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パネルディスカッション(全3記事)

2019.12.18

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離職率の大幅改善の裏にオウンドメディアあり サイボウズ青野氏が明かす、社員が“誇り”を持てる会社の作り方

提供:Indeed Japan 株式会社

2019年11月28日、Indeed Japan主催の「Owned Media Recruiting AWARD 2019」が、グランドハイアット東京(六本木)で開催されました。「オウンドメディアリクルーティング」とは、企業が求職者に向けて直接情報発信を行うリクルーティング手法です。本イベントでは、この手法を採用活動に取り入れている企業の中から、とくに先進的な取り組みを行っている企業を数社表彰。グランプリにはサイボウズが輝き、オイシックス・ラ・大地、コロプラ、ディー・エヌ・エー、DMM.comが入賞を果たしました。表彰式の後に開催されたパネルディスカッションには、5社それぞれのオウンドメディア担当者が登壇。運営の苦労話や注力したポイント、その成果などを語りました。

DMM林氏が語る、オウンドメディア運営の成果

曽山哲人氏(以下、曽山):注力ポイントのところも含めて聞けましたので、次のテーマにいってみたいと思います。

次のポイントは、「成果」ですね。いくつかありましたけど、話されたことも含めてで構いませんが、「やっぱりこれはよかったな」というところがあれば。ぜひ教えていただければと思います。1人の声でもいいですし、対外的な反応でもいいですし、何かあればというのを林さんからいいですか?

林英治郎氏(以下、林):もともとオウンドメディアという意味では、「デザイナーとかエンジニアのブログ、ありますか」というものを集約したものなんです。採用として、「こういう記事出しましょうよ」と、人事からプッシュして全部書いていたものが、ブロガーからも「出したい」と声が出てくるとかですね。よかったなと。

要は採用って人事だけの仕事でもないですから、やっぱり部門の仕事ですし、マネージャーの仕事ですし。そういう人事的な取り組みを主体的に、人事側に相談をしてくるとか「やりたい」と言ってくれるのは、目指していた姿ですし、すごくうれしいなと思っているところですね。

曽山:これ、実際に苦労している会社、けっこう多いと思うんですよ。最初は経営陣の人事が「オウンドメディア作るぞ」と、ここまではスタートできる。

:はい(笑)。

曽山:ある程度人事でノッてきちゃうと、現場の人が手伝ってくれないという状況がちょっと想像できるところもあるんですけど。なにか分岐点はあったんですかね?

:まず最初のスタート時点から、別に「やるぞー!」とすごく掲げてやっていないんですよ。書きたい人間を集めて、それが編集部っぽくなって、そこから記事も継続して出ているから、「こういう使い方できるね」とみんな認知をしていって、今に仕上がっている感じなんですね。

なので大上段に「あるべき」というところからスタートするものが、当社はほとんどなかったりはするんですけど、やっぱり実際「いいもんだよね」となってから広がっていった。それが定着していく流れだったと思います。

曽山:なるほど。発信するのが人事とか経営、広報だけじゃなくて、社員が出してくれるというのはオウンドメディアリクルーティングのパワーですよね。

:開発系の人間で言うと、発信をするということも、いわゆる評価制度の一部の項目には入っていたりするんです。発信すること自体、魅力的な会社だとか魅力的なチームということを打ち出していく、高めていく。その取り組みも行動として評価をするので、そこも自然と動きやすくなっている要素の1個かなと思います。

「フルスイング」があるおかげで、面接中に深い会話ができる

曽山:ありがとうございます。榮田さん、ディー・エヌ・エーさんでの成果はどうでしょう?

