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次の100年は女性がつくる「パナソニックのカルチャー&マインド改革」セミナー【トークセッション】(全2記事)

2019.03.29

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社員のライフイベントを許容できない組織に多様性はない パナソニック女性幹部の信念

提供:パナソニック株式会社

2019年2月2日、パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社 本社にて、「次の100年は女性がつくる『パナソニックのカルチャー&マインド改革』」セミナーが開催されました。本パートでは、パナソニック株式会社の女性幹部やキャリア入社の女性社員が登壇し、トークセッション形式で意見を交わします。今回は、より現場に近い立場で企業改革に取り組む幹部たちが思いを語りました。また、参加者たちからは、転職での不安や働き方に関する質問が寄せられました。(※登壇者の肩書きはイベント当時のものとなります)

時間や場所にとらわれない働き方が可能

少徳彩子氏(以下、少徳):皆さんにお聞きしたいと思います。入社してみて、働きやすい会社だと思いますか? 少しプライベートな話もされていると思うんですけれども、皆さんにとって、パナソニックという会社は働きやすい会社かというところと、可能であれば、皆さんのみならず、皆さんの周りの方を見ていて、客観的に働きやすいと思えるかどうかについても、少し触れていただければと思います。

では、はじめは藤田さんにお願いしてもいいですか?

藤田真穂氏(以下、藤田):私は、最初に少しお話しさせていただいたんですけど、今、プライベートで育児をしている状況を考えても、すごく働きやすい会社だなと思います。私は保育園に子どもを通わせているんですけど、子どもにトラブルがあった時に呼ばれて行くこともあります。テレワークの活用など、時間に制限がないところは、私にとっては非常に働きやすいです。

また、私は先週インフルエンザにかかって、お休みさせていただいていたんですけど、そんな中でも在宅勤務というかたちで仕事をして、Skypeを活用して会議などの業務に参加させてもらっていました。

例えば、育児をしているワーキングマザーとして職場の中でどう見られているのかというところなんですけれども、一般的にはやっぱり、トラブルなどで急に帰らなければいけなかったり、働けなくなったりという状況が出てきます。

ほかの会社では、上司の方から不満を言われるということも聞いたことがあるんですけれども、私の場合は、逆にサポートしてくれているようなかたちかなと思っています。批判されるようなことは、今まで一度もないです。逆に、私のチームだけではなく、周りの方からも「大丈夫?」とお声がけをいただいたりしています。

私のいるデザインセンターの年齢層は、40代、50代の男性の比率が高いです。今は共働きが普通だと思うんですけれども、そうではない世代の方々が、ご自身では実感されていないかもしれないんですけど、これからの会社のことを考えた時に、共働きの世代が当たり前になってくることを理解して、サポートしてくれる風土だと感じています。

少徳:ありがとうございます。天羽さん、どうでしょう?

みんなで働きやすさを推進していく文化がある

天羽千佳氏(以下、天羽):働きやすさでいうと、働きやすくなり始めたのかなというのが正直なところです。いま、ちょうど上層部の方々が中心になって、制度の見直しをしてくださっています。

その中で、先ほどお話があったように「在宅勤務制度をどんどん取り入れよう」「私の課は今週は1人1回は在宅勤務をしよう」というふうに、少しトップダウンなところもありますけれども、制度を使ってみて、いいところや悪いところを出して、より良くするためにはどうすればいいのかを話し合って進めている、そんな状況なのかなと思っています。

昨日はちょうど映画が安い日だったのですが、「今日は映画が1,000円の日だから、早く退勤して映画を見て帰るね」と言っている方もいらっしゃいました。そういうふうに、少しずつ変わっているのかなと思います。

世の中的には、2019年はリモートワーク元年だという話も出てきていると思います。パナソニックは、そういった世の中の動きに必ず追随して、上を目指しているなと実感していますね。

「ああ、こういうふうに変わっていくんだな」と思いますし、「もっと働きやすくするためには、こうしたらいいんじゃないの」という声を拾ってくれるといいますか……月に1回、1on1といって、課長とマンツーマンでミーティングをする機会があるんですけれども、「最近どう?」という話のなかで、「ここをもっとこうしたいんですよね」というと、「じゃあ、次の週はそうしようか」といったかたちで、みんなでどんどん働きやすくしていこうという文化に変わってきています。それも、働きやすいと感じている部分になるかなと思います。

少徳:ありがとうございます。本間さんはいかがでしょうか。

自分のワークスタイルを上司や周囲に受け入れてもらえる

本間千明氏(以下、本間):私もすごく働きやすいなと実感しています。いろいろな制度があるというだけでなく、自分で選べることが一番大きいかなと思います。

私自身は、あまり家にいたいタイプではないので、自宅にいる用がなければ基本的にはこの素敵なオフィスで、同僚たちとワイワイしながら仕事をしたいと思っています。でも、どうしても都合があったり、夕方の15分だけ子どもの担任の先生が家庭訪問に来る時もあります。

今までは、わざわざ年休を取ったり、午後休を取って家にいたんです。でも、その15分のために会社を休むのもバカらしい話なので、上司に「その日は在宅勤務します」「30分くらい抜けます」という話をすると、「家庭訪問頑張ってね、玄関が大事だよ」と言われたりします。

(会場笑)

実は、出張が結構多いんです。北海道から九州まで出張しているんですけど、皆さんリスクを見ては前泊で行くこともありますが、私は「朝9時に九州だよ」と言われると、「(子どもがいて前泊できないので)始発の新幹線なり飛行機で行きます」と言います。そして、「それでいいよ」と許容してもらえます。

自分で「こうしたいです」というと、「オッケー、それでいいよ」と認めてもらえることが、すごく働きやすいなと感じている点です。

少徳:ありがとうございます。お三方のお話を聞いていると、必ずしも完璧ではないけれども、制度が少しずつ進化して、且つ皆さんが声を上げてくださることによって、より働きやすい環境が一歩一歩確実に進んでいるんだなと、改めて実感しました。

山中さん、そこで満足をせず、さらに今後どういうふうに変えていきたいと思っていらっしゃるかを、ぜひ幹部視点でお願いします。

働きやすさとは「ワークライフバランスと成長機会」

山中雅恵氏(以下、山中):いきなりハードルが高くなっちゃったんですけど、働きやすさは2つの軸だなと思っています。ワークライフバランスは当然なんですけど、そこでちゃんと、それなりに成長の機会が与えられるかという前提も大事かなと思っているんです。

そういう意味で、いろいろな人生の選択や自分の働き方がサポートされるような制度・カルチャーが、ちゃんと会社の中で醸成されていく必要があるんじゃないかなと思っています。

私も先々週、米国に1週間ぐらい出張しました。その間、子どものことは旦那が頑張ります。夜に空港から帰ってくると、子どもが私のパジャマにくるまって寝ているわけです。さすがにキュンとなって、何とも言えない罪悪感がありますよね。

やっぱりいろいろな想いがあって、全ての女性が全員バリバリ、とにかく会社で上に上がっていくのを目指すべきだとは言い切れないんです。でも、せっかく仕事をするんだったら、やりがいを持って仕事をしてもらいたいなと思っていますし、それを支えたいです。

例えば、私が所属しているパナソニック システムソリューションズ ジャパンという会社では、昨年7月から男性の育児休暇を義務化したんです。奥さんが専業主婦であろうと、働いていようと、義務化しました。2週間は義務で、1ヶ月までは会社からお給料を出すから休んでいいよ、という形にしました。また今後、専門職制度をスタートさせる予定です。

特にSEさんが多い部分もあって、必ずしもラインマネージャーにならなくても、ちゃんと処遇されます。例えば、SEとして自分の匠の技を磨いていけば、それでもきちんとキャリアアップできるということを実現するため、専門職制度を取り入れようと考えています。

そうした形で会社が後押しすることで、皆さんのワークライフバランスがキープされて、且つ、それぞれの価値観にあった働きがいを得られるような環境にしていく。世の中の変化とともに、私たちもそれを感じ取って、どんどん進化させていく必要があると思います。そうしたことを必ず実現していきたいと思っています。

幹部自ら全事業所を巡回し、カルチャー・風土を醸成

少徳:ありがとうございます。決してハードルが高い質問ではなかったですね。

山中さんが来られて1年半強ですよね。やっぱり、外の視点を持って入って来られる方は、私たちにとっても非常に刺激的で、且つ、私たちが思いつかないことをいろいろとご提案いただきます。

私はよく「そんなこと、変えられるの?」「それって、変えられない理由があるの?」と山中さんに言われており、その答えに窮するということは、やっぱり理由になっていないんだなと思います。

じゃあ、1回チャレンジしてみればいいんじゃないかなということで、実はこの2人(少徳氏と山中氏)は、コネクティッドソリューションズ社のダイバーシティ推進担当をやっております。先ほど樋口さんからご紹介がありましたけれども、これもちょうど活動し始めて1年半弱が経過しております。

