2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
2年間の運用で辿り着いた勝ちパターン(全1記事)
提供:SATORI株式会社
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小川泰範氏(以下、小川):ご紹介に預かりました、株式会社リンクの小川と申します。
本日は(「2年間の運用で辿り着いた勝ちパターン」という)壮大なタイトルを付けさせていただきましたが、(「SATORI」を)2年ほど運用してきた中で、一定の勝ちパターンのようなものが見えてきたので、その辺りについてお話しします。
ちょっと前の2社さんが強烈すぎて、だいぶ薄い内容かつ抑揚のないコンテンツかと思いますが、箸休めに聞いていただければと思います。
自己紹介です。私は小川と申しまして、来年41歳になります。長く広告業界でインターネット広告を中心に販売をしておりまして、その後リンクに参画して、現在は「リンク ベアメタルクラウド」というサーバのサービスを中心に、BtoBビジネスのマーケティング領域を担当しております。
別のプロダクトでは「Pardot」を運用したりしており、複数のMA(マーケティングオートメーション)ツールを実際に触りながら、日々活動しております。
あと、(オープニングスピーチで)少しご紹介いただきましたが、「SUGM」(「SATORI User Group Meeting」)というユーザーグループの運営をやっております。先ほどFacebookグループから申請いただいた方もいらっしゃいましたが、まだ参加いただいていない方がいらっしゃれば、ぜひこの機会にグループに参加していただけるとうれしいなと思っております。
簡単に会社概要をご説明します。BtoBビジネスはプロダクトとして3つございます。
クラウドホスティング事業はサーバのサービスですね。あとは、クラウドテレフォニー事業では、コールセンターシステムやIP電話といった商材を提供しています。セキュリティプラットフォーム事業としては、クレジットカード業界向けのセキュリティのサービスを提供しております。
いろいろな場で説明していますので、ご存知の方も多いと思いますので会社概要については割愛させていただきます。
本日お話ししたいことは、「勝ちパターンはなにか」ということです。我々のビジネスはインフラで、足(リードタイム)が長いものだったりします。MAを使って、かつインサイドセールスと連携を強化することで、見えてきた「勝ちパターン」についてお話しします。
結論としては、インサイドセールスとMAの有効活用で、足の長い商材でもしっかり商談化までもっていけるというのが本日のゴールであります。これから、なぜここに至ったかについてお話しします。
本題をお話しさせていただく前にホスティング事業がおかれている2つの状況について説明します。1つがIaaS(Infrastructure as a Service)という市場がほぼ一強のような状況になっていることです。それから、サーバサービスというインフラのサービスであるという特性をご理解いただいた上で、その先(のお話)を聞いてください。
まずIaaSの状況についてです。市場規模としては、2017年に5,000億円、2021年には1兆円を超えるほどのかなり大きな規模です。シェアとしては「AWS」、「Azure」、「GCP」で半数以上、たぶん今年は更にシェアが伸びると予測しています。
サーバインフラ自体は、外資系ベンダーを利用することがデファクト(スタンダード)になっております。おそらくここにいらっしゃるみなさまで、SaaSのビジネスを展開されている方たちは、ほぼ「AWS」、もしくは「Azure」を利用されていると思います。
実際に我々がアプローチして見込みのなかったリードは、例えばイケてるベンチャー企業でいくと、「うちは『RDS(Relational Database Service)』がないとダメだから、もう『AWS』一択だね」とか、大手のエンタープライズ系の企業であれば、「基幹システムをクラウド化したいので『Azure』が前提だね」といったようなかたちで、基本的には最初の選択肢が「AWS」であり、「Azure」であり、「GCP」でありという状況です。
国内の市場を見てみると、みなさまでこのロゴを知らない方はいないと思うんですが、国内事業はほぼ上場企業ばかりです。市場自体は外資が席巻し、さらに国内事業は上場企業ばかりと、我々はかなりな(手強い)相手と同じ土俵で戦っているという状況です。
我々は圧倒的マイノリティのポジションにいて、真っ向勝負をしても勝てません。さらにサーバサービスの特性を見ていくと、例えばSaaSの場合、利用するユーザの課題は明確です。「SATORI」で言えば「アンノウンに強い」という特長があります。
