2024.12.02
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スペシャルゲストセッション#2 「世の中の流れを受けた結婚式の変化概観と多様化事例」(全1記事)
提供:株式会社リクシィ
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安藤正樹氏(以下、安藤):今度は第2部ということで、今日、宮崎夫妻、酒井夫妻にご協力いただきました。2組の共通項は、ちょっと変わった結婚式をしていることです。まずそのあたりをうかがっていければいいなと思っています。
宮崎謙介さん、金子恵美さん。まず、どんな結婚式だったのかを、スライドを交えて紹介いただけますか。
宮崎謙介氏(以下、宮崎):はい。変わった結婚式というか、国会議員同士の結婚式だったので、関係者が非常に多かったんですね。なので、我々の結婚式は6回やったんです。
安藤:6回。この記者発表の案内状に「6回」と書いたことを、もちろん私は知っていたんですが、私が結婚式を4回挙げたことは、今まですべり知らずで来たのですが……。
金子恵美氏(以下、金子):超えさせてもらいました。
安藤:負けちゃったということで、あれは自信満々に言うのはやめようかなと(笑)。
宮崎:いえいえ、特殊だと思いますので(笑)。
安藤:6回というのは、どういう6回だったんですか?
宮崎:基本的に、政治家向けが1回で、経済人向けが1回。そして我々の地元、私は京都なので1回、新潟で2回。それで親族向けが1回ということで、合計6回ですね。
安藤:6回はどれぐらいの期間で?
宮崎:8月から12月ですね。
金子:そうですね。半年以内で。
安藤:けっこうタイトですね。
金子:タイトにやりましたね。
安藤:じゃあ月2回結婚式ぐらいの?
宮崎:月に2回の時もありました。
安藤:すごいですね……。その中で、一番思い出に残る結婚式はありますか?
宮崎:どれも、もちろんカラーはありましたけど。
金子:うん、それぞれにありましたね。
宮崎:レストランウエディングみたいなものもやりました。なんと言っても、全局のマスコミのみなさんに入っていただいた結婚式がありました。安倍(晋三)総理に主賓でお越しいただいて、あとは我々の家族や友人という、すごく極端な並びでしたね。
安藤:そうですね。組み合わせがすごく極端(笑)。
宮崎:上司がたまたま総理だったので。
金子:席順の難しさという意味で言うと、安倍総理、菅(義偉)長官と……どこにどう入れるかみたいなのは難しかったです。さきほどのセッションを聞いても、そういうことはフラットになったほうがいいなと思いましたよね。
安藤:なるほど。気を遣わずに。
金子:令和時代はいいなと思いましたね。
安藤:確かに1テーブル何席置くかみたいな感じで、2人だけというのもダメだし、6とか7人にすると一緒に座ると気まずいなとかあるし。
宮崎:並び順がとにかく難しい世界なので。
安藤:確かにそうですね。2人が変えたくても、社会的な何かの合意がないと変えにくいですよね。
宮崎:そうですね。まさにおっしゃるとおりです。なので事務所に確認するんですよ。席順を作って各先生の事務所に「これでいかせていただきます」と言って、クレームが入ったら替えていました。
安藤:著名な方の結婚式ならではの悩みは案外出てこなさそうなので、ちょっと珍しい話です。
金子:特殊でしたね。
安藤:へえ、すごい。おもしろいですね。
宮崎:結婚式を6回挙げるのは意外と面倒くさいなと思ってやっていたんですけど、やってみて、実は2人とも……。
金子:いや、本当によかったですね。男性もですけど、女性も何度もお色直しをやるんですよね。今日もドレスを着せていただきました。
安藤:はい、非常にお似合いです。
金子:いい歳して着ちゃいましたけど。
安藤:いえいえ。
宮崎:もう41歳だよね。
金子:年齢は言わなくていい(笑)。
安藤:すごい掛け合い(笑)。
金子:そうなんですけど、女性は一生に一度、華やかな、そしてまたお姫様のようになる夢を持っていると思います。私はそのドレスも7回くらい着させていただいて、「何回着てもいいものだなぁ」と正直思いましたよ。
安藤:すばらしいです。その6回は毎回ドレスですか?
