2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
スペシャルゲストセッション#1「世の中の流れからみる、令和時代のウエディングとは」 (全1記事)
提供:株式会社リクシィ
リンクをコピー
記事をブックマーク
安藤正樹氏(以下、安藤):今回の場にみなさまご協力いただきまして、誠にありがとうございます。まず簡単に自己紹介をいただければと思っておりまして、経沢さんからお願いしてもよろしいですか?
経沢香保子氏(以下、経沢):みなさん、こんにちは。株式会社キッズラインという、アプリでシッターさんや家事代行が1時間1,000円からで、日本中全国24時間いつでも予約できるサービスをやっています。Uberのベビーシッター版のようなサービスと言うと一番わかりやすいと思うんですが、非常にたくさんの方に使っていただいています。
結婚式の多様化のように、育児も多様化しているので、非常に令和的なサービスだなという。すみません、自分でアピールしてみました(笑)。今日はよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
安藤:ありがとうございます。次はスペースマーケットの重松さん、よろしくお願いいたします。
重松大輔氏(以下、重松):株式会社スペースマーケットの重松と申します。イベントスペースや会議室や古民家などあらゆるスペースを1時間単位で簡単に貸し借りできるWEBサービスを運営しています。
サービスを開始して5年経ち、現在は1万件を超えるスペースが掲載されています。ホームパーティやオフサイトミーティング、撮影なども多い中で、ウエディングに関連する利用として、古民家での前撮り撮影や二次会利用も多いです。また結婚式場が平日のチャペルや打ち合わせスペースを貸し出す事例も増えてきています。本日はよろしくお願いします。
(会場拍手)
安藤:ありがとうございます。シェアリングエコノミー協会の代表理事も兼ねていらっしゃいますね。
重松:はい、そうですね。シェアリングエコノミー業界を一丸となって活性化していくことを目的に業界団体を立ち上げました。現在は、シェア系サービスに関わる企業や団体を中心に約300社に加盟いただいております。非常に令和っぽいサービスにも多く加盟いただいております!
安藤:今日はもうとにかく令和っぽいかどうかというところで(笑)。
経沢:(笑)。
重松:そうですね。キーワードですね。
安藤:(笑)。はい、ありがとうございます。じゃあその中で、急に制約がかかるという逆接的な感じですが、次は榎本さんから。
榎本純氏(以下、榎本):オリジナルライフ株式会社・榎本と申します。よろしくお願いします。
「ウェディングニュース」という結婚準備のポータルサービスを運用しています。「検索しなくても、知るべき情報と出会えるサービス」を作っていまして、一応、だいたい50万人ぐらいの方に使っていただいているサービスになっております。
一応、結婚式場さんのメタサーチサービス「結婚式の実例から探せる結婚式場検索」をやっておりまして、情報が分散して探しづらい人たちに対して、探しやすいものを提供していると。「Choole」さんとも提携させていただいています。
我々はインスタにすごく力を入れておりまして。今日呼んでいただいているのは、たぶんその文脈だと思うんですけれど、Instagramでは我々のサービスがブライダルで一番フォロワーが多いと。大変令和っぽくですね。
安藤:(笑)。
榎本:我々が花嫁さんの実例を紹介するかたちで伸ばしておりまして。今の花嫁さんは、ソフト志向で多様な結婚式をされているので、今日はそういった話ができればと思っております。よろしくお願いします。
(会場拍手)
安藤:ありがとうございます。
安藤:まず経沢さん、女性代表と言うと妙なプレッシャーがかかるとアレなんですが、男性が多いとコメントが偏るかなということでご協力いただいたわけなんですが。
経沢:ありがとうございます。
安藤:お立場的にも結婚式に参加する機会が多いのかなと思って。
経沢:そうですね。やるよりは参加するほうが多いかなと思います(笑)。