榮田佳織氏(以下、榮田):採用への寄与ということで申しますと、先ほどお伝えしたこととかぶってはきますけれども。実際に入社してくださる方の意思決定の助けとか、理解促進の助けになっているということが出てきています。

あとはそういった採用活動に関わる者、リクルーターや各部の部長、面接官からも、「紹介の助けになって話しやすかった」と聞いています。今ある事業を新規で立ち上げたいとかいうフェーズだとして、そういったときに人が必要なんですけれども、なかなか事業の話とかを詳しくできない。そういったときにフルスイングがあれば、ここにはこういった人がいるよ(と説明している)とか。

曽山:なるほど。

榮田:あともらう声で言うと、もともと面接対策として読まれてきてるのかもしれないけれども、「フルスイングのこんな記事を読んで、ここをこう思ったんだけれど実際どうなのか?」ということで、候補者様から逆に切り込みが入って会話が弾んだとか、そういった定性的な声は日常的にけっこうもらっていますね。

曽山:いいですね、なるほど。

榮田:あとは全社を横断したこういったメディアができたということ自体は、副次的ではありますけれども、何かを会社から発信したいときのプラットフォーム的な存在ができたということは、1つ大きいのかなと思っています。

各部から「こういったことを発信したいんだけれども、フルスイングで取り上げてもらえるか?」みたいな箱ができるというのは、よかったかなと思っています。

曽山:社員の巻き込み含めてですね。わかりました。この「会話が弾む」というのは、けっこう大事なポイントだなと思っていまして。僕、「反響学習」という言葉になぞらえて「反響採用」という言葉を使っているんですけど。事前に情報を出しておくことで、その人が学習してきてくれて、実際の面接の場は説明が必要なくなるわけで。

そうすると今みたいに深い質問とか切り込んだ質問ができるので、より面接官と求職者がいい会話ができるのは、すごくいいなと思っている。(フルスイングを)出しておくことで、確かにそういう効果はありますね。ありがとうございます。

榮田:ありがとうございます。

社員が自主的に記事をシェア SNS上のリファラル効果を生んだ「サイボウズ式」

曽山:新規事業のことはバレちゃうとまずいから言えないけど、人やチームというのもまたすごくいいなと思いました。ありがとうございます。じゃあ青野さん。

青野誠氏(以下、青野):簡潔に3つ、いきたいと思います。1つ目は採用でいくと、キャリア入社した人の2~3割が「サイボウズ式」が決め手になったと言っているところですね。

2点目が、リファラルリクルーティングになっているなと思っていて。ふつうのリファラルだと、会食したりだと思うんですけど、サイボウズではあれはけっこう少ないんですよね。伸ばしてはいきたいんですけど。

ただ代わりに、TwitterとかFacebookでの発信がめちゃくちゃ盛んです。社員が共感した記事を自主的に発信しているので、たぶん大学時代の同級生とか、先輩・後輩が見ているだろうなと思っているので、ゆるやかなリファラルにはなってるだろうと。

曽山:確かに。

青野:でも編集部は「この記事をシェアして」と1回も社内に言ったことないんですよね。それが偉いなと思っていて。

曽山:あぁ、すばらしい。

青野:自主的にシェアしているというところですね。3つ目は、既存社員への影響もけっこうあるんじゃないかと思っていまして。サイボウズ、10年間で離職率が28パーセントから4パーセントまで落ちてるんですけども。

曽山:驚異的ですよね。

青野:これもやっぱり社内で「こんな理念だ」「自立が大事だぞ」と言ってもなかなか響かないところを、(「サイボウズ式」で)いろいろ角度を変えて解説したり、探究したりするのを社員が読んで、「そういうことね」と理解をすることに必ずつながると思うんですね。その3点が効果かなと思っております。

曽山:ありがとうございます。リファラルの効果、確かにSNSを通じたものも含めてありますよね。

青野:シェアできるものがあるというのはやっぱり。

曽山:サイバーエージェントもよく、表彰式を毎月、部門でやるんですけど。やっぱりうれしい受賞だと、自分でFacebookとかTwitterに上げると、社外の方から「サイバーってすごい表彰されて、みんなうれしそうだよね」と言われる。それがやっぱりリファラルとして、どんどん広がって伝わりますよね。

青野:そうですね。

曽山:確かに既存社員の誇りになって退職率の低下にもつながるというのは、やっぱりオウンドメディアは「誇りを持てる」というのはすごく大きいところですよね。

青野:あると思います。

「Be-ars」には、採用を目的とせず企業文化を伝えるだけの記事も

曽山:ありがとうございます。コロプラの成果というのはどのようなものでしょう?