金子:ドレスと、あと京都は和装です。
安藤:なるほど。いいですね。ぜひ結婚式の価値を伝えていっていただけるとありがたいなと思います。
金子:いろいろあったけど、やっぱり結婚はいいなと思いました。そして、結婚式はいいなと思いました。
宮崎:7回目の結婚式を、仕切り直してみようと思います。
安藤:そうですね。それはこのあと発表いただきたいなと思います。ありがとうございます。
安藤:続いて、酒井芳樹さん、薫さん、お願いします。
酒井芳樹氏(以下、酒井芳):お願いします。
安藤:一般の会社にお勤めされているので、みなさまはご存じないと思うんですが、かなり変わったウエディングをしたお二人ということで、そのあたりを語っていただきたいなと思っております。当時は鹿児島に住まれていたという。
酒井芳:鹿児島の森のほうに30年ぐらい使われていない廃校がありまして、そこを舞台にして、1泊2日で結婚式をやりました。
安藤:それはお二人だけが泊まるわけではないですよね?
酒井芳:ゲスト全員です。アクセスがけっこう悪くて、公共交通機関がないんですね。新幹線が止まる駅からバスをチャーターして、朝まで結婚式をやって、翌日は温泉を回って帰るみたいな。
安藤:おお。なんて言うんでしょう……旅行スタイルなんですかね。
酒井芳:旅行みたいですよね(笑)。県外からのゲストがけっこう多かったので、そこでぐるっと鹿児島を満喫してもらって。
安藤:なるほど。なぜ、それをやろうと思われたんですか?
酒井芳:もともとは、最初は僕らもインスタグラムの画像で見て憧れがあったんですけど。それで、いわゆる普通の結婚式場に下見に行って、ちょっと違和感を感じていて。
安藤:その時は、いったん結婚式場を見に行ったんですね。
酒井芳:そうなんです。自由さという部分で、もうちょっとできることがあるなと思ったので、その次にフリーのウエディングプランナーさんにお話を聞きに行って。ただ、その時も違和感を感じていて。
その違和感は、結婚式を作るのがめちゃくちゃ楽しそうだなと感じたことで。自分たちが作る過程を経験して、それを自由自在にできる場所と思ったら、森の中の廃校がたまたま見つかったんですね。
安藤:すごいですね。そこで1個飛躍があるわけですね。
酒井芳:そうなんですね。
安藤:実際やってみてどうでしたか? 「ゲスト側から『1泊2日で呼ばれるのは、どうなのかな』とか思われないかな?」ということはありましたか?
酒井薫氏(以下、酒井薫):正直ありました。
安藤:正直ですね……。安心しました。
酒井薫:ありましたので、とくに私の友達、女性の方はとくに1泊2日の準備も大変だと思うので、しっかりと事前に連絡をして。
安藤:大変ですよね。
酒井薫:でも、私たちがなんで結婚式をするのかというところで、自分の周りに小さいコミュニティが、それぞれたくさんあるじゃないですか。それを全部ひとまとめにして大きなコミュニティにしたいなと思っていました。なので、1泊2日という時間をかけて、みんなで一緒に空間をつくっていくところに重きを置いていました。
酒井芳:つながりをつくりたい結婚式は、よく聞くじゃないですか。僕らの結婚式は、そういう仕掛けや時間も長かったので、そこで実際に出会った人が今度結婚するんですよ。僕らの結婚式で出会った、まったくの他人と他人だったんですけど。
安藤:へえ、すばらしすぎますね。
酒井芳:そういうつながりを生めたかなという。
安藤:なるほどなるほど。まさに令和的な(笑)。
酒井芳:コミュニティ(笑)、令和的ですね。
安藤:でも、3年半ぐらい前ですかね。この2〜3年の変化で令和を語っていますので、ちょうどいいのかなと。
(一同笑)
酒井芳:そうですね(笑)。
安藤:薫さんの着られているドレスもいろいろ工夫されたとうかがっていまして。
酒井薫:そうですね。さきほど説明されていたんですけど、実際にメルカリで買ったドレスです。
安藤:ぜんぜん(中古に)見えない。美しいドレスですね。
酒井薫:ありがとうございます。私は、結婚式の準備期間に、前撮りも含めて全部で4着着たんですが、全部仕入れ先が違って、一般的なレンタルはしていないんですね。例えば、メルカリや楽天などのネットショップで、普通に購入しました。
あと、インスタグラムのお譲り。DMでやりとりしました。結婚式が終わった花嫁さん「卒花嫁さん」が、自分が着たドレスを次の方にお譲りするというものがあります。
安藤:インスタグラム上で「私が着たドレスをあげますよ」というか。直接DMでやりとりして、「振込口座はここに」というものが来て振り込むような。
酒井薫:それもやってみたんですね。あとは、もともと知っている知人の方に借りるパターンもあります。両方のパターンでやってみたんですね。買うときもそうだったんですけど、売るというか、終わったあとの行き先としても全部やってみました。
安藤:それは経験してみようという感じだったんですか?