安藤:なんとなく、昔から今に至るまで、結婚式がこんな感じで変わってきたとか、もし体感値的なところであればお願いできますか。
経沢:そうですね。もう20年も会社を経営しているので、主賓で呼ばれることが多いので、私は最後までスピーチがちゃんとできたことないんですよ。いつもすごく泣いちゃう。
安藤:泣いちゃうんですね。
経沢:泣いちゃうんですよ。私がいきなり泣いてどうするんだみたいな感じなんですけど、結婚式はその日のイベントですけど、結婚するまではそこまでのストーリーがあるじゃないですか。
安藤:それまでの歩みが見えてくるんですね。
経沢:そうなんです。とくに女性が相談してきたりして、結婚する・しないとか、「こういうことがあったんだ」みたいなエピソードや、その子が仕事をすごくがんばってきたこと、人生の全部をわーって思い出しちゃって、泣かないでしゃべれたことが一度もないぐらい。やっぱり結婚式って、すごくmovingというかtouchingというか、すばらしい場所だなと思うんですけど。
確かにその開催手法ややり方、場所などは、非常に個性があると思いますね。昔の親のための家族的な儀式から、今は自分たちがみんなと一緒に新しい出発を楽しむようなイベントになってきて。そこは会社・組織の変化と非常に似ていますよね。フラットな感じになってきているなと思っています。
安藤:そうですね。会社との関係に近いのは、すごくいいキーワードですよね。なんとなくヒエラルキー型で会社が育ってきたところから、フラットとか、副業を認めるみたいな感じで、むしろ個が主体的になってきた。
経沢:結婚の副業はよくないと思いますけどね(笑)。
安藤:それはもう絶対ダメですから。本当にけしからんと思います。
安藤:最近、印象に残っている結婚式はありますか?
経沢:そうですね。最近出たというよりは、東京ドームなどの驚くような場所で結婚式をやるのが流行っているのがすごく印象的です。あとは、バーベキューをやりながら、結婚式をやったり。それは本当にスペースマーケットさんや、さまざまな事業者さんの努力だと思うのですが、ホテル以外の場所も増えてきたなと思いますね。
安藤:うんうん、なるほど。
経沢:あとは新幹線でやるというのも聞いたことがあります。
安藤:僕の勉強不足もたくさんあるような。だけど、ローカル線の電車内で結婚式をやって町おこしというようなものはけっこうニュースになるので、逆に地方創生と言うと大げさかもしれないですけど、結婚式で注目を集めるようなやり方はもっと増えてくる気はしますね。
経沢:そうですね。
安藤:場所を問わずというふうになってくると、重松さんの得意な分野なのかなと思います。
重松:得意な分野ですね。まず、結婚の前にプロポーズがあると思うんですけど。
安藤:間違いないですね。
重松:サプライズプロポーズのようなものでよく使われるのは、映画館を貸し切って……。
安藤・経沢:えー。
重松:呼ばれて行ったら「あれ、2人しかいない」となって、貸し切りで映像を見たあとに、仲間たちがわーっと出てきてお祝いをやる。
安藤:すごいですね。
経沢:プロポースを失敗したらどうするんですか?
重松:ね、どうするんですかね。めちゃくちゃイタイですよね。
安藤:(笑)。
重松:そういうプロポーズに使われるのがすごく多いですね。
安藤:すごいですね。
経沢:人生がイベント化しているのはありますよね。
重松:イベント化してる。そう。ソーシャル化している。
経沢:会社もイベント化して、採用もミートアップ。プロポーズもみんな「Join us」みたいな感じなんですね。
重松:「Join us」は確かにそうですね。
フォトジェニックで……まさにインスタの話がありましたけど、インスタ映えを意識して絵づくりに入っているようなところは変わりましたよね。インスタ映えやFacebook映えみたいに、昔はそこまで絵のことは考えていなかったじゃないですか。
経沢:全部が「映える」時代ですから。プロポーズも映えるし、結婚式も映えるし、オフィスも映える。なんでも映えるみたいな。
重松:そう、なんでも映え映えですね。
安藤:なるほど。
安藤:ほかに「こんなところに結婚式の会場に使われるんだ」ということはありますか?
