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第1部(全2記事)

2019.01.19

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リーダーに必要なのは、一挙手一投足を見られているという覚悟 「心理的安全性」の確保でチームは変わる

提供:株式会社ZENTech

2018年11月20日、Learning Space AP市ヶ谷にて「カルビー武田雅子さんに聞く、チームの心理的安全性構築」が開催されました。これは、組織行動学の用語である「心理的安全性」をテーマに、さまざまな有識者の人たちとコラボレーションして、少しでも多くのチームで心理的安全性を高めてもらうことを目的とし、株式会社ZENTechが主催するイベントです。今回のゲストは、HRアワードにて最優秀賞を受賞された、カルビー株式会社の執行役員、人事総務本部長の武田雅子氏。現場に心理的安全性をもたらし、さまざまな部署で結果を出されてきました。本記事では武田雅子氏に加え、主催である株式会社ZENTechのCEO・島津清彦氏の冒頭プレゼンの模様をお送りします。

カルビー執行役員・武田雅子氏のプレゼンがスタート

武田雅子氏(以下、武田):みなさん、こんばんは。今日はよろしくお願いします。

今回のテーマは「心理的安全性(Psychological Safety)」ですね。実践者という格好良い説明のされ方をしているのですが、私がなぜそこに行きついていたのか、私がこれまでにどんな過ごし方をしてきたのかについて、いくつかのシーンを挙げて簡単に説明をしたいと思います。

この後にお見せするスライドは、私が事務局のスタッフのみんなに「こんなことを話そうと思っている」といって作っていたメモを、そのままスライドにしたものです。最初に、私は3月31日の早生まれなんですが、同じお誕生日の方はいらっしゃいます?

(会場挙手)

武田:いない……あ、1人だけいらっしゃった(笑)。ありがとうございます。私は小さかったころ、体は当時ガリガリで、他の人たちのようにいろんなことができなくて当たり前でした。同じことが、そもそもできない。遊ぶ時は味噌っカス。だったので、なんとなく小さい時から全体を俯瞰して「今日はみんなの中に入れてもらっていいのかな」とか「いやいや、今日はもう味噌っかすで1日いよう」とか考えるようにしていました。そこにいるけど、ノーカウントのメンバーっていますよね、あれです。なんとなく全体を俯瞰するようなそんなことを気にしながら、小さいころを過ごしました。

2つ目は、一気に飛んで22歳。クレディセゾンという、当時は西武クレジットという名前のクレジットカードの会社に入社して2年目。職場であるクレジットのカウンターには当時8名いたのですが、ある日、幸か不幸か彼女たちの上司になることになってしまいました。

一挙手一投足を見られている覚悟でマネジメントに臨む

武田:ある時、私は風邪をひいてしまったんですね。ただ、「風邪をひいて会社に行けません」と言うのはすごく嫌だったので、本当はいけないのですけど無理して出勤しました。普通どおり働いているつもりだったのですが、(体調を崩しているのは)すっかりバレていたんですね。その時に私は、具合悪いのに無理して来ているんだから、偉いでしょ、ちょっと褒めてよという気持ちだったわけです。

ただ、みんなからしてみたら「なんか今日は武田さん、機嫌悪いね。朝からぜんぜん喋ってくれないし。一体どうしたの?」と1番年下の子が言ってきたんです。たぶん、周りのお姉さん社員に「お前聞いてこい」って言われたのでしょうね。「いやいや、私は朝から熱があって、もう喋れないぐらい喉も痛いの」って答えたんですけど、自分としてはショックだったんですよ。

その時に「もうぜんぜん伝わってないし、がんばりもなにも無駄じゃない」って思って。まわりはみんな年上のメンバーでしたし、隠していたつもりなことも全部見られていて、気持ちは3枚におろされた魚みたいな感じでした。もう内臓まで、骨まで全部見えているんだなと。

そこで、これからはそういうつもりでマネジメントしようと思ったんです。隠し事は無し、困ったこともちゃんと言うし、全部見られているのを逆に上手く使ってやろうぐらいのことを、22歳というわりと早い段階で気づけたと思っています。

その後も新入社員を預かったりするのですが、ちょっと育成が得意になってくると「この子はいろいろあるんだけど、武田のところで預かってくれない?」とかいうケースも増えてきて。まぁ良くある話ですよね(笑)。

その時って、ことごとく予想がはずれるんですよ。期待値の高かった子はそうでもないし、そうじゃない子はその逆だったりするんですよね。そこから、自分のいわゆる思い込み、unconscious biasと言ったりしますが、無駄なことに一喜一憂しているなということに気がつきました。どうせはずれるんだから、その人が自分のチームの中でどう変わっていくかに集中をして、ちゃんと人と向かい合おうと思ったんです。これは20代前半のころです。評価判断をしないで人をみる大切さですね。

がんを経験し、自分と同じ人は1人としていないことを知る

武田:次はちょっと重たい話です。私は今50歳なのですが、36歳の時に乳がんを経験しました。この話を詳しくすると時間がなくなってしまうのですが、とにかく想定外のことが起きたわけです。その時、再発のリスクを下げるために、術後ホルモン治療をやりました。これは、36歳の女の人の体を、無理やり更年期の女性の状態に、つまり今の私みたいな状態に持っていくわけです。

そうすると、いわゆるうつ状態になったり、ホットフラッシュって女性陣はわかりますかね。急に体が熱くなったりとか、もうなんともいえない不安感に襲われたり、体の節々が痛くなるし、心身ともにかなりダメージを受けました。患者会なるものに出かけて、自分と似たような人はいないかなと思って探したり、ひたすらネットを検索して、いろんな資料を調べたり、人の闘病記を読んだり。

でも、自分と同じ状態の人はぜんぜんいませんでした。その時に、このがんという病気を通じて、自分とまったく同じ人は1人もいないということをはっきりと知るんです。私より大変な状況の人でも、がんばって幸せに暮らそうとしている方はいっぱいいらっしゃいましたし、自分と他人との同じところを探すとか、比べることに意味はないなと気づいたんです。自分はどこがつらいのか、どうしたら自分はハッピーなのかは、自分で決めればいいやということを、この時に強く強く感じました。

がんという病気を経験したことで、人と向き合う時の考え方のベースができたなと思っています。一人ひとりって本当に違ってて、かつ素晴らしいことを知って。結果、私は今、複数の団体でがんサバイバーの就労を支援する活動もしています。

インプットが冴えわたる断食の効果

武田:がんを経験してから、良く生きることがしたいと思うようになりました。クオリティ・オブ・ライフを考えるにあたっていろんなことに興味を持ち、瞑想を始めたり、体の中をリセットするため断食にも定期的に通うようになりました。

瞑想については、実は病気になる前から始めてはいたのですが、空腹状態でするメディテーション(瞑想)がすごく良いなと感じたんですね。お腹が空っぽになっていると、頭に雑念が湧きづらいのかもしれないのですが、感覚的に素晴らしい体験ができたのですね。そんなこともあって、ちょっと本気でマインドフルネスをやってみようと思い、少しずつ調べ始めました。そんなときマインドフルリーダーシップインスティテュートという団体を知ったのですが、このなかで「Search Inside Yourself」をご存知の方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

ありがとうございます、日本ではたしか初回が2014年だったと記憶しているのですが、その回に行ったりもしていました。このあたりから、勤めていたクレディセゾンでも取り入れたらいいんじゃないかと思うようになり、社内での活動を始めました。断食は未だに年に1回、専用の施設に行って楽しんでます。

仕事ともくっついてくるのですが、(断食すると)インプットが冴えてくるんです。私の頭は雑念のかたまりなので、クリアになってるかどうかはわからないですが(笑)。こういったことを意識し始めて、自分自身を大事に過ごし始めると、いろんなものがクリアに入ってくるんですね。

どうしたら心理的安全性を確保できるのか

武田:そんなことを経験して、自身の体の力が抜けてくると今度は周りの人が少し気になり始めるんです。人間って、ついつい鎧を着てしまうというか、要は構えてしまうじゃないですか。「あの人にバカにされたらどうしよう」とか、「あの人に仕事できないって思われたらどうしよう」とかですね。すると、自分をもっと大きく見せたいとか、そういったことが気になるようになってしまうと思います。それを窮屈そうだなって。

そういった心の鎧みたいなものがなければ、もっと伸び伸び仕事ができるし、もっと自由に発言できるんじゃないかと思うようになって、それで、その鎧をどう脱がせたら良いのかなと考えるようになりました。

イメージは『北風と太陽』のコートみたいな感じなのですが、どうやって剥ごうかしらと思った時に、いわゆる「心理的安全性」という言葉を知ったんですね。「ああ、これだ!」と大発見をした気分でした。あ、私の話はここまででしたっけ? ということで、島津さんにバトンタッチをしつつ、その後また2人でこのことについて深掘りをしていこうと思います。

ありがとうございました。

(会場拍手)

大企業の経営者から禅僧へ

島津清彦氏(以下、島津):それでは私のほうからお話しさせていただきます。

今日はおそらく99パーセントの方が武田雅子さんのお話を聞きに来られていたと思うのですが(笑)、私からは今回のイベント主催者としての思いみたいなところについてお話しさせていただければと思います。つまり、そもそもなんで僕がここに立っているのかということですね。

私はリーダーや経営者としての挫折体験と成功体験を経て、最幸、ここでは幸せという字を使ってますけども、最幸かつ最強のチームづくりには、心理的安全性の構築と禅の知恵が必要だと悟りました。もともと私はスターツグループという企業で25年ほど仕事をしてきました。営業から人事部長へ、それから専務となり、以後買収したビル会社の再生、最終的にはピタットハウスの社長をやらせていただきました。

ところが今から6年前に、「エイヤッ!」っと辞めてしまい、独立起業しました。それとほぼ同時に、曹洞宗の禅僧として出家得度しております。なのに今はこうして頭は金髪だし、ジーンズ穿いてると。「一体何者なんだ?」と思われるでしょうけれども(笑)。この5〜6年は、主に禅やマインドフルネスについての研修やコンサルを企業向けに行っております。

なぜこういったことをやってきたかというと、若い頃から組織においては以心伝心じゃないですけど、自分らしくいられるような場づくりや風土が一番大事だと思っていたんですね。そんな時に「心理的安全性」という言葉を知って、「これだ!」と。私は大企業にもいましたから、大企業なりの難しさは痛いほど味わってきたわけですけども、大企業が変わるのは正直難しいだろうなって、半分諦めていたところがあるんですね。

ただ、自分がこれまでやってきた禅と、科学としての心理的安全性をみんなが認識して、リーダーがちょっとずつ変わっていけば、すごく大きなムーブメントというかパワーになるんじゃないかと思ったんです。それで7月末に会社を立ち上げて、今日は第2回目のイベント開催となりました。

「こうしなきゃ」で自分を縛りつけていたことに気づく

島津:先ほどリーダーとしての挫折体験というお話しをしましたが、実は私、前職で海外事業の統括をしていた時に、なんとなく慢心していたんですね。「俺がルールブックだ!」という傲慢なマネジメントをやっていた時期があるんです。

結果的に各部門の海外拠点から総スカンを食らうことになりました。指示しても部下からぜんぜんメールの返信が来ない。1日、2日……3日も経つと焦りますよね。それが1週間となると、もうまったく仕事が回っていかないんですね。自分の立場に合ったミッションはいただいていたのですけども、これはもうダメだと思いました。本当に会議も開けない日が続いた結果、眠れなくなって、顔の半分が固まって顔面麻痺みたいになってしまいました。

一番衝撃だったのは、朝会社に行く時にマクドナルドに寄ったときのことです。エッグマフィンのモーニングセットを買って、本社で食べようと思ったのですけど、エッグマフィンを袋に入れずトレイに乗せたまま八重洲の地下道を100メートル、200メートルと歩き続け、そのまま本社に行ってしまいました。そこで出勤中の社員から「島津さんどうしたんですか?」って言われてやっと気付いたんですね。

だからもう、ぜんぜんマインドフルネスどころではなくて。自分が今どこいるかわからないまま、エッグマフィンを持って、会社のエレベーターに乗ろうとしたことがあって。もうこれはダメだなということで、家族からは医者に行きなさいと言われたんです。とにかく自分の中でいろいろと猛省して、1ヶ月ぐらい経った時に、バーン!と言葉が降りてきました。「自分一人ではなにもできない。現場に対して自分がなにができるか、テイクじゃなくてギブの人生を歩もう」って、突然メンバーに対する感謝の気持ちが溢れてきたんですね。