酒井薫:それもありますし、もちろん節約にもなります。私自身があんまりお姫様に憧れがなかったというか、完璧なドレス姿を求めているわけではなくて。
安藤:なるほど、なるほど。
酒井薫:そういうこともあって4パターン格安ドレスを売り買いしたんですけど、全部違うというか。お譲りはかなり思い入れがあります。
安藤:そうですね。気持ちが入るんですね。
酒井薫:そうです。自分が大事な日を一緒に過ごしたドレスなので。その行き先を思いを込めて選びました。メルカリは普通にフリマとして安く買えました。
安藤:ちなみに、差し支えなければ、おいくらぐらいだったのかも教えていただけますか。
酒井薫:一応、このドレスは1万9,000円ぐらいでした。
安藤:それはちょっとびっくりしますね。普通に買うと、たぶん桁が1個変わるぐらいですよね。
酒井芳:ドレスに限らず、装飾品なども全部メルカリで売れるんですよね。だから、結婚式で使ったものは本当になにも残っていなくて。ハネムーンで世界一周旅行に行きたかったので、そのためにも全部売ってしまって。
安藤:なるほど。結婚式で用意したものは、人間関係的にも、経済的にも資産化する感じがありますね。すごいですね。そういうノウハウがあると……お金を理由に結婚式をやらなかった方が、「こういうやり方を知っていれば結婚式ができたのに」と思うのと、もったいない部分もいろいろとありますね。
酒井芳:ありますね。
安藤:はい、変わってきているのかなと。
酒井薫:あと、お譲りは新しい方と出会えるんですよ。花嫁同士のつながりもできていくので、そういう意味でも、今すごく流行っているし、価値があると思います。
安藤:すごい。いろいろなやり方があるんですね。
安藤:いろいろな結婚式のスタイルがある中で、最後に宮崎夫妻のお話に戻るんですけど、「7回目の結婚式もありかな」とうかがっているのですが。夫婦間での話し合いは、これからなんですよね。
宮崎:そうですね。
金子:本人が禊ぎとしてやりたいのであれば。
(会場笑)
それは大いにやりましょう。私はなんでも乗りますからね。
安藤:それはなかなか、私はその文脈で語れるといいなと思いながら、パスを出しづらいなと(笑)。
宮崎:式を挙げるということは、また誓うか・誓わないかは別として……。
安藤:いや、それは誓うでしょ(笑)。
宮崎:誓うことを含めて、やったほうがいいかなとは、ずっと思っていまして。
金子:そもそも、私たちが普通に歩いていると、「まだ婚姻関係続いているの?」と思われて、二度見されるんですよね。
安藤:逆に誤解されているケースがあるということで、「きっとあの2人はああなったんだろう」と。
宮崎:もしくは結婚式に来た人もそう思っているかもしれないですね。
安藤:(笑)。
金子:だけど、私は今日のお話をみなさんずっと聞いてみてもそうですし、考え方・価値観が多様化しているので、当然結婚式もそうなっていく時代だろうと思うんですよね。
そういう中で、私たちも、人様から見たら「いや、いろいろあったし、幸せじゃないんだろう?」と思うかもしれないけれど、結婚や結婚式の自分たちが楽しい・幸せだという瞬間は、ほかの方にどうこうじゃなくて、自分たちが納得するべきだと思っているので。
安藤:そうですね。間違いないですね。
金子:そういうこともあって、本人がその禊ぎを経て、また幸せな日々を過ごしたい。実際、今は幸せなんですけども。結婚式は、そういうことのきっかけにもなるのかなと思います。
安藤:そうですね。うかがい方によっては、恵美さんが「当然、お前やるやろ?」というふうにおっしゃっているようにも聞こえなくもないような。