重松:そうですね、やっぱり古民家はよく使われますね。古民家を貸し切って、「あったかホームウエディング」をやる。前撮りもけっこう古民家が多いです。古民家の一軒家を貸し切ったりもしますね。
安藤:そういうものって、一部のイベンターで「イベント慣れしてます!」みたいな、すごくクリエイティブな人がやっぱり多いのか、あんまりそんな感じでもなくて、「わりとそういうのも珍しくはないよね」という印象なのかというと、なにかありますか?
重松:私もこのサービスをやって5年になるんですけど、最初はそういう本当に先進的な人がやっていた感はあるものの、やっぱり今はそういうプランナーの方やオペレーターの方もすごく増えていると思うんですよね。なので、最近はわりとカジュアルに普通の人がやっていると思いますね。
経沢:わりとソーシャルで「あっ、こんな結婚式あるんだ」って。
重松:そうそう。
経沢:結婚式は、Facebookやインスタなどで一番シェアされると思うんですよ。友達の結婚式に行くほうも気合が入っているし、やるほうも気合が入っているから、ついつい上げるのが当然みたいな感じになる。「えっ、こんな結婚式があるんだ」というので、たくさんの人がユニークな結婚式をやっているイメージが加速しているのかもしれません。
重松:確かに。ですね(笑)。
経沢:「帝国ホテル、重厚感?」みたいな感じになってる。
安藤:私はこれが大好きなんですが、今日のセットのビジュアルも少し凝っているつもりです。わりと映えみたいなところを重視したウエディングのスタイルが広まれば広まるほど、初めて結婚式に出る方は、揶揄されがちでもある、いわゆる旧来型のフォーマットが「やっぱり感動する」ということは実際あったりもして。
重松:ぐるっと回って。
安藤:そうですね。やっぱりよくできているんですね。私も大好きなんですけれども。さまざまなウエディングが生まれてくることにより、今まで行われていたスタイルもまた価値が再度認められてくるのかな、みたいな気もしていて。
経沢:外さないですからね。
安藤:そうですね。本当にすばらしいかたちだなと思いますし。
安藤:もう1個は集う価値が生まれていますよね。先ほどの話題にもありましたが、会社の中でもイベントがすごく増えてきて。
重松:そうですね。
安藤:結婚式場やプロポーズも、集うこと自体に意味がある。なぜならば、それがSNS的な意味での価値もある。逆にソーシャルでの関係性から、顔を合わせるような意味もある気がしています。
どちらかというと、結婚式はなんとなく「幸せのために」や「祝福のために」というものがわりと前面に出がちな印象だと思うんですけど。我々も結婚式をやられた方に話をうかがうと、「みんな集まったことにうれしかった」「そこで支えられている、支え合えていることへの価値を感じた」という意見がけっこう増えてきているなと思いました。
経沢:なので、参加のハードルも少し下げているということはありますよね。
安藤:そうですね。
経沢:もちろん、レジェンドなものもすごく気が引き締まる感じですけど、最近はお祝儀も電子マネーで払うと聞いたことがあって(笑)。確かにご祝儀を用意するのは手間はあり、筆で書くよりは、ピッてやったほうが管理も楽ですね。
安藤:うんうん。緊張しますからね。
重松:確かに。
安藤:インスタが与えている影響が非常に大きいと思う中で、ウエディング業界で一番インスタのフォロワーが多いというか、運営されていると言えば、オリジナルの榎本さんかなということで、今日協力くださっているわけですが。ウエディングにインスタが与えた影響など、そのあたりを教えていただけますか?
経沢:どんなものが一番投稿されるんですか?