慌てて降りてきた言葉をメモしました。現場の人たちがいて初めて自分というものは生かされているし、成り立っている。それで組織というものは回っているんだというのを痛いほど思い知らされました。

経営者としての成功体験を積む

島津:一旦自分の心を入れ替えることができたんですが、結局「島津君ではもう無理だね、現場は言うことを聞かないし、体調悪いから」ということで、そのポジションを外されたんです。

飛ばされたようなものなので、すごく悔しかったんですけど。でも、しょうがないですね。その後たまたまあるビル管理会社を買収して、その再生を「ナンバー2のポジションからやってみたらどう?」と言われまして。ある意味で、リハビリ的なありがたいポジションをいただいたわけですね。そこで現場を這いずり回ってやろうという気持ちで再スタートを切りました。

今日のイベント会場は、空調が効いていて照明も明るいですけど、これを維持するためには、いつもトイレを掃除してくれている人がいて、いつも点検してくれている人がいて、セキュリティで守ってくれている人たちがいて、初めて僕たちが過ごすことができるんですね。

私が現場に行った時は、トイレ掃除も一緒にやりました。最後にチェックする時には素手で便器に触れて、自分でぜんぶチェックして。そこまでやった時に、なにか一体感みたいなものが現場の人たちとの間に生まれたんです。

「これなら島津に任せて大丈夫だろう」と、半年で社長にしていただいて、そこから経営者としてやらせていただいたのですが、5期弱務めて、本当に良い会社ができたなと思いましたし、もちろん業績も良い結果を残すことができたました。

やっぱり経営者って、なんだかんだいっても最後はPLとかBSといった通信簿を見られるわけですよね。それが上手くいったということで、経営者としての成功体験を積むことができました。

観察と傾聴、その先で初めて自己開示を行なう

島津:挫折からの成功で言うと、今振り返れば組織の心理的安全性の構築に時間を費やしていたなって思います。なにをしたかというと、8つのステップを踏みました。

1番目のステップは、とにかく現場を見ました。観察というのは目で見ることを超えて、完全に意識して五感で全部見るんですね。例えば、今みなさんもぼーっと見るのと、本当に目を凝らして見るのとでは、見えるものがぜんぜん変わってくるんですね。この部屋1つとっても、観察スイッチを入れた途端に、多分いろんなものが気になりはじめるんですね。

現場にまず降りていって観察をして、その後、問いを立てます。「これはどうなっているの?」「どうやったらきれいになるの?」と、とにかく同じ目線で、傾聴するんですね。まずは目で見て、次に2つの耳でとにかく聴きます。観て聴いてそれで初めて、自分のやりたいことを自己開示するというか、「僕はこういう会社にしたいんだ」とか、「こういうビジョンを持っているんだ」と自分の考えを発信するんですね。

失敗談をとにかく話しました。「しくじり先生」というテレビ番組がありますよね。前職で人事をしていた時に、高額の社会保険料を払うのを忘れたことがありました。財務の役員から怒られはしなかったんですが、冷や汗をたっぷりかいたことがあります。そういうことも全部オープンにしました。「僕はこういう失敗をした人間で、ダメなところがいっぱいあります」って。

とにかく信頼関係の構築、最初の4つのステップに8割を費やしました。信頼関係ができたらそこからはとにかくGO、実行あるのみということで、今思えば、実行の前段階の心理的安全性の構築に相当のエネルギーを費やしていたなと思います。

きちんと褒める、会議では発言する、ときには着ぐるみもかぶる

島津:そこから先のステップには5.実行、6.共感、7.調和、8.感謝とあります。人間は必ず生まれて死ぬのと同じように、社長も最後は辞めるわけですよね。どうせ最後は死ぬなら、辞めるなら感謝で別れたいなということを逆算して意識しながら社員と向き合いました。

で、具体的に(心理的安全性を高めるために)どんなことをやったかを、(スライドを指して)ざっと挙げてみました。最近は1on1をやっている会社も多いですが、そういうことを知らないまま対話をやってきました。1対1、1対多など、グランドルールを決めてどんな質問でも答えますと。とんでもない質問がきた時にも、絶対怒らないと約束するんですね。

