2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
トークセッション(全1記事)
提供:ディップ株式会社
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司会者:ここからのお時間は、業界・立場の異なるみなさまによるトークセッションを行わせていただきます。モデレーターは先ほどのプレゼンテーションに引き続き、執行役員の三浦が担当いたします。
三浦日出樹氏(以下、三浦):はい、よろしくお願いいたします。すみません、さっきのプレゼンがちょっと噛み噛みでですね(笑)。僕はどちらかというと司会のほうが好きなので、フリーでやらせていただきたいと思います。実は今日、我々の事業に非常に深く関わっていただいている3社の事業責任者の方に来ていただきました。
自己紹介とあわせて簡単に会社のご説明をしていただければと思います。お願いします。
浜田親弘氏(以下、浜田):どうもみなさん、こんにちは。ユニテックシステム株式会社の浜田と申します。私どもの会社は今、創業から34年目になります。いわゆるIT会社、システムを作る会社になるんですが、今から20年前に、あるきっかけがありました。当時は派遣会社様が使う専用のシステムが世の中にあまりなかったので、その領域の事業を開始しました。
おかげさまで今、全国各地の派遣会社様2,200社以上で、当社のいわゆる業務を処理するシステムをご活用いただいている状況にあります。当社の事業の8割方は、ほぼ派遣会社様のシステムでやっていますので、まさに業界と一蓮托生というかたちで歩んでいる会社となります。簡単ではありますが、これで自己紹介とさせていただきます。
三浦:はい、ありがとうございます。では松戸様、よろしくお願いいたします。
松戸尚哉氏(以下、松戸):みなさまこんにちは、日本リック株式会社の松戸と申します。私ども日本リックは1984年、労働者派遣法が成立・施行する2年前に立ち上がった会社でございます。労働者派遣法施行時から、人材派遣サービスを中心に人材ビジネスを行っておりまして、今期で第36期目を迎えさせていただきました。
当初は、例えばワープロ専用機であったり、みなさんが普段お使いになっているパソコンが世の中に出てきたとき、購買ニーズは非常に高かったんですけれども。それを使える方がなかなか会社にいらっしゃらないということで、そういったOA機器の操作方法を教えるインストラクター、店舗さんで機能をご紹介するデモンストレーターといった職種を中心に、派遣サービスをスタートさせていただいておりました。
現在はオフィスワーク、それから今申し上げましたとおりの営業や営業支援系、販売支援系、ITエンジニアの領域まで、人材派遣や請負を含めて、各社様に外部人材をご提供させていただいています。本日はどうぞよろしくお願いします。
三浦:よろしくお願いします。では最後に伴様、よろしくお願いします。
伴貴史氏(以下、伴):みなさんこんにちは、hachidori株式会社の伴と申します。よろしくお願いいたします。
弊社は2つ事業をやっておりまして、「hachidori」というチャットボットを簡単に作れるサービスと、「キャスト」というアルバイトのシフト管理ができるサービスをやっております。
二軸とも、弊社は価値ある仕事をどれだけ創出できるかというところにフォーカスして仕事を行っております。どちらも人間がやらなくていい仕事をどれだけ効率化していくかというロボティクスであったり、AIでどれだけの仕事を代替できるかというところにフォーカスしている会社でございます。
ディップさんには去年から出資していただいておりまして、弊社とディップでいろんな会社に対して複数のサービスを展開できるよう、今いろいろと検討しております。本日はよろしくお願いいたします。
三浦:はい、どうもありがとうございました。事前にいろいろお願いをしたとき、みなさん本当に快く受けていただきまして。それといいますのも、今回我々は派遣会社さんのヒアリングなどをさせていただいて、やっぱりいろいろ問題があるなと思い、我々のサービスで何とかお手伝いできないかということを非常に感じました。
そこで、浜田さん、松戸さん、伴さんに出てくださいということで、ちょっと断られるかなということもあったんですが、快諾していただきまして。本当にありがとうございます。
まず最初にユニテックさんからお願いしたいんですが、今ユニテックさんは2,000社以上へも導入しており、我々よりも本当に長い経歴をお持ちの会社ですので、その変遷も含めて今の課題感を簡単にご説明いただければと思います。