実は昨日も、私と山中さんで福岡の事業所に行ってきました。先ほどのご質問の内容に関連すると思うんですけれども、今年、私たちはいろいろな取り組みをやっております。

そのなかで、「キャラバン」という名前をつけて、全事業所を巡回している取り組みがあります。取り組んでいる理由は、浜離宮の本社からワーワーと発信しているだけでは、日本中のあちこちにある事業所にまでなかなか浸透しないと(考えたからです)。

抵抗勢力とまでは言わないけれども、組織の責任者や部課長が、しっかり会社の方針を理解して実践してくれないと、いくら若手の人たちがそれを期待しても、止まってしまう。それで、今年もこの下期に全事業所を回って、組織責任者の方とディスカッションをして、事業場長にフィードバックして、課題を共有して帰るということをやっております。

それ以外にも、今年は組織責任者向けのeラーニングをやったり、全従業員向けに毎年ダイバーシティフォーラムも企画しており、2月末に実施します。全従業員の勤務時間内に参加してもらうという取り組みは、かなり地道なんですけれども、一つひとつを積み重ねることによって、私たちのカルチャー、風土の一部として定着させていきたいと思ってやっております。

質問の時間がなくなってきているので、最後に、皆さんに一言ずつお願いしたいんですけれども、皆さんにとって「仕事ないしはキャリアはなんですか?」というところを、できるだけ短めにお願いしたいなと思います。

まず、山中さんからお願いします。

仕事は恋煩いに似ている

山中:私は本当に仕事が大好きなんですね(笑)。仕事って、恋煩いに似ているなと思うんですよね。「どんなことを仕掛けたら、もっと世の中の役に立つだろう」ということを常に考えて、それを実行していくプロセスが大好きです。

今、パナソニックのコネクティッドソリューションズ社は変化していて、ものすごく面白いタイミングにあります。急に勧誘モードに入っているんですけど、もし、皆さんの中で、パナソニックのコネクティッドソリューションズ社の変化のエンジンの一部になりたいなという想いが少しでもあったら、かなり面白い時期なので、ぜひ入社を考えてみていただければなと思います。どうもありがとうございます。

少徳:ありがとうございます。本間さん、お願いいたします。

本間:人生100年ということを考えた時に、あとだいたい30年ぐらい働けます。働くか働かないかや、どういうふうに働くかを選べるわけですが、私は、すごくワクワクしたり、楽しかったり、人生を幸せにしたいと思っています。

仕事で潰されたり、疲弊していくのではなく、仕事が生きがいになるとか、働きがいがあるとか、なるべくキラキラしたいなと思っているので、そういう意味でここに来られてすごくよかったなと思っています。

少徳:ありがとうございます。藤田さん、お願いします。

藤田:私もやっぱり働くのが好きなんです。社会に出ていたいという気持ちが強いです。その中で、自分で何ができるかを考えた時に、私の場合はデザインなんですけれども、デザインを介して社会に新しいものをつくっていきたい、もしくはそれに参加していきたい、携わっていきたいという気持ちが強いです。

このコネクティッドソリューションズ社は、BtoBが中心ですけれども、デザインという観点でも、これからもっともっと可能性があるなと思っています。なので、興味を持たれた方は、ぜひ考えてみていただけたらと思います。ありがとうございます。

少徳:ありがとうございます。では最後に天羽さん、お願いします。

世の中の人のためになる仕事ができるやりがい

天羽:私はMr.Childrenの『彩り』という曲が好きなんです。歌詞の中身はよくわかっていないところもあるかもしれないですけど、「キャンバスがあって、ちょっとずつ色を塗るのは自分だよ。どんな色を塗るのかを決めるのも自分だよ。自分がやった小さな仕事が、回りまわって世の中の誰かのためになっている」という歌詞があるんですね。

その歌がすごく好きで。私も、どんなに小さい仕事でも一生懸命やって、それが回りまわって、世の中の人のためになっていると考えた時に、「よし、やったな」と思うんです。この会社で、そういった小さな積み上げをやっていって、誰かの役に立つ仕事をしたいと常に考えているので、もっとキャリアを積んでいきたいと考えております。

キャンバスがどんな色になるかはわからないんですけど、赤色なのか黄色なのか、銀色なのか金色なのか、そこに一緒に色を塗りたい方がいらっしゃれば、一緒に仕事をさせていただければなと考えております。

