2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
オーウェン・マホニー氏 ウェルカムスピーチ(全1記事)
提供:株式会社ネクソン
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オーウェン・マホニー氏:「Nexon Developers Conference 18」にお越しいただいたみなさま、ありがとうございます。この場に参加していただいたみなさまを、心から歓迎いたします。
このNDC(Nexon Developers Conference)を立派なカンファレンスにするために人事を尽くししましたので、気に入っていただければと思います。
今年は韓国のみならず日本、中国、そしてヨーロッパ、アメリカ、全世界から2万人以上の方が参加されています。
1990年代中盤以降、韓国はオンラインゲーム市場をリードしてきました。そのため、こちら(ネクソンの韓国法人「ネクソンコリア」社屋が位置する)板橋(パンギョ)でNDCを開催できることも、もっともなことだと思います。
これまでの20年間でゲーム産業は大きく成長しました。ゲーム産業は、ゲームをしたり作ったりはしない、世界のさまざまなアナリストの関心をも引いています。
アナリストは「未来のヒットするものは何だろう」「次にめざましく発展する技術は何だろう」と考えます。
昔はFacebookのゲームがこの関心に当たりました。バーチャルリアリティ(VR)もありました。ですが今日、アメリカと日本でもっともホットなトピックは「eスポーツ」ではないかと思います。
ゲームを作り、たくさんゲームをする我々にとって、このようなホットトピックに関連する流行り言葉は、あたかもファッション広告のように感じられるかもしれません。なぜならそれらは「なぜ我々がゲームを愛し、ゲームが我々の生涯で重要な部分を占めているのか」を充分に表現できていないからです。
しかしファッション業界と同じく、時にはこれらのトレンドに対して遅れをとっているのではないかと心配する時もありますし、ライバルに勝つことだけに捉われることもあります。
そして競合が新しいタイトルを開発すると、みんなが似たようなゲームを作ったり、同じような戦略を立てます。ライバル会社が何をしているのかに気を取られやすくなるのです。
すると、我々のやることは、最新の流行やトレンドを追うことだと考えがちです。そう考えれば考えるほど、我々は我々のビジョンではなく、ほかの人のビジョンを追うことになります。
このような考え方はゲーム業界全体の低迷につながります。未来に対して十分に考えていないからそういうことになるわけです。
創造的なアイデアの停滞は、イノベーションの停滞を意味します。イノベーションが足りないと停滞につながるわけです。
隣の会社のあとを追ったり、流行の後追いをすることは失敗につながりやすいのです。
このような行動に対しての代案は、もちろんイノベーションです。
競合会社の活動、最新のトレンドを超えて新たなアイデアを得るために我々はずっと努力をしていかなければなりません。
これまで我々の業界を発展させてきた素晴らしいアイデアは、大々的なイノベーションの末に得られたものです。
しかし、ここにいらっしゃるみなさんはご存知だと思いますが、イノベーションはそんなに簡単なものではありません。
常にリスクテイクが必要です。失敗はもちろん、それによって業界の仲間から嘲笑われるようなリスクも甘受しなければなりません。
さらに真のイノベーションが大変な理由がもう1つあります。それは、どのようなイノベーションを起こすべきか、という問いは、真の価値とは何か、を問うことと同じだからです。これは開発者に対して、革新的な価値について根本的に考えさせます。
真のおもしろさとは何なのか? ゲームとは何なのか? そして我々ユーザーは本当はどのような体験を求めているのか? 我々の業界にこれまで起きた素晴らしいイノベーションは、このような問題点を深く掘り下げて、考え抜いた結果もたらされたものでした。
『風の王国』『リネージュ』『スタークラフト』『リーグ・オブ・レジェンド』『メイプルストーリー』『マリオ』『マインクラフト』などをはじめとしたたくさんのタイトルは、その素晴らしい例です。
そして、これらのようなゲームこそ、私たちの業界の創造性の範囲を根本から広げ、我々の業界の持続的な成功を可能にしているのです。
2ヶ月前、当社はこのような理由から『DURANGO: Wild Lands』(※オープンワールド型モバイルMMORPG)をローンチしたのです。そしてこのような理由から、我々は長きにわたりこのゲームに投資し、改善を加え、ほかの地域でもリリースしていきたいと考えています。
そしてこれが、Pixelberry Studios(※モバイル向けインタラクティブ・ストーリージャンルをリードする米国のゲーム開発会社)をグループ会社化した理由でもあります。
素晴らしいゲームを作るために自ら鞭を打つとするならば、業界全体のパイはもっと大きくなるでしょう。
NDCを初めてスタートしたとき以来、私たちは一番重要なのはインスピレーションであることを知りました。
単に知識やノウハウを共有するだけでなく、我々、そして仲間が新しい領域を開拓することを推奨し、それを精神的にサポートし、お互いに励まし合うことができるのです。
そのような想いとともに、みなさんを歓迎いたします。そして数日間がみなさんにとって楽しい思い出になりますことをお祈りいたします。
株式会社ネクソン
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