浜田:はい、ありがとうございます。先ほど自己紹介させていただきましたように、当社としては派遣業界とともにずっとやらせていただいており、私はなんだかんだで25年間派遣業界に関わっているんですけれども。派遣会社様が置かれている環境は、この数年で間違いなく過去最大の変化が起こっています。
さらに、これから先も変化が起こるという状況にある中で、今日のテーマにも即していると私が感じている、派遣会社様が抱える課題は大きく3つあると考えています。
まず1つ目が「法改正への追従対応」というものなんですけれども。ご存知のように、派遣事業は派遣法という法律のもと、国の許認可でやっている事業になります。この派遣法は、少なくとも3年ごとに変わることになっていますので、まず法律が3年ごとにいろいろ変わります。派遣事業というのはそれに関わらず、いわゆる労働基準法をはじめとする労働関連法もろもろの影響を受けます。
そういうことを考えますと、毎年法律が変わるという状況に置かれています。もちろん、ここにコンプランス対応ということで、業務のあり方、進め方を合わせていかないといけません。ここだけでもかなり、派遣会社としては負荷が毎年かかっているというところが1つ目の課題だと感じています。
2つ目なんですけれども、「業務の多様化・煩雑化」ということになるんですが、これは派遣会社がやらないといけない業務という意味ですね。まず煩雑化というところで言いますと、先ほどお話ししました法改正の対応もありますし、仕事の進め方自体も時代に沿ってどんどん変わっていますから、社員の方がやらないといけない業務もどんどん変わっています。
つまり、社員の方がやらないといけない業務がかなり煩雑になっています。そして多様化というところなんですが、これは派遣事業の大きなポイントが、どれだけスタッフの人を確保できるかということですね。
募集から採用に至ったあと、できるだけ定着してもらいたいという課題もありますし、スタッフの確保は事業のキモになるわけなんですが、その入り口が、私がやっていた10年前、20年前に比べるとだいぶ違います。
10年前であれば、フリーペーパーに求人が出ていて、電話がかかってくる。その対応だけで済んでいた時代もありました。今はWebを中心とした有料求人媒体、あと派遣会社の自社のホームページから入ってくる応募、さらにSNS経由で来るものということで、応募の入り口がかなり多様化している。当然入ってくる場所によって、派遣会社がレスポンスを返すやり方も変えていかなければなりません。
まず、今は応募者に電話をしてもつながらないことが多いですね。メールも返ってこないから、SNSで返す、チャットで返すといったように、いろんなやり方を使い分けないといけないので。この多様化によって業務がかなり増えています。これが2つ目ですね。
3つ目の最後が、「競争環境の変化」……というか激化ですね。実は全国に派遣事業所というのは80,000以上あるんですけれども、これは日本人一人あたりのコンビニの数よりも全然多いんですね。それくらい事業所があって、ここだけでも競争がかなり激しいわけなんですが、私が考える競争というのは、人の確保においては、派遣業界の中だけで戦っていません。
人手不足のなか、正社員、アルバイト、派遣など、いろいろな選択肢が働く側にはある。例えば、今日の午前中に正社員の面接に行った人が、午後には派遣の面接に行くなんてことはザラにあります。派遣のなかだけの取り合いだけではなくて、いろんな会社、いろんな雇用形態と、人を確保する競争をやっています。
本来はここに、派遣会社としては社員のパワーを割かないといけない。けれど、普段の煩雑な業務、多様化する業務に追われて、そこにパワーシフトできていないというのが、派遣会社の非常に大きな課題かなと考えています。
三浦:はい、ありがとうございます。続きまして、日本リックさんはまさにその派遣会社さんなので、もう少し具体的なお話を聞かせていただければと思います。
松戸:はい、私からは日々の業務にフォーカスしてお話ししたいと思いますけれども。今お話がありましたとおり、我々派遣会社には、人手不足の背景もあって、かなりの企業様にご利用をいただいているところではあります。
一方で、そのようなご要望にお答えするためには、派遣スタッフの確保を行っていかなければならないのですけれども、仕事を探している人には実はいろんなタイプの方がいらっしゃいます。
お話がありましたとおり、正社員を希望する方、派遣を希望する方、契約の方。また、当社にすでに派遣登録をしていただいている方、また、まったく初めてで応募してこられる方、繰り返し何度も応募いただいている方など、いろんなタイプの方がいるんですね。
そうすると我々は、お一人ずつそれぞれに対応を、過去の対応履歴を踏まえて、的確に対応していかなければならないのですけれども。そうすると、その方が登録しているのかどうか、今までどんな応募履歴があったのかを全部検索して照合し、歴史をひっくり返す、そんなこともやっています。
