2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
GARO(全1記事)
提供:サイボウズ株式会社
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伊佐政隆氏(以下、伊佐):kintone hive大阪から、関西・近畿地区代表に選ばれました、GAROの藪さんにお願いしたいと思います。藪さん、お願いします。
(動画が流れる)
動画音声:関西大会で優勝した美容師が独立して創業した美容室GARO。独自の価値を出そうとエイジングケアを打ち出し、新店舗も出したその時に、危機が訪れる。
「言いたいことがあったとしても、すぐに言えなくて。お値段も高いし、不安」。
離れようとする心をつなぎとめるための、GAROのkintoneを使った活用とは。
(動画が終わる)
藪賀郎氏(以下、藪):こんにちは。GAROの藪です。ありがとうございます。先ほどスタッフみんなで、お昼ご飯を食べてきたんですが、「どこに行く?」「何を食べる?」とか、和気あいあいと話しながら、楽しいランチタイムを送ってきました。こういったことは、2年半前まではなかったことなんですね。kintoneを導入してから、こういうことがウチで頻繁にあることになりました。
そして、kintoneを導入してから、売上も120パーセント増を2年連続達成しています。もう年末が近づいていますが、今年も恐らくクリアできるところまでやってきました。
そんなGAROは、大阪府にほど近い奈良県香芝市という、田園風景も広がるようなのどかな街で日々営業をしています。そこの美容室GAROのオーナーが僕で、藪賀郎と申します。美容師一筋で20年やっています。
自己紹介ですが、1997年に専門学校に入学し、その後大阪市内の美容室を経て、2007年に開催されました全日本理美容技術関西大会カット部門において、初出場で初優勝をいたしました。
その後、横浜アリーナでカットをしまして、2008年4月に、GARO1号店となる五位堂店をオープンしました。そして、2013年9月に真美ケ丘店をオープンし、今年の4月でGARO設立10周年を迎えることができました。
藪:この10年間にも、美容室は増え続けています。みなさんが聞かれて、多い・少ないと思うかは僕にはわからないんですが、美容室は全国に24万店舗以上ありまして、僕はすごく多いなと思っています。
美容業界における店舗過剰による1店舗あたりの客数の減少が、深刻な問題となっています。客数は決まっていますので、店舗がたくさん増えることは、昨日まで来てくれていたお客さんが、明日には新しい店に行ってしまう問題を持っています。そのため、深刻な問題として僕らは捉えています。
そして、新規顧客獲得のために、値引きを前提としたクーポンサイトでの集客が、やはりいまは主流となっています。僕らもどうやって集客するかを考えた時に、必ず行き着くのがこの集客サイトです。
そして、そのサイト側から、いつも選ばれる理由としてアドバイスがもらえます。まず1つ目が掲載順位は上位(であること)。できる限り(ページの)上に掲載されることで、みんなが見てくれます。(ただし、掲載)料金もアップします。
そして次に、「口コミの数をどこより多く集めてください」と言われます。次に値引きですね。「技術料金を値引きしてください」と(言われます)。
藪:その結果、すぐに効果は現れまして、売上・客数がアップします。でも、肝心の利益が出にくくて、スタッフへの負担がすごくアップします。忙しくなりますからね。
なんでこうなってしまうのか。しんどいばかりで利益が出ない。その時に、よくよく考えてみると、私たちは美容室で、自分たちができるサービスや技術・メニューが、カットやカラー、パーマしかないと自分たちで決めつけていて。
新しい技術・サービスを創造せずに、いまある技術の小手先のリニューアルに納得し、そして値引き戦略に頼りっぱなしの集客を、自分たちで推し進めてきたことに問題があることに気がつきました。
