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有限会社エスケイ・アイ・コーポレーション 永尾好美 氏(全1記事)

2019.06.03

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何もかもがアナログチックだった会社が変わった kintoneで業務効率化アプリを作りまくった結果

提供:サイボウズ株式会社

2019年4月18日、kintone公式ユーザーズイベント「kintone hive fukuoka vol.4」が開催されました。kintone hiveは、日々の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有するリアルイベントです。本記事では、長崎県の有限会社エスケイ・アイ・コーポレーションの永尾好美氏が登壇。「kintoneで実践した『見える化』と『見せる化』」をテーマとし、業務効率化をすることで会社に訪れた変化を語ります。

長崎県佐世保市からkintone hiveに参戦

永尾好美氏:エスケイ・アイ・コーポレーションの永尾好美と申します。よろしくお願いします。このkintone hiveの登壇者が公募されるのを知って、これはぜひ参加したいと思って社長に相談して、今回応募し、無事、この場に立つことができました。

これだけでも「やった! 目標クリアだ!」と思ったんですけど、今、ものすごく緊張しながらお話ししてますので、何か変なことを喋ったりとかするかもしれないんですけど、変なことはTwitterにあげないでいただけるとうれしいです(笑)。

まずは私の自己紹介をさせてください。本日私、長崎県佐世保市より参りました。年齢を言うのは差し控えさせていただくんですけど、子どもが3人おります。一番上が高校2年生、中学3年生、そして一番下が保育園の年長さんです。

一番上の高校2年生のお兄ちゃんが小学校1年生に上がる時に、小学校は6年間のうちで1回は必ずPTAの役員をしないといけないというのを聞いて、1年生のうちにやってしまったほうが楽だろうと思って、足を踏み入れたら、2年生の時からずっとPTAの本部役員を続行しております。今年も中学校でPTAの本部役員をやっております。

会社での私の役割は、下っ端の下っ端ですね。さっきグラウド(の星野)さんが「戦略的総務」と言われて、「かっこいいわ、私もそれになりたい」と思った総務に属してます。会社に電話がかかってきたら、だいたい私が電話を取るので、私の声が聞きたいなと思ったら電話をかけていただけるとありがたいです。

会社は、長崎県佐世保市にある、エスケイ・アイ・コーポレーションに所属しています。エスケイ・アイ・コーポレーションは、今月で創業70周年を迎える、パート・アルバイトを含めて、従業員数がだいたい30人前後の会社です。なにをやっている会社なのかなというと、印刷や出版、ホームページ制作、動画制作など、なにかを企画してかたちを作るお仕事をしています。

お客さまのなにかを作ることが多いんですけれども、自社の媒体も持っておりまして、『月刊ならでわ!』というフリーペーパーを毎月月始めに発行しております。ぜひ、佐世保にお越しの際は手に取っていただけるとありがたいです。

作業伝票を1枚ごとに手書きしていた

さっそくkintoneの話に入りたいと思います。

うちの会社がkintoneを知ったのは、今から7年前、2012年になります。2012年に、お得意先様である、伝統工芸品である現川焼を作られている窯元臥牛窯様の現在の社長さんから「よさそうなやつがあるので、会社に1回話しに行っていい?」とご連絡があって、一緒にご来社いただいたのがサイボウズさんでした。

そのサイボウズさんがkintoneを教えてくださったんですけど、kintoneの内容を聞いていたら、月額の維持費もそんなに高くないし、私でも簡単に作れそうだなと思って、「これはぜひ使いたいな」と思い、使い始めました。

ただ維持費はそんなに高くないとはいえ、お金がかかるものです。私は下っ端なので、最初に稟議書を作りました。その稟議書になにを盛り込んだかというと、(スライドを指して)おわかりいただけるでしょうか。

ウチはモノを作っているので、現場には「こういうふうなものを作ってください」という仕様書を回すんですが、以前は3枚複写の紙に書いていました。なぜ3枚あるかというと、1枚目がその現場に作ってもらうためにまわす紙で、2枚目が営業さんが保管する紙、3枚目が受注簿に転記するための紙でした。

営業さんが手書きするというだけでも大変なんですけれども、その3枚目を使って私たち総務が受注簿に一つひとつ転記していました。名刺一つから1枚の伝票を切るので、ものすごく量が多いんですよ。毎日お昼ご飯を食べたら、1時間、受注簿に向かいます。多い時だと3時間くらい、この作業伝票と受注簿に向かいあっていました。

私の中では、これがクリアになるだけでも、もう万々歳だったんですけど、これだけだともしかしたら弱いかもしれないなと思って、他にもkintoneにできそうなことを考えてみました。

一番上に書いてある作業伝票の発行、受注簿。それ以外に、納期のスケジュール。名刺とかはだいたい1週間かからないで納品することができるんですが、記念誌や本・ホームページなど、納期までのスパンが長いものは、最初に立てていた納期よりも長くなったり短くなったりすることが、営業さんとお客様の間であります。ただ、それを現場にフィードバックしてくれたらいいんだけど、営業さんの頭のなかだけで留めちゃったりするんですよね。

印刷スケジュールに関しては、制作室の大きな壁に、2週間分の印刷のスケジュールが貼ってあって、「この日にこの印刷機だけで、この印刷物を行います」ということがわかるようになっています。

壁に貼ってあるので、そこに行かないとわからないんですよね。また、印刷をするための紙の在庫を工場に持っているんですけれども、この在庫も実際に工場に行かないとわからない。

なにもかもがアナログチックだったんですよね。ここらへんをつついたらいけるんじゃないかと思って、上に提出したら、無事「kintoneを導入してみてもいいよ」と答えが返ってきました。

kintoneでのアプリ作成で一苦労

実際にkintoneを触れるようになって、いろいろなアプリを作りまくりました。さっきの稟議書のなかに書いていた、紙の在庫アプリは、もともとのテンプレであった備品在庫のアプリをいじっただけなんですけど、工場スタッフが紙が入った時と使った時に枚数をプラスマイナスで書いてくれる。この作業だけでkintoneを見れば、在庫数がわかるようになりました。

それ以外にも、フリーペーパーの部門が広告受注をしているんですが、実際に入金があったかどうかは、経理にその都度確認しないとわからなかったんですよね。だから、売上は上がったんだけど、回収していなくて、売掛金がどんどん溜まってることがよくありました。

ここを見るだけで、どこまで入金してもらってるか確認することができ、まだ入金になっていないところにはお声掛けをすることができるようになり、簡単に管理できるようになりました。やりとりもkintoneにコメントで残すことで、スタッフが辞めた後など、後から誰が見てもわかるようになりました。

私たち総務がどうにかしたいと思っていた、作業伝票のアプリ化は、ものすごく気を遣いました。もともと紙の伝票があったので、みんなそれに慣れ親しんでいるんですよね。それを全部署で使うので、「え、なんでこれ?」みたいな声があがってくるんじゃないかなと思っていました。

だから、がんばって紙の伝票と違和感がないように、同じ場所に同じ項目を作ったんですよね。注文があったらここ、注文日はここ、納期はここ、仕様はここ、みたいな感じで作ったんですけど、「文字が小さい」「書きたい項目が書けないんだけど」。同じ配置で作ったにも関わらず、「どこになにがあるのかわからん」と、いろいろな部署からいろいろな声をいただくんですよね。

「すみません、わかりました。これはこっちに持っていきます」ということをやり続けて、今に至ります。7年間、ずっと改変し続けてます。この作業伝票以外にもいろいろなアプリを作ってみて、使ってみて、改変してというのをずっと続けています。

7年かけてkintoneの価値を広める

アプリを作り変えたら、「あれ?」と思う人が出てくるので、一応スペース内で告知しています。写真付きで用途を書いて、関係部署に通知を出す。見てくれた子が、いいねって押してくれたりすることもあります。ただ、これを見ていない人もいるので、その時は口頭で、「これを変えました!」と言ったりしています。やっと7年経って、ここらへんが周知できてきたかなと思っています。

最初の稟議書に入れていたスケジュールなんですが、kintoneじゃなくて、Googleカレンダーにしました。なんでkintoneじゃなかったんだというのもありますけど、こちらが簡単だったからです。Googleカレンダーは今、印刷スケジュールだけじゃなくて、社内や営業の予定なども共有をしています。こうやって共有する仕組みを少しずつ作っていきました。

そうしたら、もっと共有したくなって、うちの会社ではポータル画面で「総務からのお知らせ」を出しています。うちの会社はステキな会社で(笑)、毎日誰かしら休んでいて、「今日の休みは、○○さんです」「明日の休みは○○さんですよ」と書いたり、「ここで懇親会がありますよ」「今日○○さんのお誕生日ですよ」とか。

知ってても知らなくてもいいようなことなんですけど、とりあえずポータルに出しとけば、みんな見てくれるかなという感じで使い始めました。

ただ、ポータルをこう使うことをみんなに言っていたわけじゃなくて、ただ私がちょこちょこ修正をしていたら、みんな「ここに行けば、なにか書いてあるんだな」と思ってくれるようになって。最初は見られていないな、とは思ったんですけど、見られていないからやめるんじゃなくて、続けることが大事なのかなと思うようになりました。

kintoneのアプリを作りまくったんですけど、その前には一応、こういうことをしたいなというのを手書きで書き出しました。スライドは私の字じゃなくて、営業さんでこういうことを考えるのが得意な人がいて、「kintoneでこういうことをできないのか?」ということを、バーっと書き出してもらって、それを私が作りました。

なにも考えずに、むやみやたらに作るよりかは、こういうふうに考えて作り始めるのがいいのかなと思っています。そうしたら、当初考えていたよりも、たくさんのアプリができあがりました。総務では、いろいろ管理するものがあって、Excelで管理しているやつはとりあえずkintoneにしておく感じになりました。

