2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
OKRの運用における実感と課題(全1記事)
提供:パーソル プロセス&テクノロジー株式会社
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矢野駿氏(以下、矢野):それでは始めさせていただきます。みなさま、こんにちは。メルカリの矢野と申します。「そもそも、お前誰だ?」という感じだと思います。背景を説明させてください。
(会場笑)
昨日、Sansanの西村(晃)さんから私に連絡がありました。「矢野さん、明日このようなイベントがあるのですが、登壇者が都合により出られなくなったので、登壇しませんか?」。その連絡が来たのが、昨日の23時30分くらいでした。
(会場笑)
それで「今日ちょっと調整してみます」ということで、いまここに立っているのが、私、矢野でございます。
(会場笑)
(会場拍手)
よろしくお願いします。私は現在、メルカリという会社で、いわゆる採用、オンボーディング(社員の定着・戦力化)関連のチームのマネージメントをしています。実はメルカリには5~6ヶ月くらい前に入ったばかりで、それまではDellやAmazon、日産自動車で人事をしていました。
そんな感じでキャリアをスタートして、いまはメルカリにいます。
矢野:では、ご説明させていただこうかなと思います。「そもそもメルカリって、いつごろOKRを入れたの?」という話をさせていただきます。
50人~100人、100人~250人、250人~500人、500人~1,000人といろいろなフェーズがあったんですが、メルカリがOKRを入れたのは、early stageと言いますでしょうか、50人~100人のタイミングでした。そのときは、ツールなどを使っているわけではなくて、Googleのスプレッドシートを使っていました。
その後、どんどん従業員が増えていくにつれて、なかなか管理が難しいということで、いろいろなツールを入れていきながら、いまに至ります。メルカリがOKRを回し続けて4年弱くらいになりますが、OKRの文化がしっかりと根づいて、従業員の理解も非常に進んでいるという状況です。
そもそも、「なぜOKRを導入するのか」というところです。ここはおそらくみなさまが認識している内容とメルカリも同じです。基本的には、会社のOKRから個人のOKRまでの結びつきが見えやすいので、メンバーの視点を上げやすいというところがあります。
我々は50人~100人のフェーズでOKRを入れたんですが、徐々に組織が大きくなるにつれて、経営陣の目標と、各メンバーの目標の乖離がでてくるのではという危機感はありました。そのため、OKRを入れることによって、経営陣と社員の目標の結びつきを強くしていこうという部分がきっかけの一つです。
(スライドを指して)いわゆる組織構造は、このような、いわゆるトーナメント表のような組織図になっているかと思いますが、OKRを導入することで、経営から現場メンバーへのこの結びつきが見えやすくなることが、early stageのメルカリにとっても、非常に重要でした。これによって、従業員数が増えても、メンバーの視点を上げやすく、今会社が重要としている観点で話ができるようになります。
矢野:あとは、四半期で見直すという観点で、スピードを持った組織になるというのは、非常に良かったです。(スライドを指して)これはGoogleさんのスケジュール例として書いてあるんですけれども、メルカリは各四半期の頭にOKRを設定して、各四半期の末に見直しをして、次のOKRにつなげるというかたちです。
3ヶ月単位で見直すという観点で、スピード(感)を持った組織になります。メルカリがOKRを導入したときに、短期目標を立てることによって、状況に合わせた会社の方向性に(向かって)進めやすいところが、かなりメリットになりました。とくにearly stageのところですと、毎日のように変化が起こるので、スピード感は非常に重要な点かと思います。
いまもメルカリでは、毎日のように変化があります。そういった部分では、OKRを全社的に入れることで、大きな変化がわかりやすい。3ヶ月に1回見直すことで、OKRを通じて、それ(変化)を浸透させやすいところがある。ここが「なぜOKRを入れたのか」というところのポイントかなと思います。
OKR設定時の注意点です。すでにOKRを導入されている企業さんですと、おそらく同じことを感じているかと思いますが、改めて説明させていただきたいなと思います。
まず、「十分にストレッチされたものであるか」。これは会社の目標のOKRもそうなんですけれども、達成できるか否かについて「6割くらいの可能性かな」「半々くらいかな」という、かなりストレッチされたものであるかどうかが重要です。
経営陣からマネージャー・メンバーまで、十分にストレッチされたOKRであるかを、客観的に確認するのは非常に重要です。これは口で言うと簡単なんですが、いざ導入してみると、全社的にストレッチされたOKRを立てるのは、けっこう難しいです。
Objectiveとは簡単に言うと、達成したらワクワクするもの。「このObjectiveを達成したらワクワクするよね?」と。「ある程度フワッとしていてもいいので、達成したら非常にワクワクするものをObjectiveに定めましょう」と言っています。
矢野:それに対して、Key Resultは、達成したことを確認できるかどうかがポイントになるかなと思っています。これも当たり前のことです。ただ、このKey Resultの達成を、定量的に確認できるように定めることは、けっこう難しいです。