榎本:一番多いのは、先ほどもおっしゃられたように、結婚式の当日の写真が一番多いですね。「#結婚式」というハッシュタグで、たぶん今500万投稿ぐらいされているんですけど、そういったものがやはり一番流通します。事前に準備されている中で言うと、ドレスの投稿はすごく多いかなと思います。
経沢さんが話していた変化の話で、すごくおもしろいなと思っていたのが、会社もどんどん変わっていくので、いろいろなものが出なくなるんですよね。結婚式もその影響がけっこう出ています。
例えば、席次表があると思うんですけど、席次表は今けっこう変わってきていて、昔は役職を書いたと思うんですけど、なにも書かなくなっているんですよね。
そうすると、席次表の中に名前だけ出る。名前だけ出ていると、何のための席次表があるのかよくわからなくなってきているので、「席次表自体がもういらないんじゃないか?」という方がけっこう出てきています。
今だとエスコートカードというかたちで、席次表ではなく、もう少し意味のあるものにお金を使っていきたい、演出に絡めていきたいという方が出てきている。こんな変化が起こっているかなと思います。
安藤:インスタで結婚式の情報を集めるのも、いわゆる「SNS大好きです」という方がやっぱり多いんでしょうか? 普通に一般の方……レイトマジョリティ的なところまで、インスタで情報を当たり前に集めているんでしょうか?
榎本:たぶんこの1年でけっこう変わってきているかなと思います。
経沢:普通にインスタだと思います。インスタはユーザーの検索流入がどんどん増えていますし、普通に育児でもインスタです。あとは、結婚式のケーキとか、みんなすごく見ます。
榎本:そうですね。
安藤:見るんですね。
経沢:私は元リクルートなんですけど、ゼクシィでもケーキを載せるとコンバージョンが上がるという感じ(笑)。
(一同笑)
安藤:業界側事情。
経沢:ケーキ人気がすごい。
榎本:今の大学生の子たちの普通のタイムラインで、結婚式の投稿がけっこう流れてくるみたいで。
安藤:流れてくるんですか?
榎本:大学生が普通にインスタを使っていても、ブライダルがあまりにも多いので、普通に生活していてブライダルのブランドを知るようになってきていて。それはかなり大きな変化で、昔はそれこそ、プロポーズされたあとに結婚式の情報を調べ始めて、初めてブランド名を知るという流れが変わってきていると思います。
経沢:すごくびっくりしたのが、(結婚式を)何回もやる人がいますよね。
(一同笑)
あれはすごく、どういうことなんだろうと。
安藤:あっ、今、私にいいパスをくれているような(笑)。
そうですね。一応「海外でやりたい」という妻の意向があったので「イタリアでやろう」と。ちゃんと話すと、前職が結婚式場の会社で、唯一の福利厚生が「社員の結婚式は半額」だったんですね。
経沢:へえ。
重松:すごい(笑)。
安藤:一応、社員に来てもらおうとすると、結婚式の仕事をしているので土日は無理だし、友達に来てもらおうとしたら土日じゃなきゃ無理なので。僕が役員というのもありまして、「半額というのは2分の1でやるためじゃなくて、2回やるためなんだ」と言って、2回やりました。
それで、2回目はもう親族は来ないですから、全員社員みたいになりました。「社員総会じゃん?」みたいな感じだったんですけど。会社の関係性で、みんなで結婚式をやると少し違った関係性が生まれてきたりするので、結婚式をやることで自分たちがまだ知らない関係性が出てくると少し感じられて、それはすごく発見がありましたね。
経沢:じゃあ、目的別開催みたいな感じ(笑)。
榎本:普通に多いのは、新郎新婦の地元が分かれているので、それぞれの地元でやっているんですよね。
重松:地元と東京で2回やるみたいな。
経沢:業界的には盛り上がっていいですね。
安藤:そうですね。本当に多様なスタイルをうまく伝えていければなと思っております。ちょうど時間が来たということで、みなさん協力ありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
(会場拍手)
株式会社リクシィ
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには