2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:株式会社MJE
リンクをコピー
記事をブックマーク
司会:本イベントを主催しているbillage OSAKA(ビレッジ オオサカ)はコワーキングスペース、レンタルオフィス、イベントスペースを併設した大阪のインキュベーション施設として、起業家やスタートアップ企業に対して、起業や資金調達のサポート、コミュニティ形成の支援などを目的に数多くのイベントを開催してきました。
今回のイベントは関西を拠点とする若手起業家を対象としたピッチコンテストですが、起業家の方々の事業プレゼンに移る前に「今U-25で起業するなら何をする?」というテーマで先輩起業家の皆さんによるトークセッションを行いたいと思います。
では、ここからのモデレーターは、スマートラウンドの冨田阿里さんにお願いしてます。冨田さん、宜しくお願いいたします。
冨田阿里氏(以下、冨田):よろしくお願いします。スマートラウンドというスタートアップでCOOをしております冨田です。ではさっそく自己紹介から入っていきます。亀山さんから順番にお願いします。
亀山敬司氏(以下、亀山):DMMの亀山です。よろしくお願いします。
(会場拍手)
そんな感じです。はい!
冨田:手短か(笑)。
(会場笑)
田中邦裕氏(以下、田中):田中と申します。さくらインターネットの代表をしています。という感じで、どうぞ!
冨田:あはは(笑)。
鶴岡裕太氏(以下、鶴岡):BASE株式会社の鶴岡です。よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
冨田:よろしくお願いします。ではさっそくですが、今回は「今自分が25歳以下で、これから起業するなら何をするか」っていうセッションなんですよ。知ってました? 亀山さん?
亀山:はい、さっき聞きました。
冨田:そうでしたね(笑)。皆さん、それを聞きたくて来てるんじゃないかなと思うので。亀山さんが今25歳でこれから起業するならどうしますか?
亀山:なにせ3分前に言われたばかりなので(笑)。えーっと。中国人をいっぱい雇ってiPhoneショップの前で列に並んで、買ったものを中国で売るようなビジネスをやります。
(会場笑)
冨田:堅い(笑)。とりあえず堅い(笑)。
亀山:だって俺にはテクノロジーもなんもないしね。AIとかITの時代だと思うんだけど、俺からエンジニアを取り上げたら、まったく無力なただのオヤジなので。……あ、今25歳だったらか。
冨田:そう、25歳。若いです。
亀山:25歳でも、もともと知識がないのでITっぽいことはできません! ……ということで、腕と度胸で稼ぎます。
(会場笑)
鶴岡:亀山さんは何歳から商売を始めましたか?
亀山:商売は19歳くらいかな? 今の六本木のロアビル(六本木共同ビル)前あたりで露店を始めた。
鶴岡:あ、ロアビル前だったんですか。
亀山:ロアビルのもうちょっと交差点寄りかな。昔花屋さんがあったんだけどね。
田中:何を売ってらっしゃったんですか?
亀山:アクセサリーをね。なんか適当な、(Dr.スランプの)アラレちゃんとかガッちゃんとかが描かれたやつとか。
鶴岡:仕入れてきて?
亀山:自分で描いていた。あと、コインを曲げて指輪にしたりしてね。
鶴岡:へ~!
亀山:そうそう。ネックレスとか。昔はダイム(10セントコイン)のが売れたのよ。めずらしくて。
鶴岡:すごく売れたんですか?
亀山:まあ、酔っ払い相手にふっかけながら売ってたんで(笑)。
鶴岡:あ、夜にやってたんですね(笑)。
亀山:夜だね、六本木は。そのあと原宿は昼やってたかな。
鶴岡:そうなんですね。
亀山:そういう人生だったんですよ。今ここでエラそうなこと言ってますけど(笑)。
冨田:それが今は、こんな大きな六本木のビルで会社を経営しているって。
亀山:昔は警察に怒られては「すみません」って、泣きながら仕事をしてたという感じですね。
田中:謝ればなんとかなるんですね。
亀山:なんとかね。あれはただの道路交通法違反だから。
(一同笑)
駐車違反とほとんど一緒なので、たいした罪じゃないのよ。
鶴岡:謝るだけでいいんですか?