多家文葉氏(以下、多家):今、おヒゲのおもしろい記事がありましたので、これクリックしていただけますでしょうか(笑)。

ありがとうございます。これは弊社の技術的な記事を書いているんですけれども、実は技術のお話をずっとしていって、最後のところになりまして。

曽山:一番下のほうですか。

多家:驚きの話がありまして、「実は採用では、このエンジニアで募集してないんですよ」みたいな(笑)。

曽山:えっ、最後はそういうオチ!?

(会場笑)

多家:はい、そう(笑)。

曽山:斬新(笑)。

多家:だけれど、技術についてお話をしてくれて。先輩と若者の対話がどれぐらいフランクかを感じていただければ、というところで。もはや採用を一番メインにしてる記事でもない、企業文化を伝えるような内容を作ったりしているんですけれども。

あと最近多いのは、「Be-ars」をすごく読み込んで入社して、今も入ってからすごく読んでいる。そして今度は自分が出ることになったからすごく感慨深い、ということですね。

曽山:いいですね。

多家:こっちも感慨深い。ちょうど4年を迎えた「Be-ars」なんですけれども、そういうことが増えてきているというところで効果をすごく実感します。

曽山:このお2人のやり取りは相当フランクな感じが出ているんですね。

対談記事を組むことで、互いの関係の質が深まる

多家:そうですね。結局ほかの記事でも、「新卒採用の方に向けてお話をしてください」という対談があったんですけれども、ある新卒社員が「結局、新卒採用って1回しかないものだから、いろんな企業を見たほうがいいですよ。本当に納得したところに入ったほうがいいですよ。別にそこがコロプラじゃなくてもいいんで」と言っちゃうんですよ。

そうすると、それに対して部長が、「そのとおりだと思います!」と言って終わるんですよ。そんなような感じの記事とかですね。

曽山:なるほど(笑)。

多家:もちろん弊社に入っていただきたいというのもあるんですけれど、いろんな採用のメディアがありますから、求職者の方には見比べていただいて。社風とか感じていただけたらと思います。

曽山:でも、この今のお2人の対談、先輩と後輩なんですよね。

多家:ええ、そうですね。部長と。

曽山:部長と若手、みたいな。こういう対談形式も、オウンドメディアでけっこうありますよね。これでけっこう大事だなと思ったのは、まずこの対談によって、2人の関係性の質がが変わるんですよね。

撮られているので、当然前向きだし、いいことを言って。それで2人の「そういうことありますよね」とテーマを決めると、2人がまずいい関係性になる。関係性の質が上がったものが記事になることによって、外にその関係性が伝わる。関係性の質が社内で上がり、それが外に公開される効果があった。オウンドメディアで対談をやらない限りは、なかなか難しいことだと思います。

多家:人柄が出るのって、対談とか座談会ですよね。

曽山:だいたいそうですよね。雰囲気もどういう言葉を使っているのかも伝わります。関係性の質を上げる効果と、見える効果も非常にあるというところですね。ありがとうございます。

リニューアルが奏功し、直接応募者数は昨年の2倍 オイシックスが感じた手応えとは

曽山:小川さんはどうでしょう。

小川佐智江氏(以下、小川):今回の審査を受けていただくにあたり、数字をちゃんと作ろうと思いまして(笑)。いろいろ調べまして、4月から今までの直接応募の数が、去年に比べて2倍になっていました。

曽山:おぉ、すごい! 倍になるんですね。

小川:あとは内定承諾率も、昨対比で15パーセント上がっていました。

曽山:ほぉー。

小川:この数字もいろんなところから探して探して、出しているんですけれども(笑)。オウンドメディアを運営し続けるためにも、こういう数字を出すのはけっこう大事かなと思っています。

あともう1つ。定量的なデータ以外に定性的なところで言うと、先ほども申し上げたように、実際に応募をしてくださる方が「記事を見ました」という声も、実際多くなっています。そういったところでは、非常にいい効果があったなと思ってます。

曽山:数字で出るとインパクトがありますね。「倍」と出たとき、ちょっとうれしくなかったですか?

