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パネルディスカッション「働き方改革最前線!社外人材を活用した働き方」(全3記事)

2019.12.17

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「リモートワークOK」は地方の優秀なエンジニア採用に効く Chatwork、オイシックス・ラ・大地が取り組む、働き方改革

提供:ランサーズ株式会社

2019年9月25日、ランサーズ株式会社が主催するイベント「オープンタレントサミット〜令和元年、これから求められる本当の働き方改革とは?〜」が開催されました。働き方改革が施行され、大企業が複業を解禁するなど、これまでの「働き方」が大きく変化するこの時代、企業はどう向き合っていくべきか。このイベントでは、本質的な働き方の変化を進める企業の担当者が登壇し、取り組みや事例をもとにさまざまなディスカッションが行われました。本記事では、イベント最後に行われたパネルディスカッション「変わる働き方最前線!企業が知っておくべき新たなワークスタイル」より、Chatworkの内田氏、オイシックス・ラ・大地の三浦氏、モデレーターの若宮氏による自己紹介の模様をお送りします。

働くことは、もっと楽しく、創造的にできるはず

若宮和男氏(以下、若宮):大友さん、ありがとうございました。続いて内田さんから、自己紹介と取り組みの内容をお願いします。みなさん、Chatworkの内田さんです。

内田良子氏(以下、内田):みなさん初めまして、Chatwork株式会社の内田と申します。よろしくお願いします。

Chatworkにジョインしたのが今年の1月なんですが、それまでの経緯としては、新卒で銀行に入りました。普通に資産運用の営業をして、そのあとは小売系ですね。そこで人事をやり始めました。

前職は100年くらいの歴史がある、従業員9,500人ぐらいの会社で、ダイバーシティ推進チームリーダーに就き、働き方改革や女性活躍推進などをやっていました。なので、働いている人たちは70代の方とか、あとは新卒の18歳とか。もう幅広(い世代のなか)だったので、なかなかストレッチ感のあるプロジェクトをやってきました。

今は1月からChatworkにジョインさせてもらってるんですけれども、Chatworkはもともと前職でやっていたダイバーシティ推進部署のときに出会って、利用していたというのがきっかけになっています。

Chatworkのコーポレートミッションは「働くをもっと楽しく、創造的に」です。Chatworkってもともと社内コミュニケーションツールとして作られたもので、事業にするものではなかったんですね。それを磨き上げていったときに、「これ、みんなに広めていったら、世の中の働き方が変えられるんじゃないか」と気づいて、事業にしてどんどん広めていったというところになります。

私は今、Chatworkで人事第1号なんです。それまでは各事業部で採用をやったりしていました。あとChatworkで「みんなどういう制度が欲しい?」とつぶやいて、そこから制度になっていたり。そういった社員寄りな制度や働き方ができあがっているところです。

ちなみに昨日、ありがたいことに上場させていただきまして。インフラになるために上場して、これから規模をどんどん大きくしていこうというところなので。組織としてストレッチ感のある変化をしていきたいと考えています。組織の強化のための制度設計や、あとは採用ですね。そのすべてを含めて推進しているところです。

Chatworkとは、いわばビジネス版のLINE

内田:ちょっと会社の紹介をするんですけれども、Chatworkは2004年に設立しました。2011年3月にChatworkがリリースされてから8周年ぐらいですかね。今従業員数は100人ぐらいに増えました。どんどん増えていて、毎月3人入社したりという感じで、ちょっとずつ大きくなっている感じです。

ところで「Chatworkって何?」というところについてなんですけど。みなさん、Chatworkはご存知ですか?

(会場挙手)

あっ、ありがとうございます。思ったより多かった(笑)。Chatworkが何かというとビジネスコミュニケーションツールで、プライベートでよくLINEなどを使われてると思うんですけど、LINEのビジネス版だと思っていただければと思います。

機能が何個かあって、個別のチャットだけでなくグループチャットなどもできるんですけど。そこで仕事上のコミュニケーションをとって、上司と部下で「あれやって」「これやって」と言っていると、メッセージだけだと流れちゃうことがあります。

そのためにタスクの管理ができるプロダクトを入れたり、あとはファイルの共有ですね。ドキュメントを簡単に共有できるように、ファイル共有ができるようなツールも使います。

