2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
WeWork 事例インタビュー HARES(全1記事)
提供:WeWork Japan合同会社
リンクをコピー
記事をブックマーク
―西村様の自己紹介、ならびにどんなお仕事をされているのかについて教えてください。
西村:私は自身の会社であるHARESの経営をしながら、週の半分をランサーズ株式会社というフリーランスの生活圏を作っている企業のPRスペシャリストとして働いています。半分経営者、半分会社員というハイブリッドな働き方をしていて、WeWorkに関してはHARESの代表として入っているというかたちになります。
HARESでは「複業研究家」という肩書で、今ムーブメントになっている複業という働き方の専門家として、経済産業省の委員であったり、副業解禁を検討する企業のアドバイザーであったりをやりながら、元々は採用や人事といったHR領域の専門家でもあるので、企業の採用ブランディング支援であったりとか個人の就職・転職活動の支援などの事業を営んでいます。
―WeWorkに、ご入居されたきっかけについて教えてください。
西村:元々「働き方」という領域でずっと仕事をしているので、リモートワークであったり、働く場所としてのコワーキングスペースが1つの分野としてある中で、世界最高のコワーキングスペースを提供しているWeWorkの存在自体は当然知っていましたし、日本に上陸するというニュースを知ったときは「ついに来たか!」とワクワクしていたんです。
ちなみに、人生初のWeWork体験はロサンゼルスです。そこで、目にしたのは、ガラス張りの極めてオープンな場所で、いろんな価値観を持った人や企業が同じ場所で同じ空間に集う、という様子でした。違う会社だし違う事業を営んでいるけれど、「WeWorkコミュニティ」として交流してビジネスをお互いに高め合ってるような光景を目の当たりにしたとき、「これはすごいな!」と思いましたね。
―実際にWeWorkを使ってみて、どう感じていらっしゃいますか?
西村:今年8月1日に入居してからちょうど1ヶ月というところですけど、月々決して安くない金額を払ってますが、その金額を遥かに上回るものを得ているなという感覚があります。
僕は「場所代」としてお金を払っている感覚はまったくなくて。例えるならば、ディズニーランドの年間パスポートみたいなものに近いんですね。より近しい例えをするなら会員制のバーみたいな感じです。まぁ、僕は会員制のバーとかに行ったことないんでわからないですけど(笑)。
―(笑)。
西村:つまり、日本あるいは世界で最も質の高いビジネスコミュニティに参加するチケットを月々買っている、もしくは入場料を払っているような感覚に近くて。入って驚いたんですが、8月1日に入って次の日には採用ブランディングのお仕事を発注いただけたりするんですね。
まったくの初対面であればゼロから始まる信頼関係の構築が、「WeWorkに入居している」という時点で価値観は共通しているからいいよね、みたいな感じで進むのですごく話が早いんですよね。
しかも価値観は共通しているけど、お互いそれぞれ分野はバラバラだし専門性もバラバラ。だからこそ、自分が持ってないスキルのある人とのつながりができるということもそうだし、逆もまた然りで。
ネットワークとか人脈、そういったつながりを得られる日本国内でも屈指のコミュニティなんじゃないかなと思いますね。
―価値観が共通しているという話がありましたが、WeWorkにいらっしゃる方の価値観とはどういうものでしょうか?
西村:アイスバーグだけでも数百人いらっしゃるので、十把一絡げにはできないと思うんですけど、少なくとも共通していると思う価値観が大きく2つあると思っています。
1つは、まず他のコワーキングスペースだと基本的には「I work」なんですね。つまり自分が作業する場所を確保するという感覚であって、となりの人は他人だと思うんです。
でもWeWorkって、文字通り「We」なんですよね。ここに入っている人で、ひとり黙々と作業している人ってあんまりいなくて。コミュニケーションスタイルはそれぞれなんですけど、少なくともつながることを厭わないスタンスの人が多いですね。
もう1つはオープンマインドだと思います。ガラス張りの個室に現れているとおり、自分の仕事場を隠したい、完全にプライバシーを確保したいといった価値観を持った会社は、あまりおられないと思います。そう考えたらみんなオープンマインドなんですよね。自分の情報は包み隠さず自己開示し合える。
つまり「We」とオープンマインドという価値観が共通しているんじゃないかなと思いますね。
―なかには企業の一社員として入居されていて、本来はあまりオープンマインドになれない方もWeWorkにはいらっしゃるとは思うんですね。そういった方がWeWorkに入ることでなにか得られるものはあるでしょうか?