例えば、「チームの人員に対する改善」などは、Key Resultになり得ません。「何パーセント改善した」「何月までに何人採用します」というように、どのようにしたら、それが達成されたかどうかを可視化できるのか。
そういったかたちで、目に見えて「Yes・No」で確認できるResultじゃないと、Key Resultはトラックしにくいことがあります。これを各マネージャーから各メンバーへ伝え、しっかりと理解してもらうことによって、会社全体のOKRはうまく回っていくんじゃないかなと思っています。
そのなかで、我々はいま、ミッションとバリューを非常に大切にしています。メルカリでは、OKRをミッションとバリューに基づいて設定することが基礎になっています。(スライドを指して)こちらがメルカリのグループのミッションです。メルカリとメルペイとソウゾウという3社があり、それぞれにこういったミッションがあります。
このミッションに沿っているかどうか。またメルカリでは「Go Bold」「All for One」「Be Professional」という3つのバリューが有名です。この観点から、Objectiveはしっかり「Go Bold」なもので、「All for One」なもので、「Be Professional」なものかどうかを、ちゃんと見返すようにする。
会社のミッションとバリューがちゃんとつながるようなOKRに設定されているかどうかも、私としてはかなり思いを持っています。OKRを入れただけでは、全社の統一はなかなか難しいんです。やっぱり、ビジョン・ミッション・バリューをしっかりと会社の従業員に落とし込みつつ、OKRも入れ込んでいく。
そこの連携がないと、OKRはただ単に目標の管理ツールになるだけで、たぶん会社の状況を良くするところまではいかないと思います。なので、このバリューを非常に大事にして、OKRの見直しのときも、この観点から「OKRがどうだったかな」というのを見る。そんなことをメルカリでも行っています。
矢野:「OKRを入れたことで、いま、どんな課題があるのか?」というところを、赤裸々に話させていただきます。長期的な施策をどのように評価につなげるか。これは確かに課題の一つだと感じています。例えば、研究開発や新しいもの、達成まで何ヶ月も何年もかかるようなもの、そういったものを持たなければいけないエンジニアなどに対して、どのようにOKRを定めるべきかは、けっこう悩みどころです。
私がいた日産という会社には、6年間の中期経営計画があって、その計画をもとにパフォーマンスを決めていたんです。私は、それはそれで非常にすばらしかったと思うんです。長期的な投資に向けて、いまどういう進捗になっているのかを評価する。
OKRの場合は、3ヶ月という観点で見ていっています。早いことはいいことなんですけれども、長期的な結果に対して、OKRを立てにくいということが非常にあるんです。これは正直、我々自身もまだ検討の余地があるなと考えています。
OKRだけじゃないんですけれども、短期的なアクションと長期的な施策・計画、会社の中長期の戦略に対して、どのように評価につなげるかがポイントになってくる。これは本当に重要なポイントだと思います。
もう1点が、四半期ごとのReviewのオペレーション業務です。正直、OKRを見直すのは、本当に工数がかかります。3ヶ月ごとに、いろいろとマネージャーが各メンバーと話をしていて、振り返りながら新しいことを入れてやるんですけれども、けっこう大変です。
もともとはスプレッドシートで管理をしていました。50人であればそれでいいのですが、1,000人のスプレッドシートなんて作れないです。そういったときに、自社のエンジニアがOKRの設定や、Peer Review、Performance Review、Calibration、Feedbackを、すべて完結できるようなシステムを作りました。
「Reviews」というシステムを使って、OKR設定からPeer Review、Performance Review、Calibration、Feedbackのレビューサイクルを、ワンストップで行えるものを作りました。
これによって、大幅に工数を削減し、各メンバー・各マネージャーはOKRの入力・作成や、Peer Reviewにフォーカスできるようになったことが、1つの大きな特徴です。これができてから、非常にスムーズに進められるようになったので、いまは(OKRの)工数がどうという話はあまり出てきていないと感じています。
矢野:先日、「Mercari Tech Conf 2018」という、メルカリの技術カンファレンスを開催しました。そこで、Corporate Solutions Engineeringという、この「Reviews」を作ったチームのプレゼンテーションが行われました。YouTubeで詳しく説明していますので、もしよろしければ、こちらもご覧いただければと思います。
「メルカリはOKRではこんな課題があります」「こんな感じで利用しています」ということを、ざっくりと説明させていただきました。簡単なプレゼンテーションだったんですが、後ほどパネルディスカッションでいろいろとお話しさせていただければなと思います。ありがとうございました。
(会場拍手)
パーソル プロセス&テクノロジー株式会社
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