亀山:謝ったら、まぁだいたいは……。「どけろ」って言われてどけたら、誰もなにも言わない。「すみません!」って謝って、また別のところに行ってやるわけよ(笑)。
田中:自転車の2人乗りみたいなもんですね。
亀山:まあそんな感じかな。だから捕まったことはないけどね(笑)。
冨田:ありがとうございました。続いて田中さんにお願いしたいんですが……。
亀山:はい、俺のは参考にならないと思いますが。(田中氏に向かって)じゃあ、もうちょっと参考になる話を。
田中:最近U-25の人を見てて、めっちゃ儲けていそうだなというのはベンチャーキャピタルなんですよね~。
亀山:ベンチャーキャピタル。
田中:若いっていうだけでお金集まるじゃないですか。……って言ったら怒られますよね。
(会場笑)
田中:この間、すごくしょんぼりした事件があって。そのときもこういう会に呼ばれたんですよね。「若手の経営者ということで来ていただいたんですけれども、田中さんはもう40歳になられたということで、ちょっとそうではないんですがお越しいただきました」って。「どういう司会や!?」と思ってですね(笑)。
40代になったらもう若者じゃないということでですね。……なんの話をしてたんでしたっけ? あ、そうだ、「お金を集めてベンチャーキャピタルする」というのはけっこう儲かるなぁと、本当にシンプルに思います。
鶴岡:どういうところに投資するんですか?
田中:とにかく伸びるところ!
(会場笑)
鶴岡:それがわかっていたらいいんですけど(笑)。
田中:ただ、「絶対伸びるところ」にほとんど払わないでしょ、みんな。
鶴岡:ちなみに、例えばどこですか?
田中:AR、VRとかMRとかって絶対来そうじゃないですか。あとeスポーツも来そうだし。
亀山:AR“もどき”とかいっぱいあるんじゃないの?
田中:そうなんです。それで言うと、だいたいの人は伸びるところと勘違いしてもどきを掴むということはよくあるんです。
亀山:そこの目利きが難しいんだろ? この会場にはもどきがいっぱいいるかもしれない。わかんないけどね。
(会場笑)
本物がいそう? 顔見てどう?
田中:いや、たぶん全員いけるんちゃいますかねぇ。
亀山:けっこう緩いんだね、それ(笑)。
田中:僕、絶対失敗しそうですね(笑)。
亀山:たぶん儲からないVCになると思うよ。
田中:やっぱり最近思うのは、事業よりも社長の顔を見てたらわかるなぁと思って。
一同:へ~。
田中:だって、嘘つきそうな顔の社長っているじゃないですか。
亀山:そうだろ。この会場にもいる? こいつは信用ならんみたいな顔はいる?
田中:いや、なかなか言いにくい(笑)。
(会場笑)
なんかね~、自慢してくる人はダメです。虚勢を張ってくるとかね。素直な人が好きです。
冨田:では25歳に戻ったら、ベンチャーキャピタルをやる?
田中:そうですね。もしくは、僕はサーバーが好きなので……サーバーが好きって気持ち悪いってよく言われるんですけれども。でも「やってる事業が好き」っていうのはいいじゃないですか。僕はサーバーが好きだからサーバー屋やってるっていう、すごくシンプルな人間なので。もう1回25歳に戻っても、サーバーを今どきのかたちで提供するかなぁと思いますね。
冨田:いいですね。
亀山:VCも儲からないんじゃない? 今からは。
鶴岡:大変そうですよね。もうDMMに買ってもらうしかないですよ。
(会場笑)
田中:逆にDMMさんに買ってもらったら、もうすべてあるじゃないですか?
鶴岡:確かに。DMMとめちゃくちゃ深くつながってるVCをやるっていう。
田中:あ、それね!
