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株式会社ソウルウェア​ 小林裕輝​ 氏(全1記事)

2019.06.27

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みかんの品質を見極める、kintoneを使った選別と学習 農家の妻を納得させるその学習ステップとは

提供:サイボウズ株式会社

2019年5月23日、なんばHatchにて「kintone hive osaka vol.7」が開催されました。kintone hiveは、日々の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有するリアルイベントです。本パートでは、株式会社ソウルウェア​の小林裕輝​氏が登壇。kintoneを使った、作業場不要でどこでも選別できる「みかん選別アプリ」について語りました。

素人目にはまったくわからない、みかんの選別作業

小林裕輝​氏:「kintoneで覚えるみかんの選別」というテーマで、株式会社ソウルウェアの小林が今日はお話させていただきます。よろしくお願いいたします。

私はソウルウェアでエンジニアとして働いているんですが、2年ほど前までは東京で働いており、そのときにみかん農家の妻と結婚したことをきっかけに、地元の和歌山にUターンしてリモートワークで働いております。

今回お話しさせていただくテーマのきっかけなんですけれども、土日に家で休んでいると、妻から言われたことがこのような内容でして……。「休みなら、みかんの選別手伝ってよ」と。「方法は見て、まあいい感じに覚えていってよ」と言われたんですね。

選別とは何かということなんですけれども、みかんの品質に応じて赤秀、青秀、加工、廃棄というふうにランク付けをする作業なんですね。妻はこのランク付けを、みかんを手に取って箱詰めにする途中の1〜2秒で完了させてしまうんです。それに対して私は10秒くらいかかるんですね。みかんを持ってはコロコロひっくり返しながら、これくらい時間がかかってしまうんです。

その理由に判定基準の曖昧さというのがあります。この写真ですと赤印のところですね。黒い点々があるかと思うんですけれども、これくらいなら赤秀です。

一方こちらは、小さく傷があるんですね。この傷はそのうち腐るものだよと言われるんです。

正直私からすればそれがぜんぜんわからないんですね。そのたびに妻に確認をするわけです。そうすると妻の作業中断が何度も何度も発生してしまい、手伝おうとしたのに結果的に足手まといになってしまうんです。

kintoneで実現した疑似選別アプリ

そこで私は、まず作業場での選別をやめました。kintoneで擬似選別できるアプリを作ったわけですね。目標としましては、妻の作業の邪魔をしないこと。もう1つは、妻と同じレベルになることを目標にアプリを作りました。

作成したアプリの簡単な構成図はこのようになっています。アプリ上にカメラ機能と撮影したみかんの画像に対して手書きコメントができるような機能を実装しました。

ここからは実際の流れを動画で説明させていただきます。

こちらの写真は実際の作業場の写真です。こちらでまずみかんの撮影をしました。三脚にカメラを置きまして、kintone上に実装したカメラ機能をタップすることでカメラモードに切り替わります。あとはみかんを置いていくだけの作業です。

みかんを置いて赤いところの撮影ボタンを押すだけです。こうするとアプリ上に自動的に登録されますので、あとは順々にみかんを登録していくだけの作業になってます。

次に妻のみかんの擬似選別のステップです。こちらは私が目指すべき正解になっております。

選別モードを立ち上げると撮影したみかんが表示されますので、印を入れて妻はどのようにしてこのみかんを選別したのかコメントを記入してもらうんですね。妻は早いので、流れ作業のように行っていきます。次々撮影したみかんが表示されますので選別を繰り返していくだけです。

次は夫である私がみかんの選別を行います。ここは妻の正解と私の選別の差異がどれくらいあるかというのを登録するステップでもあり、私のスキルの現状を知るステップでもあります。

選別モードを立ち上げるとコメントのない画像が表示されますので、私はランク付けを行います。このとき妻との正解に差があるときは不正解というかたちで表示されてしまうんですね。ちょっと残念ですね。一方で正解の場合は、そのまま正解と表示されるかたちで。まずは自分のスキルがどれくらいかというのがわかるんですね。

作業場不要で、どこでも選別できるアプリのメリット

ここからが本題の部分です。自分の不正解のみかんのデータが登録できましたので、次は学習するステップです。学習モードを立ち上げると先ほどの妻のコメント付きの画像が表示されますので、それを見ながら学習していくわけです。

これは虫の害があるけど気にしないレベルだよということなんですね。私は正直そんなことぜんぜんわからなくて、これを見て初めて「あ、このレベルならば問題ないんだ」ということに気づくことができたわけです。

このようにして学習ステップと自分の選別機能を繰り返していくことで妻とのスキルの差を埋めていって、不正解になるデータが減っていったんですね。それによりスキルが向上しましたので、絶対的な選別量がまずは上がりました。

もう1つは今ご覧いただいたkintoneでの作業というのは作業場では行いません。家でもどこでも、kintoneですのでどこでも作業ができます。ですので、妻の作業を中断しません。当初の目標である妻の作業の邪魔をせず自分のスキルを上げるという目標が達成できて、足手まといではなく少しでも戦力になることができたかなというのが今回のお話になります。

5分と短いですけれども、『kintoneで覚えるみかんの選別』というテーマで発表させていただきました。ありがとうございました。

(会場拍手)

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