてメディアだけではなくて「ワンストップでエージェントも抱えている」というのが最大のポイントとなっております。
そして会員も「RENOSY」が約6万人、そしてモダンスタンダード社が約7万人。なのでグループで約2.2倍、13万人の会員になり、7万人の増加です。その結果「RENOSY」事業の成約件数も大きく伸びると考えております。
これもかなり特徴的なのが、かなりの高所得者が会員、ならびにお客様としております。(年収)1,000万円以上のお客様が42パーセント。このデータもしっかりと成約データになるので、お客様の資産背景等の顧客データがあるデータとなります。このデータは非常に大きいかなと思っております。
先ほどお伝えさせていただいた、港区の「3A」と言われる、一番立地がいいと言われる分野に関しましても、某メディアさんを大きく上回る認知度を誇っております。
モダンスタンダードの強みなんですけれども、(スライドを指して)まず1つ目が左側に書いてある「業界最高水準のメディアとしての機能」が、そもそも確立をしております。そして「業界トップレベルの売上水準」。3番目、「顧客の対象が非常に高所得者」。資産1億円以上の富裕層も多数おります。こちらに記載されたとおり、年収1,000万円、年収3,000万円という方を会員として多く抱えております。
樋口:そして「RENOSY」事業とのシナジーなんですけれども、先ほどもご説明させていただきました、会員が大幅に増加する。それによって成約数が増加する。成約数がなぜ、会員が伸びれば増加するかと言いますと、顧客のセグメントが非常に似ております。
「RENOSY」の会員は右側になるんですけれども、年収1,000万円以上の方が20パーセント。800万円以上を含めますと、33パーセントが800万円以上の顧客です。
そしてモダンスタンダードに関しますと、年収1,000万円以上が約35パーセント以上。800万円までいきますと14パーセント。約40パーセント以上が、当社のクロスセルのお客様になり得る属性になっており、逆に「RENOSY」側からも高級賃貸の借り手を送客できる。要はクロスセルができると、非常にシナジーが強いです。
そしてメディアとしてのパワーというのも、一緒になることによって月間PV約180万、そしてMAU55万。双方のシナジー、ならびにメディアパワーも発揮できるというふうに考えております。
モダンスタンダードは非常にメディアが強い会社です。ただ、まだまだARPUに関しては上げられると思っております。実際に当社が活用しているような社内システムを、実際にモダンスタンダードのセールスマンに活用していただくことによって、1人あたりの売上単価を上げられると考えております。
まとめさせていただきますと、まず双方にクロスセルができる。家を買っていただいた方や、賃貸を借りていただいた方が、将来なにか投資するとなったときの、親和性が非常に高い。2つ目が、実際にメディアパワーを最大限活用することができると。
3つ目は、双方の業務の効率化。まずモダンスタンダードの成約率の向上に当社のリソースを提供することができると。逆にモダンスタンダードのメディアパワーを「RENOSY」に活用することもできる、というようなことを計画しております。
簡単ではありますが、説明は以上とさせていただきます。
樋口:資料は先ほどご説明させていただきましたので、補足のお話をちょっとさせていただきたいなと思っております。
そもそも「不動産テック」と言われる領域が日本で一番最初に盛り上がったのが、2013年前後なんですね。そのときにはイタンジ株式会社(グループ会社)も設立していますし、GAグループ、GA テクノロジーズも設立をしております。
その間にさまざまなメディアだったり、さまざまなSaaSモデルができたんですけど、その先駆けとなるのがモダンスタンダード社です。設立が2009年でして、そもそも当社は「ネットとリアルをワンストップで行う」というビジョンで2013年からやっていたんですけれども、モダンスタンダードに関しては当社よりも約4年近く先に始めていたわけです。
正直創業からイタンジと同じように、ずっと「一緒にやりたいな」という思いがありました。なぜならば、当時そもそも「高級賃貸」という分野でメディアを立ち上げて、ワンストップでやっている会社はなかったわけですね。そうなると、先ほどお伝えさせていただいた、物件を検索した際に確実にモダンスタンダードのサイトが出てくる。
僕も当時は知らずに使っていたものの、当社が「RENOSY」というメディアを創業から運営していく中で、必ず(モダンスタンダードのサイトが)出てくるわけですね。そうなったときに、彼らにはサイト運営の(ノウハウの)蓄積がありますよね。自社でゼロベースから立ち上げるとなると、たぶん5年10年、お金を使ったところでかかってしまうなというのがありました。
なのでポイントとしては、「ネットとリアル」というのを先駆けでやっており、「高級賃貸」というメディアのリーディングカンパニーで、確実に物件の検索をした際にモダンスタンダードが出てくる。本当に先行者メリットが、非常に大きいなと考えておりました。