そもそも、お客さまが僕たちに対して、いまあるメニューの値引きをそこまで求められているのかを疑問視している部分もありまして。本当にお客さまが喜んでくれて、私たち美容師側もやりがいのあるメニューとはなんなのかを、理念をベースに考え直すことにしました。
そうです。私たちの理念は「思いやり」です。人として、美容師として人を大事にする思いやりの心。これを大切にしてきたつもりでした。しかし、この大切にしてきた思いやりの心をみんなで深く理解し、さらに共有することがもっとも重要であるにもかかわらず、それが全然できていないことに気がつきました。
さらに、何の仕組みややり方もないまま、裏方の仕事や、美容室での仕事以外のことをスタッフ一人ひとりに振ってきたことが、すごく負担になっていることもわかってきました。そして、職人美容師の「見て学べ」という古い考え方が、すべての原因であることがわかってきました。
やはり「見て学べ」「目で盗め」という古い考え方が、すごく悪かったなと。そもそもこれをうちの店に根付かせたのは誰が悪いと(言えば)、私の責任でございます。
藪:なんとかしなくてはいけないということで、kintoneと出会いまして、すぐになにかが変わる気がしました。kintoneを導入してから最初に取り組んだのは、金曜日の朝8時30分から1時間行う「朝会」という勉強会でした
そこでは、理念の思いやりをベースに、「こういう行動は正しい」「こういう行動は正しくない」(というように)、すべてをどう判断していくのか。すべては思いやりをベースに、何が正しいかということを、こういったアプリでみんなで考えていこうと(いうことになりました)。
内容としては、コアなところからライトなところまで、軽いところから重たいところまで、それを接客にどう活かすか。メニュー展開・新商品にどうやって活かしていくかをみんなで考えていくために、これを導入しています。
その内容はほぼテキストで、ペーパーレスにするだけです。僕らはやはり、普段から櫛とハサミばっかり握っていますので、紙を持っておくのがすごく苦手です。こういったものをペーパーレスでテキスト化して、みんなで仲よく共有しています。
そして次に、スタッフの裏方仕事の中ではもっとも重たい、在庫管理です。
スタッフ1人につき1社から3社までの在庫管理を任せていますが、やり方も仕組みもないまま任せていたのがすごく重たかったので、これをバーコード化し、簡単にできるようにしました。その発注書がこちらです。
その次に、スタッフみんながレッスンをして、一人前の美容師を目指してもらいます。いままで「見て学べ」「目で盗め」でしたから、あまりテキストはなかったんですが、いまはkintoneでテキスト化しています。この下にスクロールしてもらうと、動画もアップしています。
いまは、スマホでこれが見れますので、家に帰っても今日習ったことを復習できます。うちぐらいの規模の美容室で、こういったレッスンテキストアプリを導入することは、なかなかできないことだと思いますので、自分的にはすごく画期的かなと思っています。
藪:美容師になるのに3~4年かかるとよく言うんですが、このレッスンを時間管理してしまうと、やはり1ヶ月で10回しか練習しない子もいれば、30回も50回もやる子もいます。これを全部回数管理をするのにkintoneを活用しています。
その結果、検定を受けてもらう。その検定も、やはり一人前になるまで90項目ぐらいありますので、それを常にこのアプリで管理していく取り組みもしています。
そして、練習中に必要な「ウィッグ」という、お客さんの頭みたいな人形があって、お店で在庫にしています。それを誰が使ったかというのも、「ウィッグ購入表」として管理しています。
そして次に、値引き戦略に振り回されないための「ロイヤルカスタマーづくり」ですね。ロイヤルカスタマーづくりのため、外の店舗と「お客さま情報」の共有もやっています。
そして、年末キャンペーンのシャンプーボトルの管理などもやっています。
また、クーポンサイトに頼りっぱなしですから、自力でなんとか集客するために、ブログ集客をやっています。このブログ集客をする時に、誰が何件あげたか(を管理するため)、ブログをアップした時に「いいね」をもらえればいいんですが、やはりすべてが「いいね」をもらえるわけではないので、そのモチベーションはこの「ブログ更新表」ですごく上がっているかなと思っています。