宮崎:まぁまぁ。そういうことなんですかね。
安藤:私と宮崎謙介さんの関係性は、ドリコムという会社の時に一緒に仕事していたんですよね。
宮崎:そうです。私の上司が安藤さんです。
安藤:3年ぐらいですかね。けっこう長いです。最初に仕事をやっていたということで。
宮崎:だいぶ苦労しましたね。
安藤:私の知り合いの中でも、彼が圧倒的に知名度がある状態なので。
宮崎:いやいや(笑)。
安藤:こういったご縁もあって。結婚式をやられていない方も、結婚したあとにお子様が生まれたことをきっかけに、家族のあり方みたいなのを確認しようという感じで、結婚式をされる方も徐々に増えているのかなと。
宮崎:まさに私たちがやるとしたら、子どもも一緒にやりたいですね。
安藤:そうですね。お二人の文脈で言うと、7回目となると、かなり尖っていらっしゃるんですが、やる位置づけのようなところで、家族の存在やあり方を、みなさんと確認することやシェアする気づきは非常にあるかなと思っています。私は、そういう意味では、非常に意義深い活動になるんじゃないかなと思います。
宮崎:そうですね。我々の家に結婚式の大きなパネルがなぜか3枚ぐらいあるんですよ。
安藤:パネルがあるんですか?
金子:「なぜか」っておかしい(笑)。
宮崎:特大パネルがあるんですよ。妻がけっこう気に入っていまして、リビングに飾ってあります。
安藤:謙介さんと恵美さんが6人いるような感じになって。
宮崎:だいたいそんな感じです。
安藤:お子さまも「どれがお父さんかな?」みたいな。
宮崎:そう、みんな同じなんですけどね(笑)。子どもからすると、「ここに自分がいない」って言うんですよ。
安藤:ああ、なるほど。
宮崎:おなかにはいるんですけど。
安藤:もういらっしゃったんですね。
金子:はい。
宮崎:なので、「おなかにいるんだよ」て言ってもピンと来ないみたいで、子どもを入れたパネルで結婚式をやりたいなと思います。
安藤:すごくいいですね。
安藤:結婚式をやらなかった方もそういったかたちで機会があると。今、逆に子どもが生まれたからやろうというのはまだメジャーではないので、そういうことはどうなんでしょうね?
結婚式をやりたかったけど、いろいろなタイミングが合わなくてやらなかったという方もいらっしゃる中で、いずれやれたらいいかなと思うけど、きっかけが見つからないという方もいらっしゃるのかなと思っていて。
ぜひ、そういったところの世の中の方々の後押しができると非常にいいかたちかなと思います。
宮崎:またぜひサポートしていただいて。
安藤:そうですね。7回目はいつなさるんですか?
宮崎:ええと、令和元年のうちにやりたいですね。
安藤:けっこう時間はギリギリですね。
金子:準備に時間がかかりますよね。
宮崎:常にタイトにやってきますので。
安藤:なるほど。酒井さんたちはどれぐらいの準備期間で結婚式を?
酒井芳:僕たち、ちょうど半年ぐらいですね。
安藤:半年でいけるみたいですね。
酒井芳:いけますね。
安藤:年内に間に合う……。
宮崎:凝ったものができますね。
安藤:と思いますので、ぜひぜひ。7回目の結婚式の際にはみなさまにもお知らせさせていただければなと思いますので、そのあたりの打ち合わせもできればと思っております。
宮崎:よろしくお願いします。
安藤:それそろ時間ですかね。大丈夫ですかね。それでは、トークセッションの第2部、以上で終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
(会場拍手)
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