亀山:避難場所としてね。駆け込み寺VCみたいな。
亀山:ちょうど旬なネタで、今日WeWorkのIPOについてのニュースが出てたんだけど、見た人は手を挙げてみて。
(会場挙手)
お、けっこうみんな知ってるね。報道によるとなんでも、WeWorkがIPOで5兆円くらいの評価で公募予定だったのが、2兆円くらいしかつかなかったみたいで。ここにソフトバンクが1兆円くらい入れてたらしいんだよね。
2兆円で上場するとどうなるかだけど、ソフトバンク投資の1兆円が5,000億円くらいになるってことだから。孫(正義)さんが含み益があると思っていた5,000億円が、実は含み損の5,000億円になっちゃったみたいな。ざっくり言えばこんな感じ。
つまり証券会社が上場させるときに、公募価格をいくらにするかっていう。それが最近は厳しくなってきたわけ。昔みたいに「赤字だけど、未来のある会社の株価だから」とみんなが思ってたのが、今回は半分以下の数字になったという話で。
孫さんはまだいいのよ。早い段階から入れて、最後にまた入れたりとかしてたから。でも、土壇場で4兆円くらいの評価で金を入れた人間なんていうのはね。上場した段階で赤字ということは、今まで「孫さん、僕らも乗っけてくださいよ」と言って、あとでお金を入れた人がひどい目にあいそうだという話。
鶴岡:だから、起業するのが一番よくないですか?
亀山:そういった意味では、今までは起業が(お金を)集めやすい時代だった。でも、いつまでもそんなにうまい話はないからという、流れが変わった出来事だね。
鶴岡:確かに(笑)。
亀山:正直言って、今までが美味しかったのよ。
亀山:これからの時代、そういう状態になるとどうなるかというと、スタートアップにお金が集まりにくくなる。最近は上場ゴールも多いわけよ。上場したあとは株価が下がる会社も多いし。
そして今回みたいに、上場する段階で「はじめから損だよ」っていう話が出たということは、それだけバブってるんだよね、今。とくにAラウンド、Bラウンドがね。シードくらいならなんとか逃げ切るかもしれないけどね。
鶴岡:しかも別に、直近ではIPOがいっぱいあるわけでもないですよね。今年IT銘柄がいくつ出たんだって話ですよね。M&Aも大きいのはそんなにないですし。
亀山:そうだね。あと監査法人も足りないとか。
鶴岡:リアルなところだと。
田中:それが最近は、監査法人が少しずつ仕事を欲しがり始めたらしくて。
亀山:あら、そうなの?
田中:だから、それはヤバイんじゃないかと思ってて。
亀山:そうなんだ。じゃあもっとヤバイかもね。
田中:おまけにVCも最近シャビー(さもしく)になってきて。半年……まあ3ヶ月くらいかな、けっこうお金を出さないケースも見かけるようになったんですよね。だから来年以降、とくに2021年くらいからは、ちょっとIPOが厳しくなるんじゃないかな。
鶴岡:そこのマーケットが閉まっちゃうと……夢がない……。
冨田:鶴岡さんからすると、25歳は4年前のことですよね。
鶴岡:はい。最近ですね。
冨田:もし今4年前に戻って、もう1回起業するなら?
鶴岡:え~、僕? 何したらいいですかね。でもさっきのじゃないですけど、起業したほうが絶対いいなって思います。
田中:まぁ、ECが儲かるんじゃないですか?
鶴岡:今やってます(笑)。
田中:あ、やってる。そうですよね~。
鶴岡:でも、エンジニアをいっぱい獲得しているスタートアップが、最近は意外にないなと思ってて。アンダー25とかの会社でエンジニアがいっぱいいる会社ってなくないですか?
