2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:SATORI株式会社
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高橋美絵氏(以下、高橋):次にいきたいと思います。次はホワイトペーパーです。「ホワイトペーパー、うちのサイトでも更新して公開してます」って方いらっしゃいますか?
(会場挙手)
けっこういらっしゃいますね。ありがとうございます。ぜひご参考いただければ。先にこれも「ベアメタルクラウド」から。
小川泰範氏(以下、小川):「ベアメタルクラウド」というサービス自体、ホスティング関連のお仕事をしていないと「何?」という感じだと思うんですが、実際そういう状況です。
なので、サービスがどんなものかを知ってもらうために営業資料や詳細な資料をダウンロードするよりは、もう少しライトなコンテンツとして「ベアメタルクラウドって何?」を知ってもらうのが、ホワイトペーパーを作った目的ですね。
ただ、本当は3ヶ月に一度ぐらい出したかったのですが、いかんせん、僕しか人間がおりませんので。ここは後回しになってしまっています。ただ、今期はしっかり予算も取っているので、作っていきたいなと思っています。
高橋:主にリード獲得のための施策として使われている感じですかね。
小川:そうですね。まずはハードルを下げて、リードを取るところが狙いです。
高橋:広告の出稿の時にホワイトペーパーをオファーに使っているとおっしゃっていましたが。
小川:そうですね。いきなり資料ダウンロードはかなりハードルが高いので、ホワイトペーパーをフックにして、まずは興味本位でもいいからダウンロードをしてもらうのを狙いにしていました。思いのほかコンバージョンが取れているので、そこを中心に今はやっていますね。
高橋:ちなみに、事前の打ち合わせでは話さなかったんですけど、制作体制で、どの領域を外注してるんですか?
小川:アウトラインをこちらで決めて、そこからの詳細は外注先にお願いをしていますね。ただ、サービスの詳細はあらかじめしっかり説明をした上で、外注先に考えて書いてもらっています。
高橋:やはり事前の企画がすごい重要ということですよね。
小川:そうですね。
高橋:「track」のホワイトペーパーもお願いします。
吉田将輝氏(以下、吉田):「track」は、オウンドメディアとのつながりがすごく強いホワイトペーパーなんです。これ以外にももちろんあるんですけど、最近はここの量産に注力しています。先ほど申し上げたとおり、まずイベントを起点に記事を作ります。記事を作ったあとに、それをホワイトペーパーにサマライズしていくやり方をとっています。
目的としては、リード獲得もそうですし、ナーチャリングにも使えるので、比較的ファネルの前半に位置するところで活躍してもらっています。
頻度としては、月1ぐらいでイベントを開催しているので、イベントがあるたびになるべく作れるようにはしているんですけど、なかなかここはパワーをかけ切れていないところかなと思います。
体制としては、先ほど記事に関しては外注しているというお話をしたんですけど、ホワイトペーパーをまとめるところに関しては中でやっています。
けっこうオペレーションに落とせるかたちにはしていて、最初の枠作りというか、「こういうふうにサマライズする」みたいなルールづくりだけしてしまって、あとはポコポコ記事に合わせて入れていくかたちにしているので、比較的パワーをかけずに今はできているかなとは思っています。
高橋:小川さんも吉田さんもマーケチームのメンバーがそんな何十人もいるというわけではもちろんないと思いますので、事前に型を作って量産できるようにするところがけっこう重要だったりしますよね。ありがとうございます。
高橋:ホワイトペーパーに関して、次にSATORIのほうにもいきたいと思うんですけど。
おそらくみなさまもお持ちかもしれないんですけど、吉田さんに出ていただいたSATORIのマンガホワイトペーパーがございます。
実は外部の記事で公開するのを前提に作って、そのあとその版権をこちらで買い取って、都度印刷しているかたちです。先日マーケ担当に確認したら、累計の印刷部数が1万部を超えたということで、大ベストセラーみたいな感じになっております。ダウンロードも200件ぐらいされていて、「当社のマーケ施策の中でも相当ヒットかな」みたいな施策にはなっています。
それぞれ、「お客様にどんな方が多いか?」「どんなふうになっていただくと、よりその次の段階に進んでいけるか?」みたいなところにけっこう注力してアプローチしているのかな、という印象を持ちました。
SATORIの場合は、「MAって聞いたことあるけど、どういうことができるものなの?」みたいなお客様がすごく多いので、それに対してマンガで簡単にわかっていただくのを目指したという感じですかね。
急ぎ足ですが、ホワイトペーパーについて、まとめていきたいと思います。