少徳:ありがとうございます。パネリストの皆さん、今日はありがとうございました。

ではここから、どんなことでも結構ですので、遠慮なくどしどしご質問をいただければと思います。

司会者:ありがとうございました。では、質疑応答のお時間とさせていただきたいと思います。ご質問のある方は、挙手をお願いいたします。

ワーキングマザーに聞く、リアルな1日の過ごし方

質問者1:今日はありがとうございました。私も今、2歳の男の子を保育園に預けながら、ほぼフルタイムで、たまに残業といったかたちでお仕事をしています。御社に勤めているワーキングマザーの方が、どのようなかたちで1日を過ごされているかをおうかがいしたいと思います。よろしくお願いします。

少徳:それはやっぱり、本間さんか藤田さんにお答えいただきたいと思います。

本間:では、私からお話しします。私は一応、営業企画なので、お客さまとのアポイントもあります。子どもが熱を出したということであれば、調整するという手もあるんですけど。一日のスケジュールは、何も予定がないと、基本的には9時ぐらいには会社に来て、定時ぐらいまでいます。

子どもの小学校の予定がある日は、前もってスケジュールに入れてきます。そこには打ち合わせを入れないでくださいというふうに、スケジュールをブロックできるので、自分のプライベートな時間をキープできます。

あとは、仕事の忙しさに波があり、企画の最終段階の時は帰りがすごく遅くなったりもします。朝早く来たりもするんですけど、何もない時は本当に早く帰って、子どもと過ごす時間を作ることもできます。誰かに指示されているわけではなく、自分で決めてメリハリをつけて、スケジュール調整をしているということです。

基本的には定時で帰っているんですけど、毎日定時に帰ると決めているわけではないですし、皆さんも結構自由にやっているかなという印象です。在宅勤務の回数もとくに制限はなく、事前申請も必要ありません。上司と自分が共有できていれば、いつでもオッケーで、当日になって急に「こういう理由で在宅勤務にします」「午後は帰って家でやります」でも大丈夫です。

藤田:私は、朝がやや遅めで、だいたい9時半頃に出社します。打ち合わせは、やっぱりFace to Faceが一番いいかなと思っているので、基本的に通常は会社に出社しています。

ただ、例えば体調が悪くて、このままだと出社が難しくなりそうだなという時は、在宅勤務にさせてもらって、体調を見つつ仕事をすることもあります。私は浜離宮オフィスに勤務しているんですけれども、通勤は家から1時間ぐらいかかるんです。往復で2時間ぐらいかかることを考えて、逆にその時間を仕事に充てたい時は、あえて在宅勤務を選ばせてもらうこともあります。

そういう場合は、事前にチームのメンバーに共有しておいて、「今日は在宅ですが、Skypeはつながっていますし、会議もできますし、何かあれば連絡ください」という形でやらせてもらっています。

質問者1:ありがとうございました。

司会者:まだ質問を受けられますので、ぜひお願いします。

子育てをしながら転職することへの不安

質問者2:本日はありがとうございました。私は同業他社に勤めているんですけれども、あまりにカルチャーとマインドが違うので、びっくりいたしました。

2つ、質問させていただきたいんですけれども、まず1つ目は、実際にキャリア採用ということで転職された方に伺いたいです。小さいお子さんをお持ちの状況で転職するのは、心配なこともいっぱいあったと思うんですけれども、不安に思っていたことはなかったでしょうか?

そして、会社側の方にお伺いしたいのは、そういった女性をキャリア採用するにあたって、どうしても男性社員とは別の……リスクといったら語弊があるんですけれども、ライフイベントが重なることもあると思います。そうしたなかで、女性のキャリア採用に対して、どんなことを期待しているのかを教えていただければと思います。

少徳:ありがとうございます。1つ目の質問は、また(藤田さんと本間さん)お願いいたします。

藤田:はい(笑)。不安という意味では、逆にどうなるかわからないという不安があったんです。ただ、この会社は、私の中ではフラットに言いたいことを言って、意見交換ができる環境はあるかなと思っています。

ですので、実際に入社してからチームのメンバーにも「こういう突発的なこともある」と、自分の状況を共有した上で、逆に困った時はどうすればいいかの相談もしつつ、いまの自分のスタイルがあるのかなと思っています。

自分だけではなく、あくまでチーム単位で仕事をしていると思っているので、いかに皆さんと自分の課題を共有して、解決方法を導き出すかというところがありました。

少徳:本間さん、お願いします。

本間:実は、私も転職にすごく不安がありました。その不安を全部、「こういうところが不安です」「こうだと困ります」と、面接の時にいいました(笑)。例えば「当分転勤は困ります」「泊まりの出張はできません」など、私ができないことは、基本的に最初にいいました。