それこそBtoCとかが流行っていて、僕からするとすごく嬉しいんですけど。とはいえ、テクノロジーカンパニーが意外にいないなと思っていて。そういった意味では、エンジニアさんが魅力的に思う事業をやりたいな、エンジニアをいっぱい取りたいなって思ったりします。
田中:それで言うと、5年くらい前のメルカリさんがすごくよかったんですよね。エンジニアをすごくたくさん雇ったじゃないですか。あれが1つの勝因だったんじゃないかと思うくらいにすごいですよね。
鶴岡:やっぱりエンジニアを採るのが難しすぎて、そもそも起業する段階から「エンジニアが必要ない事業を」ってなっちゃってる人も多いんじゃないですか。
田中:そうそう。最近は「サブスクリプションで儲けます」みたいな、SaaS型のビジネスが増えていて。それも、IT企業じゃない人がそれをやるっていうのが増えてきてるんですけども。
ほぼすべてに共通してボトルネックになっているのが「ITエンジニアがいない」ってことですよね。逆説的に言うと、ITエンジニアさえいれば他のところに勝てるんじゃないかなと。そんなことを示唆してるんじゃないかなっていう気がします。
亀山:今はガンガン雇ってるそうじゃない?
田中:あ~、そうですね。うちもこのままだと将来やばいというので、5年前には200人しか社員がいなかったんですけど、毎年100人ずつエンジニアを採用していって、今は500人くらいいます。
鶴岡:どうやったら1年に100人もエンジニアを採れるんですか?
田中:まず「100人採る気になる」ってことですね。
(会場笑)
亀山:とりあえずなんでも採っちゃうってこと?
田中:ではなくてですね。100人に1人くらいしか採れないんですけど、なんでも採ると質が下がるので。
100人も採るということは、1万人の母集団を形成しないといけないんですね。1万人の母集団ということは、それこそ1社が100人紹介してくれるとしても、100社の人材紹介会社と付き合わないといけない。というので、うちの副社長が人事と一緒に、全国の人材紹介会社を回ってすべて開拓してこようということになりました。最終的には400~500社くらい呼んで、説明会を日本全国で10回か20回くらいやったのかなぁ。
亀山:あ、じゃあ全国に集めに行ったんだ。
田中:集めに行きました。「エンジニアが足りない」と言っている経営者が一番時間を使っているのは何かっていうと、「家でビジネスプラン組んでます」みたいなことだったりするんです。
いや、「今すぐエンジニア採りに行けよ」って思うんですよね。社長が一番時間を使うべきことって、課題に対してだと思うので。
鶴岡:さくらさんって高専の優秀なエンジニアを全部採っているというイメージがあるんですけど。
田中:いや、そういうイメージを狙ってやっていて(笑)。でも、うちは高専生をいっぱい採っているというイメージができてから、高専生が来なくなっちゃって。今年は採用がゼロでしたよ。
鶴岡:そうなんですか!
亀山:とりあえずエンジニアを今度、awabarに連れてきてよ。俺が推して、それを抜くと効率がいいじゃない(笑)。
鶴岡:フィーも払わなくていいし。
田中:エンジニアが金曜日にawabarに行くと、亀山会長に飯を奢ってもらえるという触れ込みをしたらいいんじゃないですか。
亀山:飯をもとに、さくらから引っ張ってくる。
田中:え~、うちからですか!?(笑)。「awabarには気をつけろ」と言うとかなあきませんね(笑)。
冨田:ちなみにこの会場の中で、自分で会社を経営されている方、手を挙げていただいてもいいですか?
(会場挙手)
ありがとうございます。その中で「エンジニアで、自分で開発もできる」という方はいらっしゃいますか?
(会場挙手)
亀山:意外とやらせてるやつが多いよね、こういうの。俺パターンだね。
鶴岡:自分でコード書けたほうがいいですよね。だって最初は人を採用するのも大変だし。
亀山:鶴ちゃんは書けるの?
鶴岡:僕も最初は書いていました。ダメダメなコードですけど。
亀山:俺は1行も書いたことないから。見たところで内容がわからない(笑)。
鶴岡:亀山さんも書かないとダメです(笑)。
田中:意外と書けますよ。来年から小学生も全員プログラミングを学ぶらしいですからね。
亀山:じゃあそこから始めないとね。
冨田:ありがとうございます。このあとは質問をSli.doで……もう受付は始まってますか? ではSli.doの画面をお願いします。
鶴岡:亀山さんは今やりたい事業はないんですか?
