2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
提供:株式会社リクルートテクノロジーズ
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中村翼氏(以下、中村):まずは私はバッテリーだと思っていますね。
松原:ああ、バッテリーなんですね。
大戸一希氏(以下、大戸):電気自動車と同じ問題。
中村:そうですね。
小林裕氏(以下、小林):僕はやはり低騒音。
福谷和芳氏(以下、福谷):その2つだと思います。
中村:達観した感じ?(笑)。
福谷:その2つだと思いますね。両方、すごく意識するところだと思うんですよ。バッテリーでいくと、本当に致命的な問題だと思いますし。騒音に関しては普通に使えるレベルではないですよね。
大戸:結構音は大きいですよね。
中村:ヘリコプターほどではないですけど、ドローンもプロペラを回すと空気を切るので、それなりの音がします。
大戸:確かに「キュイーン」って音しますもんね。
松原:ドローン撮影、音ですぐわかりますもんね(笑)。
中村:音がどうしても出てしまうのはありますね。
福谷:やはりそういうのが普通というか、僕らの感じる実用域に堪えないと、少し厳しいかなって(笑)。
松原:騒音の場合のブレイクスルーは、ローターの形状なのか、「回して飛ぶ」という発想をそもそも変えなきゃいけない時期に来ているのか。どういうフェーズに差し掛かっているんですか?
中村:形状などはずっと工夫されています。ヘリコプターでもかなり静かなものはあるんですけど、どうしても空気を切る以上、消しきれないです。
中村:そういう意味では空気力じゃない技術は求められているんですけど、まだ常温超電導や重力制御などの技術開発が追いついていないですね。それができれば、タケコプターもできてくると思うんですけど(笑)。
福谷:ぜんぜん違うアプローチでいくと、今、ノイズリダクションのヘッドセットみたいなものがあるじゃないですか? ああいう感じで、逆位相の音をぶつけて消してしまうみたいな。そういう研究も流体の分野などであるんですよ。
松原:えー、すごいですね。
大戸:なるほど。
中村:でも、室内はできるとして、室外に対してどれだけできるかですよね。
福谷:今試している、ダクトの中で静音できるかは1個のアイデアだと思います。
中村:音を閉じ込めるみたいな感じ。
福谷:そこでもう消してしまう。結局は空気で伝播する波なので。
大戸:そうですね。逆位相の波長ををぶつければ0になる。
福谷:そういう地道な研究分野などもすごいいっぱいあるんですよ。
中村:小林くんの専門なんですけど、巻き起こる風は扇風機と一緒で、吸い込んで吹き下ろしています。この風によって周りの人がかなりの迷惑を被る問題もあります。
松原:毎朝ベランダからすごい風が入ってくる(笑)。
大戸:洗濯物が飛んじゃうみたいな(笑)。
小玉:確かに。街全体がヘリポートになってしまう感じですよね。大変なことになりそう。
中村:そうそう。気候変動がおかしなことになるみたいなのもありえるので。このへんってなにか対策って考えられそう?
小林:地面の近くに来たら、やはり散らばらないように、強い風が当たる範囲をなるべく狭めるような工夫ぐらいですかね。
中村:ヘリコプターは問題になるんですよね。ドクターヘリでもホコリが出て、洗濯物が汚れた問題もありました。
松原:そもそもプライベートヘリと車の差で一番大きいのが、ヘリポートの有無という気がしています。
中村:そうですね。
松原:そのヘリポートなしでも着陸できるかは、まさに小林さんがやっている分野にかかっている。
福谷:だから彼がいないと大変なことになるんですよね。
中村:音の面でも、この吹き下ろしという面でも、やはり空気の流れがすごく重要なんですが、今のところ大きなブレイクスルーはまだ起きてないです。
大戸:そうですよね。本質的な問題は、自然科学の分野なので、どんなにハードウェアでがんばっても難しいですよね。画期的な新しい理論が確立しない限り。
中村:こういう音と風は関係しているんですよね。その現象の機械学習などでの解き方があまりイメージできていないんです。その機械学習の知見などを教えてもらえますか。
大戸:学生時代に機械学習の研究に取り組んでおり、現在行なっている分析業務においても、機械学習の技術をより多く転用できたらいいなと思っており、個人的に勉強しています。
個人的には、現在注目されているディープラーニングや深層学習で多く行われているのは、大きく2つだと思っています。1つは画像データを学習することを応用したもの。もう1つは時系列のデータを学習することを応用したものであると考えます。
例えば、自分の専門であるセキュリティの分野では、マルウェアを画像データに変換し、学習することで、解析に役立てるという研究を進めている人たちがいます。機械学習のさまざまな分野への応用の試みにおいて、さまざまな研究が行われていると思いますが、画像、もしくは時系列データに対象をうまく変換し、深層学習を利用しているように思われます。
中村:音も含めて可視化がある程度できるので、データを取って相関を見て最適設計ができる気はしています。
大戸:ジャストアイデアですが、気流の流れを画像化して、試験結果の良かったものと、悪かったものを分類した上で、深層学習を利用すると、有効に活用できるかもしれないですね。
小林:同じ研究室でそういった乱流モデルに使うパラメータをどう調整すればいいかというところで機械学習を使っている研究がありますね。
中村:そういったところで、我々が画像を撮ったら、ぜひ解析いただいたら。
小玉:コラボレーションに期待が高まりますね(笑)。
中村:そうですね。「一緒に作りました!」(笑)。
松原:(笑)。
小玉:気になったのは、2020年までの目標、つまり東京オリンピックで観客を前に聖火台へ飛んでいくというのは、その先のロードマップと毛色が少し違うと感じました。
オリンピック開会式でのパフォーマンスは、どちらかというとエンターテイメントの部分だと思うんですけど、その具体的なイメージはあるんですか?
例えば「開会式のショーの中でこういう役割を果たしたい」や、「音楽と連動してこういうことをしてみたい」などです。このような、飛んでるところをどう見られるかという観点は、都市計画の話もそうですけど、その先も重要だと思います。この点についてのイメージを教えていただきたいです。
中村:そうですね、我々の中でも1回しっかりとみんなで考えたなかで、イメージとしては、オリンピックの開会式のセレモニーイメージなんですけど。1964年の東京オリンピックからとのつながりと、震災がすごく大きなテーマとしてあると思っています。
小玉:希望の光として見せたいわけですね。
中村:そうですね。
中村:私もこの活動をやっていて、実証実験で福島の被災地でドローンのテストフィールドにお借りしているところが今あるんですけど。
「そこで飛ばしてほしい」というお声をいただいたりするなかで聞くのは、ある意味、空を飛ぶのはみんなの憧れです。被災地の方々にも夢としてお届けできると、日本としてみんなが元気になれるアイコンになれるんじゃないかなと思っています。そういった見せ方をしていきたいなと思っています。
小玉:確かに。そうですね。「空飛ぶクルマ」が、飛んでるのを見た人が希望を抱けるような存在になれたら素敵だなと思いました。「空飛ぶクルマ」を子どもが見て、憧れて、「僕は将来あれを作りたいんだ」と親に言うみたいな。
中村:それが我々の活動で一番のやりたいことですね。
大戸:普段お話しする機会のない分野(自動車業界/流体力学の研究者)との対談で、自分にはない知識や視点を得ることができ、よい刺激を受けることができました。
とくにITのセキュリティ分野ですと、リアルな世界にインパクトを与えることは少ないので、「クルマを空に飛ばす!」という、誰の目にもわかる形で世界を変えようとしていることに、羨ましさを感じました。
松原:「作る」と「普及する」には性質の異なる課題があることを改めて認識しました。例えば騒音やバッテリーなどの技術課題が解決すれば、空飛ぶクルマは作れるかもしれません。
しかし普及する上では、重量物が頭上を飛び交う状態を「怖い」と感じる方の不安を上回る社会的なメリットを提示する「戦略」が必要で、そのような戦略を作った経験が豊富な方など、非技術の領域でもさまざまな人の力が求められていると感じました。
小玉:とても刺激的な時間を過ごせました、ありがとうございました! 個人的には、社会課題解決になるだけでなく、エンターテイメントや都市景観の進化にも貢献できそうなところがすごいなぁと思いました。
美しいクルマが都市を行き交っているSFみたいな絵にワクワクしてしまいます。「カッコよく社会課題解決」してほしいです!
株式会社リクルートテクノロジーズ
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