西村:あると思います。人の意識や考え方って自分がこれまで過ごした環境にすごく依存するところがあって。大手企業はとくにそうだと思いますけど、ほとんどの会社はわりと閉鎖的なオフィスあるいは部署の中に閉じこもって、部署を超えたつながりすらなかなか生み出さないし、そもそも生み出すことをよしとしない企業もあると思います。結果、自宅と会社の往復で、第3のコミュニティみたいなものをまったく持てていない人が多いと思うんですよね。
だからオープンマインドを持てないというのもある意味仕方がないなと。WeWorkに入ったからといって、すぐにコミュニティに参加する熱量をもつのは難しいと思います。
それでも会社にこもって働いている状態と比べれば、働いている職場の中に自分の会社ではない人がたくさんいるとか、外国籍の方がたくさんいるという環境に日々いればいるほど徐々に馴染んでいきますし、気づけばオープンマインドになっているなんてこともあるんじゃないでしょうか。
また今の時代、オープンイノベーションなどの文脈で「イノベーションは既存のものと既存のものとの組み合わせだから、会社の中にこもってないで外に出るのが大事」だと言われています。
でも、大事だから出て行けって言っても、出て行き方がわからないとかあるわけですよね。そういうときにWeWorkのような場所に会社として入ることで、そこにいるんだからやるしかないよね、みたいになるわけです。いい意味で言い訳ができない環境になるので、いいきっかけになるんじゃないかなと思いますね。
―WeWorkのどんな仕組みが、つながりやコミュニティを生んでいると思いますか?
西村:WeWorkにこれがなかったら、きっと今みたいなつながりは生まれてなかったなと思うことがあります。
1つはモバイル・アプリケーションの存在です。WeWork版SNSみたいなものがあることによって、拠点やフロアが違ったりしても、「こんな人がいるんだ」ということがタイムラインを見ればなんとなくわかってくる。
WeWorkに入居しているほかの人の投稿を見ることができるというのもそうだし、投稿を通じて自分のことを知ってもらえるので、パッとすれ違ったときに「あ、どこどこの誰々さんですよね」みたいなコミュニケーションが自然と生まれるということがあります。
―具体的に、アプリSNSを通じてつながった人で一緒に仕事をしている人はもういらっしゃるんですか?
西村:一緒に仕事をするところまではいっていませんが、相談ベースならいっぱいありますね。ロボットペイメントさんから採用どうしようみたいな話もいただいていますし、同じフロアのラトナの大田和さんなど、そういったつながりは多いですね。
―まだオープンして1ヶ月の段階でそこまでつながりが形成されているというのは、ものすごくスピード感があるなと思います。
西村:それだけユニークで魅力的な方がたくさんいるので、つながればつながっただけ有機的な価値のある関係になれるんだなと実感しています。
もう1つはコミュニティマネージャーの存在がすごく大きいです。とくに坂村さんによくいろいろ相談したりします。
―コミュニティチームとは、具体的にどういった関わり方をしているんでしょうか?
西村:例えば8月は、WeWorkのコミュニティキックオフイベントを一緒に企画しました。アイスバーグのコミュニティを盛り上げるために「こんなこと考えてるんですけど、どう思います?」「こう思うよ」とフィードバックをし合うこともありますね。
他には、僕がなにかイベントや勉強会をするときにイベントスペースの空きを確認してもらうことでしょうか。
―なるほど。実際そのイベントはやってみてどうでしたか?
西村:すごく盛り上がりましたね。オープンした初月で初めてのイベントだったので、みんなも「はじめまして」みたいな感じで探り探りな感じではありましたけど、コミュニティチームの方も「どうやったらみんなが楽しくつながれるか」を考えて運営を手伝っていただきました。
例えば「Fun Fact」から始まる自分の意外な一面を紙に書いて投じ、それを開いて「〇〇な人?」って言ったら出てきてもらうところから始めるとかですね。それ以外にも、ところどころにイベントにおいてありがちなことを防ぐ仕掛けを散りばめたりしていて「すごいなぁ!」と感心していました。
―たしかに、会社や肩書きから入るのではなく、その人を知りたいという気持ちから入ったほうが入り込みやすいし、有機的なつながりにもつながっていきやすそうですね。
―最後におうかがいしたいのですが、西村さんの考える「コミュニティの価値」とはなんでしょうか。
西村:いい質問ですね! 僕は大学の卒論がコミュニティ論で、コミュニティタリアニズムという分野を選考していました。そんな経験も踏まえて、コミュニティの価値を一言で言うとすると……。僕が好きなアフリカのことわざで「Fast alone, Far together」という言葉があります。
僕はコミュニティってそういうものなのかなと思っています。1人だけ、あるいは自社だけであったら為し得ないことが、コミュニティに入って同じ価値観や目的を持った仲間とつながることで遠くまで行ける。そんなきっかけを作る場がコミュニティなんじゃないかと思います。そして、それこそがコミュニティの価値なんじゃないかと。
―なるほど!! すごくしっくりきました! 今日はお話を聞かせていただきありがとうございました。
WeWork Japan合同会社
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