先ほどお伝えしたとおり、使うシーンと誰にどうなってもらいたいかをイメージして制作いただくとよいかなと。もちろん、単純なリード獲得としても非常に使えるツールかなとは思うんですけど、すぐ商談にというわけではないのかなと。少しハードルを下げて、リードを獲得するところに使われることが多いのかなと思います。
そもそも市場がある場合、とくに有効になりやすいかなと思うんですけど、そうでない場合はどうやって使うかがマーケターの腕の見せどころかなと思います。
とくに社名とかサービス名が知られていない場合には、そのコンテンツのネタがよければそれでフックして、自社とか自社サービスを知っていただく良いきっかけになることがあるかなと思います。
あと、お二方からなにか補足はありますか? ……大丈夫そうなので、次にいこうと思います。会場のみなさまはなにかご質問があれば手元に記しておいてください。
高橋:次は導入事例にいきたいと思います。導入事例については、先に吉田さんのほうからお願いしてもよろしいですか? これも一貫したメッセージですね。
吉田:そうですね。スライドに出しているのは「track」のサービスサイト内ですね。なので、オウンドメディアとは切り離してサービスに近いところで事例は出させてもらっているんですけど。
こっちに関しては、役割としては、どっちかというとファネルの後半のほうですね。商談獲得までのところもそうですし、もちろんリード獲得でも使います。ですが、商談中のところで営業が出していったり、変な話、お客さんに稟議を通してもらうときの参考資料に使うことをわりと意識して作っています。
頻度としては、目標月1本というかたちでインタビューはさせてもらっているんですけど、だいたい今だと2ヶ月に1回ぐらいになってしまっているかたちです。
体制としては、こちらも外部のパートナーさんにお願いしていて、編集だけ社内でやり、あとはライター・カメラマンさんは同じところにお願いしているかたちになります。
工夫しているところは、一貫して同じなんですけど、けっこう燃費良くリッチコンテンツを作っていきたいのがテーマとしてあります。導入事例でインタビューをしにいくんですけど、先ほどのオウンドメディアにも使えるようなかたちで、大きく2部構成まではいかないんですけど、けっこう長めにインタビューさせてもらいます。
よりサービスの事例に近いところはサービスサイトで導入事例としてまとめて、もっと広いところの、先ほどのHR周りの施策など、サービスから遠いところに関してはオウンドメディアでスペシャルインタビューみたいなかたちでまとめていくので、1回のインタビューで2本ぐらいのコンテンツを作ることを意識していますね。
高橋:けっこう高度なテクニックですよね。
吉田:そうですね。ネタも課題も、もともと市場にはあるので、なんとか燃費良くしたいなと思ってやってみました。
今はできていないんですけど、これから着手したいなと思っているのが、オウンドメディア側は普通に記事になっていくので、文章をローデータ、生データに近いかたちでまとめていきたいなと思っています。一方、サービスサイト側の導入事例に関しては、もう少しサマリーを加えていきたいと思っています。
先ほどの商談の後半で使ったり、お客さんの稟議の参考資料にしてもらうところを考えると、よりグラフィカルな図解を入れていったり、もっと簡単に情報が入るというか、つかめるようなかたちというのを、見せ方・編集の仕方も工夫して、オウンドメディアとメリハリをつけていこうかなとは思っています。以上のことにトライしていきたいと考えているところですね。
高橋:実はこのポイントが先ほど事前の打ち合わせで盛り上がったところです。まさに課題感が合致していました。小川さんも今一番、事例に注力されているんですよね。
小川:そうですね。先ほどのとおり、リソースが僕だけなので。この月1本というペースはKPIなんですが、こちらのほうの「ベアメタルクラウド」はなかなかできていない現状です。
ただ、今期はできなかったので、来期に向けて……弊社は5月が決算なので「今期」と表現していますが、来期以降はある程度ネタも仕込んであるので、順調にいくかなと思っているところです。
我々のサービスの場合、とくに社名もサービスも知名度が低く、とにかくどこの会社が使っているかを見てもらいたいので、誰もが聞いたことがある企業の事例を今まさに仕込んでいますね。
高橋:実際、期末でいろいろWebサイトの施策を棚卸ししてみたところ、事例がけっこう重要施策だったとおっしゃってましたよね。
小川:そうですね。このサービスでなく、当社のもう1つのプロダクトである「BIZTEL」というサービスのほうでは、この事例のところは相当注力をしていまして、我々マーケ側から取りたい、戦略的に事例を取っていく企業と、関係値として営業が取りやすい事例を取っていく企業の2パターンで作っています。
これまで月1〜2本ペースで事例を公開していまして、ブログに次ぐアクセスまで成長しています。