すごい質問をされることもありますよ。だけど、一生懸命に笑顔をつくって対応する。そうやって対話を繰り返す中で自己開示もします。そして3つ目に、最も業績の悪かった店長を詰めないとありますけど、だいたいは営業系の会議って詰める内容の会議になりますよね。僕は最下位の店長ほど詰めない。絶対に詰めないということですね。あと繁忙期には差し入れしたり、家族を会社に招いて、お父さん、お母さんの働いている姿を見てもらい、お子さんにパパやママの席に座ってもらうんですね。

お子さんに社員証も渡しました。首から社員証を下げてもらって、「ここでパパはがんばっているんだよ」みたいなことをやったりですとか。あとはすれ違いざまに褒めるとかですね。エレベーターで褒めるとか(笑)。褒めるということを忘れちゃった時は、メモしておいて、明日の何時に褒めるか決めておくなど、けっこうマメにやってましたね。

あと7つ目、「手を振る」というのがあるんですけど、「今日はどうもありがとうございます」と言うときに合わせて手を振るのはすごく良いみたいですね。遠く離れている社員に「おお、お疲れ様」って言いながら、社員のほうが恥ずかしがっちゃうぐらい、横断歩道の向こう側で大通りの両側でお互い手を振るんです。そんなこともやってました。あとは笑顔コンテストだとかもやっていましたね。

11個目は着ぐるみを被る(笑)。ビル会社だったので、ビルの被り物をして、普通に社長室で仕事をしたりしていました。あと社風構築日めくりカレンダーを作って各拠点に掲示したりもしましたね。それと17個目。これは結構ポイントで、敢えて黙っている会議はダメよということです。全員必ず発言して、言いたくないことも絶対に言ってもらいます。それを僕は「発言リスク」って言ったんですね。発言すると、相手を傷つけたり、格好悪いと思われるみたいなリスクってあるじゃないですか。でも、みんなで発言リスクを取ろうというルールを決めました。

この摩擦があることで、ただの仲の良いチームではなくなります。ただ、本音をぶつけあった会議後はケロっとする。これは大事です。言ったあとケロっとする。忘れるということです。

19個目。社長室を保健室にしました。ちょっとメンタルで弱ったメンバーがいたんですけど、社長室を保健室みたいなかたちにして、グリーンやオレンジのビタミンカラーのソファーをおいて休憩できるようにしました。本当にいろんなことをしました。

心理的安全性を作るために、自分の心を整える

島津:ところで、心理的安全性と禅はどう交わるのかとよく聞かれます。「心理的安全性には興味はあるけど、そもそも禅って何?」みたいなことですね。

禅は奥が深くて、難しいといえば難しいです。心理的安全性をこれから作っていくことの大前提に、僕はリーダーのあり方というか、存在が大きいと思うんですね。必ずしも役割としてのリーダーというだけではなくて、2〜3人のチームでもリーダーっているし、なんなら自分が動けば自分がリーダーになるわけですよね。

リーダーとしてのあり方があって、安心できる空間づくりを行なう。みんなである程度コミットしてじゃないですけど、その中でリーダーがどうやってあり方を作るかといった時に、それはやっぱり心を整えるということです。マインドフルネスだったり座禅だったりで、まずは小さな自分だけの心理的安全性を作るのが、チームの心理的安全性を作るための第1歩です。

それと、もう1つは言葉の力です。言葉は人を傷つけることもできるし、人を元気づけることもできる。とにかく言葉の力ってすごいなってことを感じてまして。言葉の力という意味では禅語というのがいろいろありますので、これはまた後でご紹介させていただきたいと思っています。ということで、私からは以上でよろしいでしょうか。ありがとうございました。

(会場拍手)

金亨哲氏:ありがとうございました。

弊社ZENTech(ゼンテク)でも、全体会議の前には、絶対座禅をやっているんです。座禅って、椅子に座っていてもできるんですね。座禅をすると、けっこう頭がすっきりして、その後のミーティングがすごく捗るみたいなことがあったりします。

ここからはお二人に再登場いただき、対談セッションに入っていけたらと思っています。

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