それに合わせて、そのタイプが確定する、その属性が確定すると、その属性に合わせたメールを送るとか、お電話を差し上げたり、ショートメールを差し上げたりといったように、人の判断→定型業務→人の判断→定型業務みたいに、人にしかできない業務と定型業務が混在して一連の流れの中に入っているという状況になっています。
また、まさにユニテックさんには基幹システムをお作りになっていただいているんですけれども、なかなか我々の業務を一気通貫で、すべての業務プロセスを基幹システムで解決できるということは少なくて。いろんなサービスを活用させていただいていますが、サービスが増えれば増えるほど、それぞれがスタッフのデータを持ちますので、余計に照合の手間がかかったり連絡の手間がかかったりと、そういった煩雑さに今追われているところですね。
スタッフを確保するためには、日常のスタッフとのコミュニケーションを密にして、我々のファンになっていただいて、我々の会社で働いていただきたい、我々の派遣先で活躍していただきたいというところがございます。本来のスタッフとのコミュニケーションに割く時間が、定型業務に取られてしまっているという現状が、今非常に大きな問題になっています。こういったところ、コボットであったり、RPAのサービスでなんとか解決できないかなと考えていたところです。
三浦:はい、ありがとうございます。最後に伴さんからは、ITが人手不足の救世主になれるのかどうかというメッセージを出されていますけれども、ITという切り口でお話をいただければと思います。
伴:はい、うちの場合はITサービスの供給側なので、すごくポジショントークっぽくなってしまうんですけれども。日本の人口が2053年に1億人を下回るというなかで、ここをせき止めるためには2つしかないと思っています。1つにはインバウンドワーカーというところ、もう1つはITによってどれだけ仕事を代替できるかというところです。
といっても前者のほうは、日本の文化や風土というところからなかなか難しいと。一番的確に、また早くサービス提供ができるということで、やっぱりAIであったりロボティクスというところであると思っています。一方で、今回のターゲットでもあります派遣会社さんであったり、中小企業さんやお店という形態ですと、あんまり(人の)リテラシーが高くないというところが1つ挙げられます。あと、人にかけられるコストが少ないということもあります。
とはいえ昨今ですと、国を上げて労働者保護に進んでおりますので、人が活きる仕事、人がしなくてもいい仕事っていうところをちゃんと分けない限り、今後例えばコンビニの24時間営業が撤廃されるという話もありますけれども、そういったなかでどんどんサービス産業が衰退していくのではないかというのが、社会的な時代背景として挙げられるかなと思っています。
そのなかでIT化というのがどれだけ進むかというのは、コストによると思いますね。導入コストというのは、一つは精神的なコスト。ITに対してリテラシーが低いんだけど大丈夫かなというところの精神的なコスト。あとは金銭的なコストですけれども、どれだけ経済面でバランスが取れるかというところを追求していかないといけないかなと思っております。
ITというサービスは、今まではどちらかというと、お金を持っていてリテラシーも高い大企業向けのサービスとして時代を席巻してきた部分があると思うんですけれども。今後は誰にでも使えるITというものが望まれていると思っております。今回のコボットの取り組みにはすごく期待をしているところでございます。
三浦:はい、ありがとうございます。
最後にですね、そういうことを踏まえまして、我々でいったら「コボット」であるRPAに対する期待感について、最後の締めをお願いいたします。
松戸:今日に至るまでにディップさんからコボットのサービスを一部活用させていただいているんですけど、実はかなりの効果が出てきているというところがございまして。さきほどお話ししました応募者のチェック、各システムとのデータの照合なんですけれども、まずここの部分でかなりのパフォーマンスを発揮していただいています。
我々は9時から会社がスタートなんですが、社員が出社すると毎日データベースをたたいて応募者の名前があるかを確認する。見つけた見つけないによって対応を変えていくということだったんですが、これを始業前にすべてやってくれています。
さきほどアニメーションの中にもありましたが、24時間365日、労働基準法も関係なく働いていただけるので、我々が出社したときには本来の業務を行うためのプラットフォームをコボットさんが作っていただいているということですね。