藪:そして、今月の目標とやるべきこと。月初めに、「今月はなにをするべきか」「新商品はどれを導入するか」など、まずやるべきことをみんなで話し合って、ここに全部出して、次の月にしっかりできたかどうかについて、みんなで反省会をするなど、これでやっています。その時に、目標の売上などもここに載せています。
目標を僕らが立てた時、現状から目標を達成しようとした時に、必ず大きな壁が立ちはだかります。この壁をどうやって乗り越えていこうかと思った時に、いつもいろいろと工夫してきたつもりなんですが、うまくいかないことが多くて、結局何かのせいにしてはあきらめてしまうことがほとんどだったんです。
それを、kintoneを導入したことで、スタッフが一丸となってこの壁を乗り越えていけるようになりました。そして、この成功体験を積み重ねていったことで、スタッフ全員がkintoneに乗っかって、スムーズにこの壁を乗り越えていけるようになりました。絶好調ですね。
そうしたら、新商品・新製品・新メニューなどの導入もスムーズに行えるようになって、さらに裏方の仕事などもみんな軽減されていった結果、お客さまとお客さまの合間でこなせるようになりました。
その結果、あまり疲れなくなってきたので、サロンワークにもっと集中できます。集中してお客さまに接客し、スタッフ間のコミュニケーションも増えたことで、スタッフみんなが笑顔になるんですね。楽しそうに仕事をしてくれます。うれしそうですね。
それを見たお客さまに支持していただいて、お客さまもどんどん来てくれるようになりました。みんなも余裕がありますので、アプローチできるようになって、前年対比120パーセントを2年連続達成し、もう11月ですが、今年も120パーセントをほぼ確保できています。生産性に関しては、すごく上がっていますので、今年も絶好調でがんばっています。
そんなGAROは、もともとバラバラで思いやりのある店だったんですが、いまはロジカルで思いやりのある店になりました。kintoneで思いやりのある店になったんですね。これからもkintoneとともに、笑顔あふれる楽しい美容室づくりをしていきたいと、そう考えております。ありがとうございました。
伊佐:ありがとうございました。
藪:ありがとうございます。
伊佐:みなさん、めちゃくちゃ素敵な笑顔で。
藪:ありがとうございます。
伊佐:仲がいいですよね。今日はどの辺にいらっしゃるんですか?
藪:(会場を指して)あそこです。
伊佐:あちらに。こんにちは。藪さん、かっこよかったですね。みんな、かなり仲がいいじゃないですか。信じられないなと思って。
藪:みんな手を振っていますね。
伊佐:あれ、お子さんもいらっしゃっている。藪さん、がんばりましたよ。かっこよかったですよ。
藪:ありがとうございます。
伊佐:僕は正直、美容室の在庫管理や顧客管理ぐらいしかkintoneの使いどころがないと思っていたんですが、かなり使っていますね。
藪:そうですね。レッスン管理アプリとテキストに関しては、もう画期的だと思います。
伊佐:やはり藪さんの腕を持って、そのノウハウが動画付きであそこに詰まっているわけですよね。羨ましい。
藪:本当に素晴らしい部分だと、僕は自負しています。
伊佐:どうやってつながったのかがめちゃくちゃ聞きたいんですけどね。藪さんとkintone、どこでどうつながったのか、めっちゃ聞きたいです。
藪:それぐらい行き詰まっていたんでしょう。
伊佐:まさかkintoneがこんな(ふう)になるとは思っていなかったんですよね。
藪:ここまでいかなきゃいけないぐらい行き詰まっていたんでしょうけど。素晴らしい。
伊佐:どんどん明るく楽しいお店になって。この間お店にもお邪魔したんですけど、またいいお客さんも増えて、素敵な未来が見えました。本当にありがとうございます。
藪:ありがとうございました。
伊佐:かっこよかったです。ありがとうございます。
(会場拍手)
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