しかし、IaaSの場合、その上でどのようなシステムを動かすかはお客さまの自由です。そのシステムが社内向けのものなのか、商用としてサービス化しているものなのかなど、課題はさまざまです。
さらに、意思決定をするまでに関わる人数が多いことも挙げられます。エンジニアからプロジェクトリーダー、責任者や経営層まで、意思決定に関わる人数が多い上に、それを決めるまでにかなりのリードタイムを要します。
あくまでインフラなので安定稼働して当たり前であり、SaaSのように利用することで、事業課題が大きく改善されるものではありません。一定の差別化ポイントはあるものの、安心・安定が必要なサービスなので、事業者の企業規模や知名度などが選定時に寄与します。そのため、我々は弱者の戦略をとりながら、地道な草の根活動が必要かなということで、我々のサービスが今いるポジションであることをご理解いただければと思います。
一応「SATORI」を活用して2年ほど経ちますので、これまで行ったことや、成功と失敗について簡単にご紹介させていただければと思います。
まず1つ目は、導入当初の1〜2ヶ月目の運用ですが、とりあえず、いろいろなページを見たり、とくに料金や(サービスの)特長のページを見たユーザーは、ホットリードになるのではないかと考えました。
ものすごく厳しい条件を付与したため、そもそもWebサイトへのアクセスも少なかったうえ、さらに細かい(特定のページを見たかどうかという)セグメントを切ってしまったがゆえに、セグメント(に該当するユーザー)が取れていないという状況がありました。
セグメントをベースにホットリードを判断することはあり得ないので、これは廃止しました。見込み客かどうかを判断する上での指標の1つではあったものの、これは失敗という結果に終わりました。
続いてセグメントを活用した広告配信です。我々もリード獲得にはかなり苦戦をしていますので、その改善ができるという期待値から、SATORIさんの利用を選択しました。開始当初のセグメント条件としては、特長・料金・事例、すべてを閲覧しました。先ほどのとおり、かなり条件が厳しくリストにデータがたまりませんでした。
ほかに工夫をしたところは、キラーコンテンツとなるブログ記事にアクセスしたリードをターゲットとして、リマケ(リマーケティング)配信を行っていったことで、コンバージョンが増加したという結果が得られました。
リストの数はそこまで多くないので、コンバージョンの数としては期待値ほどではないんですが、一定の成果は出ているのかなと思っています。
3つ目がメルマガ配信です。運用開始当初は配信回数を意識していました。とにかくクリックをさせて、架電できる先をピックアップしたいという考えがあり、スケジュール重視でどんどん配信をしていました。
当然(受信)拒否数も増えていきましたし、有益ではないコンテンツの一方的な配信コンテンツになってしまっていたので、クリックもしなければ(受信)拒否がどんどん増えていくという状況でした。
当然のことなんですが、現在は配信回数にこだわらず、有益だと感じてもらえるコンテンツを用意して、メルマガを配信していくところを重要視しています。
コンテンツが間に合わなければ、その月は配信しないこともあります。逆にコンテンツが複数あっても、そんなに頻繁には送れません。2週間ほど空けてからもう一度打つというかたちで、基本的にはコンテンツありきで配信をしています。
例えば、今年はとくにサービスリリースに注力をしてきました。かなりの件数のプレスリリースを打っていますが、リリースに合わせてブログ記事も投稿するようにして、そのブログ記事をリードに送っています。こういった工夫をしてきました。
運用を開始した当初はメルマガに返信なんてほとんどなかったんですが、最近は少しずつ好意的なリアクションをしてくれるリードが増えてきまして、インサイドセールスからの架電に対しても気持ちよくアポイントにつながっています。
そういったリードから案件化(のお話)も出てきたりしていますので、やはりコンテンツ重視で進めていくことも重要だと改めて感じました。
ポップアップについては、「とりあえず作ってみよう」ということで作りました。クリックされたのは最初の1週間だけで、そこからはほとんどクリックされませんでした。広告と同じで、やっぱり差し替えていかないとダメなんです。
あとは、視認性が悪いものは当然クリックされないので、あまりいい結果が出ません。当時はデバイスの出し分けができていないところもあったので、PCを意識して作ってしまい、スマホでは「あれ、どこもタップできないぐらい(ポップアップが)画面を占有しちゃってるんだけど」という状況になってしまい、失敗続きでした。
ちょっとうまく使えていないところと、コンバージョンの数を増やしたいということで、SATORIさんのカスタマーサクセスチームに相談をして根本から見直しを行っていきました。セグメントからポップアップへの導線や、そこで配信するコンテンツなども見直していただいて、徐々に成果が出てくるようになりました。