小川:うれしかったです(笑)。

曽山:でも倍になったのは、何がトリガーになっているんですかね? 例えば記事の本数を増やしたからとか。もちろんリニューアルは大きいんでしょうけど、要素分解すると何があったんですか?

小川:もちろん、採用・広報だけの力ではないと思っています。社内のメンバーがいろんなメディアで取り上げられたり、SNSなどでいろんなことがバズって、結果的に増えたという総合的な効果だとは思うんです。きちんと「上がっているよ」という数字を出すことで、周りの理解力と言うんですか、採用・広報をやるところの理解が深まるなと、最近すごく感じています。きちんと数字に出すこと自体が、やっぱり意味があるんじゃないのかなと思います。

曽山:数字を出すことにすごく意味があって、それが自信にもなるし、現場社員との対話の中でも「これ、やる意味があるんだね」と伝わるということですね。確かに数字で話していると、社員側も受け止めやすいですもんね。

小川:そうですね。

曽山:わかりました、ありがとうございます。効果を聞いていてもめっちゃありますね(笑)。改めてたくさんあるんだなとわかりました。

「もう一度入社したくなった」 良い記事を作り続けたことが実を結ぶ

曽山:この成果を踏まえた上で、3つ目のだいたい最後のトピックスを、10分ぐらいでお話ししていきたいと思っております。

先ほど注力のところで、トライしているところはあると言っていただきましたけど、オウンドメディアリクルーティングが、みなさんの会社にとって今後どうなっていくかでもいいですし、日本社会におけるものがどうなっていくかでもいいですし、こうなってくるんじゃないかという肌感がもしあれば、ぜひお伺いできればなと思います。

小川さん、どうでしょう? 何かございますか。

小川:そうですね。オウンドメディアを始めたときは私がライティングをして、取材をして出していたんですけれども、やはり私はライティングが専門でもないので、なかなかいい記事が出せない。今日もいらっしゃっているんですけれども、今はライターの井手さんという方に協力していただいて、本当に素敵な記事をたくさん作ってもらっています。

その方はもともと弊社にも興味があるところからスタートし、実際に総会に来てもらったり、一緒に畑に行ったり、社員の人とも交流してもらったり、中に入って、実際に魅力を外から中から感じていただいて、その情報を一緒にコネコネしながら発信しているんです。

その結果、やはり社内のメンバーにも見られる機会が増えましたし、実際に「取り上げてほしい」という声が今は高まっています。今後の展望としては、社内の人がもっともっと見たいと思えるようなメディア作り。

社内の声が高まると、自然に外にもその声が届くのかなと思っているので、そこの良い記事を作って発信をしていくことが、社内の人の喜びになるというところを、まず強化していきたいなと思います。

曽山:より社内の人が見たいメディアというのはすごく大事なポイントですね。実際に僕らもオウンドメディアは社内のライターが書いてくれて、その下書きを(社員に)渡すと、「僕、こんなにいいことを言ってるんですね」と、喜んでくれる社員もけっこういるみたいです。

小川:そうなんですよ。実際にインタビューをしていく中で、本当にいい言葉がたくさん出てくるので、その声を聞きながら私も「すごくいい会社だな」と何回も思わされていて。すごく印象的だったのが、採用のイベントをしている中で、他の社員さんがいろんな魅力を語ってくださったんですけど、その会の最後に「もう一度入社したくなりました」と言った社員さんがいらっしゃって。

曽山:おお、それはすばらしいですね。

小川:こういう魅力は、業務の中ではなかなか出にくいものなのかなと思ったので、そういう一人ひとりが感じている魅力を出す場という意味でも、オウンドメディアの価値は非常にあるなと感じました。

コロプラ直伝の「採用オウンドメディアの作り方」

曽山:それはすばらしい目標だなと思います。ありがとうございます。じゃあ、多家さん、お願いします。

多家:役割と言いますか、活用範囲が広がっていくといいなと思っておりまして。「Be-ars」の場合は、今はモーションデザイナーブログというのと、エフェクトデザイナーブログというものがあるんですが、実は始まったばかりの企画なんです。弊社は本当にゲーム制作に打ち込むことが第一なので、逆になかなかこういうものを書ことができていなかったんです。

けれども、「Be-ars」という箱があるんだったら、ちょっとやってみたいなということを言っていただいて。モーションデザイナーブログはまだ1つなんですけれども、エフェクトデザイナーブログに関してはもう7、8人の方がずっと関わって、いろんなキャラクターについてより説明をするとかをやっています。

曽山:なるほど。

多家:社員のモチベーションアップにもなったり、ファンの方にも喜んでいただけるようなコンテンツが増えてよかったです。というところと、最後に宣伝となって恐縮なんですが、今日から私が「採用オウンドメディアの作り方」という記事を公開予定なんですね。

曽山:お、まさに。

多家:はい。そうなんです。

曽山:これは受賞を記念して? 

多家:はい。この受賞を記念して。

曽山:すばらしい流れじゃないですか。

多家:(笑)。恐縮なんですけれど。なので、本当にオウンドメディアの作り方にご関心があったり、オウンドメディアの効果を知りたい、運用メリットを知りたいと思っていらっしゃる方もご参考になるような情報とかも出していければと思っております。

曽山:すばらしい。今日これからなんですね。

多家:今日、15時ぐらい。

曽山:全力で拡散しましょう。みなさん。

多家:がんばります。ありがとうございます。

ミスマッチを防ぐためには、公明正大に発信が不可欠

曽山:ありがとうございます。じゃあ、青野さん、お願いします。

青野:オウンドメディアの1つの役割は、採用候補者とのミスマッチを減らしていくことじゃないかなと思っていまして。やっぱりキャリア採用なんかでやっていると、すごくミスマッチが多いなと感じることがあります。

新卒3年目で、「入ったときはこんなに働くと思っていなかった」とか(笑)。ありますよね。そこで辞めていくとか、もっと不幸なことは心を病んでいくということが、たくさん見受けられているので、その辺をなくすためには、率直に自社の悪いところも含めて発信していくのが大事なんじゃないかなと思っています。

さっきのディー・エヌ・エーさんなんかも、まさに「自社はこんな働き方ですよ」と出していましたけれども、あれはすばらしいなと思っていまして。私たちも、そういうミスマッチをなくすために、社内のことを公明正大に出していきたいなと思っています。

曽山:ありがとうございます。確かにミスマッチを減らすためにやれば、よりお互いのためにいい採用活動・求職活動になりますもんね。ありがとうございます。

ディー・エヌ・エー南場会長と新卒社員によるガチ対談 自社を体現する企画作りにこだわる

曽山:じゃあ榮田さん、お願いします。

榮田:やっぱり課題という点で申しますと、当初から引き続きではあるんですけれども、制作体制をいかに構築するかというのと、継続していくのが、ずっと難しいなと思っています。

ディー・エヌ・エーはけっこう物作りを大事にしている会社でして、「フルスイング」においてもけっこう1記事1記事にかなり力を入れて作っているという状況です。

「社内でこうしたことを発信してほしい」という話があっても、まずそれをどう見せたら本当におもしろくなるのかということをけっこう何度もオリエンしたりとか。

あとは関係者もけっこう多かったり、各所みなさん同じような課題感があるかと思いますけれども、取材者・リクルーター・広報・本部、あとは、上司とかいろんな観点からいろんなインプットも入りますので、1本1本を出すのが、実は相当(労力がかかります)。できあがったものを見るよりも、かなりの工数がかかっているというところですね。

そこに編集チームが一丸となって向かっているんですけれども、世の中には一定の評価をいただいているものの、社内でこうした大変さを伝えていくとか、価値を伝えていくのは、もともと編集系の人ばかりの会社でもないですし、けっこう難しいところかなと思っています。

ここはけっこう定期的に訴えていかなければいけないかなと思っていますね。トップページに弊社の会長の名前が出ていますように、たまにトップを巻き込めると、効果を感じてもらえたりしやすいかなというところもありますね。

企画としては1つ、キャリアの本質というシリーズがあるんですけれども、これは新卒採用のチームが企画したイベントを再編集してシリーズものにしています。南場(智子氏)がディー・エヌ・エーに新卒入社した社員と、けっこうガチで話しまして(笑)。けっこう突っ込んでいく、かなりおもしろいものになっているんですけれども。

これも、南場に毎記事2時間ぐらい、朝からミーティングに入ってもらって。担当の編集も同じように朝から2時間やっているんですけれども。けっこう経営者がガチで一緒に作ってくれたようなコンテンツもできた。これがけっこうディー・エヌ・エーを体現するようなコンテンツが溜まってきたかなというところですね。その繰り返しなのかなとも思ったりします。

あとは、今後の展望というところで申しますと、難しい点とセットで、KPIや目標の設定が難しいなと思いながら。最終的には候補者様へのリーチとか理解促進は見るものの、じゃあWeb上にあるという点で、それぞれの方々へ最適なUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供できないかというのを、実は今、模索しています。

1つの方針が、今だいたいできているところでして。例えばエンジニアさんが見に来られたら、ここのトップサイトがエンジニア向けの記事になっているとか、新卒採用の時期だったら、新卒採用の学生さんが見に来ていたら、新卒採用の公示のポップアップを出すとか。いろんな仕掛けを考えていて。

曽山:なるほど。導線。

榮田:ちゃんとそれぞれの方に最適なUXを作っていきたいなとかですね。採用のオウンドメディアならではの成長を作っていきたいなという段階になっています。

社員経由の入社率を高い水準に DMMは「人を連れてこられる」オウンドメディアを目指す

曽山:わかりました。ありがとうございます。じゃあ、林さん。お願いします。

: 一人ひとりの個々の従業員がもっと発信したくなるような状況を作っていきたいなと思っています。オウンドメディア、Web上のものがわかりやすいんですけれども、やっぱり自社の社員からの発信が非常に重要だなと思っていて。それぞれが媒体になっていくようなところを支援していきたいなと思っています。

今でいうと、直近数ヶ月分の社員紹介経由での入社率って、当社でも50パーセントを超えるような時期もあったんですけれども、これを高い比率で維持していくとか、新しく事業を立ち上げるぞというときに、人を連れてこられる事業責任者や、それを支援するメディアになる状況をもっと作っていきたいなと思っています。

曽山:なるほどですね。ということで、この5人のみなさまに非常に貴重なアイデアで、僕もめちゃくちゃメモを取りまくりましたけど、すごくいいお話をお聞かせいただきました。今日お伺いして、3つぐらいポイントがあるかなと思います。

まず1つはやっぱりページビューよりも1人の人。こっちが効果であるということで、1人の人を大事にする記事の制作がものすごく力になるんだなとわかりました。

企業力が上がることで良い採用につながる 曽山氏が見た、オウンドメディア運営のキモ

曽山:2つ目は社員が見たい記事が誇りになるんだとすごくわかりました。社内、外に向けて出すメディアであるものの、それ以上に社員に向いて社員と対話しながら、社員の誇り、見たいと思う記事、シェアしたいと思う記事のほうが、結果的には誇りになって採用力だけじゃなくて企業力も上がるんだということが2つ目です。

結果的にこれをやっていくとミスマッチがなくなって、採用力が上がっていくということで、最終的にはすばらしい採用につながっていくんだという。みなさんのお話をお伺いしていて、この3つのポイントが改めてすごくいい学びになったなと思います。

ということで、時間にもなってきましたので、この5人のみなさまのすばらしい知見をもとにしたパネルディスカッション、これで締めたいと思います。今日はみなさん、本当にいいアイデアをたくさん出していただいて、また知見も惜しみなく出していただいたことを本当に感謝申し上げます。

ということで、盛大な拍手をみなさんお願いいたします。ありがとうございました。

(会場拍手)

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