「それでもいいですか」と確認して、「全然問題ありません」という回答をもらいました。「本当かいな」と思っていたんですけど、本当でした。私に子どもがいるからといって、それをハンディキャップだと思っている人は、感覚的にはたぶんいないです。

「あなたは子どもがいるから、仕事を任せるのをやめよう」なんて思われたことはないです。それはありがたいことだと思っていますし、できないところはできないと割り切ります。「その代わり、こうします」といって、なるべく自分の中で清算する形で、うまくやれているかなと思いますし、またそういう環境にあるかなと思います。不安に思っていることは、全部伝えて隠さないほうがいいと思います。

少徳:ありがとうございます。山中さん、2つ目のご質問の答えを。

社員のライフイベントを許容できない組織に多様性はない

山中:樋口さんが答えられたかもしれないですけど、会社としては本当にダイバーシティ大歓迎です。必ずしもお子さんを持つべきとか、そういうことではなく、どういう形でも女性は幸せになると思いますし、ワーキングマザーも大歓迎です。私自身もワーキングマザーですが、そのような女性が活躍できるようにするために、どういう仕組みを整えていけばいいだろうかということを常に考えていますし、そのために進化しようと思っています。

具体的な事例ですと、最近、キャリア採用面接に妊婦さんがインタビューに来られたんです。彼女の心配事は、「採用されてもすぐ出産なので、産休に入っちゃいます。大丈夫ですか?」でした。私は「全く問題ないです。大歓迎だから来てください」とお話ししました。

本当に、全く問題ないんです。ワーキングマザーがイキイキと働ける会社にしたいと心から思っているので、そういったことは気になさらず。ただし、ひょっとしたら、入社してからいろいろなことがあるかもしれないです。私も毎日バタバタしていて、朝一番で自宅で仕事をしてから、会社でまた仕事をしているような感じです。「この忙しい時に限って、おねしょした!」みたいな感じですよ。

だけど、そういうところもちゃんとサポートできるように、会社として意志を持って制度を整えていきたいと思っているので、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

少徳:ありがとうございます。では、私からも一言申し上げると、会社が多様性を許容できる、そのきっかけになるんじゃないかなと思っています。私が今担当しているのはリーガル部門なんですけれども、女性の比率が非常に高いんです。3~4割ぐらいは女性。当然、そういうライフイベントを控えた年次の方がたくさんおられるので、いろいろ想定はしています。

時には問題が重なって、「大変だ!」となることもあるんですけれども、それが許容できる組織でなければ、そもそも多様性を謳う資格がないなと思っています。むしろ、それをしっかりと許容して、問題を力に変えられる組織にする、そのきっかけだと思っています。

先ほど山中さんもおっしゃいましたけれども、私もキャリア採用面接にはしょっちゅう出させていただいています。お子さんがいらっしゃったり、もしかしたら今後ライフイベントがあるかもしれないという方について、それが私の評価に影響を及ぼすかというと、全く及ぼしません。むしろそういう方々に入ってきてもらうことは、会社にとってチャンスじゃないかなと思っています。

お答えになっているかわかりませんけれども、ご質問いただきありがとうございます。

産休・育休中の仕事をフォローする側にもインセンティブを検討

司会者:ありがとうございました。では、最後に1問、受け付けたいと思います。いかがでしょうか。

質問者3:お話をありがとうございました。私も御社の取引先の会社に勤務させていただいていまして、ずいぶん違うなと、楽しく聞かせていただきました。

現在、私もダイバーシティを推進するチームの1人として、会社で活動しています。先ほど山中さんから、「奥さんが出産される際に、男性は2週間は休んでください、有給も1ヶ月とれますよ」というお話があったんですけれど、その際、その人がいないことによって、周りに分配されるものが出てくるわけですよね。

そこに少しずつストレッチがかかってくると思うんですけど、ストレッチがかかった人には、過去の出産の時にその権利があったかというと、そうではないと思います。そのあたりのフェアネスの部分で、何かフォローアップはあるんですか?

山中:それはすごく大事な問題だと思っています。まだ制度になっているわけではなく、検討中なんですけれども、社内のディスカッションのなかで、そういう問題提起があったんです。

他社はどうしているんだろうと思って、事例を調べたんです。その中で問題提起があって、産休や育休をとった社員をバックアップしている人たちに、何らかのインセンティブやボーナスを処遇してあげないと、ただのアンフェア感が出てしまうと。そこは今、人事で検討してもらっていますが、それも含めていろいろな手を考えているところです。

司会者:ありがとうございました。では、お時間となりますので、トークセッションを終了したいと思います。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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