コンバージョンのルートの中にやはり事例の閲覧が入っているのは、傾向として見えてきているかなというところですね。
高橋:先ほどの事前の打ち合わせでは、すごく高頻度に事例を公開していくにあたって、常にストックを作っていらっしゃるなかで、お客様側の都合で更新できなくてお蔵入りになるものもあるみたいな、「あるある」の話もありましたね。
小川:そうですね。過去に2回ほどネガティブなニュースが出てしまったので事例が公開できないことがありまして…。たぶんこのままお蔵入りなのかもしれません。
高橋:残念なことではあるんですけど、お客様側なので、どうしてもこちらでコントロールしづらいので。そういう意味では、いくつかストックを作っておくことや、計画的に進めることはけっこう重要そうな気はしますよね。
高橋:簡単にSATORIもご紹介します。私どもも事例の増加にはかなり力を入れておりまして、目標月1本ぐらいはやりたいなと思っております。外注の制作費も15万円程度。これも本当に内容によるので、必ず毎回15万円かかっている話ではないんですけど、こんなかたちでやったりもしています。
先ほど、実は3人で盛り上がったポイントというのが、事例は数も重要なんだけど、どういう形のコンテンツにしようかという話でして。私の考えとしては、事例記事自体はたぶん相当読まれているんじゃないかと。
文字ばかりの形にしたとしても、ぜんぜん問題ないんじゃないかなと思う一方で、探し方がすごい重要かなと思います。例えば「自分に近しい企業が使っているのかな?」「自分の課題に合致しているのかな?」みたいなかたちで、簡単に自分に合った事例を探せるのが重要かな、なんていう話を実はしておりました。あとなにかありますか?
小川:そうですね、事例が増えてくるとやはり探し方ってすごく重要かなと思うので、そういった検索、タグで検索できるとか、「そういった機能はつけていきたいね」みたいなことを社内で話していたりします。
1点、「読み物にするか、サマリー版にするか?」という点について結論が出ていなくて…ここでみなさんに聞いてみてもいいですか?
高橋:そうですね。
小川:事例を取材するときに、サマリー版を数多く作ってくのか、それとも1社のしっかりとした読み物がいいのかで、どちらを実践されているかをおうかがいしたいんですけど。サマリー版を公開しているという方がいらっしゃれば教えていただければと思います。
(会場挙手)
ありがとうございます。しっかり読み込ませる詳細版を作っている方はどうでしょうか?
(会場挙手)
やはりそちらのほうが多いんですね。
高橋:逆に言うと、そのサマリー版やグラフィカルなものは、試行錯誤の1つとしては、チャレンジのしがいのあるテーマかもしれないですね。
私が勝手に入れた1枚なんですけど、私は書籍紹介マンでして、いろいろな人に「こんな書籍おすすめです」とか言っています。これは2011年の本で非常に古いんですけどとってもおすすめなので、これから事例を作りたいと考えていらっしゃる方は、根源的な考え方、本質的な部分として、すごく参考になるかなと思います。
例えば「デザインとかはそんなに関係なくって、顔がちゃんと見えていて、タイトルを出せ」とか、そういうことが書いてあって。まぁでも、かっこいいに越したことはないなとは思います。
事例のまとめですね。著名な企業がサービスを使っていることは、実績があるちゃんとしたサービスなんだなと感じていただける。
自分と似た境遇の会社が成果を出していると、「自分でも使いこなして成果を出せるかもしれない」ということで、お客様の口を借りて自社の評判を高めることのできる事例は重要施策だと、3人とも共通していたかなと思います。
個人的に、マーケティングやセールス施策の順番として、お客様先に持っていく営業資料ができて、新しく興味のある方を連れてこれるWebサイトができたら、もう次は導入事例作ったほうがいいよねというぐらい、すごい重要な施策かなと思っております。
高橋:次にいきます。最後はイベントですね。吉田さんのところで「track」事業ではイベントもかなりやっていらっしゃるということをおっしゃってました。もともと施策が始まったきっかけなんかも簡単にだけ。
吉田:そうですね。イベントもブランド化していまして、「AgileHR day」という名前をつけています。やっていることはメディアと近くて、エンジニアのHR関連に関するイベントを、弊社のお客さんの事例もそうですし、弊社のお客さんじゃない著名な界隈の方をお呼びして、トークセッションなりLTを毎月やっているイベントになります。
なぜこれをやり始めたかというと、「エンジニア向けのHR」というくくりは、なかなか広告で出稿するところがないんですね。オンラインのメディアもそうですし、オフラインでのカンファレンスやイベントも、なかなかピンポイントで我々の見込み顧客に会える場がありませんでした。