樋口:そしてお伝えさせていただいた、そのメディアパワーを「RENOSY」の事業展開に持っていくことができれば、より当社の売買に実需も投資も活きてくる、という認識があります。
隣に座っている松田が、メディアならびに不動産に対して非常に知見があります。基本的には、どちらかの領域のみに詳しいという人材が非常に多いんですね。メディアに詳しい、でも不動産は詳しくない。当社にも当然メディアのプロがいるんですが、深く自分で実業をやって不動産に詳しいかといったら、そうではありません。
モダンは、ゼロベースで松田が立ち上げてきたサイトですので、メディアも詳しく実業も詳しい。アクハイヤーという観点でも、メディアだけではなくて、松田とともに事業をより大きくできるという観点があり、今回グループとして一緒にやらせていただくかたちになりました。
まとめさせていただくと、双方にメリット・強みが発揮できるという部分と、松田が持っている知見がより当社の「RENOSY」の事業の成長にも貢献するという思いで、今回一緒になりました。
私としては、この3ヶ月~半年で考えたわけではなくて、創業当時からこのモダンスタンダードというサイトをベンチマークし、このサイトがあればより当社がグロースできるなと考えておりました。当社としては非常にうれしい、心強い仲間がグループに加わったなと思っております。私からの簡単な説明は以上とさせていただきます。
司会者:ありがとうございました。ここで、ただいまより質疑応答に移ります。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。ご質問の際には、会社名、またはご担当の媒体名と、お名前を頂戴いたします。また、1問ずつ区切ってご質問くださいますよう、お願いいたします。
それでは、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。どなたか、いらっしゃいますでしょうか? はい。どうぞ。前の男性の方。
記者A:フリーランスのチバと言います。簡単な質問で、松田さんはそのまま役員としてというか、モダンスタンダードの代表取締役を務められるということでよろしいわけですね?
樋口:そうです。
記者A:それで、GA テクノロジーズでは、なにか執行役員とかに就くということではなくて?
樋口:現段階ではないんですけれども、非常に当社がやっていくビジョンに関しましては、まさに知見というのが非常に重要だと考えておりますので、業務自体は当社のほうに入っていただいて、いろいろプロダクション改善、業務の改善は手伝っていただくというかたちになります。
記者A:それで実際に現在のモダンスタンダードさんのスタッフ数とか社員数はどれぐらいの規模なんでしょうか。
松田啓介氏(以下、松田):現段階ではアルバイト含めて40名程度だと思います。
記者A:それが新たにグループに加わるという考え方でよろしいですね?
松田:そうです。
記者A:ありがとうございます。
司会者:ありがとうございました。それでは他にご質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。
記者B:ご説明ありがとうございました。カネコと申します。樋口様からのご説明は非常に力のこもったご説明をいただきました。ありがとうございます。
私もモダンスタンダード様のサイトはたまに拝見しているんですけれども、けっこうラブコールがこれまでもあったんじゃないかなと。それで松田様から見て、今回GA様にジョインする最終的な決め手というのを、松田さんのお言葉でちょっといただきたいなと思いまして、質問させてもらいます。
松田:先ほど樋口のほうからも説明があったと思うんですけれども、以前からベンチマークしていただいていたということで、何度かお会いさせてもらっていました。当初はGAさんでどんなことをやりたいのかということが、僕にはすぐにはわからなかったので、うかがっていました。
うかがい続ける中で、自分たちがやりたいと思っている事業の組み合い方とすごく似ているというか。さらに言うと、もっと先に行ったところにあるリソースをすでに保有されていたので、僕の中でも想像力がかき立てられるというか。
自分が事業計画をやるための手段として、先ほど樋口からもありましたけれども、「GAだけでやったら10年かかる。モダンスタンダードだけでやったらもっとかかるかもしれない。それをより早くやらなくていいのか?」という核心を突いた質問がありまして。
それでも自分も中小企業の経営者として、どこかでこのサイトも事業も自分の領域のものだという認識で仕事を続け、従業員と事業計画を立てて、繰り出していったものが、樋口の言葉によって、もっと社会にとって本当に意義のある(取り組みになるイメージできた)。
モダンスタンダードのサイトが、自分たちの手を離れたところでも、より発展するために、自分が代表者としてどんな選択をすればより早く、不動産におけるテック活用が飛躍的に発展するのかということを考えた。
当然ながら、その後、売却の話を進めるに当たって、(GAの)エンジニアの方とも話をさせてもらいました。