実際に成功したポイントとしては、コンテンツマーケティングで実際に流入してきたアンノウンに対して、コンバージョン促進というところで、クリエイティブを複数ローテーションさせながら、定期的な差し替えを行っていった結果、コンバージョンの数もかなり増えてきたというところです。
ちなみにコンテンツマーケティングについては、約2年でUUは10倍まで成長してきました。アクセスはかなり増えて、当然コンバージョンも増えましたが、比例の関係にはなく、ちょっと増えた程度という結果です。
MAを活用してコンバージョンが増加したことで、確実に変化は出てきました。ただ、今度はその先の案件化が進まないという問題が出てきました。その原因となる部分が、市場におけるポジション・サービスの特性・ニーズの多様化です。
そうした背景から、コンバージョンはしてもすぐに訪問・案件化につながるかというと、なかなか簡単にはいきません。やはり継続的なコミュニケーションが必要だという課題がありました。
それぞれの解決策や市場におけるポジションに関しては、ブランドマーケティングをしていく必要はありますが、「リンクベアメタルクラウド」というサービスは、競合と比べても差別化できているサービスです。そこを知ってもらうことで、もっと興味喚起を促すことができると考えています。
サービスの特性の部分は、地道に継続的なコミュニケーション(をとること)と、エンゲージメントを高めることができるかがポイントと考えています。ニーズの多様化については、オフラインでのコミュニケーションで、1件1件のリードに対してしっかりニーズを把握する必要性を感じました。そこで、目下の課題として、インサイドセールスの強化とナーチャリング手法の確立に取り組んでいる状況です。
インサイドセールスの体制構築のところで、いくつか実施していることがあるので、それをご紹介させていただきます。
体制の構築の部分に関しては、今まで営業主導だったものを、マーケ主導に変えました。理由としては、やはりMAを導入しているので、そこから見えてくるものをどう仮説を立てて検証していくかが重要になります。営業部主導だとアポイントの数重視になりがちですので、マーケ主導に変えることで、しっかりと仮説を立てたアプローチをしていこうという運用に変更しています。
それからルールづくりです。これは以前もお話しさせていただきましたが、いろいろとタグづけの運用ルールを設けていますが、タグをつけたり外したりは営業の運用には乗らず、結局のところ、案件進捗の管理が煩雑化してしまったことがありました。
そこでできる限りシンプルに数を少なくして、現在はこのような形で運用しています。大きくは、架電状況の管理と案件進捗とリードのステータス、それから通知用のタグというかたちで分けています。
あとは、独自に項目を設定できるカスタマーカスタム項目がいろいろとつけられるようになったので、そこにインサイドセールスの架電状況や、営業の訪問状況を入れています。このあたりで、誰が見ても状況がわかるように、しっかりと体系的に管理をしていくようにしています。
「SATORI」を中心に情報を一元管理して、それを施策に落としていこうという運用に変わってきています。
我々の(事業の1つに)「BIZTEL」というコールセンターシステムのサービスがあります。機能の1つとして通話を録音できますので、チームの打ち合わせ時にみんなで架電の内容を聞きました。
どこをどうしたほうがいいとか、「ここをもうちょっと突っ込んで話したらどうかな」とか、「さっきこのポイントでお客さまの声のトーンが変わったので、ここでこういう誘導をしたらどう?」といったコミュニケーションが生まれ始めています。
これはかなり有効でした。今まで電話の会話の内容は、横に張り付いてでもいない限りは聞けなかったのですが、録音データを活用することで、各担当のスキル状況などもチェックできるようになりました。我々の部署には、そんなに何人もインサイドセールスがいるわけではないので、インサイドセールスの人数が多い企業にはおすすめです。
1社ごとにチームでアプローチ方法を検討して、フォローの質を上げて、案件を増加させています。分析やアクションプランの検討をするところは、案件化しないポイントや、それに対する打ち手など、チームのなかでさまざまな内容を話して施策に落としていった結果、案件化するリードが増加しました。
こうした取り組みから、受注までの足が長いサービスであればあるほど、インサイドセールスが果たす役割は、非常に大きく、今後も力を入れていきたいと考えています。
抑揚のないコンテンツでございましたが、ご清聴ありがとうございました。
司会者:小川さん、どうもありがとうございました。
(会場拍手)
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