手書きの束縛を逃れ、大幅に効率化

使わなかったアプリもあるんですけど、ほとんどのことをkintoneでするようになりました。こうやって続けていたら、いろいろな効果が表れてきました。まず、すぐに表れた効果なんですけど、これは絶対に変えたかった作業伝票ですね。

これまでは手書きでしていたので、名刺1つ、同じものを作る時も最初から手書きしないといけなかったんですけど、kintoneだとコピーができるので、作業伝票を作る時間がおよそ半分以下に短縮できました。

また、受注簿の転記をしなくてよくなったんです。毎日1~3時間やっていた転記が、やらなくてよくなって、これだけで本当に万々歳でした。そして、この空いた時間が、別のことに充てられるようになりました。

あとは1~2年で見え始めた効果なんですけど、紙在庫のアプリとか、受注表のアプリ、フリーペーパー部門の受注表のアプリですね。もともと紙在庫があるんだけど、営業さんがそれに気付かなくてまた注文して、また在庫が増えてみたいなことがありました。kintone導入前は、どんどん在庫が溜まっていたんですよね。kintoneでアプリ化することによって、眠っていた価値を現金化することができました。

フリーペーパー部門では、売掛金の回収漏れが格段に減りました。経理の声掛けもあるんですが、今はほぼ100パーセント、回収漏れはないです。その結果、キャッシュフローがよくなりました。キャッシュフローがよくなったら、会社がきれいになりました。

kintoneを導入して3~4年くらいなんですけど、外壁を塗り直してきれいになったり、お金を使って整理したりしたところもあれば、私たちに時間ができて、お金をかけずに整理整頓ができるようになってきれいになったところもあります。あとは、総務メンバーが今まで私服だったんですけど、制服も買ってもらえました(笑)

個人的に助かったこともあります、最初に子どもが3人いるとお話ししたんですけれども、子どもが小さいと、熱を出して急に会社を休まなければいけないことが、今でも本当によくあります。kintoneに「このお客さんとこういうやりとりをしています」という記録を取っていたら、私がいなくても会社にいる他のメンバーがそれを見て対応してくれたりしました。

また、対応できなくても、自宅でkintoneを見ながらお客様と直接やりとりすることができるようになりました。今(一番下の子が)5歳なんですけど、3人目が誕生しても仕事が続けられたのは、このkintoneがあったからかなと思っています。

7年続けてきたら、周囲のスタッフからもいろいろな案が出てくるようになりました。昨日帰りがけに「好美さん、ちょっと相談があるんです。こういうアプリを作りたいんですけど、ちょっと時間とれませんか?」と言われたり、「このアプリ、ここをもうちょっとこういうふうにしたら、もっといいようになると思うんだけど……ちょっと一緒に考えてみませんか?」など、そういう声が、いろいろ挙がってくるようになりました。

もう一つは、7年使っているのでデータという財産ができました。データが蓄積されて、簡単に分析を行えるようになりました。管理部門や上の人たちがすごく喜んでいます。探す時間も、ものすごく短縮できました。

昔、手書きの受注簿を作っていた時は、「何年前のやつかな? たぶんこのくらいだろうから、これを見て……ああいや違うな、もう一つのデータにないかな?」みたいなことをやっていました。kintoneになって、すぐ検索ができるようになったので、探す時間がものすごく短縮できるようになりました。

佐世保ひいては長崎にkintoneを広めたい

こうやって社内でいろいろ使えるようになったら、今度は社外とやりたくなって、お客様にゲストアカウントを発行して一緒にプロジェクト管理をすることを、2~3年前から行うようになりました。

これも、ごく限られたお客様としかできてないんですが、今まではExcelで情報を管理して、それをメールで送って、向こうでまたExcelを書き換えてメールで送ってきて。Excelが、本当に増殖していたんですよ。これをkintoneにすることによってその作業が減って、「どれが一番新しいExcelの情報なのかわからない」みたいなことがなくなりました。

こうやって使えることがわかってきたら、どんどん欲が出てきて、「社外でも、もっと使いたい」みたいな状態になりました。ただ、なぜか佐世保では、「kintone」という言葉をほとんど聞かなくて..。ネットでkintoneの情報をいろいろ漁っていて、ネット上には情報が溢れているんですけど、佐世保ではぜんぜん「kintone」という言葉を聞かないんですよね。

3~4年前くらいにサイボウズさんが佐世保に来て講演された時も、サイボウズさんを知っている方はほとんどいなかった。私の今後の目標は……大きな目標になりすぎるんですけど(笑)、佐世保や長崎とかに、kintoneをもっと広げたいなと。

kintone大好きさんな私にとっては、佐世保でいろいろな人とkintoneのやりとりをしたいなという目標を掲げてみました。あまりにも大きすぎて、「この場で発表するの、どうなのよ?」と思いながら、資料を作っちゃったので言います。

なので、kintoneをいっぱい使われているみなさんのお力を借りながら、佐世保にkintoneを拡げていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします(笑)。こちらで最後になります。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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