ただ、やっぱり対面でお話するべきシーンはあるので、そういうときのためにビデオ通話とか、こういった機能を設けているところです。なのでオンラインとオフラインの使い分けだったり、対面なのか活字なのか、このコミュニケーションの取り方も、うまくバランスを取っていけるようなツールになっています。

ふだんからリモートワーク的に働いていれば、どんな環境でも働ける

内田:次に、私たちのちょっとおもしろい働き方を紹介できたらと思っています。うちのコーポレート本部長って、けっこう変わり者で。心理的安全性の高い人なんですけど、その西尾(知一)さんという方が、お母さんが鹿児島の徳之島という所に住んでいらっしゃって。

(スライドを指して)こちらの写真にあるとおり、本当にコンクリートも何もない状態の所で、もちろんネットもない状態なんですけど、(西尾さんが)「お母さんに会いに行く」とおっしゃいまして。上場準備などでけっこう忙しいタイミングで、タスクの多い方なんですけど(笑)。急に「俺、ちょっと徳之島行ってくるわ」という感じで飛んで行かれまして。「仕事大丈夫なのかなぁ」と思いながら、「行ってらっしゃい、楽しんで」という感じで見送ったんですけど。

そこからばしばしチャットでタスクが送られてくるという(笑)。何してるんだろうと思ったら、徳之島にリモートワークができるサテライトオフィスがあって、ネット環境を拾って仕事をし始めたんですね。休むんだろうなと思っていたら、普通に仕事していたと。

なぜ突然リモートワークができるかというと、ふだんからChatworkを使っていて、大阪とリモート社員と東京を全部つないで定例ミーティングをやったりしていたからなんですね。それが普通だったので、突然どこかに行ったとしても、リモートワークで仕事が回るんだよということが1つあるかなと思ってます。

若宮:(スライドを指して)すみません、この「ゴーホーム制度」って?

内田:あっ、「ゴーホーム制度」は、実家が職場から140キロ以上ある方に関しては、年に2回、帰省するときに、1回14,000円の手当が出るというものです。

若宮:支給されるんですか、へぇー。

内田:はい。奥様や配偶者の方がいれば、その人のぶんも入って28,000円を会社が負担します。1つポイントがあって、ライブで通話しているこの女性なんですけど、この方は2児の母親で、正社員なんですね。短時間で正社員になっていて、評価も待遇もすべて正社員と同じ待遇です。

今年4月に、準社員という制度があって、もともと正社員とはちょっと職が違ったんですけど。そんなことに関係なく評価をしっかりしていけば、働くのが何時間だろうと評価するべきだよねということで、正社員と同じ福利厚生と待遇で働けるようになって。働かない時間は控除されるんですけど、それ以外は基本的には評価もすべて同じ目線で見られるようになっています。

有事に「リモートワークしてもいい」という選択肢がある利点

内田:まだ他にもたくさんあります。全国にフルリモートのエンジニアたちがいます。鹿児島だったり山口、広島、あと岐阜ですね。他にも横須賀や東京。けっこう近い所でも、フルリモートで働いていると。年に2回、全社合宿があってときどき会うんですけれども、すごく前向きに「僕は完全フルリモートなんで、年2回しか会社に来ません! 絶対来ません!」と断言していただいて(笑)。

若宮:絶対に(笑)。

内田:ぜんぜんいいんですけど、すごい断言だなと思って(笑)。「それでも評価してもらいます!」という感じで。

若宮:採用する時点では、もともと鹿児島に在住していたり?

内田:そうです、そうです。鹿児島にいて、「僕は鹿児島で働きます」という大前提のもとで雇用しています。

若宮:採用時点からもうリモートワークが前提だったんですね。

内田:そうです、前提ですね。これが何に効くって、やっぱり採用です。優秀な人材は全国にいて、東京の優秀な人材をみんなで取り合うよりは、全国にいるんだったらそのスタイルに合わせて、私たちがやってほしいことをその人にお願いしよう、というところが1つあるので。これ(リモートワーク)をやっていて、すごく優秀な人材が全国にいるんだなと思います。

新卒の学生たちも、後々はやっぱり「大阪がいい」「神戸から離れたくない」「広島がいい」という人もいるので。そういったときに、この人たちのプライベートをどう叶えてあげるかということも考えながら(採用が)できるので。やっぱりフルリモートでエンジニアの人たちが活躍していることは、学生にとってもすごく魅力的というか。未来像が描けるところになってます。

そうかと言って、みんながみんなフルリモートでやるべきなのかというと、うちの会社はそういう考え方ではありません。ビジネス側にしてもエンジニアにしても、やっぱり対面で話をするとか、仕事に集中できる場所はどこかというと、最も良い環境が用意されているは会社の中なんですよね。本当はオフィスが一番働きやすいんですよ。

なので、決してフルリモートを推奨しているわけではないんだけど、何かハンディキャップがあったり働けない場合は、フルリモートで働いていいよというふうにしています。なので通常の社員に関しては、災害や交通機関の乱れや、ちょっと体調が悪いときは休むか、リモートしてくれれば大丈夫だよということになっています。

制度でもなんでもなく、暗黙の了解で許されている複業

内田:次に「エンジニアだけのものじゃない、みんなの『Chatwork合宿』」というのがあって。人事総務あるあるだと思うんですけれども、毎日突発的なタスクがものすごく入ってくるんですね。

なので「業務改善する」と言っても、結局、毎日「あれやってほしい」「これやってほしい」という話が来るので、これをこなしていくだけで、本来やりたいことがまったくできない。私たちの組織でも、やっぱりそういうことがあるんですよね。

(スライドを指して)ここには「部内の合宿を実施」と書いてあるんですが、ここで例えば「優先順位の高いタスクって何だっけ?」だったり「人事総務の中でもきちんと優先順位をつけてやりましょう」だったり、「もう1回、目的をちゃんと考えましょう」というために、別の場所を借りてきちんと集中して考えていく。「この部門はどうあるべきなんだ」といったことを考えるための「みんなの『Chatwork合宿』」があります。

最後に、ここはメインになってくるのかなと思うんですが。これはけっこうギリギリなラインを行っているので、あんまりTwitterとかでつぶやかないでほしいなと思うんですけど(笑)。

「本業に支障をきたさない」という前提だけで成り立っている複業があって。まったく制度でもなんでもなく、みんな自由にやっていて。私たちはみんながどう働いているかを知らないという、それだけなんですけど(笑)。それを暗黙の了解で許していて。

これがなぜできるかというと、Chatworkのチャットに「複業」というグループがあるんですね。そこで「こういう仕事してる」とつぶやいたり、副業をしている人たちだけで相談に乗って(もらったり)答えて(もらったり)とか、そういうふうにやってるので。働きすぎないとか、働いていてお金がもらえなかったとか、いろんな悩みを解消したりしています。

エンジニアには他流試合が必要だから

内田:あと、グループチャットには勤怠チャットというのもあって。「今日は何時に帰ります」とか「今日は何時に出社します」といった管理をしているところがあります。完全に健康管理ができているかというと、ちょっとできていないのですが。本当にギリギリな部分ではあるんですが、今のところは問題がないので、このままやっている感じですね。

ここでChatworkがなぜ副業をOKにしているかというと……解禁もなにも、もともとOKだったからやっているのが前提なんですけれども。エンジニアの方たちって、社内のプロダクトだけ経験すると、それだけのスキルしか磨けなくなってしまうところもあるので。

ScalaやPHPなど、いろいろな言語があって、本当に幅広いので。他流試合をしてもらったりして、スキル向上をもっとスピードアップしてもらうところも1つ、目的にあります。

あとは、自社では経験できない職種やプロジェクトにジョインしてもらったり、(自社の)評価制度だけじゃなくて、他流試合で自分の力がわかるところが、納得性を持たせるために必要だったり。ほかでジョインしてもらって、自分の力がどうなのかという市場感を掴んでもらうところも1つあるかなと思っています。

一応、トピックスとしては以上になります。

若宮:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

メンバーは1,400人以上! 人事コミュニティの発起人

若宮:じゃあ続いて、三浦さん、お願いします。

三浦孝文氏(以下、三浦):みなさん、こんにちは。ちょっと時間も押していると思うので、サクッといきますね(笑)。スライドに書いてあるとおりなんですけど、社会人10年目、ほぼ人事の領域でやっています。

ちょっと変わったところとしては、自分で人事コミュニティを運営していまして、今だいたい1,400人ぐらいに所属いただいてるコミュニティの発起人をやっております。けっこういろんなテーマでやっているので、調べていただくと出てくるかなと思います。

私はオイシックス・ラ・大地という会社に所属していまして、実はこの2年間で、2回ぐらい経営統合をしております。私が入った2017年の1月は従業員が200人ちょっとだったんですけど、それが今730名を超える会社になってます。端的に言うと、社員の年齢の幅や職種の幅が変化するタイミングで、多様性が組織の中に生まれてきているような感じです。

事業としては、オイシックスや大地を守る会、らでぃっしゅぼーやなど、統合した会社の事業をそれぞれブランドとして引き継いでおり、食品宅配の領域で事業をやっています。最近ではグローバルでも国内でも、けっこう子会社が出てきています。ただ食品を宅配する会社じゃなく、その先の体験を作っていく会社としてやっていければなと思っております。

兼業するなら本業とシナジーが生まれるものを

三浦:今日は「働き方」がメインだと思うので、サクッと1枚(のスライド)にまとめてみたんですけど。弊社の基本的な考え方としては、働きがいを作るための働きやすい環境、要は働きがいを支援するためにどういう環境を作っていくかというところで、もちろん兼業などという今日の話もそうですし、リモートやテレワークだったり、育休復帰支援とか、そういったことができるようにしています。

もう少しだけ話しておくと、弊社も経営統合で200人ぐらいの組織が700人を超えたということもあってですね。もともとはそんなにやってたわけではなかったんですが、社内に多様性が生まれる中で、これから社内で社員一人一人がパフォーマンスを発揮できるような環境にしていくために、リモートワークやテレワークの準備期間をちゃんと設けていました。

やることを前提とせず、まずは1ヶ月間はみんなで、会社で実験をしてみるとか。そういったところをあえてやりながら進めてきたりしてるので、今日はそのあたりの話なども、この後少し話せればなと思っています。

ちなみに、うちは兼業OKで、一応チームメンバーも僕自身も兼業していたりするんですけど。会社として大事にしているのは「なんでもいいよ」ということではなくて、どちらかというと会社で自分がやっている事業や職種に紐づくかたちで、両方にちゃんとメリットというか、シナジーが出るような兼業を、基本的には支援しています。

一応申請は必要なかたちになっていて、それを私などが承認しています。簡単ですが、こんな感じです。大丈夫ですかね? よろしくお願いします。

(会場拍手)

社長を含め、「副業していない人」は所属できない会社

若宮:はい、ありがとうございます。ちょっと僕も「誰やねん」となると思うので、ここで簡単に自己紹介を。ランサーズでは「タレント社員」といって、副業前提で入っている社員がいます。自分ではユニックという会社を経営していて、この会社がちょっと今日のテーマに合っているので登壇させていただくことになりました。

ユニックでは「全員、副業します」ということをルール化していて、副業していないと入れない会社のスタートアップをやっています。自分も代表なんですけど、副業してないと会社にいられないので、ランサーズと副業しているという(笑)。

女性向けのサービスを展開しているんですが、最近は事業アイデアを持っている女性が副業でうちに入って、副業で起業するのを応援する「Your」というインキュベーション事業を始めたりしてます。

うちは全員副業なので「出社」という概念がそもそもないんですよね。チャットツールにログインして、そこでやり取りすればいいんですけれど。あとは全員副業なので、承認制をとっているとめっちゃ時間がかかるので、基本はもうバンドスタイルを採ってるんです。自分で考えて自分で意思決定していくという、ピラミッド型の承認がない働き方。

あと「境界のない働き方」として、キャンプ場でテントを張って仕事してみたりして、プライベートと仕事の境界をなるべく溶かしていっています。この間、『ソトコト』という雑誌にノマド起業家という名前で出たりしました。

あとランサーズでは、こういう大きなセミナーじゃなくて、外部人材を活用してらっしゃる方のコミュニティで、実際に事例を共有しながら(実習を)やっていて。次回が10月なんですけど、そっちでは登壇者・参加者というより、みなさんで事例を共有しながらやっているので、これも興味あればぜひ参加いただければと思います。

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