これまで僕らが事業をやっていくうえで、エンジニアを社内に常駐させるということは、すごくコストのかかることです。そこについては、先ほどもいろいろそういう話がありましたけれども、サードパーティーといかに上手なアライアンスを組んで事業を組み立てていくのかということに東奔西走していたんです。
けれども、そこにいるスタッフ、エンジニアのみなさん、とにかく体験したことがないレベルで話が早いです。やりたいと思うこと、ロードマップを書いたらすぐにフィードバックが返ってくるので。この速度で本当に発展させることができたら、それは樋口の描いていることが本当にものすごい速度で実現するんじゃないかなと。
それは自分のやりたいことでもあるので、何度も繰り返し話をしては、自宅に帰って考えていく中で、最良の決断をするのは、そうですね。あるときふと降りてきたんですけれども、このかたちが1番いいんじゃないかということを確信に変えて、樋口のところに相談しに行くといったような流れでした。
司会者:ありがとうございました。他にどなたかいらっしゃいますでしょうか。
記者A:せっかくなので、もう1つだけ。
これまで不動産のメディアというのは、リクルートにしてもライフルにしても、エージェントにはならずにこれまで日本でやってきて。というか日本ではそれが主流だったんですけれども、御社が目指しているのはいわゆるアメリカで言えばレッドフィン型のモデルかなと思うんですが、これって日本ではどうなっていくのかなというふうに。
先日もライフルさんで会見があったときに聞いたんですけど、まだまだリクルートと比べればライフルも不動産事業に関しては規模的に3倍ぐらい違うみたいな状況の中、「なかなか差が詰まりませんね」みたいな話をしたんですが。
御社はそこに関してはどういうふうに……。つまり、エージェントを足したようなビジネスモデル、レッドフィン型のビジネスモデルは日本でさらに今後どういうふうに(なっていくと)お考えになっていらっしゃるのかを、お話いただけないかと思います。
樋口:当社としましては、ワンストップでお客様にサービスを提供していくというのは、確実に伸びると思っております。不動産以外でもやはりワンストップでサービスを提供していかないと、結局お客様のニーズ、満足度というのは20年前と違っているわけですからね。
20年前であればそもそも紙からWebに置き換わったタイミングなので、インターネットで何か物が買える、検索できるだけで良かったんですよね。
でも当時20年前、インターネットで物が買えるということですら凄かったにもかかわらず、Amazonというのはその10年、15年先を考えてリスクをとりながら物流施設を作った。
それはなぜかといったら、顧客は絶対にインターネットで物が変えるだけじゃなくて、スピードを求めると。その先にクオリティを求めるとわかっていたからこそ、彼らはリスクをとって物流施設を作ってきた。
顧客というのは、現段階で求めている以上のことを必ず求めるので、そうなるとワンストップで提供できる部分はしていかないと顧客の満足度が提供できない。
当社が「モーゲージゲートウェイ(オンライン住宅ローンサービス)」というサービスを開発・運営・販売しているのも、そもそも不動産の契約のタイミングで、不動産契約に1時間半かけていただいて、金融機関との契約に1時間半かけていただく。なおかつ登記、司法書士とも連携をとらなければいけない。この構図って大なり小なりあるべき姿(ワンストップ)ではないので。
時間軸は当然ありますけど、必ず世の中って絶対にあるべき姿(ワンストップ)になると当社は思っています。どれくらいの時間がかかるかはわかりませんが、当社の思い描く世界観には近づいていくとは思っていますし、それを実現するために、様々な会社さんと一緒になり、イノベーションを起こしていこうと考えております。
記者A:私自身もそうなってほしいなとは思うんですが、なかなかそういうふうには……。日本の大手流通系の会社さんといろいろお付き合いをしていると、だいたいその気がないというか。
「変わるんですかね?」みたいなことをあいかわらず言っているような会社さんのほうが圧倒的に多い。そこら辺が、どこかで潮目が変わるのかなというのが、正直言って、なかなか見通せないというか半信半疑なところがあるので。
樋口:だからこそ、この60年の歴史があって、60年変わってこなかったということは、簡単なことではないんですよね。そうなると、当社も1社でどうこうしようとすると、先ほど言ったようにもう10年、15年もかかってしまうので。
なので、それぞれのプロフェッショナルの領域の会社さんと組むことによって、これだけ変わってこなかった業界にイノベーションを起こしたいと思っております。
司会者:それでは以上をもちまして、株式会社GA テクノロジーズによる株式会社モダンスタンダードの経営権取得に関する記者会見を終了いたします。
株式会社社GA technologies
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