なので、「それならもう自分たちで作るしかないよね」というのがきっかけで、2年前ぐらいからやり始めたという感じです。このサービスのマーケティングをやり始めたのも2年前ぐらいなので、立ち上げた当初から一番注力している施策になります。
役割としては、リードの獲得もそうですし、ここからストレートに受注まで持っていく流れを作っていて。それが比較的安定して取れているので、毎月毎月けっこうな予算をかけて自社主催でやっています。
高橋:講演いただく内容についても介入して「こうしてください」とか言っているという。
吉田:そうですね。今期は4月から新しい期になりますが、今期に関してはセールス・CS全員で年間のイベントカレンダーみたいなものを作りまして、毎月毎月市場感と合わせたテーマもセットして、それでどういうお客さんを呼ぼうか、どういうテーマでやろうとかも決めていますね。
高橋:もう行き当たりばったりじゃなくて、しっかり計画してされているんですね。
吉田:そうですね。だけど、去年までは行き当たりばったりで、出たとこ勝負みたいなところはあったんですけど(笑)。
高橋:試行錯誤の結果、落ち着いたと。
吉田:そうですね。
高橋:なるほど。ありがとうございます。
高橋:一方で、小川さんのほうはそんなにセミナーなどは実施していないと。
小川:そうですね。サーバ上で何を動かすかはお客さんの自由なので、そこで抱える課題はさまざまです。そのため、どうしてもテーマが広くなりすぎるため、セミナーでお客さんの課題を吸い上げて、それに対する解決策をセミナーで提案できるかというと、難しいと考えています。
なので、もう少しターゲットを狭めるというかたちで、パートナーのソリューションを担い、それに関するセミナーをやるような展開なので、パートナーありきでの不定期の開催というかたちで進めています。
高橋:ターゲット、テーマ、それぞれが合致すればという感じですね。
小川:そうですね。
高橋:イベントについてまとめていきますと、コンテンツネタの宝庫であるので、そこからいろいろ作れますよと。ただ、開催はかなり大変なんですよね。参加者の満足度を高めるには、お願いやお任せだけじゃなくて、積極的に介入していますと。
ただし、「そんなになんでもかんでもやればいいというものでもないでしょう」というのが、イベントに関するお二方の見解でございました。
いい時間になってきましたので、まとめに入っていきたいと思います。
今日うかがった内容をまとめていきますと、ターゲットとなるお客様の人数が少ない市場の場合、リード獲得の場が少なくなってしまうので、自身でコンテンツ制作を進めるしかないというところが、お二方のコンテンツ制作戦略の出発点でありました。
ただ、これはすごく大変なことだと思うんですよね。みなさまもやられていると思うので、ここにいるみなさまは同じ「SATORI」ユーザーという仲間でもあります。一緒に日々試行錯誤でがんばっていきたいなと思っております。
そして、こんな情報交換が、お二方が立ち上げてくださった「SUGM(SATORI Users Group Meeting)」というコミュニティでもしていただけるので……簡単にお二方にご紹介いただければと思います。
小川:高橋さんからあったとおりではあるのですが、「SATORI」の運用だけじゃなくて、実際どんなマーケティング活動をやっているのか、「この部分って実際どうやっているの?」を他社の人に聞く機会はあまりないのかなと思っています。
私自身も1人で実際にマーケティング活動を進めているというところで、相談相手がいるとホッとするというか、困ったときに相談できる相手がいるのはいいなと思いましたので、こういったコミュニティがあってもいいんじゃないかなと思って、立ち上げたのが背景です。
ですので、「SATORI」の使い方に限らず、マーケティングに関して何か相談したいことがあれば、一応定期的に会は催していますので、その場でいろいろな相談ができたらいいなと思っていますので、もしご興味ある方いらっしゃれば、ぜひ参加していただきたいなと思います。
次回の開催が7月10日を予定しています。コンテンツに関しては、今まさに練っているところではあるので、またSATORIさんのユーザーメルマガの中に詳細を記載してお届けできればなと思っています。
高橋:あとFacebookのグループでも。
小川:そうですね。検索いただくと出てくると思いますので、申請いただければ承認処理をさせていただきます。ぜひよろしくお願いします。
お二方、今日はどうもありがとうございました。みなさま、ご清聴いただきましてありがとうございました。
小川:ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:みなさま、ありがとうございました。以上でパネルディスカッションを終了いたします。もう一度盛大な拍手でお送りください。
(会場拍手)
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