亀山:う~ん。最近は若いやつらが勝手に考えてくれるからさ。それに予算つけるだけで十分かな。下手に俺が考えてもうまくいかないわ。
鶴岡:インターネット系の事業やりたいんですか?
亀山:なんでもいいよ。最近は水族館があったり、サッカーチームもあったり。消防車もやってるからね。わけわからないよ(笑)。とりあえず儲けないと続かないからね。でも、最近は儲からないことも始めたからね。
鶴岡:何ですか?
亀山:もうすぐ始まるプログラムの無料教室とか。
鶴岡:なるほど。それいいですね。
亀山:そういうのをやって、ちょっと田中さんとは別のやり方で人を集めようかなと思って。
鶴岡:じゃあ儲からなくても予算をつけてくれるときもある?
亀山:儲からなくても、ちょっとカッコいいことにはたまにつけちゃう。モテたいからね(笑)。
冨田:みんなから質問がたくさん来ています。今書かれている質問で自分も聞きたいものがあったら「いいね」を押していただけると上位に上がっていくので。
亀山:(スライドを指して)これいいじゃん、「起業するのは東京がいいか、大阪がいいか」。わかりやすいんじゃない?
冨田:わかりやすいですね。では田中さん、ぜひ。
田中:うちの本社って実は大阪にあるんですけども、起業するなら東京がいいんじゃないですかねぇ。
(会場笑)
だって、シンプルに刺激がないと事業は伸びないので。地方でも刺激があるならいいけど、本当にIPOしたいんだったら、IPOした経営者とかとめっちゃ会ったりとかね。「IPOするぞ!」って言ってるわけのわからん兄ちゃんとかとつるんでると、本当にそんな気がしてくるので。
冨田:田中さんはどのタイミングでそういった方々と出会いましたか?
田中:そのときは大阪にもコミュニティがあって。21年前ですから。もう昭和の……あ、平成の時代か。だいぶ前ですけれども。そのころはやっぱり、胡散臭いやつも含めてみんな「上場する、上場する」って言ってましたので。
不動産屋さんがメールアドレスを導入して、「メールアドレスがついたからIT企業になりました」なんて言ってた時代ですから。ホームページ持ったらIT企業みたいな。そんな感じです。
冨田:でも、今やるなら東京のほうがいい?
田中:この20年間で東京にVCさんも集中してきていて、わざわざ東京に移動してVCさんを回っているスタートアップさんとかよく見ますけれど、それだけで大変じゃないですか。
冨田:そうですね、確かに。
田中:スタートアップは時間がないですしね。
冨田:オンラインコミュニケーションができるようになったから、地方でもいいんじゃないかと。質問してくださった方は「大阪を含めた地方で」と書いていて。インターネットが普及したからこそ場所を選ばないんじゃないか、みたいな話もありますがどうですか?
亀山:まぁ、俺もそうなるかなって昔は思っていたんだけど、正直言ってなかなかそうはなりにくいところが意外とあって。要はガーっとやりたいってやつって、だいたい都会に行っちゃうからさ。なかなか地方に残りにくいってのがあるんだよね。
冨田:今日このあとピッチをするみなさんって、大阪が本社ですか?