それから対応方法を分けておくと、決まった時間にやってきて、属性に合わせたかたちでメールをどんどん送ってくれたりとか、連絡をどんどんしていったりというようなこともやっていただいています。
この2つの業務というのは我々が手掛けている一連の業務の中で、その比重がめちゃめちゃ高いかというと、そんなことはないんです。ただ、日々起こることで、日々の業務の足かせになっているという実態がありました。月間にすると、この7月、8月というのは業界的には落ち着いている時期ではありますけども、その時期で40時間ぐらいの削減効果というのが出ております。
おそらくこの後、依頼も増えますし、応募者の数もグッと増えてきますので、そうすると現状から3倍から4倍ぐらい、130時間ぐらいから150時間ぐらいの削減効果も見込まれるかなと思っております。
また派遣会社のノウハウをご存知のディップさんが開発しているものなので、我々がこういう業務を抱えているんだよねということに対して、ピンポイントでRPAの提案をしていただけるということもありまして、我々にとっては渡りに船というところがございます。この二ヵ月、重宝しながら使っております。このあたりがコボットの未来ではないかと思っております。
三浦:ありがとうございます。緊張していまして、順番を間違ってしまいました(笑)。実はユニテックさんとは今回、ユニテックさんのスタッフナビゲーターと、コボットの連携というものをやらせていただいてまして。このあたり、ポジショントークでもけっこうですので、ぜひユニテックさんのほうからお願いします。
浜田:結論を申し上げますと、派遣業界には先ほどお話した課題がたくさんありまして、我々も基幹システムを使って改善をご提供する立場なんですが、基幹システムではやりきれないことがたくさんありますので、今回のディップさんのコボットとの連携を、当社としても喜ばしいとともに、派遣業界のインパクトはかなり大きいと思っています。
ちょっと余談になりますが、ある派遣会社さんが自社の業務分析の調査結果を見せていただいたことがありまして、営業の方とかコーディネーターといわれるスタッフの方に仕事を紹介してマッチングする業務の方々の、一日一ヶ月の業務を分析をされたんです。その方が頭を使ってやらなくてもいい定型的な事務処理におおむね4割。40パーセントの時間が割かれているという結果が出ていました。
これって、営業の方、コーディネーターの方が10人いらっしゃったとして、実質そのうちの4割を定型の事務にとられているとしたら、6名分しかパフォーマンスしていないと。本来の利益成果につなげるための期待業務に対して、60パーセントしか発揮できてないことになります。この4割の部分を、当社としては基幹システムという業務処理をお手伝いする部分、ディップさんのRPA「コボット」は、基幹システムがもっている基本的な情報を使って、さらに業務を効率化したり、あえて人がやらなくてもいい業務を自動化するのが強みだと思います。そういう意味で非常に相性がいいですし、タッグを組んで派遣会社の業務改善、生産性向上をやっていけると確信しています。
三浦:ありとうございます。非常にいい商品だと伝わったと思います(笑)。最後に、伴さんのところが、チャットボットの部分をhachidoriで使っていただいてまして。応募者とのコミュニケーションの部分ですね、今まで電話とかメールからチャットへという流れが加速しているんですけど、そのあたりも含めて、今後コミュニケーションとチャットボットというところでお話しいただければと思います。
伴:直近10年でコミュニケーションってすごい変わったなと思っていて、電話からメールへ、メールからチャットへというかたちで、どんどんレスポンスが早くなってきていると思います。チャットに対するレスポンスへの期待がすごく高くなってきているので、そこをクリアするのは、人間ではなかなか叶えられないなと思っております。
弊社としては、今後もAIとかロボティクスという先端技術を使いながら、ディップさんと一緒に「すべての人に、価値ある仕事を」という弊社のミッションではありますけど、そこを達成できるようにいろいろと協業していきたいなと思っております。
三浦:ありがとうございます。我々はRPAだけでなく、チャットボットとかOCRなど、いろいろな自動化ツールを組み合わせたツールをどんどん開発していきますので、決してRPAにとどまらず、その周辺のAIを巻き込んだ商品をつくっていきたいと思います。
時間がのびましたけど、一旦トークセッションはこのあたりで終わらせていただきます。ありがとうございました。
(会場拍手)
ディップ株式会社
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