田中:そっかぁ。
亀山:そこはちょっと持ち上げとかなきゃ(笑)。
冨田:今日は「関西の起業家がピッチする」というイベントの日ですからね。
田中:あ、そういう会なんですね(笑)。
亀山:ちょっと場の空気を読んでないんじゃないの。ダメじゃん、それ。
田中:ちょっとひんやりしたのはそのせいか……。あ、僕は起業するなら大阪がいいと思っていて。
(会場笑)
冨田:ログミーだと今のカットされてますね(笑)。
田中:やっぱりネットワークの外部性みたいなのがあると、どうしても集中していくんですよね。だから「大阪がすごい」って誰かが言い始めて、コアになる人ができて、大阪に人がすごく集まるようになっていったら、結果的に「大阪がすごい」ってなるんですよね。
大阪が集まる場所になるかどうかっていうのがキモなんですけど、それで言うと福岡のほうがまだすごくてねぇ。
(会場笑)
亀山:ぜんぜん場の空気読んでないじゃん(笑)。今から大阪のピッチが始まるんだからね。
亀山:でも、俺はもともと石川で会社スタートしてるからね。
鶴岡:あ、亀山さんはそうですよね。
亀山:とりあえず物価は安いから。はっきり言って東京の2割引くらいなら、ぜんぜん向こうのほうが生活いいわけよ。でもみんな、給料を3、4割引にしちゃうんだよね。
鶴岡:結局ね。それで、生活のレベルは変わらないっていう。
亀山:やっぱりスキルのあるやつって、どうしても「おら、東京さ行くだ」みたいな感じになってしまうというのがあって。田舎は転職市場があんまりないからさ。新卒で、ずっと同じところで働くやつが多い。そうなると、年功序列じゃないんだけど、あんまり給料格差も付けにくかったりするのよ。
そうなると、結局都会のほうがね。都会って、給料の高いやつは高いじゃん。めちゃくちゃ格差が激しいけど、田舎のほうはある程度バランスを取ろうとするから、結果的に残ってほしいやつほど出ていっちゃうということが起きやすいんだな。だから、いいエンジニアには地方でもちょっと別にバンっとつけてやらないと逃がしちゃう。
田中:逆に言うと、東京と同じ給与で雇ったりするとね。
亀山:同じ給与で雇うんだったら、ぜんぜん地方のほうがいいからね。一歩外に出たら野菜は安いわ、飯は安いわ。それに家賃も安いんだから。半分のお金で生活できるようなもんだからね。でも給料低めにすると、田中さんが行って「うち来いよ」とかって引っ張っていくだろ?(笑)。
田中:まぁ、東京と同じ条件で採ったらすごく来ますよね。
亀山:大阪から東京に来る人間もいるの?
田中:いや、大阪の人は大阪で働きたがりますからね。
亀山:大阪人は大阪愛が強い?
田中:そうですね。僕もなんやかんや言いつつ大阪出身で、今も大阪市民ですから。大阪にがんばってほしいし。よく考えたら大阪でVCをつくったやつにこの間出資したんですけど、「とにかく大阪でがんばってくれ!」って言いましたね。
亀山:確かに大阪のイベントにばっかり行ってんじゃん。
田中:そうですね。大阪の関連しないイベントはできるだけ出ないというか。時間も限られるので。スタートアップのイベントとかに呼ばれたら、キリがないじゃないですか。だから大阪×スタートアップのイベントにはよく出てます。
亀山:さっき「VCやりたい」とか言ってたからさ。今からやればいいじゃん。
田中:ただ、VCには出資したんですよね。
亀山:いやいや、自分で良いやつと悪いやつの目利きができんだろ? だから「お前に出す!」みたいなことを大阪拠点でやって、大阪のスタートアップを上げてくっていう。
鶴岡:じゃあ今日のピッチに出るスタートアップのみなさんに。
田中:あ~、なるほど。
亀山:今日ピッチに出るやつにバンバン入れちゃえば? さくらのデータセンターを1年間無料で貸してくれればねぇ。
(会場笑)
田中:僕ね、去年10社くらいにエンジェル出資していて。
亀山:そうなの?
田中:そうなんですよ。よく考えたら「大阪の企業だったら出資するわ」って言ってやってきたんですけど、こんだけ揃われるとさすがに(笑)。びっくりしますよね。
亀山:エンジェルはうまくいってるの?
田中:いってる会社といってない会社がありますけれども。基本は人間関係を修復したら、たいがいのスタートアップは成功しますね。だいたい人間関係で潰れていくので。
株式会社MJE
関連タグ:
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには